俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

「絶望した!」

 糸色望は叫んだ。
 叫ばざるを得なかった。
 いきなり殺し合いに巻き込まれ、人を殺して悪魔だ何だとのたまう青年に、見知らぬ土地。
 普段から絶望絶望連呼している彼でなくとも絶望的な状況だ。

「ああ! 私のリストアップした自殺スポットが全部ムダになってしまったじゃないか!」

 もはやこのバトルロワイヤルの会場から逃れ得ることはできない。
 いつか死ぬ時のためにやっておいた準備も全部水の泡とかしてしまったのだ。

「行動が制限され、自由に自殺もできない状況なんて……!」

 嘆きの言葉を口にしながら、望はデイバッグを漁る。
 おあつらえ向きに丁度良い長さのロープが入っていた。

「もう嫌だ! いっそこの場で死んでやるー!」

 慣れた手つきで近くの木に縄をかけると、そのまま輪を作り首を通した。
 ――すると、ロープが光輝き何者かが出現する。
 あまりの現象に驚いた望は、思わずロープから手を離してしまった。

「うぐっ……」

 手が離れた事で、首だけで全体重を支えることになってしまった――つまりは首吊り状態である。
 現れた何者かが何かを言っているが、顔がみるみる土気色に変わっている望には聞き取ることができない。
 もう死ぬかと思われたその時――悪魔によって枝が切り落とされ、望は地面に墜落した。

「……貴方は一体何をし「死んだらどうする!!」」

 悪魔の言葉は望の叫びに遮られてしまった。
 到底自殺する人間が放つ言葉とは思えない叫びであるが、望の自殺は虚言であり死ぬつもりなど端から無いのだ。

「貴方が突然光って出てきたおかげで、驚いて手を離してしまったじゃないですか! 危うく死んでしまうところでしたよ!」

「ご丁寧に輪まで作って木にかけて、死ぬ気では無かったと? すぐにCOMPに戻されては堪らなかったので助けましたが……次はありませんよ?」

 理不尽な望むの言葉に、悪魔は細めていた目をギョロリと見開き警告を促した。
 
「私はカワリーノと申します。以後、よろしくお願い致します」

 カワリーノと名乗った悪魔は、先の出来事など無かったかのように丁寧な自己紹介をし直した。
 偽りの絶望を騙る教師と世を絶望で満たそうとする悪魔は奇妙な出会いを果たした。
 チキンな性格の望は、はたしてこの厄介な悪魔を御しきれるのか。
 絶望の叫びは、当分止むことは無さそうである。



【?????/1日目/朝】
【糸色望@さよなら絶望先生】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ロープ型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:絶望した!
[COMP]
1:カワリーノ@Yes!プリキュア5
[種族]:魔族
[状態]:健康

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