「……フフ、殺し合いですって」
都会のビルの群の中、彼女は怪しげに笑う。
血のように真っ赤なジャケットに、黄金に輝く髪を持つ彼女の名は、マリー・ライアン。
コードネームとしては、ブルー・マリーと呼ぶのが正しいか。
「誰も彼も皆破壊して、楽しんだ末に願いまで叶えてくれるのだから、これほど素晴らしいことは無いわね」
再び、笑う。
魔神皇に突きつけられた、自分たちへの命題。
それは、自分にとっては願ってもいない好機であった。
人を殺し……いや、"壊して"回ることが、良しとされる空間。
そして、たどり着いた先に、願いまで叶えられるのだとすれば、これ以上幸運なことはない。
今から考えただけでも、ゾクゾクする。
一体、ここにいる強者たちは、どんな声を上げるのだろうか、と。
「……でも、捨てがたい物が一つあるわ」
そこまで考えて、ふとマリーは我に返る。
たった一つ、全てを破壊して、願いを叶えて貰うとしても、手に入れられない物がある、それは。
「あの子の苦しむ声を、聞きたいわ」
そう、魔神皇を破壊できないことだ。
なんでも願いを叶えてもらえることは、確かに魅力的だ。
だが、それを上回るほどの魅力。
これほどまでの舞台を造る圧倒的な力の持ち主に、地を舐めさせ、苦悶の声を上げさせる。
ああ、それはきっと、とてつもなく素晴らしいことだろう。
想像しただけでも、頬が歪む。
「さて、私のペットちゃんは……」
今後の方針が一段落したところで、彼女は道具を確認する。
自分に配られたのは、どうやらベルト型のCOMPらしい。
手際よく着けていたベルトと交換し、そそくさと操作を進めると、一瞬の光の後、それは現れた。
「あら、かわいいじゃない」
そこに立っていたのは、黄色いワンピースに身を包んだ、青い帽子の少女だ。
悪魔と言う単語から連想される姿からはかけ離れているが、ギースの例もある、そういうモノなのだろう。
見た目の元気そうな姿の裏にある、王族のような高貴さは、しっかりと伝わってくる。
「貴方が、サマナー? 私は導者、アリーナ。よろしくね」
輝くような笑顔で、彼女はマリーへと手を差し出す。
「そう、よろしく」
それに応じるように、マリーも笑顔で手を差しだし。
「なッ」
アリーナの差し出した手を一気に引き、そのまま絡みつくように肩の関節を一気に極める。
ぎし、ぎしぎしと骨のきしむ音が、彼女の体から鳴り響く。
ああ、何度聞いてもたまらない音だ、と思いながら、マリーは彼女に語りかける。
「甘い、甘いわよアリーナちゃん。ここは殺し合い、今みたいにボサっとしてたら殺されちゃうわ」
そうだ、この場は殺し合い。
いつ誰がどこでどう襲ってくるかなんて、分かりやしない。
ここは死と隣り合わせ、だから、甘えは捨て去っていく必要がある。
「本当はこのまま骨を折ってあげたいけど、貴方はアタシのペットなの」
後少し、力を込めれば骨が折れるのは分かっている。
だが、何が悲しくて自分の牙を折らなくてはならないのか。
楽しむのは自分だが、万が一の時に彼女が役立たずでは困る。
だから。
「何を――――」
素早くポジションを変え、アリーナの首を絞めながら、マリーは側に置いていた酒の瓶を取り、強引に彼女の口へと流し込んでいく。
ごく、ごく、ごく、と彼女が酒を飲み込む音を堪能した後、マリーはゆっくりと彼女から離れた。
「熱い、体が……血、力……」
アリーナは頭を抱え、目を見開いていく。
血が湧き、肉が躍る、胸の高鳴りを、押さえきることができない。
そして、一発。
地面を強く踏みしめてから、大きく息を吐いた。
「"悪魔"の性格を変化させる銘酒、ねぇ……まさかそんな物があるとは思っていなかったけど」
空となった空き瓶を眺め、マリーは笑う。
酒を飲むと人が変わる、というのは聞いたことがあるが、まさか"悪魔の心を変えてしまう酒"があるとは、思いもしなかった。
半信半疑で試してはみたが、効果は予想以上だ。
今のアリーナが纏う気、それは、血と力を求める、獰猛な獣のそれと同じであった。
「フフ、良い目つきよ。さあ、行きましょう」
そんな彼女の目を見て、マリーは笑いながら、足を進める。
向かう先は、破壊と愉悦の楽園。
【?????/1日目/朝】
【EXブルー・マリー@リアルバウト餓狼伝説スペシャル】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ベルト型)
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:全てを破壊し、魔神皇を破壊する。
[COMP]
1:アリーナ@ドラゴンクエスト4
[種族]:導者
[状態]:性格変化(獰猛)
都会のビルの群の中、彼女は怪しげに笑う。
血のように真っ赤なジャケットに、黄金に輝く髪を持つ彼女の名は、マリー・ライアン。
コードネームとしては、ブルー・マリーと呼ぶのが正しいか。
「誰も彼も皆破壊して、楽しんだ末に願いまで叶えてくれるのだから、これほど素晴らしいことは無いわね」
再び、笑う。
魔神皇に突きつけられた、自分たちへの命題。
それは、自分にとっては願ってもいない好機であった。
人を殺し……いや、"壊して"回ることが、良しとされる空間。
そして、たどり着いた先に、願いまで叶えられるのだとすれば、これ以上幸運なことはない。
今から考えただけでも、ゾクゾクする。
一体、ここにいる強者たちは、どんな声を上げるのだろうか、と。
「……でも、捨てがたい物が一つあるわ」
そこまで考えて、ふとマリーは我に返る。
たった一つ、全てを破壊して、願いを叶えて貰うとしても、手に入れられない物がある、それは。
「あの子の苦しむ声を、聞きたいわ」
そう、魔神皇を破壊できないことだ。
なんでも願いを叶えてもらえることは、確かに魅力的だ。
だが、それを上回るほどの魅力。
これほどまでの舞台を造る圧倒的な力の持ち主に、地を舐めさせ、苦悶の声を上げさせる。
ああ、それはきっと、とてつもなく素晴らしいことだろう。
想像しただけでも、頬が歪む。
「さて、私のペットちゃんは……」
今後の方針が一段落したところで、彼女は道具を確認する。
自分に配られたのは、どうやらベルト型のCOMPらしい。
手際よく着けていたベルトと交換し、そそくさと操作を進めると、一瞬の光の後、それは現れた。
「あら、かわいいじゃない」
そこに立っていたのは、黄色いワンピースに身を包んだ、青い帽子の少女だ。
悪魔と言う単語から連想される姿からはかけ離れているが、ギースの例もある、そういうモノなのだろう。
見た目の元気そうな姿の裏にある、王族のような高貴さは、しっかりと伝わってくる。
「貴方が、サマナー? 私は導者、アリーナ。よろしくね」
輝くような笑顔で、彼女はマリーへと手を差し出す。
「そう、よろしく」
それに応じるように、マリーも笑顔で手を差しだし。
「なッ」
アリーナの差し出した手を一気に引き、そのまま絡みつくように肩の関節を一気に極める。
ぎし、ぎしぎしと骨のきしむ音が、彼女の体から鳴り響く。
ああ、何度聞いてもたまらない音だ、と思いながら、マリーは彼女に語りかける。
「甘い、甘いわよアリーナちゃん。ここは殺し合い、今みたいにボサっとしてたら殺されちゃうわ」
そうだ、この場は殺し合い。
いつ誰がどこでどう襲ってくるかなんて、分かりやしない。
ここは死と隣り合わせ、だから、甘えは捨て去っていく必要がある。
「本当はこのまま骨を折ってあげたいけど、貴方はアタシのペットなの」
後少し、力を込めれば骨が折れるのは分かっている。
だが、何が悲しくて自分の牙を折らなくてはならないのか。
楽しむのは自分だが、万が一の時に彼女が役立たずでは困る。
だから。
「何を――――」
素早くポジションを変え、アリーナの首を絞めながら、マリーは側に置いていた酒の瓶を取り、強引に彼女の口へと流し込んでいく。
ごく、ごく、ごく、と彼女が酒を飲み込む音を堪能した後、マリーはゆっくりと彼女から離れた。
「熱い、体が……血、力……」
アリーナは頭を抱え、目を見開いていく。
血が湧き、肉が躍る、胸の高鳴りを、押さえきることができない。
そして、一発。
地面を強く踏みしめてから、大きく息を吐いた。
「"悪魔"の性格を変化させる銘酒、ねぇ……まさかそんな物があるとは思っていなかったけど」
空となった空き瓶を眺め、マリーは笑う。
酒を飲むと人が変わる、というのは聞いたことがあるが、まさか"悪魔の心を変えてしまう酒"があるとは、思いもしなかった。
半信半疑で試してはみたが、効果は予想以上だ。
今のアリーナが纏う気、それは、血と力を求める、獰猛な獣のそれと同じであった。
「フフ、良い目つきよ。さあ、行きましょう」
そんな彼女の目を見て、マリーは笑いながら、足を進める。
向かう先は、破壊と愉悦の楽園。
【?????/1日目/朝】
【EXブルー・マリー@リアルバウト餓狼伝説スペシャル】
[状態]:健康
[装備]:COMP(ベルト型)
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本:全てを破壊し、魔神皇を破壊する。
[COMP]
1:アリーナ@ドラゴンクエスト4
[種族]:導者
[状態]:性格変化(獰猛)
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