最終更新:ID:Eqwn4quJrQ 2016年05月02日(月) 17:24:13履歴
「くく、く……」
微かな音が響いている。
「あはは……」
ソレは一人笑い続けていた。
まず目に付くのは、黒と赤。そして金色。
細い身体の輪郭を踝まで包んでいる、皮製の黒いスカート。 同様に厚い皮で繕われた、上半身を覆う鮮血色のジャンパー
そして、右手にはナイフ型のCOMPを握りしめていた
「やっと見つけた」
白純里緒という名の青年は笑うのを止めて呟いた
その視線の先には、今しがた仕留めたばかりの悪魔を貪り喰らう男がいた
まるでスナック菓子のように、野良悪魔の腕をかじりつつも、白純の悪魔はちらりと、彼を一瞥する
常に笑っているような同時に怯えているような目が、白純の目と合った。
その瞳孔は、完全に散大していた。
年齢は50代ほどか、色褪せて破れの目立つ迷彩服を着た男性だ。髪は初老のように真っ白で、しかし肌は小麦色に焼けていた
右手の古い自動小銃はM16と思われ、弾倉が挿さっていない代わりに銃剣が装着されている。今しがた悪魔の肉を切り裂き、血に濡れたその刃は、使い込まれ、砥ぎ減りしていた
数瞬、二人は見つめ合っていた。やがて片手を上げて白純は彼の悪魔に挨拶した
「よぉ。お前が俺の召喚した悪魔ってヤツだよな?」
「イエスマイマスター。アイアムモンスター」
そう言って『忘れられたハリー』ハリー・ザ・フォーガトンは、10年来の友人に会ったような笑みを見せた。或いはそれは痴呆老人の虚ろな笑みに似ていたかも知れない
「ディスイズフォーユー」
続けてハリーが差し出した人間に似た悪魔の腕を、白純は笑みを浮かべて受け取った
「ありがとよ」
「ユアウェルカム」
自らの悪魔からの贈り物、もといお裾分けに豪快にかぶり付くマスターにやや驚きつつ、嬉しそうにハリーは笑い、そして食事に戻る
白純は味わったことのない悪魔の肉の味に少々の感動のようなものを覚えながらも、奇妙な充実感を覚えていた。
それは『自分は一人ではない』という、満たされた感覚だった
『食べる』という起源をもつ起源覚醒者、もとい最早人間というよりは複数の獣の集合体といっていいものに成り下がった白純が求めていたものに、彼はこうして出会ったのだった
【?????/1日目/朝】
【白純里緒@空の境界】
[状態]:健康
[装備]:ナイフ型のCOMP
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:優勝
[COMP]
1:ハリー・ザ・フォーガトン@殺人鬼探偵II
[状態]:健康
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