最終更新:ID:UmhGIRYdCA 2016年05月20日(金) 21:34:09履歴
ここはとある駅前のバス停。
この地が本物の東京であるなら人でごった返すであろう場所だが、実際に現在ここにいるのは一人の少女だけだ。
少女の名は、多軌透。基本的には、普通の女子高生である。
「基本的には」と断ったのは、彼女は人ならざるものとの接点を持っているからだ。
彼女の祖父は妖怪をこよなく愛する男であり、独学で妖怪を研究していた。
祖父亡き後その資料を読んだ多軌は、そこにあった「妖怪が見える陣」を地面に描いてみた。
その結果本当に妖怪を目撃してしまった彼女は、妖怪による事件に巻き込まれてしまったのだ。
「なんでこんなことになっちゃうかなあ……。
今度は夏目くんも助けに来てくれないだろうし……」
うっすらと目に涙を浮かべながら、多軌は呟く。
以前妖怪に命を狙われた時は、自分以上に妖怪に関わってきた同級生が勇気を振り絞って助けてくれた。
だが今回は、その時と同じようにはいかないだろう。
「弱音吐いてたって、仕方ないよね……。
私も夏目くんを見習って、勇気を出さないと……」
涙を拭き、多軌は顔を上げる。
今度は自分が、困っている人たちを助ける番だ。
彼女はそう心に誓った。
◆ ◆ ◆
「で、これがCOMPかあ……」
手にしたタブレットを見つめながら、多軌は呟く。
「んー……。危ないのが出てこないといいんだけど」
何度も妖怪に接触してきた彼女が、今さら悪魔の存在を疑うことはない。
だが、問題はどんな悪魔が自分に支給されているかだ。
悪辣な妖怪にも善良な妖怪にも触れてきた多軌だからこそ、どちらが来るかわからず悩むのである。
「まあ悪魔を使って殺し合いしろってことなんだから、最低限言うこと聞くのが入ってると思うんだよね……。
こんなことする人の人間性を信じるってのもどうかと思うけど……。
えーい、やっちゃえ!」
覚悟を決めて、多軌は悪魔の召喚を行う。
その瞬間、彼女の視界は光に覆われた。
「え、何!? どういうこと!?」
状況がわからず、困惑する多軌。
その上空から、声が降り注ぐ。
「ふう、やっと出られたでふ~。オリジナルより小さくなってるとはいえ、COMPの中は狭っ苦しいでふぅ」
多軌に支給された悪魔。それはとても大きく、とても太った化け猫であった。
「チミがオラっちのマスターでふ? よろしくでふ~」
「か……」
「か?」
「かわいい~!!」
目を輝かせて、多軌は悪魔にしがみつく。
そのデブ猫の外見は、多軌の美的センスにどストライクであった。
【?????/1日目/朝】
【多軌透@夏目友人帳】
[状態]:健康
[装備]:タブレット型COMP
[道具]:基本支給品、確認済み支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いを望まない人たちを助ける
[COMP]
1:デカニャン@映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!
[種族]:魔獣
[状態]:健康
[備考]:全長は3メートルほどに縮小されています
この地が本物の東京であるなら人でごった返すであろう場所だが、実際に現在ここにいるのは一人の少女だけだ。
少女の名は、多軌透。基本的には、普通の女子高生である。
「基本的には」と断ったのは、彼女は人ならざるものとの接点を持っているからだ。
彼女の祖父は妖怪をこよなく愛する男であり、独学で妖怪を研究していた。
祖父亡き後その資料を読んだ多軌は、そこにあった「妖怪が見える陣」を地面に描いてみた。
その結果本当に妖怪を目撃してしまった彼女は、妖怪による事件に巻き込まれてしまったのだ。
「なんでこんなことになっちゃうかなあ……。
今度は夏目くんも助けに来てくれないだろうし……」
うっすらと目に涙を浮かべながら、多軌は呟く。
以前妖怪に命を狙われた時は、自分以上に妖怪に関わってきた同級生が勇気を振り絞って助けてくれた。
だが今回は、その時と同じようにはいかないだろう。
「弱音吐いてたって、仕方ないよね……。
私も夏目くんを見習って、勇気を出さないと……」
涙を拭き、多軌は顔を上げる。
今度は自分が、困っている人たちを助ける番だ。
彼女はそう心に誓った。
◆ ◆ ◆
「で、これがCOMPかあ……」
手にしたタブレットを見つめながら、多軌は呟く。
「んー……。危ないのが出てこないといいんだけど」
何度も妖怪に接触してきた彼女が、今さら悪魔の存在を疑うことはない。
だが、問題はどんな悪魔が自分に支給されているかだ。
悪辣な妖怪にも善良な妖怪にも触れてきた多軌だからこそ、どちらが来るかわからず悩むのである。
「まあ悪魔を使って殺し合いしろってことなんだから、最低限言うこと聞くのが入ってると思うんだよね……。
こんなことする人の人間性を信じるってのもどうかと思うけど……。
えーい、やっちゃえ!」
覚悟を決めて、多軌は悪魔の召喚を行う。
その瞬間、彼女の視界は光に覆われた。
「え、何!? どういうこと!?」
状況がわからず、困惑する多軌。
その上空から、声が降り注ぐ。
「ふう、やっと出られたでふ~。オリジナルより小さくなってるとはいえ、COMPの中は狭っ苦しいでふぅ」
多軌に支給された悪魔。それはとても大きく、とても太った化け猫であった。
「チミがオラっちのマスターでふ? よろしくでふ~」
「か……」
「か?」
「かわいい~!!」
目を輝かせて、多軌は悪魔にしがみつく。
そのデブ猫の外見は、多軌の美的センスにどストライクであった。
【?????/1日目/朝】
【多軌透@夏目友人帳】
[状態]:健康
[装備]:タブレット型COMP
[道具]:基本支給品、確認済み支給品
[思考・状況]
基本:殺し合いを望まない人たちを助ける
[COMP]
1:デカニャン@映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!
[種族]:魔獣
[状態]:健康
[備考]:全長は3メートルほどに縮小されています
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