天体ショー(パズル)を研究します。

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触れ

何かと何かが近くに存在することで、なんらかの現象(手筋、決まり方、波及、制約)が起こるという場面は多い。
こういったものの内、特に壁の発生が絡むものを一般に「触れ」と呼ぶことにする。

まず概観を一覧にする。
用語きっかけ現象
直接接触ブロックとブロックが接触排他性により両者の間に壁が発生する
つけ星の下と星の下が接触排他性により両者の間に壁が発生する
アテ星の下とブロックが接触排他性により両者の間に壁が発生する
押さえ星の下と迷子が接触(星自身が接触マスの回収を拒絶する場合)星の反射により壁を発生する
圧迫成長してきたブロックと迷子が接触(ブロック自身が接触マスの回収を拒絶する場合)ブロックの反射により壁が発生する
弾きブロックと迷子が接触(ブロッキングのため回収できない場合)壁が遅延発生する
そぶりブロックと迷子が接触(回収できるかもしれない場合)壁は直ちには発生しない
ふち殺しへびのふちと、壁越しに接触済みのブロックが接触壁が発生する
押しあい迷子と迷子が接触(合流できない場合)排他性により両者の間に壁が発生する
出あい迷子と迷子が接触(一体化できるかもしれない場合)壁は直ちには発生しない
閉じ込め雰囲気空間とブロックが接触(侵入できない場合)ブロックの反射により壁が発生する
覗き閉じ込め雰囲気空間とブロックが接触(侵入できるかもしれない場合)壁は直ちに発生しない

マス境界線の種類

マス境界線は、線が引かれている場合は「壁」と呼ぶのだった。
線が引かれるかまだ分かっていない段階には、以下の二種類の状態が考えられる。
  • 自由なマス境界線:まだ何も決まっていないマス境界線のこと。
  • 柔らかいマス境界線:回収済みのマスと、そうでないマスの境界線。

触れは、自由なマス境界線が柔らかくなるタイプと、既に柔らかいマス境界線が壁になるタイプに大分できるだろう。
(自由なマス境界線が一気に凝固するパターンも考えられるが、その場合は壁が出来る段階をあまり意識する必要がないと思われる。)

触れの分類

直接接触

回収済みのマス2つが隣接することで壁が生じる手筋。
接触と言う言葉はかなり広義に使われるため、曖昧さを避けたい場合に「直接接触」と呼ぶ。

直接接触には以下の3通りの状況が考えられる。
(a). 星の下と星の下が接触
(b). 星の下と(星の下ではない)ブロックが接触
(c). ブロックとブロックが接触
これらが生じるシナリオは多岐にわたると思われるが、基本的なものは図で示したように、接触とは反対方向からの反射によって接触という現象が発生するものである。
作問の場合はさらに複雑で、例えば(b)の場合一つとっても、先に左の星を配置しておく場合と、先に右のブロックの流れを作る場合でだいぶ意味合いが異なる。

つけ

星の下と星の下を直接接触させることをつけと呼んでいる。

アテ


左からの流れに対し星をアテている。XやYに置くのもアテと呼ぶ。
上の例は拾いからのアテだが、引きからの流れに接触させるのもアテと呼ぶ。


アテとは少し異なるが、このように先に確定した辺に寄り添うように展開する流れも、安心の効果がある。
ただし、ここまですると落ち着かせすぎていて少々もったいない印象もある。コンセプトとしては面白い。
作問の場合は、先に空間を作っておく場合と、あとから空間を作る場合でだいぶ印象が異なる。こちらの分類は難しい。

埋め


アテの内、特に二辺を同時に塞ぐものを「埋め」と呼んでいる。かなり収まりが良い印象で、解き手を安心させる効果があるだろう。
収まりよく勢いを止めるものを広く埋めと呼んでいる。基本的に棚受けだけで確定するものを指す。

止め


こちらはアテの一種だが、単純なアテではなく、Xに波及する効果を持っている。「止め」と呼ぶことにする。
止めのフローは弾きに似ている。行ったり来たりするフローを作りたい時には有効だが、拾いを前提とするので初手の難易度が上がりやすい。

押さえ


左の迷子が脱出してきた。そこに星を置く(そぶる)。その星のさらに右に星を置くと、迷子は回収できなくなる。このようにして迷子の呼吸点を減らした形を「押さえ」と呼ぶことにする。
押さえは迷子の呼吸点を減らすもっとも簡単な方法である。

圧迫


迷子に対して、成長してきたブロックを触れさせる。上の例の場合は薄青色の壁があるため、ブロックは自明に回収を拒否する。
このように迷子の呼吸点を減らすことを「圧迫」と呼ぶ。


圧迫の一例である。この例のように、nマスまとめて圧迫して一気に逃がす印象のものもある。

弾き


この場合、上からの流れは直接は迷子との境界線に壁を作らないが、バツ印の部分が通れないため迷子の回収ができない。このため迷子との境界線に壁が生じる。これを「弾き」と呼ぶ。
弾きは二つの構造体が反発しているというイメージが強く、スプリットのように展開の分岐を起こしやすい。実際この例でもYのマスから次へ展開できる。

両弾き


少し複雑な触れだが、二つの触れの相互作用で決まる形がある。
この例では上の迷子と下の迷子に同時に触れており、バツ印のマスがあるため、どちらの迷子も回収することができない。論理としては大きく三つの考え方が想定される。一つは下の弾きから決まる考え方で、自然な弾きである。二つ目は上の迷子を回収することを考えて、先読みで破綻まで読むというものである。最後に三つ目の考え方は、まず二つのへびは同時にしか回収しえないという制約を理解したうえで、同時に回収することが不可能であることに気づく。
この三つ目の考え方を「両弾き」と呼ぶことにする。対称破綻閉じ込めの一種である。
両弾きはパイプが絡んでおり、応用形もたくさん考えられる。

ふち殺し


迷子のへびに一度壁越しに接触させたブロックをもう一度接触させると、壁が発生する。これを「(へびの)ふち殺し」と呼んでいる。
上の例の場合、Xで一度壁越しに触れており、Yにふち殺しによって壁が発生する。
ふち殺しはいろいろな説明の仕方がある。単純にブロッキングの一種なので弾きと言っても良いが、ふち殺しは見え方がかなり独特なので個別に命名している。

そぶり


迷子の入口に星を触れさせて回収しそうな素振りを見せる展開を「そぶり」と呼んでいる。
そぶりは様々な展開を作る前準備として有用な一段階と言える。上図のそぶりの場合水色の領域をにらんでいる。

(そぶりの)破綻閉じ込め

触れの話から少し逸れるが、そぶりをつぶす基本的な展開をいくつか挙げておく。

そぶりを潰す方法の一つが「破綻閉じ込め」である。
シンプルな先読みの先に閉じ込め空間を作る。「シンプルな」の部分が重要で、ここの重さを明確に規定するのは難しい。今は引き連鎖のみで確定するものを想定している。
破綻閉じ込めは一般になんらかの仮定の先に閉じ込めを作る形を指す言葉で、そぶり以外にも実用場面がある。

(そぶりの)破綻孤児


引き連鎖で、閉じ込めまでは確定しないが、孤児のいる空間ができるものを「破綻孤児」と呼んでいる。
※孤児というのは回収できる星のいないマスのことである。
上の例の場合、Xのマスの破綻孤児となる。この例の場合は譲り合いで説明することもできる。
これはかなり広い定義である。

押しあい


上から脱出してきた二つのへびがバツ印の箇所で触れている。この例の場合3つの線で示した部分を確認することによって、二つのへびが同じブロックに属さないことがわかり、壁が発生する。
いったん壁が発生すると、その下に連続して壁が発生する。この現象を「押しあい」と呼んでいる。

弾き押しあい


現実的にはこのような形の方が作りやすい。
これは論理としては弾きの一種だが、感覚としては押しあいに近い。実際、最初に発生する壁は弾きで決まるが、それ以降の延壁は、最初の弾きに関する知識を必要としない。この延壁は基本的に幅2の通路で起こる現象のため、まず弾きで最初の壁だけ発生させておいて、そのあとで通路を狭めれば押し合いらしく展開することも理論上可能である。


他にこのような作り方がある。論理としてはやはり弾きの一種である。これは、最初の弾きもふち殺しになっている。

これらの、弾きをベースにした延壁の展開を「弾き押しあい」と呼ぶことにする。

出あい


脱出してきたへびが触れることを一般に出あいと呼ぶ。
出あいの段階ではまだ壁が発生するかわからない。二つのへびは「一体化」するか「仲たがい」するかの二択となる。
ここで「一体化/仲たがい」は二つのへび(またはより広義に空間)が「なんらかの展開または推論の末に」結果的に同一の星/異なる星に回収されることを指す。「なんらかの」の部分をあくまでも指定しないが、ただちに確定しないものを指していることに注意する。


閉じ込め雰囲気空間の制御によって出あいを演出することもできる。
この例の場合、赤いバツ印で一度出あった空間が青いバツ印でもう一度出あっている「ように見える」が、二つの空間が一体化するのなら他にも可能性が出てくる。例えば弱い星が成長することも考えられる。

覗き


この概念は用語集:雰囲気で触れた。
閉じ込め雰囲気空間の出入り口部分に星を配置することを「覗き」と呼ぶのだった。
ループの用語で言えば、これは「パイプ」の星ということもできる。
構造の上ではへびにおける引きと対応しているが、一般の洞窟では直ちに拾いは起こらない。


この例は洞窟に対する覗きであると同時に、へびに対するそぶりにもなっている。
あるいは洞窟の中にp- A/N的な空間があり、出入り口部分に責任を与えているとも見ることができる。

蓋(フタ)


閉じ込め雰囲気空間の出入り口を、へびにおける押さえの要領で塞ぐものを「蓋」と呼ぶ。


この例のように、圧迫ライクに出入り口を減らしたり、あるいは部分的に侵入したりして洞窟の窮屈具合を制御する戦略もありうる。
この例では水色のマスが覗きの星にたいしてふち殺しに似た働き方をする。こういった制御も洞窟に有効である。
ここでは細かくは分類しない。


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