俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです


 「財閥」という言葉に聞き覚えはあるだろう。それは、平たく説明すると、凡そ400年前から続く、世界最古の豪商の一族のことを差す。
 表向きは、戦後GHQに解体させられた事になってはいるが、それはブラフである。
 現代も日本経済は、大小の差はあれど、大きく分けて4つの財閥に支配されていた。
 そして、各財閥の代表者同士が、財界での発言権を賭けて闘う、言わば代理戦争が現代でも行われている
それが「牙闘《キリングバイツ》」だ
その時代時代で最強と言われる者達が選ばれ、そして殺し合ってきた
そして近年、「近闘」の参加者は全て、獣人となった

「なんだコレ」

 そう疑問の声をあげる彼女も、その獣人のひとり。
 宇崎瞳、もとい「蜜獾(ラーテル)」の異名を誇る獣闘士は、住宅街の片隅に居た。
 もっとも、まだ「獣化」していないため、外見上は普通の女子高生にしか見えないが、彼女もまた、れっきとした獣闘士である。

「悪魔だとか何だとか…… これが今回の『獣獄刹《デストロイヤル》』なのか?」

 この殺し合いは、本来なら彼女が参加するはずだった決闘形式ではなく、複数の参加者が入り乱れての殲滅戦といった点で、獣獄刹と似通った所もある。ならば、これもそのゲームの延長線上なのではないかと推測できる。

「祠堂さんからは何も聞いてねぇけど……」

 もしくは一参加者である自分には知らされていないだけで、ルールが変わっただけかもしれない。にしても、財閥との連絡役も兼ねた彼から何の連絡もないのはおかしい。
 なら、このゲームは魔神皇とやらが、財閥とは関係なしに独断でやらかしていることなのかもしれない
 
「まぁ良いか」

 瞳はそういった疑問を一切『どうでも良いこと』として放置した。どれだけ考えたところで答えが返ってくるわけでもないし、何ら状況が変化するわけでもない

「ルールがいくら変わろうが、相手が悪魔だろうが、関係ない

 牙の鋭い方が勝つーーそれが『牙闘』だ」

 優勝するのは自分だ。
 暗にそう断言したその思考の根底には、『自分が一番強いから』という、慢心とも自信ともつかないような、傲慢すぎる意思がある

 そもそも獣人とは、人のDNAに含まれるあらゆる生物の遺伝情報から、その人間にもっとも近い「動物の因子」を抽出し、強化するといった「獣化手術」を受けた者達のことである
 つまり、ライオンやヒョウなどの、大型動物の餌場に入り込み、堂々と居座り、堂々と獲物を盗み、しかも、見つかると逆ギレするというギネス級の横暴さを誇るラーテルの因子を、色濃く持った瞳の性格が、生まれつき横暴なのも、自明の理であった。
 
「そう言えば……悪魔を与えるとか言っていたな。あいつ」

 別に自分ひとりでも十分に勝てる。悪魔というものが実在するのかはどうでもいいが、気にはなった。
 ディバックからそれらしい携帯端末を引っ張りだし、確認してみることにした

 ラーテルは、非常に好奇心の強い動物である。少しでも興味を引くものがあれば、危険を一切顧みず、何処までも追いかけていく
 即ち、ラーテルの傲慢ともとれる恐れ知らずの性質は、どんな状況にも順応、己が利を見出だせるという、柔軟性も含むんでいる
 そうして彼女が召喚することを選択した悪魔が、ひとえに『アタリ』だったのは、何ら作為のない、単に彼女自身の幸運によるものである。

 悪魔召喚プログラムとやらが起動し、そうして現れたのは、トレンチコートを着用した大柄な外国人だった。

「へー…… お前が悪魔なのか?」

「……」

 物珍しそうなサマナー、もとい瞳の言葉に、彼は答えない。かわりにその視線はじっと彼女に向けられていた
 一般的な悪魔のイメージとは異なるが、この男から発せられるオーラは並みのものではない。それだけで、人の範疇には属さない存在だというのは、一目で看破できるだろう

「最初にひとつ言っておく」

 それを感じ取ったのか、やや凶悪な笑みを浮かべた瞳は、眼前に静止する悪魔にこう言いはなった

「私は味方なんていらねえし、どこにも属さねえ」
「だからーー邪魔は、するなよ」

 その好戦的な提案に、しかし、大尉は何も答えない。その心中はわからない。
 ただ、瞳から微かに感じる獣の香りに興味を示していたことは確かだった

 そうして生粋の獣闘士と最後の人狼は会合を果たした

【?????/1日目/朝】 
【宇崎瞳@キリングバイツ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(携帯型)
[道具]:基本支給品、確認済支給品
[思考・状況]
基本:優勝狙い。やることはかわらないのでとりあえず闘う
[COMP]
1:大尉@ヘルシング
[種族]:人狼
[状態]:健康

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