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ヴェイグさん……サザム氏エロ無し2005/01/072005/01/07

とある日の深夜、ヴェイグは静かに宿を抜け出ると、人気のない裏路地へと入っていった。
煌々と照らす月の光の下、懐から取り出したペンダントを掌に載せ、じっと覗き込む。
誕生日のプレゼントとして、クレアから貰った大切な宝物。
それを眺めつつ、追い求める彼女に向けて独り言を呟くのが、最近のヴェイグの癖になっていた。
「クレア……。俺は誓った、お前を一刻も早く、サレ達の手から奪い返すと……」
ヴェイグの瞳に、自分の前から大事な人を連れ去った、四星への怒りが渦巻いた。
「だが、港は全て封鎖され、事あるごとに引き返す羽目になり……」
しかしそれはすぐ、己の不甲斐なさに対する悔悟と苛立ちへと取って変わる。
「そして何故か、新しい地域へ行くたびに、バイラスの情報と料理を極めずにはいられない……!」
そして、きつく握った拳を震わせて、普段は冷静な声も次第に昂ぶらせていく。
「尚且つ、食材チケットは必ず15個集め! 挙句に発見物を探して土地を隅々までうろつく毎日!
いったい俺はどうしてしまったんだっ! 頭では焦っているのに、身体が全く言う事を聞かないっ!
大体あれだけ広い砂漠で、一つも発見が出来なかったのは何故だっ!? 違う、問題はそこじゃないっ!」
暴走寸前のフォルスが勝手に発動し、ヴェイグの周りにクレアの姿を模した氷の彫像が幾つも生まれた。
ヴェイグは自分の作った氷像にビクッと慄くと、許しを請うかのようにフルフルとかぶりを振る。
「ああっ、違うんだクレア、これは決して俺の意思ではないんだっ!
 頼む、信じてくれっ! 頼むから、必ず救い出すから、そんな冷たい目で俺を見ないでくれぇっ……!」
堪えかねたように顔を両手で覆い隠すと、ヴェイグはゴロゴロと地面をのたうち回る。
しかし当然ながら、氷像のクレアの視線はあくまで冷ややかに、そんなヴェイグの姿をただ見下ろすのみ。
「……ヴェイグさん、お疲れですね……」
近くの木陰からその様子を窺っていたアニーは小さく呟いて、哀れみの涙をそっとハンカチで拭った。

〜END〜
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