俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「何が殺し合いだ、ふざけやがって」

 男は怒っていた。
 スキンヘッド、がっしりとした体格、そしてボクサーパンツの上裸の男。
 かつてボクシング界に名を轟かせ、最強とまで言われたヘビー級チャンピオン、アクセル・ホークだ。
 燃え上がる闘争心から、さらなる戦いの場に身をおいたこともあった。
 しかし、このような悪事は許すことができなかった。
 万が一、殺人に手を染めようものなら、愛する母親をどれだけ悲しませることか。
 だから、彼は殺し合いには乗らない。
 あの魔神皇と名乗る少年の性根を、たたき直すことを誓った。

 それを決めたところで、彼は袋からボクシンググローブ取り出した。
 己の拳こそが武器だが、それで人を殺めてしまうのは本意ではない。
 故に、リングと同じように、グローブを嵌めてこの場に臨むことにしたのだ。

 シュッ、シュッシュッと、風を切る音が響いた、その時だ。

「ぬおっ!?」

 彼の目の前に、突然一人の少女が現れたからだ。
 緑の髪、緑のドレス、すらっと細い体。
 そんな、どこか幼さの残る顔をした少女は、にこりとアクセルへ微笑みかけた。

「私はリディア、喚んでくれてありがとう。今後とも宜しくね」
「お、おう……」

 突然の事態に困惑しながらも、アクセルはゆっくりと今までの出来事を思い出す。
 魔神皇の言葉、COMP、封じられた悪魔。
 よもやこのグローブがそれだというのだろうか。
 ならば、目の前にいる少女は、"悪魔"ということになる。
 だが、その見てくれはどう見ても可憐な少女だ。

「しかし、子供に戦わせるのも、カッコがつかねえな……」
「あら、大丈夫よ。こう見えても私、強いんだから」

 正直な気持ちを出すと、リディアはどこからともなく鞭を取り出し、それを振るう。
 その鞭捌きは、確かに並大抵のものではない、一流の動きだった。
 しかし、それでもアクセルの表情は曇ったままだ。

「母ちゃんに言われてるんだ、強い奴は強いやつらしく生きろってな……」

 そう、彼が何よりも大事にしている母親から言われていたこと。
 女性や子供を守れるような、強い男になれ。
 その言葉が、どうにも頭から離れないのだ。

「お母さん、か……」

 ふと、アクセルの言葉にリディアの表情も曇る。
 朗らかな顔を見せていた少女の突然の変化に、アクセルは戸惑いながらも話しかける。

「どうした? 何か、悪いことでも言っちまったか」
「ううん、なんでもない」

 気にしたアクセルは、リディアに問いかけるが、リディアは即座に笑って返事をする。
 その反応にアクセルは、彼女がみなまで言わなくとも何を考えていたのかを察してしまう。

「行こう? あの魔神皇をやっつけるんでしょ?」
「ああ、そうだな」

 深くは聞かないことにしよう、と思いながら、アクセルは少女の手をとる。
 自分に娘がいれば、これくらいの年齢だったのだろうか。
 そんなことを考えながら、東京の街を歩き出した。

【?????/1日目/朝】
【アクセル・ホーク@餓狼伝説シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:魔神皇の討伐
[COMP]
1:リディア@FINAL FANTASY4
[種族]:人間
[状態]:健康

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