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無題695氏(36スレ目)女あたま×ゲーデ(エロなし)2011/02/252013/2/27


なんでだ?
なんで、俺とあの女、ディセンダーは同じ世界樹から生まれたのに。
俺は徹底的にうとまれて、あいつは皆に望まれる?
納得もできない、理解もできない。
俺は産まれて、死ぬ事を繰り返すだけだと言うのに
憎かった、何もかも。自分すらも。
だから、俺はあいつを殺して、自分も死んでやろうと、世界ごと心中してやろうと思った。
それが何度も俺を生み出し、殺してきた世界の罪だと、そう思った。



結局、勝てなかった。
ちやほやされるだけのあいつに、俺は勝てなかった。
結局俺は死ぬ運命なのか?死ぬためだけに生まれてきただけなのか?
世界樹に自分が吸い込まれる、嫌だ、死にたくない。
自分一人で死ぬなんて、また死んで、産まれて、死ぬのを繰り返すだけなんていやだ!
世界樹に吸い込まれる、ディセンダーの連れの女が何かを叫ぶ、あいつが走る。

世界中の中
何もない、無の空間。
ゲーデはその空間の中、落ちていた。
死にたくない、怖い。涙が出てくる。
何者かが追ってくる。あの女、ディセンダーだ。
いまさら何を?負けて、死ぬのを待つだけの俺をあざ笑いに来た?
それともとどめを刺しに来た?
あいつが近づいてくる。手を伸ばす。
怖い、来るな
あいつが近づく、顔が見える、笑っている。
来るな、怖い
「こわくないよ」
あいつが言った
「くるな、くるな」
口から言葉が漏れる、怖い
「大丈夫…」
あいつの手が俺の肩に触れる
「怖くないから、おびえないで」
抱き寄せられる。
柔らかい、暖かい。
「大丈夫、ゲーデは死なないよ、ゲーデは怖がっているだけだから」
何かが俺の頬に触れる、生温かくて、湿っている
ペロ…レロ…
ディセンダーが、俺の涙を舐めている。
「大丈夫、負は、ゲーデはマナになるの、マナになって世界の恵みになるの」
嘘だ、嘘だ
「嘘だ…嘘だ!!信じないぞ、そんなこと!!」
ディセンダーの腕の力が強くなる。暖かさが増して、良い臭いがする
「大丈夫、ボクを信じて、ね?」
暖かい、柔らかい、良い臭いがする、安心する
「あ…」
「大丈夫、ボクも、ゲーデと一緒にマナに戻るから…」
俺の頬に何かが触れる、頬ずりをされている
とても柔らかくて、さっきまで怖かったのが今では安心に変っている。
ふと、こんな言葉が口から出た。
「姉…さん…」
「ボクも、ゲーデも、同じ世界樹から生まれた、姉弟なんだよ、だから、ボクの事、信じて…」
ディセンダーの胸に顔をうずめる、柔らかくて、良い臭いが強くなる。
「姉さん、姉さん…!」
「ゲーデは甘えん坊だなぁ…」
姉さんの顔が見える
「ん…」



「あなた、帰って来たんだ!」
「うん、世界に遊んでもらおうって思って…」
「…お帰りなさい、グラニデのディセンダー」
「ただいま、カノンノ。それと、紹介するね」
ボクの後ろに隠れている人影に、前に出るように促す
「ボクの弟の、ゲーデだよ」
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