最終更新:ID:EKWuBu0nzQ 2016年05月21日(土) 13:39:38履歴
会場の住宅街で、男性参加者が途方にくれていた
「ドイツゥ……」
なんやかんやで面倒見の良い親友の愛称を口にするが、残念ながら彼は今、此処にはいない。
彼の名はフェリシアーノ・ヴァルガス
友人からは『ヘタリア』というあだ名で親しまれる彼だが、こう見えても現役の軍人である。
「あいつ、なんて酷い奴なんだ」
ヘタリアは普段の私生活からは考えられないくらいに憤っていた。
陽気で人懐こい典型的ラティアーノであるヘタリアは、争いを好まない。魔神皇に見せしめとして殺されてしまった名も知らぬ少年、少女の死に心を悼めるくらいの良心はある
あの子達にはきっとこれから素晴らしい人生が待っていた筈なのに……
「俺、絶対にあんな奴の言いなりになんてならないぞ」
そう決意したヘタリアは、何か役に立ちそうなものはないかディバックの中身を確認する
「できればパスタとか入ってないかなー」
まったく役に立ちそうには無いが、もし入っていたらとてもうれしいアイテムだ。
「パスタ無かった……」
しょげるヘタリア。しかし代わりに取り出したのは、携帯型のCOMPだった。
殺し合いになんて乗る気はないが、さすがに丸腰なのは不安だった。なのでヘタリアは悪魔を召喚することにした
「えっと…… こんな感じで良いのかな」
ヘタリアは、同封されていた説明書の指示通りに、「悪魔召喚プログラム」を起動させる
ドンッ!! と鈍い音と衝撃が周囲を迸った。
よろめくヘタリアの目にまず飛び込んできたのは、巨大な足首だった。その石膏のような肌は生命を感じさせない、なぞるように上を向くと、目があった
「あ…… ああ…… お前は…… 」
イタリア人である彼は知っている!!その巨人のことを!!
「ダッ……ダダ……ダヴィデだぁーーっ!!」
そう、ダヴィデだ。
背中に翼の生えた、身の丈10mはある巨大なダヴィデ像が、直立した姿勢でヴェネチアーノを見下ろしていた
「すっげーーーっ!! カッコいいーーっ!」
まさかイタリア人なら誰もが知っているであろう、祖国の誇る芸術作品が、しかもこんなでかく頼もしい姿で召喚されたことに興奮を隠しきれない
対するダヴィデの方は、サマナーの好意になど反応すらしない。
その石像特有の虚ろな瞳は、何の感情も感じ取れないまま、まっすぐヘタリアに向けられている。
「ーーってうわああ!?」
突如異変を感じ、振り返ったヘタリアは悲鳴をあげた
いつの間にか、騒ぎを聞き付けてやって来たのか、大勢の悪魔たちがヘタリアたちを取り囲んでいた。
知性の低い彼らは、悠々と佇むダヴィデには目もくれず、召喚者である魔神皇に、真っ先に襲うように指示されていた、参加者であるヘタリアに襲いかかった
「ひいいいいーっ!!」
堪らず悲鳴をあげる。
絶体絶命のヘタリアに、静観していたダヴィデが動いた
その巨体としては機敏な動作で、右手を大きく降り下ろす。
たったそれだけの単純な動作、しかしその腕の一振りだけで、悪魔たちは全滅した。
より正確に言えば、ダヴィデから発生した強力な衝撃波が、辺りの地面ごと悪魔たちの肉体を粉々に破壊したのだ
そうなるように調節したのか、衝撃波の中心に居た筈のヘタリアは無傷だった
しかし他は酷いものだ。まるで爆撃の直後のように、ヘタリアたちを中心とした周囲のコンクリートはべろりと抉れ、
さらにミンチとなった悪魔の血と臓物がべっとりとコーティングされている。
その惨状を見たヘタリアは顔を青くし、吐き気をこらえるように口を押さえた。そしてーー
「う、うわぁーーーーっ!!!」
ーーひとまず逃走するのだった。
【?????/1日目/朝】
【フェリシアーノ・ヴァルガス(ヘタリア)@Axis Powers ヘタリア】
[状態]:健康
[装備]:COMP(携帯型)
[道具]:基本支給品、確認済支給品
[思考・状況]
基本:対主催
1:とりあえず逃げる
2:民間人は保護したい
※このヘタリアは、あくまで現代に生息するイタリア男性(現役軍人)です
※現代に生息している(と描写のあった)国とは面識があるかもしれません。
[COMP]
1:ダヴィデ@GANTZ
[種族]:星人
[状態]:健康
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