最終更新:ID:quVNtjqTaw 2016年05月21日(土) 16:40:45履歴
「はぁ・・・はぁ・・・!」
柊つかさは走っていた。
体育祭の時でもこんなに全力疾走したことが無いと言い切れるほどに。脚の筋肉が悲鳴を挙げるほどに。
額から滝のように汗を流しながら、彼女は走っていた。
その顔に浮かんでいるのは、ただ一つ・・・『恐怖』だ。
一瞬でも立ち止まれば、その時点で自身の命は無い・・・本能的にそう察したからこその全力疾走だった。
「ハァ・・・ハァ・・・」
走って走って走って走って走って走って・・・それでも背後からの気配は消えず、距離も縮まらない。
それが一層『恐怖』として彼女に走る力を与えていた。
「ハァ・・・ハァ・・」
少しでも相手を撒こうと、つかさは路地の曲がり角に潜り込んだが・・・
「!?」
そこはコンクリートの塀で行き止まりとなっていた。
「そ・・・そんな・・・」
その絶望的状況に、つかさは膝をついた。
走り続けて彼女の足は限界を迎えてしまい、もはや自身の体を支えることもできなくなっていた。
「・・・ゴクッ」
つかさは唾を飲み込むと、恐る恐る後ろを振り返った。そこには・・・
『ホーホーホー』
魔法使いが被るような先が曲がった尖がり帽子と緑色のマントを身に着けたハロウィンのカボチャのお化けそのままの姿をした悪魔・・・
ジャックランタンが、フワフワと宙に浮かんで笑い声とも歓声ともつかない不気味な声を挙げていた。
「あ、あぁ・・・」
つかさは恐怖で顔を強張らせ、何とかジャックランタンと距離を取ろうと四つん這いで逃げていくが、コンクリートの壁に阻まれてしまう。
『ホーホーホー』
ジャックランタンはそんなつかさをあざ笑うかのように不気味な声を挙げると、目を燃える炎のようにギラギラと輝かせて、つかさに近寄っていく。
「こ、こないで!」
つかさは支給されたバックパックの中の食料や飲料水をジャックランタンに投げつけるが、
ジャックランタンはそんな物を意にも介さずに、つかさに近づいていった。
「あ・・・あぁ・・・」
つかさはタレている眼を涙で潤わせ、最後にバックパックの中に残った電子手帳型COMPを握りしめる。
『ホー・・・ホー・・・ホー!』
つかさの抵抗が終わったことを感じたらしいジャックランタンは、口と眼窩の奥に紅い炎を灯らせ、
今にも吐き出さんと言わんばかりに燃えたぎらせる。
その滑稽的でいて恐ろしい姿に、つかさの恐怖はついに限界を迎えた。
「だ・・・誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
つかさは叫んだ。
何処の誰でも良い。悪魔でも天使でもどっちでも構わない。
誰か助けて。そう強く願った。
その願いを聞き届けたのは神か魔王か。
つかさのCOMPから眩い光が溢れだした。
「きゃっ!!」
『ホー!?』
あまりに眩しい光に、つかさのみならず、ジャックランタンまで怯ませた。
そして光が晴れると・・・つかさの正面に、一人の男が立っていた。
黒い服と赤いマフラーを身に着けたピンク色の短髪の男性・・・。
そんな人物がジャックランタンと向き合う形で、つかさの正面に立っていたのだ。
「「・・・」」
突然の第三者の出現に、つかさもジャックランタンも凍りついたかのように固まっていた。
『・・・ホーホー!!』
先に動いたのはジャックランタンだった。
ジャックランタンは眼窩と口内で赤い炎を燃え上がらせながら、男性に向って突進した。
それに対し、男性は包帯で覆われている左手をジャックランタンに向けた。
すると、男性の左腕から竜のような形の真紅の炎が放たれ、ジャックランタンを包み込んだ。
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・・』
炎に包まれたジャックランタンは人間の物よりも甲高い苦痛の叫びを響き渡らせながら、灰の山と化していった。
「・・・」
その光景に、つかさはあんぐりと口を開けて呆然としていた。
ジャックランタンが完全に灰と化すと、男性はつかさの方に振り返った。
その男性は整った顔立ちをしていて、ピンク色の前髪で左目が隠れていた。
「・・・」
男性はつかさに近寄ると、つかさに向けて右腕を伸ばした。
「・・・!」
思わずつかさは目をぎゅっと瞑ったのだが・・・
ポフッ
男性はつかさの頭に手を置き、ワシワシと撫でた。
(えっ・・・?)
恐る恐るつかさが目を開けると・・・
「大丈夫だ。俺は・・・」
「俺は味方だ」
その瞳は晴れの日の空のように澄み切っていた。
【???????/一日目/朝】
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:極度の疲労とストレス
[装備]:電子手帳型COMP
[道具]:基本支給品、未確認支給品
[思考・状況]
基本:死にたくない
備考※周りに支給品が散らばっている。
[COMP]
1:人吉爾郎@コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜
[種族]:超人
[状態]:健康
柊つかさは走っていた。
体育祭の時でもこんなに全力疾走したことが無いと言い切れるほどに。脚の筋肉が悲鳴を挙げるほどに。
額から滝のように汗を流しながら、彼女は走っていた。
その顔に浮かんでいるのは、ただ一つ・・・『恐怖』だ。
一瞬でも立ち止まれば、その時点で自身の命は無い・・・本能的にそう察したからこその全力疾走だった。
「ハァ・・・ハァ・・・」
走って走って走って走って走って走って・・・それでも背後からの気配は消えず、距離も縮まらない。
それが一層『恐怖』として彼女に走る力を与えていた。
「ハァ・・・ハァ・・」
少しでも相手を撒こうと、つかさは路地の曲がり角に潜り込んだが・・・
「!?」
そこはコンクリートの塀で行き止まりとなっていた。
「そ・・・そんな・・・」
その絶望的状況に、つかさは膝をついた。
走り続けて彼女の足は限界を迎えてしまい、もはや自身の体を支えることもできなくなっていた。
「・・・ゴクッ」
つかさは唾を飲み込むと、恐る恐る後ろを振り返った。そこには・・・
『ホーホーホー』
魔法使いが被るような先が曲がった尖がり帽子と緑色のマントを身に着けたハロウィンのカボチャのお化けそのままの姿をした悪魔・・・
ジャックランタンが、フワフワと宙に浮かんで笑い声とも歓声ともつかない不気味な声を挙げていた。
「あ、あぁ・・・」
つかさは恐怖で顔を強張らせ、何とかジャックランタンと距離を取ろうと四つん這いで逃げていくが、コンクリートの壁に阻まれてしまう。
『ホーホーホー』
ジャックランタンはそんなつかさをあざ笑うかのように不気味な声を挙げると、目を燃える炎のようにギラギラと輝かせて、つかさに近寄っていく。
「こ、こないで!」
つかさは支給されたバックパックの中の食料や飲料水をジャックランタンに投げつけるが、
ジャックランタンはそんな物を意にも介さずに、つかさに近づいていった。
「あ・・・あぁ・・・」
つかさはタレている眼を涙で潤わせ、最後にバックパックの中に残った電子手帳型COMPを握りしめる。
『ホー・・・ホー・・・ホー!』
つかさの抵抗が終わったことを感じたらしいジャックランタンは、口と眼窩の奥に紅い炎を灯らせ、
今にも吐き出さんと言わんばかりに燃えたぎらせる。
その滑稽的でいて恐ろしい姿に、つかさの恐怖はついに限界を迎えた。
「だ・・・誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
つかさは叫んだ。
何処の誰でも良い。悪魔でも天使でもどっちでも構わない。
誰か助けて。そう強く願った。
その願いを聞き届けたのは神か魔王か。
つかさのCOMPから眩い光が溢れだした。
「きゃっ!!」
『ホー!?』
あまりに眩しい光に、つかさのみならず、ジャックランタンまで怯ませた。
そして光が晴れると・・・つかさの正面に、一人の男が立っていた。
黒い服と赤いマフラーを身に着けたピンク色の短髪の男性・・・。
そんな人物がジャックランタンと向き合う形で、つかさの正面に立っていたのだ。
「「・・・」」
突然の第三者の出現に、つかさもジャックランタンも凍りついたかのように固まっていた。
『・・・ホーホー!!』
先に動いたのはジャックランタンだった。
ジャックランタンは眼窩と口内で赤い炎を燃え上がらせながら、男性に向って突進した。
それに対し、男性は包帯で覆われている左手をジャックランタンに向けた。
すると、男性の左腕から竜のような形の真紅の炎が放たれ、ジャックランタンを包み込んだ。
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・・』
炎に包まれたジャックランタンは人間の物よりも甲高い苦痛の叫びを響き渡らせながら、灰の山と化していった。
「・・・」
その光景に、つかさはあんぐりと口を開けて呆然としていた。
ジャックランタンが完全に灰と化すと、男性はつかさの方に振り返った。
その男性は整った顔立ちをしていて、ピンク色の前髪で左目が隠れていた。
「・・・」
男性はつかさに近寄ると、つかさに向けて右腕を伸ばした。
「・・・!」
思わずつかさは目をぎゅっと瞑ったのだが・・・
ポフッ
男性はつかさの頭に手を置き、ワシワシと撫でた。
(えっ・・・?)
恐る恐るつかさが目を開けると・・・
「大丈夫だ。俺は・・・」
「俺は味方だ」
その瞳は晴れの日の空のように澄み切っていた。
【???????/一日目/朝】
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:極度の疲労とストレス
[装備]:電子手帳型COMP
[道具]:基本支給品、未確認支給品
[思考・状況]
基本:死にたくない
備考※周りに支給品が散らばっている。
[COMP]
1:人吉爾郎@コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜
[種族]:超人
[状態]:健康
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