最終更新:ID:Eqwn4quJrQ 2016年05月14日(土) 02:40:59履歴
「うー、師匠〜〜〜っ」
開幕早々、とある民家に潜伏していたチナツは、そう溜め息をついた
砂漠での仕事を終え、やっと文明的な場所に帰還できるはずが、こうしてやや強引な形で殺しを『依頼』されてしまった
そう、依頼だ
チナツは『オーケストラ』として知られた殺し屋組織に所属する身であり、依頼されれば誰でも殺すし殺せる人種だ
しかし今現在、彼女は乗り気ではなかった
先の仕事による疲労に、報酬にしたって『願いを叶える』というかなりのアバウトさであり、いつも組んで仕事をする師匠が側に居ないことも彼女のテンションを下げていた
正直、めんどくさい
おまけに所持していた銃も取り上げられているときた
「人に殺しを頼むなら銃くらい自前で用意させてほしいのだ」
口を尖らせ文句を言うが、そうした所で武器が都合良く手にはいるわけでもない。なのでディバックを漁ってみることにした
「うーん、この携帯に悪魔が……」
チナツに支給されたCOMPは携帯電話型だった。悪魔なんて聖書かコミックくらいでしか御目にかかったことはない
だが不可思議な能力で人を殺めた魔神皇を目撃した手前、オカルトだと一笑に伏すことはできなかった
とりあえずこの目で確めて見ますか……と適当に操作し、「悪魔召喚プログラム」とやらを起動させる
「へー、またずいぶんと可愛いお嬢ちゃんに召喚されたもんだな」
異様。そうして召喚された男の姿はその一言に尽きる。
引き締まった肉体。乱暴に羽織った袖無ジャケットからはしまった腕がつきだし、剥き出しの太ももも逞しさに満ち溢れている。
顔には網がかったレースのようなものがその表情を隠し、触手のような突起が突き出た頭の帽子もまた奇妙だ
「アンタが悪魔?」
「む? あぁ、ここじゃそういうことになってるんだったな
オレはオエコモバ、……確かにアンタが召喚した悪魔さ」
チナツはオエコモバと名乗った悪魔を無遠慮に観察する。そこそこがっしりとした体格で、独創的な服装も相まって妙な迫力を醸し出している。少なくとも一見小柄な少女であるチナツよりは頼りがいがありそうだ
「おっと…… 召喚されたよしみで忠告するが、あまりオレに近づくなよ。うっかり『触れる』と危険なんだ」
ついつい間合いを詰めるチナツにめざとく反応したオエコモバは、さっと距離をとりつつ、一応の礼儀もかねてそう告げた。それを聞いたチナツは首をかしげる
「触れるとどうなるの?」
「場合によっちゃ手足がなくなる」
からかっているのかと思ったが、真剣な顔を見るに冗談ではないらしい
触れただけで手足がなくなる
いったいどういうことなのか気にはなったが、それ以上詳細を語る気はないらしく、訪ねてもやんわりとはぐらかすだけで口をつぐんでしまった。手の内を明かすほど信用はされていないらしい。
だがチナツもプロとして手札を隠そうとする悪魔の考えがわからないわけではないので、その話題は適当なところで切り上げた
「ふーん、じゃあ早速だけどアンタ、何ができる?」「あー、火薬の扱いが得意だな あと荒事にも慣れてるし並みの奴なら問題なく『始末』できるし、その手段もある」
ふむ、使えなくもないか
その身のこなしから察するに、チナツはオエコモバを裏の人間か、もしくは同業者かと辺りをつけていた
対するオエコモバも、眼前の少女がそれなりの修羅場を潜ってきたことを経験から察していた。なんというか、一般人にはない独特の凄みを感じるのだ。自身が手を貸しても損はない相手だろう
ところで……と前置きをおき、オエコモバはこの場においてもっとも気になっていたことを訊ねることにした
「なんでアンタ、パンツ履いてないんだ?」
なぜかサマナーであるチナツはスカートの下にあるべき下着を身に付けていなかった。
「ところで君って変わった服装してるね。そっちじゃそんなのが流行ってるの?」
「おいおいおいおい〜〜、質問に質問で返すもんじゃねぇぜ」
露骨に話題を反らしたチナツに突っ込む
「うーん、秘密なのだ」
「……まぁ、サマナーが変態だろうが俺にとっちゃどうでもいいがな」
「変態じゃなーい」
そうした駆け引きも含めたじゃれあいのなか、チナツはふと空を見上げる
(師匠、ここでも空は青いですよ
ちょっと待っててくださいね。すぐに帰りますから)
【?????/1日目/朝】
【チナツ@ヨルムンガルド】
[状態]:健康、はいてない
[装備]:COMP(携帯型)
[道具]:基本支給品、確認済支給品
[思考・状況]
基本:やる気はないけど殺るときは殺る
[COMP]
1:オエコモバ@ジョジョの奇妙な冒険 SBR
[種族]:スタンド使い
[状態]:健康
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