慣れ親しんでいる街、東京。
姿形は同じでも、どこかが"違う"街の中。
バーテン服に身を包み、漆黒のサングラスをかけた、金髪の男が立っている。
彼の名は、平和島静雄。
人々は、彼を"池袋最強の男"と呼ぶ。
その瞳に浮かんでいるのは、静かな怒り。
平和島静雄という一人の男は、決して争いを好まない。
何より暴力を振るうことは、彼が忌避していることの最たるものだ。
だが、純白に身を包んだ少年、魔神皇と名乗る彼は、確かにそう告げた。
これから「殺し合い」をしてもらう、と。
黒とは正反対の色、白。
それに身を包んでいながらも、彼の考えはアイツに匹敵するほど邪悪であった。
「はいそうですか、とは行かねえよな」
当然、それに従うわけにはいかない。
人殺しをする趣味も、誰かを殺してまで生き残ろうと思う気持ちもない。
ましてや、そうまでして願いを叶えてもらおうとは思わない。
「……何にせよだ、まずアイツは殺す。それは決定だ」
考えれば考えるほど、怒りは静かに溜まっていく。
次にその姿を見た時は、容赦することは無い。
そう心に誓いながら、懐に手を伸ばし何かを取り出そうとする。
だがそこには何もなく、伸ばした手は空を切るだけであった。
小さく舌打ちをした後、側に置かれていた一つの袋が目に入る。
いかにも、といった感じで置かれているそれは、考えるまでもなく"ヤツ"の差金だ。
もう一度舌打ちをして、仕方がなく袋の中身を確認する。
待ってましたと言わんばかりに姿を現したのは、愛用している煙草が数箱と一本のライター。
バカにされているのだろうか、と思い頭に血が上りそうになるが、今は暴れても仕方がないと必死に抑えこむ。
そして、適当に取り出した一箱から一本取り出し、慣れた手つきで火を付けた、その時だった。
「あ?」
ふと前を向くと、そこには見慣れない人影があった。
豊満な体に、軽くウェーブのかかった豊かな金髪。そして両腕には奇妙な篭手。
自分ほどではないが背も少し高い、そんな一人の女性が、音もなく現れていたのだ。
「ハーイッ! サマナーさん、御機嫌いかが!?」
静雄が状況を理解するよりも早く、彼女は静雄へと飛びかかって抱きついていく。
突然の出来事に、静雄が出来たのは煙草を後ろへ投げ飛ばすことくらいだった。
「あだッ!?」
勢い余ってか、それとも彼女が加減を忘れたのか。
見た目からは想像つかない静雄の強靭な肉体が、わずかに悲鳴を上げる。
「お、おい、離せッ!」
静雄のことをそっちのけで頬ずりを続けていた彼女を、静雄は傷つけないように優しく引き剥がす。
ある種の拘束から逃れた所で、服のシワを伸ばすように軽く払っていく。
「あら、馴れ初めのハグじゃない。しっかり受け止めて欲しかったんだけど」
少し残念そうな顔で静雄を見つめた後、彼女は片手を腰に当てつつ、空いた片手でガイドするように名乗りを上げる。
「私はヤン、ヤン・シャオロン。あんたのCOMPから呼び出された、"悪魔"だよ」
「あァ? 悪魔?」
理解に及ばない単語が二つ、静雄の耳を打つ。
そういえば、魔神皇がCOMPがどうのこうのとは言っていたが、まさか、ライターがそうだったとでも言うのだろうか。
それに、そこから飛び出してくるのが"悪魔"だったとしても。
「にしちゃあ、随分……なんだ、普通だな」
現れたのは、その言葉とは結びつき難い、いわば"人間"であった。
「そういうもんなのよ、細かいことはいいじゃない。それで、サマナーさん。あんたはどうするの?」
静雄の悩みをささっと流し、悪魔である彼女は話を続ける。
なんとも強引に話を進められる感覚に既視感を覚えつつ、静雄は問いかけへと答える。
「殺し合いはしねえ、誰かを殺すこともねえ。
だが、どこぞで足でも組んで俺達の事を見てやがる魔神皇の奴は、ぶち殺す」
「ヒュウ! わかりやすくて助かるわ。私も難しいことは得意じゃないのよね」
ただそれだけの、単純でわかりやすい目的。
ヤンもまた、嬉しそうにその目的に同調する。
正面突破、何事もわかりやすいほうがいいに決まっている。
「それじゃあ、よろしく。えーっと……」
「静雄だ、平和島静雄」
「そう、分かったわ、シズオ。ヤンお姉ちゃんに任せときなさい」
「姉? 悪いが、アンタいくつだ」
「アタシ? アタシは17だよ」
「そうか、だったら俺の方が上だな」
「ワオ!? ってことはシズオはお兄ちゃん!? それはそれで最高よ!!」
「……そうかい、それはどうにも分かんねえな」
二つの黄金、二人の怪力、そして――――――――が。
東京の街を、歩き始める。
【?????/1日目/朝】
【平和島静雄@デュラララ!!】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ライター型)
[道具]:基本支給品、煙草(アメリカンスピリット・メンソールライト)
[思考・状況]
基本:殺しはしない、だが魔神皇はぶち殺す。
[COMP]
1:ヤン・シャオロン@RWBY
[種族]:超人
[状態]:健康
姿形は同じでも、どこかが"違う"街の中。
バーテン服に身を包み、漆黒のサングラスをかけた、金髪の男が立っている。
彼の名は、平和島静雄。
人々は、彼を"池袋最強の男"と呼ぶ。
その瞳に浮かんでいるのは、静かな怒り。
平和島静雄という一人の男は、決して争いを好まない。
何より暴力を振るうことは、彼が忌避していることの最たるものだ。
だが、純白に身を包んだ少年、魔神皇と名乗る彼は、確かにそう告げた。
これから「殺し合い」をしてもらう、と。
黒とは正反対の色、白。
それに身を包んでいながらも、彼の考えはアイツに匹敵するほど邪悪であった。
「はいそうですか、とは行かねえよな」
当然、それに従うわけにはいかない。
人殺しをする趣味も、誰かを殺してまで生き残ろうと思う気持ちもない。
ましてや、そうまでして願いを叶えてもらおうとは思わない。
「……何にせよだ、まずアイツは殺す。それは決定だ」
考えれば考えるほど、怒りは静かに溜まっていく。
次にその姿を見た時は、容赦することは無い。
そう心に誓いながら、懐に手を伸ばし何かを取り出そうとする。
だがそこには何もなく、伸ばした手は空を切るだけであった。
小さく舌打ちをした後、側に置かれていた一つの袋が目に入る。
いかにも、といった感じで置かれているそれは、考えるまでもなく"ヤツ"の差金だ。
もう一度舌打ちをして、仕方がなく袋の中身を確認する。
待ってましたと言わんばかりに姿を現したのは、愛用している煙草が数箱と一本のライター。
バカにされているのだろうか、と思い頭に血が上りそうになるが、今は暴れても仕方がないと必死に抑えこむ。
そして、適当に取り出した一箱から一本取り出し、慣れた手つきで火を付けた、その時だった。
「あ?」
ふと前を向くと、そこには見慣れない人影があった。
豊満な体に、軽くウェーブのかかった豊かな金髪。そして両腕には奇妙な篭手。
自分ほどではないが背も少し高い、そんな一人の女性が、音もなく現れていたのだ。
「ハーイッ! サマナーさん、御機嫌いかが!?」
静雄が状況を理解するよりも早く、彼女は静雄へと飛びかかって抱きついていく。
突然の出来事に、静雄が出来たのは煙草を後ろへ投げ飛ばすことくらいだった。
「あだッ!?」
勢い余ってか、それとも彼女が加減を忘れたのか。
見た目からは想像つかない静雄の強靭な肉体が、わずかに悲鳴を上げる。
「お、おい、離せッ!」
静雄のことをそっちのけで頬ずりを続けていた彼女を、静雄は傷つけないように優しく引き剥がす。
ある種の拘束から逃れた所で、服のシワを伸ばすように軽く払っていく。
「あら、馴れ初めのハグじゃない。しっかり受け止めて欲しかったんだけど」
少し残念そうな顔で静雄を見つめた後、彼女は片手を腰に当てつつ、空いた片手でガイドするように名乗りを上げる。
「私はヤン、ヤン・シャオロン。あんたのCOMPから呼び出された、"悪魔"だよ」
「あァ? 悪魔?」
理解に及ばない単語が二つ、静雄の耳を打つ。
そういえば、魔神皇がCOMPがどうのこうのとは言っていたが、まさか、ライターがそうだったとでも言うのだろうか。
それに、そこから飛び出してくるのが"悪魔"だったとしても。
「にしちゃあ、随分……なんだ、普通だな」
現れたのは、その言葉とは結びつき難い、いわば"人間"であった。
「そういうもんなのよ、細かいことはいいじゃない。それで、サマナーさん。あんたはどうするの?」
静雄の悩みをささっと流し、悪魔である彼女は話を続ける。
なんとも強引に話を進められる感覚に既視感を覚えつつ、静雄は問いかけへと答える。
「殺し合いはしねえ、誰かを殺すこともねえ。
だが、どこぞで足でも組んで俺達の事を見てやがる魔神皇の奴は、ぶち殺す」
「ヒュウ! わかりやすくて助かるわ。私も難しいことは得意じゃないのよね」
ただそれだけの、単純でわかりやすい目的。
ヤンもまた、嬉しそうにその目的に同調する。
正面突破、何事もわかりやすいほうがいいに決まっている。
「それじゃあ、よろしく。えーっと……」
「静雄だ、平和島静雄」
「そう、分かったわ、シズオ。ヤンお姉ちゃんに任せときなさい」
「姉? 悪いが、アンタいくつだ」
「アタシ? アタシは17だよ」
「そうか、だったら俺の方が上だな」
「ワオ!? ってことはシズオはお兄ちゃん!? それはそれで最高よ!!」
「……そうかい、それはどうにも分かんねえな」
二つの黄金、二人の怪力、そして――――――――が。
東京の街を、歩き始める。
【?????/1日目/朝】
【平和島静雄@デュラララ!!】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ライター型)
[道具]:基本支給品、煙草(アメリカンスピリット・メンソールライト)
[思考・状況]
基本:殺しはしない、だが魔神皇はぶち殺す。
[COMP]
1:ヤン・シャオロン@RWBY
[種族]:超人
[状態]:健康
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