1

鯢呑亭ではどれだけ呑んだとしても、何とか自分の足で家に帰れる程度までにしておかなければならない
決して店内で酔いつぶれて眠ってしまってはいけないのだ
この警告を守らず鯢呑亭で眠ってしまった客は、店の奥の"休憩部屋"へ連れていかれることになる
酔いが醒めるまで介抱してあげていると看板娘の奥野田美宵は言うが、それは表向きの理由だ
本当の理由は潰れた客の精を限界まで搾り尽くす事なのだ

2

布団に寝かされた客は衣服を全てはぎ取られる
言うまでもなくこれから搾り取る肉体を隅々まで堪能することが理由だ
まず始めに、眠ったままの客の顔に接吻をする
彼女にとっての接吻は愛情の証ではなく、これから始まる捕食に対する儀式のようなものだ
唇に重ねた舌を首筋、胸元、乳首へとゆっくり下げていく
そのまま客の乳首を舌で転がしながら、奥野田美宵は客の一物を手で優しく撫でまわす
少しずつ血液が集まっていき、一物が大きく膨れ上がったのを確認してから、彼女は客の胸元から顔を離す
次に彼女は客の脚の間に収まるようにして一物の前に顔を近づける
酒臭さと汗臭さが混じった雄の精の臭いを、酔魔である彼女は何よりも好むのだ

3

ぴちゃり、ぴちゃりと音を立てて客の一物を舌で舐めまわす彼女
その恍惚した表情は人間離れしており、普段は愛嬌の良い看板娘である彼女が妖怪であるという事実を否応にも認識させる
一物を舐めまわす速度は段々と早くなっていき、ついには口内で丸ごと包んで吸い上げるように一物を味わうようになっていく
ずぼぼっ、ずぼぼっと下品な音を立てながら彼女の補食は続いていく 
泥酔した客は目を覚ますことのないまま最も大事な部位を無防備に貪られ続けるのだ
ぢゅぽんっ、とした音を立てて彼女が一物を口から離すと、よだれまみれの一物はまるで湯に浸ったかのようにふやけている
しかしこれで彼女は満足したのではない むしろ真の補食はここから始まるのだ

4

横たわる客の隣でゆっくりと自らの衣服を脱いでゆく奥野田美宵
酒を運ぶたびに茶化される大きな胸も何度酔漢に撫でられたかわからない尻もその全てが晒されていく
しかし、彼女はそれらの行為に決して怒りを覚える事はない
なぜなら、最後に彼らを喰らうのは自分の方なのだから
一糸まとわぬ姿で客の上に馬乗りになる奥野田美宵
一物を呑みこむように形作られた秘所からは、これから味わう極上の美味を期待して唾液が溢れている

5

奥野田美宵はスッと腰を下ろし、客の一物を秘所で呑みこむ
途端、彼女の体は快楽に打ち震え、彼女の顔はあまりの気持ちよさに蕩けてゆく
どうやら、今夜の一物は大当たりだったようだ。大きさ、膣へのひっかかり、子宮を打ち付ける感触全てが彼女の肉体にしっくりとハマっている
自分に喰われるために育ってきたとしか思えない一物を、すぐに絞り尽くしてしまわないようにゆっくりと腰を動かす
しかし、ゆっくりと動かしていては真の快楽は得られない。このじれったさも味わいの内だと彼女は考えているようだ
すぐに終わってしまわないようにゆっくりと、しかしながらできるだけ強く快感を得られるように速度を調節して腰を打ち付けていく
この絶妙な塩梅を探し当てるのが、補食の一番の醍醐味だった

6

どんなに楽しい時も必ず終わりの時はくる。数十分かけてゆっくりと刺激を与え続けてきた一物は限界を迎え、生理現象として当然の帰結を迎える。
びゅくっ、びゅくっ、と噴き出た精液は、当たり前のように彼女の秘所が全て受け止める
天井を仰ぎ見て大きく息を吐く彼女。想像以上の味わい深さに今夜もご満悦のようだ
御馳走を食べ終わった彼女はすぐさま後始末を始める
そそくさと自分の服を着て、愛液と精液で汚れた一物を丁寧に拭きとる
しかし、今夜は彼女にも想定外のハプニングが起きてしまう
一物を拭った手拭いから発せられる臭いによって、先ほどのお楽しみの時間を思い出してしまったのだ
今夜の一物は本当に極上だった。この先これほど自分の体に合うモノに何度出会えるだろうか
そう思うと勝手に体が疼いてしまう。服の下で彼女の秘部がまだ食べ足りないと唾液を垂らしている
結局、彼女は下半身の衣服だけをもう一度脱いで一物を再度補食してしまった。美味しいものは何度でも味わいたくなる、それは人間でも妖怪でも変わりないのだ

7

用済みになった客は店の裏口からそっと送り出し、翌日の朝に酔いつぶれて往来で眠りこけてしまった者として発見される
客は襲われた記憶などもちろん残ってはいないが、捕食された影響は肉体に残っている
どんなによくできた春画を見ても、見目麗しい娘に誘われたとしても、下半身が反応しないのだ
酔魔に絞り尽くされた精は滅多なことでは回復しない。数少ない方法と言えば、再び鯢呑亭に赴き、彼女の笑顔を眺めながら酒をあおる事だろうか
鯢呑亭で酒を呑むと体に活力が漲ってくる、などと噂されているが、それはまぎれもない事実なのだ
彼女が鯢呑亭に憑いてからというものの、客足はどんどん増えていくばかりである
店の繁盛と引き換えに客の精を喰らい尽くす危険な妖怪、それが奥野田美宵なのだ

そして俺も搾り取られたい

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