俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

公園のベンチに暗い雰囲気を纏って座っている一人の金髪の少女がいた。

「・・・・・どうしよう・・・・・」

赤い目は伏せられ、どんよりとした空気を纏いながらポツリと弱音を溢している。
少女は、悪魔を召喚しようとしたその瞬間にどこからか現れた野良悪魔から攻撃を受けた。

「いやぁー!こっちにこないでええぇぇー!!」
「ケケケケケー!・・・・・ッテ足ハエエナオイィ!?」

幸いなことにその攻撃は当たらず、脱兎のごとく逃走したが今度はさらなる不運が起きる。
野良悪魔から逃げ切り疲れた身体を少し休めるために公園のベンチに座ったところで手にCOMPを持って
いないことに気付き、何処かに落としてしまったというとんでもない事実に直面してしまったのだ。

彼女は、元の世界ではカレイドルビーというかなりお喋りなステッキの力で変身して戦う魔法少女だ。
しかし、無理矢理連れてこられたこの世界にルビーはいない。

だから、今ここにいる少女は爆弾付きの首輪を着けられた参加者の一人にしかすぎない。
今は敵に対して何の自衛手段も持たない無力な少女は何が何でも自分の悪魔を召喚しなければ
この先は絶対に生き残れないだろう。

だからこそ考える。どうすればいいのか、自分がすべきは何かを。

(今することはCOMPを拾わないといけない)

だったらすることはただ一つ、行った道を逆に辿ってみることだ。
もしかしたらあの悪魔がいるかもしれない。いやそれだけではなく他の悪魔がいる可能性だってある。
危険だが、今は行ってみるしかない。
無我夢中で走った道を、断片的ではあるが脳内で思いだしてみる。

(必死で逃げてきたから何処をどう走ったかなんてよく覚えていない。けど、何となく記憶に残っている部分はある)
(・・・・・よし。まずは見覚えのある場所を探してみよう)

そう決意を固めた瞬間だった。

「おい」

何者かに突然声を掛けられた。慌てて周囲を見渡す。

「誰っ!?」

周りを確認してみるが誰もいない、人も悪魔の姿も見えない。
だがさっきは確かに若い青年のような声が聞こえた。

「・・・・・あれ?」

(声を掛けてきたってことは襲いかからないと思うけど・・・・・なんで姿を見せないんだろう)

「はっ!?まさか透明人間もとい透明悪魔とか」
「・・・・・お前は何を言っている、馬鹿なことを言ってないでこっちに視線を下げろ」

また聞こえる。低い声色に今度は若干の呆れと苛立ちが混じっている。


「下・・・・・?」


言われたままに確認してみれば、そこには尻尾がおたまじゃくしのようになっていて、頭には長い耳ではなく
角のようなパーツが付いているウサギみたいなロボットがいた。
身体は白いのに手足手足と顔の部分は黒く、目が無い代わりなのか赤い線が光っている。

(生物じゃないメカって予想外すぎるよ。悪魔というよりペットロボットみたい・・・・・ん?)

ふと、後ろ足で立っている悪魔の前足が掴んでいる物に気付いた。
とても見覚えのある携帯電話を持っている。

それこそが少女が覚悟を決めて探そうとしていた目的の物。
この世界での命綱。

「わたしが落としたCOMP!?」
「サマナーがCOMPを落とすということは、デュエリストがデッキを落とすのに等しい愚かな行為。
 死にたくないなら今後はもう二度と落とすな」

そう言って、ベンチに跳んでわたしの隣までくると3本の指で掴んでいるCOMPを手渡される。
喩えはよく分からなかったけど、私を咎めているということだけは分かった。
(見ず知らずのわたしに優しくしてくれて、なんかすごく親切な悪魔さんだな)
(けど何だか睨みつけられているような気がする・・・?)
目が無いのに睨みつけるという表現はおかしいが知覚ではなく感覚がそういっているのだから仕方ない。

「うん、もう絶対にしない。届けてくれてありがとう・・・・・えーと」
「オレは貴様が召喚した悪魔のワイゼルT3、種族はマシンだ」
「え?召喚って言っても・・・・・あっ」

渡されたCOMPを確認してみれば、召喚を完了しましたと画面に表示されている。
どうやら悪魔の襲撃で落としてしまったときに、何らかの偶然でボタンが押されたらしい。
つまり、結果的にそうなってしまったとはいえ友達になりうる悪魔(魔神皇曰く)を置いて逃げてしまったことになる。

あぁそうかだからこのCOMPがわたしのだと分かったんだ。
どうしてこれがわたしの物だと知っているのか不思議に思っていたが謎が解けた。

「ごめんなさい、本当にごめんなさい!悪い偶然が重なっただけなの!ワイゼルさんが召喚されてるとは
 知らなかったんです!!」
「・・・・・」

雰囲気と話し方から年上な感じがして思わずさんを付けて呼んでしまいながら必死になって謝る。
しばらくしてからワイゼルさんは溜め息を一つ吐いた。

「謝罪の気持ちは理解した」

そう言った彼からはもう厳しい視線を感じなかった。
もしかして許してくれたのだろうか。

「うぅ・・・本当にすみません」

「ところでお前はこれからどう行動する虫ケラ」

「・・・・・」

「変な顔をしてどうかしたのか」

おかしい、いま小首を傾げているワイゼルさんから何か確実におかしい言葉が聞こえた。

「ええっと・・・・・そ、そういえばわたしの名前を言ってなかったね。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンって
 名前なんだけど、長いならイリヤって呼んでいいよ。これからよろしくねワイゼルさん」

「謝罪の気持ちは理解したと言った。だが許したとはいってないぞ虫ケラ」

聞き間違いでも気のせいでもなかった。
COMPを拾って届けてくれたことには感謝をしているし、置いて逃げてしまったことには本当に申し訳ない気持ちでいる。
けれど、これとそれとは話が別だ。
この文句だけは言わなくちゃいけない。

「む、む、虫ケラ!?何で、どうして私は虫ケラ呼ばわりされちゃうの!?」

「・・・・・召喚したオレを目の前で置いてきぼりにしてCOMPを落としたあげく迷子になる駄目サマナーなど虫ケラで十分だ」

低い声が更に低くなって謎の威圧感を放っているのを感じる。どうやら怒りはまだまだ収まりそうにないようだ。


「その件については貴方を召喚しようとした瞬間に野良悪魔に攻撃されたという事情があって――――」

「知るか」

「即答!?」

【?????/1日目/朝】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康
[装備]:COMP(携帯電話型)
[道具]:基本支給品、不明支給品
[思考・状況]
基本:死にたくない、殺し合いには乗らない
1:ごめんなさい
2:虫ケラじゃないもん

[COMP]
1:ワイゼルT3@遊☆戯☆王5D`s
[種族]:マシン
[状態]:正常、怒り

【備考】
・ワイゼルT3は魔法や罠の発動を無効化し破壊することが出来ます。

・ワイゼルシリーズは全て集めて悪魔合体させると、ワイゼルの能力を全て揃えた【機皇帝ワイゼル∞】になります。

・ワイゼルT3にはプラシドの人格がコピーされています。

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