1

宇佐見蓮子が大学キャンパスを歩いていると、道端に浮浪者が座っているのが目に入った。広い大学の事だ、浮浪者が立ち入る事もあるだろうとそのまま歩き去ろうとしたが、浮浪者が独り言を繰り返しているのが耳に入り、こっそりと盗み聞きをする事にした。
 浮浪者の目の前を太った学生が通り過ぎる。すると彼は「豚」と呟いた。
確かに太っているとはいえあまりに直球過ぎる悪口に少しだけ蓮子は嫌な気分になる。もうしばらくすると、今度はマエリベリー・ハーンが急ぎ足で歩いてくる。講義に遅れそうなのだろうか。すると浮浪者は「男の子」と呟いた。
 はぁ?あんなに可愛くてナイスバディなメリーのどこが男の子なのよ?と蓮子が口に出そうとした矢先、浮浪者は痩せて背の高い女子学生が通り過ぎるのを見て「牛」と呟いた。
 ますます訳が分からない。あの学生のどこが牛なのだろう。我慢できず蓮子は浮浪者に尋ねてみた。
「あのう、さっきからあなたは何を呟いてるんですか?」
「……私は、その人が最後に食べたものがわかるんです」

2

ある日の事、蓮子は今までしたことがないオナニーをしたくなり、パンツの上から性器を撫でるようなオナニーをしてみた。布越しにクリトリスを刺激するもどかしさが癖になり、蓮子は普段のオナニーよりも大量の潮を噴いてしまい、パンツに大きな染みを作った。この染みは洗濯しても落とせないと判断した蓮子は、マンション近くにある古井戸にパンツを捨ててしまった。翌日、蓮子が古井戸の中を覗くとパンツは消えていた。
 数か月後、蓮子はあの時の快感を思い出し、我慢できずに再度パンツ越しにオナニーをした。染みができたパンツは再び古井戸に捨て、その翌日にはパンツはまたもや消え去っていた。
 数か月後、メリーが数日の間サナトリウムに入院することになった。相棒に会えない寂しさから、蓮子は三度パンツ越しにオナニーした。染みができたパンツは同じように古井戸に捨てた。その翌日、古井戸を覗くとパンツはまだそこにあった。その翌日にも、パンツは変わらず古井戸の中にあった。

3

宇佐見蓮子がメリーの部屋に遊びに行くと、部屋の前に数人の警察官が立っていた。事情を聞くと、どうやらメリーの部屋に強盗が押し入ろうとしたらしい。
 メリーと蓮子が仲が良いという事を知っていた強盗は、不敵にも蓮子を装って部屋のドアを開けさせたようだ。その時はメリーが手に持っていたアナル用極太電動バイブを強盗の尻に挿して追い払ったらしいが、強盗に入られた事でメリーは大きなショックを受けているようだ。
 よしよし、今夜は友人としてメリーを一晩かけて慰めてやろうと蓮子は思った。

4

ある男が散歩をしていたら、「キャー!」という甲高い悲鳴が聞こえた。
 驚いて声のする方に行ってみると、困惑した顔をして立っている金髪巨乳女子大生の傍に中年男性が白目をむいたまま下半身を露出した状態で気絶していた。
 男は慌てて警察を呼び、やって来た警察官はその場の状況から男が下半身を露出させて金髪巨乳女子大生に性的な嫌がらせをしようとしたところを返り討ちにあったのだろうと結論付けた。金髪巨乳女子大生は正当防衛という事でその場で解放され、中年男性も気絶したまま警察署に送られていった。
 数日後、男が事件のあった道を歩いていると例の金髪巨乳女子大生と出くわした。
「また会いましたね。先日は大変びっくりしたことでしょうね」
「ええ、男の人があんなに甲高い声を出せるなんて思いませんでした」

5

 ある地方の女子大生が京都の大学に進学が決まり、一人暮らしをする事にした。
あるマンションで一人暮らしをしているうちに、部屋の壁に小さな穴が開いている事に気が付いた。確かこの壁の向こうには同じ大学に通う金髪巨乳女子大生が住んでいるんだったか。興味をそそられた女子大生が穴をのぞき込むと、穴の向こうは一面ピンク色だった。「壁紙まで全部ピンクにしてるのかな…」と女子大生は気にも留めずその夜は眠りについた。
その後、何度か穴を覗いてみても壁の向こうは変わらずに一面ピンク色だった。
数日後、女子大生が大学に行こうと部屋を出ると、例の金髪巨乳女子大生の部屋から茶髪の女性が同じタイミングで部屋から出てきた。彼女に話を聞くと、例の金髪巨乳女子大生の親友であるという。女子大生は好奇心を抑えきれず茶髪の女子大生に質問してみた。
「隣に住んでいる方はどんな女性なんですか?」
「別にどうって事のない奴よ。強いて言うなら、乳首が綺麗なピンク色をしているのがチャームポイントかしら」

6

夏休みの事、メリーが故郷へ帰省してしまったので蓮子は一人で暇な休日を過ごしていた。
 蓮子はメリーから彼女の部屋の合い鍵を預かっていたので、イタズラ半分でメリーの部屋に入ってみる事にした。
 特になんて事のない女子大生らしいワンルーム。蓮子が部屋を見回すと机の上にメリーの日記らしいものが置いてあった。好奇心を抑えきれず、蓮子はメリーの日記を開いてしまう。すると、一番最後のページにカレンダーの切れ端らしきものが貼られていた。
6/7 2/15 4/1 2/16 4/10 3/16 5/18 3/14 6/17 5/17
5月18日と6月17日が逆さまに貼り付けられている。蓮子は何の事だろうと首を傾げた。

7

日本の警察は優秀って聞いていたけどそうでもないのね。
 ここ最近、私が住んでいるアパートの近所で男子小学生を狙った逆レイプ事件が多発しているの。
 皮も剥け切っていない子供おちんちんを唾液でふやけるくらいに濃厚フェラした後、騎乗位セックスで数回にわたって強制中出しさせるという手口ですって。
 ワイドショーもその話で持ち切りだけど、やたらめったら恐怖を煽るだけで無責任なものよ。
蓮子も誰が犯人なのかしらねぇと興味深げに事件について毎日話し込んでいるわ。
 それなのに警察ときたら、被害を受けた子供はショック状態で口も聞けないから犯人像は全くつかめていないって。困ったものね。

おわり

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