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子供がサンタクロースなる人物に手紙を送ると12月24日の夜、眠っている間にプレゼントが贈られる
元々新聞でいくらかの者にはしられていたサンタの存在
そこに幻想郷に定住した外の人間からもたらされたお伽噺が少々形を変えて広まったところ、果たして誰が乗り気になったやら人里でそのシステムを再現してみる者が出始めた
赤と白の衣装に身を包み、白く豊かなつけ髭に少しだけ酒をいれた赤ら顔で明日の笑顔を靴下に入れる一夜限りの特別な存在になる…
一種の娯楽となった年に一度のそれは少しずつ規模を広め今やサンタクロースはしっかりと制度だった子供に内緒の一組織となっていた

そして娯楽と聞いて暇を持て余した妖が黙ってはいまい
配達参加者が多い気がする・手に入らないはずの品が用意されている・本当にいつの間にかプレゼントが配られている――
もはや追及も面倒となり人妖互いに参加黙認状態となったこのイベント
ついには妖精や精神的に幼い妖怪の中にもサンタクロースの実在を信じる者が出始め、その子らからも手紙が来る始末であった

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流石にこれには困る者が多かったがコネクトがある者づてに妖怪の賢者が24日の晩に限りサンタは害されないよう加護を与えるとの達しがあり、協議の結果今年から妖にもプレゼントは配るということになった
これはその年の聖夜の話である――

「…はあ」
大仰な鉄扉を極力音を立てないように閉め終え、男は肩を下ろして溜息を吐いた
此処は霧の湖の畔に立つ紅い館。悪魔の住処の地下室である
この館も今回から配達先として追加された箇所のひとつであるが、主である吸血鬼の娘が貰う側として参加しようとしたところ、此処に住まう大量の妖精までもがプレゼントを要求してきたのだ
おかげでこの館一つに数人がかりで階ごとに分担して対処する事態になってしまっていた
この男の担当が一階の半分と…この地下の一室というわけだ
入館は許可されている、『来るのは眠っている間』という制限のおかげで起きている住人もいまい、いざとなれば助けも呼べる…
とはいえここはそうそう人の手には負えない夜の貴族の寝床
今晩の加護がなくとも元々吸血鬼はなるべく里の者は襲わない協定になってはいるらしいがこんな機会でなければ近寄りたくもない場所であった

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ましてやこの部屋がその吸血鬼の一族の寝室であるとなれば先ほどの溜息が扉の開閉の疲れのみによるものではないことも推して知るべしだろう
おまけにある程度は知られている館の主と違い、こっちは滅多に人前に姿を出さないその妹の方だ
狂っている、とまで評されている未知の存在に恐怖を持つなというのが土台無理な話である
毎年恒例の景気づけの飲酒が気分を大きくしてくれるのが今回ばかりは本当に有難かった
「とっとと済ませて退散しちまうか」
薄暗い部屋を見まわし、置き場所の目印の靴下を探す
月明かりも入らない地下室ではあるが小さな蝋燭がいくつかあるおかげで足元がおぼつかないということはなさそうだ
「まあ…布団のそばだよな」
長めの白い靴下がベッドの頭側の小机にかけてあるのが目に入る
近寄るのは億劫だが目印のそばにプレゼントを置くのが決まり
どんなに危険を感じようがこういったルールを守ることが結果として身を守ることにつながるのは人と妖怪の関わりそのままだなと考えながら男は少し大きめの平箱を抱えてすり足で近づいていく

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(ちゃんと寝てるよな…?)
不安を抱えながらも受け取り主の姿を確認して
「――――」
そのまま吸いこまれそうになった
吸血鬼のイメージが先行して頭の中で恐ろしい存在を作り上げてしまっていたが…そこで寝息をたてていたのは愛らしい少女だった
色白の肌が滑らかに流れて可愛らしい瞼や鼻を形作り小さな顔を飾り付け、未だ薄めの肉づきながらも柔らかさが見てとれる唇は作り物のようでいて瑞々しさがある
そして月と純金をそのまま縒り合わせて細めたような輝かしいブロンドが蝋燭の遠明りに揺られて薄暗い部屋の中で輝くのが目を奪う
「これは……」
本当に目の前の少女は悪魔と呼ばれる眷属の者なのだろうか。これではむしろ逆の……
「……おっと」
つい見入ってしまった。下手をすれば夜が明けるまで眺めていてしまいかねない
賢者の加護はあくまで晩の間のみ
長居をするわけにはいかない、男は静かに小机に荷物を置いて整えようとし…
ばふんっ!
毛布の跳ねる音に心臓を跳ねさせた

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「!!」
まさか目を覚ましたのか――?
前かがみのまま固まった体が動かせず、首だけをゆっくり動かして少女の方を見る
「ああ…」
なんてことはない。ただかかっていた毛布を蹴り飛ばしただけのようだ
しかし見た目どころか寝相まで子供じみているとは
緊張が一気に解けた男は肩をすくめ、子供に対する親切心から毛布を掛けなおしてやろうとして
「――は?」
先ほど以上に大きく心臓を跳ねさせた
少女は何も着ていなかった
いや正確には薄く透けてはいるもののネグリジェをつけているし下着もちゃんとあった
しかしネグリジェは大きく捲れあがって臍の上までさらけ出してしまっており、下着に至ってはどんな寝相だったやらほとんど脱げて辛うじて右足首に引っかかってる有様だ
胸から下全てを丸見えにしてしまっている状態を着ているとするのはいささか無理があるだろう

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しかしそんなことはどうでもいい
男の視線は釘付けだ
人形のような感じも受ける顔立ちと違い、布団の中の少女の体は間違いなく生きた女の肉であった
なだらかで筋肉を感じさせない腹の丘。柔らかそうだ
弾けるように光を返す瑞々しい腿。柔らかいに決まっている
その間…無毛の股の中心で薄く盛り上がる中小さく刻まれた一筋の谷。柔らかくないわけがない
そのどれもが瑞々しく息づいて少女の下半身を形作っていた
特にそのふわりとした恥丘は…長らく女など抱いていない男にとって、とてつもなく魅力的な色香を放っているようにさえ思えた

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「――」
知らず知らずのうち指が一本伸びていた
心臓は先ほどから跳ねっぱなしだ
くちり、と微かな水音。指先に温かな感触
視界が狭まる
第一関節を曲げて、伸ばして、まげて、のばして
静かな部屋。音は小さく鳴る肉の音だけ
ワレメの下側、深まったところに指を沈めて、戻して
何をしているのだという考えは喉の後ろに落ちていった
指先がぬめってきた。指をさらに深くに潜り込ませて中をさする
蕩け絡みつく粘膜と引き抜いた指先へとかかる粘液の橋が準備ができたと告げていた

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「ああ――」
脱ぎ棄てるのももどかしいと赤いズボンを下着ごと下ろしながらベッドの上に乗り上がる
膨れ上がり、天を突きかねないほどに持ち上がった赤黒い剛直は、既に先走りで亀頭を照りつかせていた
片手で少女の恥丘を開き、空いたもう片方の手で暴れる陽物を固定して狙いを定める
しかしこうして傍に並べ立ててみると眠る少女の肉花弁のなんと小さなことか
本当にこれを散らしてしまって良いのか。そもそも大丈夫なのか?
だがここまでしてお預けにするなど本当にできるのか?
少しだけ顔を覗かせた淫核はまるで怯える小動物のようではないか
だが、そんないたいけな豆粒を嬲るように辱めればどれだけの征服感が満たせるのだろうか
何より幼い少女にしか見えないとはいえ化け物にこんなことをして後でいったいどうなるか…
だが、だが…あの指先にすら吸いつくような感触を与えたこの肉穴に、この猛りを沈めたらどれほどの――
開いたままの秘裂に視線を奪われながらも最後の一線で煩悶する
だが――
ひくり
溜まっていた密雫を流しての少女の膣口の何かを求めるような甘いひと収縮が、男の理性を打ち砕いた

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男はそれまでの躊躇いが嘘のように一息で膣穴の中ほどまでを抉り進めた
「おっ――ふう…」
思わず胃の腑からアルコールを含んだ呼気が漏れだす
なんたる名器か
汚れひとつない無垢な見た目からは想像もできなかった
この幼いワレメは少女の指数本を束ねたよりも更に太い男根を難なく受け入れて見せたばかりか逆に「歓迎」すらしてみせる程であったのだ
入口からしていくつもの襞が吸いついてくるのは指を挿入した時点で分かっていた
だがそのまま掘り進めると今度はぷりぷりとした肉粒が敷き詰められている領域が訪れ、押し入る肉茎をもみくちゃにしてくれるのだ
二重にもたらされる快楽にともすればここで腰が引けてしまいかねない
だが、男は鼻息を荒げながらもこの感触を肉棒の根元まで堪能しようとそのままゆっくりと押し進め
「くほおっ!」
最奥に届くと同時に情けない声を漏らした

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予想外の衝撃に思わず暴発しそうになるのを寸でのところで堪えてみせた
息を整えつつその正体を探り見て、男はその妖性に感嘆し、胸の奥から熱く震える
まさか文字通りの「奥の」手があったとは
肉筒の一番奥底、まさに亀頭がちょうど届く位置にざらざらとした部分があったのだ
つまりそこまで柔らかな肉の歓待を受けに受け続けた最後の最後に強烈な刺激が亀頭だけを狙い撃って下されるという形になるということだ
全くもって魔性である
幼い見た目に反して体の中はこれである。成程これが人外の体ということか
淫魔に溺れる男は皆これほどのものを体感していたのか
いや、夜の王とされる吸血鬼なのだからもしやこれはそれ以上の快楽器なのではないか…?
だが今はそんなことに想いを馳せている時ではない
今はひたすらにこの極上の肉の味を愉しまなければ損以外の何物でもない
男は少しずつ、腰の動きを速めていった

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限界はそれほど経たずに訪れた
無理もない、別に女慣れしているわけでもないのだ
こんな名器を相手にして最初の数回で果てなかっただけ褒められる位である
それでも限界の限界まで見計らって何度も激しいグラインドで最奥まで陰茎を叩きつけ、肉襞を存分に堪能する
そしてとうとう我慢できずに精の塊が尿道を駆けあがってくる感覚が走ったのに合わせて逸物を引き抜き、上向きに持ち上げた
「おお、おお……!」
呻きに呼応するようにいまだかつて体験したことのないほどの量で、濃さで精液が迸る
多くのダマを内包したそれらがびちびちと少女の腹肉を打ち、デコレートしていく
愛らしい肢体があっという間に穢らわしい使用済みホールへと変わっていくようだ
尿道の残り汁まで搾りだして少女に振りかければ男を暗い達成感と征服感が満たした
だが貪欲にも満足感はまだ半ばといったところだ
少女の淫液に塗れた剛直もまだまだこれからだと言わんばかりに反り返っている
当たり前だ。まだメインディッシュは残っているのだから

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再び秘裂を割り開き、入口へと肉の剣をあてがう
今度はこの最奥を己の種汁で満たしてやるのだ
これをせずに終わらせることなどあり得ない
たっぷりと、それこそ孕ませるくらいの勢いでやりきらなければ収まりがつかなかった
ひくひくと先ほど以上に蠢く膣口にしっかりと狙いを定め、一気に奥まで突き込んだ

「つーかまーえたっ♥」

自分以外の、声がした

反射的に腰を引く
だが、抜けない
まるで鎖に繋がれたかのように少女の膣穴から外へと陰茎を引き抜くことができないのだ
「うわー♪ほんとに赤い服に白いお髭。絵に見たまんまでちょっと感動♪おちんちんはまっ黒みたいだけど♥」
少女の喉から出るのは見た目に反さず鈴の鳴るような可愛らしい声ではあったが男にとっては重く響く地獄の怨嗟よりも恐怖を覚えるものだった

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「私は捕まえられたけどお姉さまの方はどうなんだろ。お姉さまはこういう手思いつかないだろうからなあ」
胸で早鐘を打ち、冷や汗を垂れ流す男を気にせず少女は膣口で男根を咥えたまま楽しげに話す
「一年に一度だけ現れる子供が見ることのできない不思議な男、なんてとっても珍しいじゃない?だからお姉さまと一緒に捕まえてみようって話になったの」
「で、本当に寝てる時じゃないと来ないらしいんだけど、ちゃんと起きられるか自信なかったの。…だから本人に起こしてもらうことにしたんだ♪」
「寝てる間も有効なのか分からないのが不安だったけど…ちゃんと効いてよかった♪やっぱり男なら全身魅了(チャーム)でイチコロね♥」
ようやく合点がいった
幼児趣味などないと思っていたのに吸い寄せられるようにこの体に手を出したのも
相手の目覚めすら意識の埒外に置いたまま激し過ぎる情交に及んでいたのもこの少女の手の内にあったからだ
要するに最初に寝顔を覗いた時、見入っていたのではない
魅入られていたのだ。その時点で、逃げ場を自ら棄てるように

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「…?ああ、大丈夫よ。取って食べたりはしないから」
男の恐怖にようやく気付いた少女は手をひらひらと振って害意がないことを示した
「せっかく捕まえたレアものだもの。早々に壊すような真似はしないわ。お姉さまに笑われたくないし」
「飽きたらちゃんと放してあげるしさ。だからそんな震えたりしてないで安心していいのよ?それより――」
ぐにゃり
突如男の下半身で強烈な快感がうねりをあげた
「続き、しましょ?したかったんでしょ…膣内射精(なかだし)♥」
男は困惑した
自分も、少女も動いてはいない
なのにこの強烈な挿入感は一体何なのかと
「ほーらあ、動いてよ♪私ばっかりにさせてちゃダメだよ?」
ぐにり、ぐにゃり、ぐちゅり
まさかと思い当たる
膣内だけを動かしているのか、と

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「どう?すごいでしょー!餌で遊んでるうちにできるようになったんだ♪」
楽しげに笑う少女だが男はそれどころではない
このままこの娘の相手をして無事で済むわけがないのだ
先ほどまでの支配欲が完全に消沈した男は肉茎を抜くため、必死に腰を持ち上げようと少女にかぶさるように両手をつく
男が上から組み敷く形ではあるが、実際のところこの交合を支配しているのは寝たきりのままの少女の方であった
「あははっ、上から押し付けるようにして入れると気持ちいいんだってね♥それじゃあご案なーい♪」
半ばまんぐりがえしになった少女の蜜壺の中で、あの卑猥な肉造りが動いた
いや、動くなどという生易しいものではない、蠢く、いや別の生き物になったようであった
入口の肉襞が、波打つように収縮し、根元を撫でまわす
中ほどの肉粒が一つ一つ別の動きをし、男根の弱い部分を見つけ次第寄り集まって擦りついてくる
愛液が必要なところに必要な分だけ滲み溢れてくる
子宮口の奥が息を吸うかのように膣内全体を吸い上げ、締めつけてくる
それが、まとめて、少女の思い描くように大合奏を紡ぎだす

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そんなものに耐えきれるわけもなく、男は腰の力が抜け、抜くどころか逆にすとんと奥まで挿入しきる形となってしまう
「待ってました♥」
そして、あの最奥のざらつきが亀頭を撫でまわす
ずるり、ずるりとまるで舌のようにスライドし、的確に亀頭冠までもをすりあげてくる
「だーめ、にがさなーい♥」
凶悪すぎる刺激に耐えかね、力を振り絞って逃げ抜こうとするペニスを大量の肉粒と肉襞がざわめきながら押し戻してくる
そして力尽きて腰を落とせば再びあのざらつきが亀頭を凌辱してくるのだ
どこまでも少女の意のままに、悪魔じみた作りの性器が男根を嬲り物にしてくる
これは名器と言うには危険すぎる
むしろ凶器と表現する方がずっと的を得ていた
そんなモノ相手にどう射精を耐えろと言うのか
そうこうしているうちに男の肉棒は吐精寸前まで追い詰められていた
「ありゃ、もう出ちゃう?じゃ、と・ど・め♥」
少女が告げると、なんと膣内全ての肉パーツが細やかに振動を起こした
どこまで、隠し玉をもっているのか

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射精は、それこそ弾けるようなものであった
先のものよりもずっと濃く、更に大量に、比べ物にならないほどの快楽を伴って
「生射精(ナマだし)…きもちい♥」
崩れ落ちた男を見た目以上の膂力で受けとめながら濁流が膣底を撃ち抜ける感覚に少女はうっとりと呟く
「ねえ…サンタさん」
「私ね、まだイってないの」
「イくとね、コントロール効かなくなっちゃって…さっきのとどめより凄いことになっちゃうんだ♥」
「…体験、してみて♥」
再び、淫肉が蠕動を始める
男にもはや逃げる気力はない
あったところで背に回された少女の歪な翼を振り切るだけの力があるとも思えない
聖夜のくせに聖人は護ってくれないのかと小さく呆れ、男は意識を手放した…

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「で!サンタクロースはどこに捕まえてあるの!?」
「逃げられた」
翌朝、プレゼントの真新しいドレスに身を包んで目を輝かせる姉に向かってこともなげに少女は言い放った
「はあ?ちゃんと捕まえておかなかったの!?」
「消えちゃったのよ。目を離した一瞬のうちに。それこそ霧のように」
「はあ…て言うか夢でも見てたんじゃないの。全く、夢見るくらいに熟睡しちゃうなんてね」
「…どうせお姉さまだって寝過したんでしょ」
寝不足のカケラも感じさせない姉の顔を眺め、正解を言い放つ
「ち、違うわよ。こっちのはやったらすばしっこくて網にも捕えられなかったんだから。きっとこっちの方が上物だったのね」
「ふうん、網ねえ」
それこそ夢の中の話よねとは言外に放り投げ、少女はまだ何やら言い続けている姉について朝の食卓へと向かう
「…私は、ちゃんと実在を確かめたもん♪」
ぐぽり
少女が身にまとったプレゼント、姉と同じデザイン…色違いのお揃いドレスの中で異質な水音が微かに響いた…

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