最終更新:ID:31XirdbEFw 2016年05月21日(土) 22:46:38履歴
「はーあー……なんでこないなことになってしもうたんやろうなー……。
覇異武立闘との戦いも終わって、やっと平和になったと思うとったのに……」
「ブオー」
東京を模した街の一角で、勝ち得た平和の儚さを嘆いているのは、白いゆるキャラのコンビ……ではなく。
かつて幾度となく、世界の平和を守るために戦った武者頑駄無と、その相棒である牛に似た謎の生物のような鎧であった。
どこから見ても口が×で背中に翼が生えている牛っぽい生物だが、これでも鎧なのである。本当に。
武者丸のように、現代日本での平和な日々に現を抜かした結果、武ちゃ丸と化し平和ボケして腑抜けた成れの果てではないのである。
「それに、なんか、ブオーの体に変なモン埋まっとるし……」
「ブオ〜」
武ちゃ丸はそう言って、ブオーの体に埋め込まれているテレビのような液晶画面を叩いた。どうやらそれに反応したらしく、モニタが点いた。
「ん〜……これがCOMPっちゅうやつやろな。どれ、ぽちっと」
タッチパネル操作に慣れのない武ちゃ丸だったが、表示画面にはご親切に「ここを押す」など分かり易い表示がされていて、迷うことなく悪魔召喚プログラムの発動に成功した。
「ぶっ……」
「ん?」
おや? ブオーのようすが……?
ブオーは小刻みに震えだし、次第に顔色が青褪めていく。
そして……――
「ぶおおおおお……」
「おぎゃー!? えらいことになってもーたー!!?」
――盛大に吐いた。吐瀉物ではなく、悪魔を。
しかしゆるい外見の牛のような生物っぽい鎧の×の字の口から、人間が吐き出されるように悪魔が召喚される光景は、
関西人の魂を持つ武者丸をしてツッコミを忘れてしまう惨事となっていた。
「……ふむ」
しかし、召喚された悪魔は落ち着いたもので、全身が出るとすぐに立ち上がり、全身に異常が無いことを確かめて一つ頷いた。
「おっちゃん、大丈夫かいな!?」
「中々、得難い体験をさせてもらった。君が、召喚者かね?」
召喚されたのは悪魔……なのだろうが、魔刃頑駄無のような、魔界の住人独特の禍々しいオーラは無く、外見も人間と何ら変わりなかった。
髪と一体化するほどに蓄えられた顎鬚が熊のような印象を与え、或いは少年少女なら怯えたかもしれないが、
歴戦の武者である武ちゃ丸は動じず、促されるまま自己紹介を始めた。
「せや。ワイは武者丸、武ちゃ丸ちゃうで。で、こっちのおっちゃんを吐き出したんがブオーや。
ワイの……ま、相棒みたいなもんや」
「ブオッ」
説明の難しいブオーのことは簡単に紹介するに留める。
ブオーも落ち着いたようで、前足を掲げて挨拶した。
対する悪魔は一つ頷くと、片膝をつき、武ちゃ丸と目線の高さを合わせてから自らの身を明かした。
「わしはトゥバン・サノオ。兵法家だ。こんごともよろしく、武者丸殿」
穏やかな笑みを浮かべ、トゥバンは礼儀正しく挨拶をした。
これに武ちゃ丸は感極まり、大仰に涙目になった。
「うう……何が悪魔や、めっちゃええおっちゃんやんかなぁ……こっちこそ、よろしゅうな」
武ちゃ丸が手を差し出すと、トゥバンはすぐに手を取り、そこへブオーも前足を重ねた。
3人は手を取り合い、この殺し合いを打破するために一致団結することを誓い合った。
「ところで、君は人間なのかな?」
「うんにゃ。ワイは武者、武者頑駄無や」
「武者……ガンダム?」
2人はまだ知らない。
日本が沈没する運命が変わった世界と、日本が沈没した歴史の上に成り立つ世界。
お互いの元いた世界の、不思議な接点を。
そして、武ちゃ丸は知らない。
トゥバン・サノオがその身に棲まわせる、人ならぬものを。
そして、トゥバン・サノオも知らない。
武ちゃ丸が人外の勇者であり、屈指の剣豪でもあるということを。
【??????/一日目/朝】
【武者丸(武ちゃ丸)@武者○伝シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ブオーに内蔵)
[道具]:基本支給品一式、ブオー@武者○伝シリーズ
[思考・状況]
基本:悪党を成敗する
[COMP]
1:トゥバン・サノオ@海皇紀
[種族]:人間
[状態]:健康
覇異武立闘との戦いも終わって、やっと平和になったと思うとったのに……」
「ブオー」
東京を模した街の一角で、勝ち得た平和の儚さを嘆いているのは、白いゆるキャラのコンビ……ではなく。
かつて幾度となく、世界の平和を守るために戦った武者頑駄無と、その相棒である牛に似た謎の生物のような鎧であった。
どこから見ても口が×で背中に翼が生えている牛っぽい生物だが、これでも鎧なのである。本当に。
武者丸のように、現代日本での平和な日々に現を抜かした結果、武ちゃ丸と化し平和ボケして腑抜けた成れの果てではないのである。
「それに、なんか、ブオーの体に変なモン埋まっとるし……」
「ブオ〜」
武ちゃ丸はそう言って、ブオーの体に埋め込まれているテレビのような液晶画面を叩いた。どうやらそれに反応したらしく、モニタが点いた。
「ん〜……これがCOMPっちゅうやつやろな。どれ、ぽちっと」
タッチパネル操作に慣れのない武ちゃ丸だったが、表示画面にはご親切に「ここを押す」など分かり易い表示がされていて、迷うことなく悪魔召喚プログラムの発動に成功した。
「ぶっ……」
「ん?」
おや? ブオーのようすが……?
ブオーは小刻みに震えだし、次第に顔色が青褪めていく。
そして……――
「ぶおおおおお……」
「おぎゃー!? えらいことになってもーたー!!?」
――盛大に吐いた。吐瀉物ではなく、悪魔を。
しかしゆるい外見の牛のような生物っぽい鎧の×の字の口から、人間が吐き出されるように悪魔が召喚される光景は、
関西人の魂を持つ武者丸をしてツッコミを忘れてしまう惨事となっていた。
「……ふむ」
しかし、召喚された悪魔は落ち着いたもので、全身が出るとすぐに立ち上がり、全身に異常が無いことを確かめて一つ頷いた。
「おっちゃん、大丈夫かいな!?」
「中々、得難い体験をさせてもらった。君が、召喚者かね?」
召喚されたのは悪魔……なのだろうが、魔刃頑駄無のような、魔界の住人独特の禍々しいオーラは無く、外見も人間と何ら変わりなかった。
髪と一体化するほどに蓄えられた顎鬚が熊のような印象を与え、或いは少年少女なら怯えたかもしれないが、
歴戦の武者である武ちゃ丸は動じず、促されるまま自己紹介を始めた。
「せや。ワイは武者丸、武ちゃ丸ちゃうで。で、こっちのおっちゃんを吐き出したんがブオーや。
ワイの……ま、相棒みたいなもんや」
「ブオッ」
説明の難しいブオーのことは簡単に紹介するに留める。
ブオーも落ち着いたようで、前足を掲げて挨拶した。
対する悪魔は一つ頷くと、片膝をつき、武ちゃ丸と目線の高さを合わせてから自らの身を明かした。
「わしはトゥバン・サノオ。兵法家だ。こんごともよろしく、武者丸殿」
穏やかな笑みを浮かべ、トゥバンは礼儀正しく挨拶をした。
これに武ちゃ丸は感極まり、大仰に涙目になった。
「うう……何が悪魔や、めっちゃええおっちゃんやんかなぁ……こっちこそ、よろしゅうな」
武ちゃ丸が手を差し出すと、トゥバンはすぐに手を取り、そこへブオーも前足を重ねた。
3人は手を取り合い、この殺し合いを打破するために一致団結することを誓い合った。
「ところで、君は人間なのかな?」
「うんにゃ。ワイは武者、武者頑駄無や」
「武者……ガンダム?」
2人はまだ知らない。
日本が沈没する運命が変わった世界と、日本が沈没した歴史の上に成り立つ世界。
お互いの元いた世界の、不思議な接点を。
そして、武ちゃ丸は知らない。
トゥバン・サノオがその身に棲まわせる、人ならぬものを。
そして、トゥバン・サノオも知らない。
武ちゃ丸が人外の勇者であり、屈指の剣豪でもあるということを。
【??????/一日目/朝】
【武者丸(武ちゃ丸)@武者○伝シリーズ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ブオーに内蔵)
[道具]:基本支給品一式、ブオー@武者○伝シリーズ
[思考・状況]
基本:悪党を成敗する
[COMP]
1:トゥバン・サノオ@海皇紀
[種族]:人間
[状態]:健康
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