最終更新:ID:PcaMvOXMag 2016年05月21日(土) 17:29:11履歴
現在、宇宙開発局は人類の宇宙進出に向けて新たな企画を立てていた。
TVクルーの宇宙進出である。
宇宙飛行士による撮影ではなく、宇宙に関して何の知識もないリポーターやカメラマンを宇宙に連れて行こうというのだ。
その栄えある一人目のリポーターに選ばれたのは――
*
オレンジ色の近未来的な衣装に身を包んだ女性が、ハンディカメラを片手に持ち自分にレンズを向けていた。
彼女の持つビデオカメラは支給された荷物に入っていた物であり、COMPとしての昨日も内包している。
さて、この殺伐とした状況で彼女が何をしているかというと――
「皆さんこんにちは。今回のうららリポートショーは、私達が“マジンノウ”を名乗る青年によって拉致され、殺し合いを強制されている事件を撮影していきます」
バトルロワイヤルの現場リポートだった。
ビデオカメラがどこかに繋がっている訳でもなく、テープを持ち帰らなくては意味のない行為である。
しかし、それが自分以外の誰かだとしても、この惨劇を外に伝えて青年を逮捕する証拠になるならそれ越したことはない。
そう心に決め、うららはリポートを開始したのだった。
「今回の事件のキーワードは、悪魔と呼ばれる存在だと思われます。一体どんな生物なのでしょうか、怪しい気配がぎゅんぎゅんします。現在私が使っているこのカメラにも封印されている様なので、さっそく呼び出してみたいと思います」
うららはカメラのメニュー画面を開き、『悪魔召喚プログラム』と書かれたボタンを押した。
カメラのレンズから射出される様に光が溢れ、何者かが地面に降り立った。
低い姿勢でクモのように足を開いているそれは、真っ赤な全身タイツで身を包んだ男のように見える。
「ヘイ! 引っかかったな! スパイディだと思っただろ? 残念、デッドプールちゃんだよ!
スパイディは大人気だからこんなところに来られるほど暇じゃあないんだ……
――ん? ソレってオレちゃんが暇だと思われてるって事? ワォ!なんてこった、これから映画も始まるのに!?」
デッドプールと名乗る男は、出てきた途端まくし立てるようにハイテンションで喋り続けている。
うららはその様子を撮影しつつも、あまりの驚きに言葉を失ってしまっていた。
「オレちゃんばっかり聖杯戦争だの二次創作SSだの引っ張りだこでもう大変よ!
え、なになに? これも全部ハザマって奴のせいなの!? ファ○ク! ユグドラシルぜってぇ許さねェ!今すぐにでもあの童貞臭い面に鉛弾をぶち込みたいぜ! なぁ、嬢ちゃんもそう思うだろ!?」
怒りに燃えるデッドプールはそのまま息をつく暇もなくうららに同意を求めた。
出始めから第四の壁を壊しまくっている彼の言葉がうららに理解できるはずもなく、うららは混乱の色を刻するばかりである。
だが、仮にも自分に話を振られたことでうららは平静を取り戻す事ができたのだった。
「えーと、“ハザマ”というのは“マジンノウ”と名乗る青年のことでしょうか?」
「イエス! ちゃんとOPかWiki見ないとダメよ? ご丁寧に主催者【ハザマ@真・女神転生if...】って書いてくれてるんだから! これだったらメガテンの攻略本買ってくれば安心じゃん!
……ってあれ? うららちゃん原作とふいんき()違くね? 髪切った?」
困惑するうららに対して、デッドプールも疑問を生じさせた。
デッドプールの知る『スペースチャンネル5』に登場するうららとは何かが違うように感じたのだ。
それもそのはず、このバトルロワイヤルは現代人に重きを置いており、宇宙進出した後の未来人であるうらら達とは少し異なる設定なのだ。
「↑おいおい! それマジ? じゃあモロ星人の話とか出来ないの? 超ショック! うららちゃんがいるのにあのダンスキチ星人居なかったら折角のダンスが見れないじゃん!」
恐らくこの会場内でデッドプール以外は共感できない悩みだが、本人は結構真剣に悲しんだ。
しかし、そこで泣き寝入りしないのがデッドプールである。
うららが踊る相手が居ないなら自分が踊ればいい、ととっさに閃いたのだ。
「うららちゃんはこの後どうするの? 殺し合いに乗るの?」
「まさか、私は殺し合いをさせられている人達を助けながら、この惨状を収めたテープを持ち帰ることが目的よ」
「オーケーオーケー、人助けするのは原作と一緒なわけね。よーし、じゃあ協力するから一緒に踊ろう! オレちゃんの後に合わせて、レッツ・ダンス! Up Down Right Left Chu! Chu! Chu! うわ楽しい!!」
デッドプール自身は自然な流れで踊りに誘ったつもりだったが、全くもって不自然である。
うららは自分にカメラのレンズを向け、きちんと写っていることを確認すると再びリポートを開始した。
「捕まった人々を助けるため、私は悪魔と交渉を行いました。悪魔はダンスを求めている様なので、とりあえず踊ってみたいと思います」
デッドプールとうららは互いに妙にキレキレなダンスを披露し、友情を深めあった。
こうして、ダンスと射撃が上手いリポーターと不死身の狂ったヒーローは結託して前に進む。
要救助者を助け、殺し合いに乗る者を挫くために。
「オーケー、出だしは快調だな。この調子でオレちゃんが楽しくバトルロワイヤルを生中継しちゃうぜ! え? ビデオカメラだから生中継じゃないって? お前らに見えてんだろーがッ! 華麗にハザマちゃんの鼻っ柱をなます斬りにしてやるからよく見とけ!」
「おっと、忘れるところだった――チャンネルはそのまま♪」
【?????/1日目/朝】
【うらら@スペースチャンネル5】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ハンディカメラ型)
[道具]:基本支給品、銃(詳細は未確認)
[思考・状況]
基本:人を助けつつ、現場をカメラに収め持ち帰る。
[COMP]
1:デッドプール@MARVELコミックス
[種族]:ヒーロー(ミューテイト)
[状態]:健康
TVクルーの宇宙進出である。
宇宙飛行士による撮影ではなく、宇宙に関して何の知識もないリポーターやカメラマンを宇宙に連れて行こうというのだ。
その栄えある一人目のリポーターに選ばれたのは――
*
オレンジ色の近未来的な衣装に身を包んだ女性が、ハンディカメラを片手に持ち自分にレンズを向けていた。
彼女の持つビデオカメラは支給された荷物に入っていた物であり、COMPとしての昨日も内包している。
さて、この殺伐とした状況で彼女が何をしているかというと――
「皆さんこんにちは。今回のうららリポートショーは、私達が“マジンノウ”を名乗る青年によって拉致され、殺し合いを強制されている事件を撮影していきます」
バトルロワイヤルの現場リポートだった。
ビデオカメラがどこかに繋がっている訳でもなく、テープを持ち帰らなくては意味のない行為である。
しかし、それが自分以外の誰かだとしても、この惨劇を外に伝えて青年を逮捕する証拠になるならそれ越したことはない。
そう心に決め、うららはリポートを開始したのだった。
「今回の事件のキーワードは、悪魔と呼ばれる存在だと思われます。一体どんな生物なのでしょうか、怪しい気配がぎゅんぎゅんします。現在私が使っているこのカメラにも封印されている様なので、さっそく呼び出してみたいと思います」
うららはカメラのメニュー画面を開き、『悪魔召喚プログラム』と書かれたボタンを押した。
カメラのレンズから射出される様に光が溢れ、何者かが地面に降り立った。
低い姿勢でクモのように足を開いているそれは、真っ赤な全身タイツで身を包んだ男のように見える。
「ヘイ! 引っかかったな! スパイディだと思っただろ? 残念、デッドプールちゃんだよ!
スパイディは大人気だからこんなところに来られるほど暇じゃあないんだ……
――ん? ソレってオレちゃんが暇だと思われてるって事? ワォ!なんてこった、これから映画も始まるのに!?」
デッドプールと名乗る男は、出てきた途端まくし立てるようにハイテンションで喋り続けている。
うららはその様子を撮影しつつも、あまりの驚きに言葉を失ってしまっていた。
「オレちゃんばっかり聖杯戦争だの二次創作SSだの引っ張りだこでもう大変よ!
え、なになに? これも全部ハザマって奴のせいなの!? ファ○ク! ユグドラシルぜってぇ許さねェ!今すぐにでもあの童貞臭い面に鉛弾をぶち込みたいぜ! なぁ、嬢ちゃんもそう思うだろ!?」
怒りに燃えるデッドプールはそのまま息をつく暇もなくうららに同意を求めた。
出始めから第四の壁を壊しまくっている彼の言葉がうららに理解できるはずもなく、うららは混乱の色を刻するばかりである。
だが、仮にも自分に話を振られたことでうららは平静を取り戻す事ができたのだった。
「えーと、“ハザマ”というのは“マジンノウ”と名乗る青年のことでしょうか?」
「イエス! ちゃんとOPかWiki見ないとダメよ? ご丁寧に主催者【ハザマ@真・女神転生if...】って書いてくれてるんだから! これだったらメガテンの攻略本買ってくれば安心じゃん!
……ってあれ? うららちゃん原作とふいんき()違くね? 髪切った?」
困惑するうららに対して、デッドプールも疑問を生じさせた。
デッドプールの知る『スペースチャンネル5』に登場するうららとは何かが違うように感じたのだ。
それもそのはず、このバトルロワイヤルは現代人に重きを置いており、宇宙進出した後の未来人であるうらら達とは少し異なる設定なのだ。
「↑おいおい! それマジ? じゃあモロ星人の話とか出来ないの? 超ショック! うららちゃんがいるのにあのダンスキチ星人居なかったら折角のダンスが見れないじゃん!」
恐らくこの会場内でデッドプール以外は共感できない悩みだが、本人は結構真剣に悲しんだ。
しかし、そこで泣き寝入りしないのがデッドプールである。
うららが踊る相手が居ないなら自分が踊ればいい、ととっさに閃いたのだ。
「うららちゃんはこの後どうするの? 殺し合いに乗るの?」
「まさか、私は殺し合いをさせられている人達を助けながら、この惨状を収めたテープを持ち帰ることが目的よ」
「オーケーオーケー、人助けするのは原作と一緒なわけね。よーし、じゃあ協力するから一緒に踊ろう! オレちゃんの後に合わせて、レッツ・ダンス! Up Down Right Left Chu! Chu! Chu! うわ楽しい!!」
デッドプール自身は自然な流れで踊りに誘ったつもりだったが、全くもって不自然である。
うららは自分にカメラのレンズを向け、きちんと写っていることを確認すると再びリポートを開始した。
「捕まった人々を助けるため、私は悪魔と交渉を行いました。悪魔はダンスを求めている様なので、とりあえず踊ってみたいと思います」
デッドプールとうららは互いに妙にキレキレなダンスを披露し、友情を深めあった。
こうして、ダンスと射撃が上手いリポーターと不死身の狂ったヒーローは結託して前に進む。
要救助者を助け、殺し合いに乗る者を挫くために。
「オーケー、出だしは快調だな。この調子でオレちゃんが楽しくバトルロワイヤルを生中継しちゃうぜ! え? ビデオカメラだから生中継じゃないって? お前らに見えてんだろーがッ! 華麗にハザマちゃんの鼻っ柱をなます斬りにしてやるからよく見とけ!」
「おっと、忘れるところだった――チャンネルはそのまま♪」
【?????/1日目/朝】
【うらら@スペースチャンネル5】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ハンディカメラ型)
[道具]:基本支給品、銃(詳細は未確認)
[思考・状況]
基本:人を助けつつ、現場をカメラに収め持ち帰る。
[COMP]
1:デッドプール@MARVELコミックス
[種族]:ヒーロー(ミューテイト)
[状態]:健康
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