俺ロワ・トキワ荘にて行われている二次創作リレー小説企画の一つ。 サマナーズ・バトルロワイアルのまとめWikiです

最初は、ただの、ロボットとして造られた。
オーバーテクノロジーの産物でも何でもなく、本当に、ただの機械として造られた。

裏方の誰もやりたがらない作業のためだけに、量産されたロボットの1つ。
将来コミュニケーションを取れる人型ロボットを生み出すための糧にすべく、人型として生み出されただけの、ただの作業用ロボット。
最低限のコミュニケーションプログラムは存在したが、それでもただの道具として生み出された。
ただの道具として、業務用機械として、存在しているだけだった。

あの日、あの少女に、一輪の花を貰うまでは。

「――――――」

少女の笑顔は、脳の回路が記憶している。
なのに、もう、何を言われ、どんな言葉を交わしたのかを思い出すことができない。

ただのロボットは、人との交流を経て、心を持ってしまった。

しかし“心”はあまりにオーバースペックで、機械である長所を全て奪い去る。
『記憶』という機械の専門分野ですら劣化していき、あの少女と交わした言葉も、あの日確かに存在していた清く正しい正義の心も、忘れてしまった。

心を知ったはずなのに。
愛を覚えたはずなのに。

――あの日交わした約束は、砕けて散った。

もう、自分には何も残っていない。
何の意味があるのかすら見いだせず、ただただ綾取りを漫然と行なうだけの日々。
もはやただのスクラップ、壊れてしまった惨めな機械だ。

――夢は遠くまではっきりと見えていたのに、大切なものを見失った。

心を知ってしまったから。
愛を覚えてしまったから。
人間に、近づきすぎてしまったから。
人間の、心や愛の、負の側面まで、学習してしまったから。

――この想い、忘れはしない、ずっと。

そう思っていたはずなのに。
心を知り、愛を覚え、人間達が夢見た理想のロボットとなったはずなのに。

なぁ~んにも、ないじゃないか。
なにもない。なにもない。自分にはもう、なにもない。

――これが理想ってやつなのか?

悩んでた自分は馬鹿なのだろうか。
悩むなんて人間みたいなことはせず、愛を知るなんて人間の真似事などせず、ただ機械であり続ければ、こんな想いはしなくて済んだのだろうか。
スクラップになることも、スクラップになる自分を憂うこともなく、ただ淡々と機械として日々を過ごせていたのだろうか。

――ねえ、誰が理想ってやつなんだ?

こんな想いをするくらいなら、心なんて欲しくなかった。
こんな想いをするくらいなら、他のロボットのように、何も知らない方がよかった。
彼らのように、淡々と働くことこそが、きっと正しいロボットのありかただったのだ。
人間達の夢なんて、心を持ったロボットなんて、そんなものは、叶わない夢であり続けるべきだったんだ。
そうだろう?

――答えてよ……デジタルモグラ……



【?????/1日目/朝】
【K―5(ロボットなのに不倫したロボット)@Days(FLOW)】
[状態]:健康
[装備]:COMP(石田純一型)
[道具]:基本支給品、未確認支給品
[思考・状況]
基本:こんなものが理想だと言うなら、愛などいらぬ
[COMP]
1:デジタルモグラ@デジタルモグラ(ゲスの極み乙女。)
[状態]:健康

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