11/05/10

1

うららかな昼下がり。
そんな単語から連想される事といえばなんだろうか?
例えば昼寝。ああいいね、この陽気ならもってこいだよね。
例えばピクニック。親しいものと一緒ならそれはそれは楽しいだろうね。
例えば家事炊事、例えばお花摘み、例えば、例えば、例えば。

でも今僕のおかれている状況はそうやって連想されるドレとも違っていただろうと思う
なぜなら――

「ねぇどうする?」「とりあえず縛っておこうよ」「さんせーい」「いぎなーし」「きゃっきゃっ」

大中小色とりどり選り取りみどりな大量の妖精に身体を押さえつけられているからだ……

2

妖精は人間からすれば、取るに足らない存在…言ってしまえば雑魚だ。
乳幼児ならいざ知らず、大人はおろか子供だって1〜2匹なら余裕で蹴散らせる。
だがこうもわらわらと大量にまとわりつかれれば流石にどうしようもない。
純粋な数の暴力という奴だ。

「むだなていこうはやめろー」「にてるにてるー」「早く縛るもの持ってきてよ」「しんみょうにお縄につけーい」

口々に勝手な事を良いながら僕を押さえつける妖精たち。
薪を拾う最中、うっかり湖に近づきすぎたのが運のツキだった。
この辺にはたちの悪い悪戯をする妖精が居るとわかっていたはずなのに。
…急に暖かくなってきて警戒心が薄らいでしまったのだろうか。
何はともあれ、これだけ大群で抑えられている以上、平凡な人間である僕に逃げ道はない。

3

しかし妙な話だった。
妖精って言うのは普通、ここまで群れて集団行動する事なんてないはずだ。
むしろ、それだからこそ妖精は人間にとって安全な存在であるわけなのに。

「丈夫なツルがあったよー」「これでいいよね」「どうやって縛るの?」「適当にぐるぐる巻いちゃえば?」「きゃっきゃっきゃ」

妖精たちは僕の意思なんてお構い無しに腕を捻じ曲げ足を引っ張り、無理やり動きを封じようとする。
僕も流石に無茶な間接の曲げ方に耐えかねて振りほどこうとするが、妖精たちは意外に力が強かった。
あっという間にがんじがらめにされて蜘蛛の巣にかかった昆虫のような格好にさせられる。

妙といえばこれも妙な事だった。
集団で罠をはり、こんな知恵を絞った事をするなんて僕の持っている妖精の知識とはかけ離れている。
一体どういうことなのだろうか。僕の胸に言いようの無い不安がじわじわと広がっていく。

4

その不安はやがて的中する事になった。

「ねぇねぇ先に始めちゃおうよ」「えーでもー」「いーじゃん捕まえたの私達なんだし」「だよねだよね」「やくとくやくとくー」

始めるという言葉が合図だったかのように、妖精たちが一斉に僕の身体をまさぐり始める。
強さも触り方もまちまちで、くすぐるようなのも居れば摘んでくる奴も居る。
だがそれがある目的のために行われているというのは、おそらくその場に居れば誰でも一目で判ったと思う。

幼い少女の外見にまとわりつく官能の雰囲気
何かをねだるようなもの欲しげにゆらめく無数の瞳
服のすそから内側にもぐりこんでくる無数の可憐な手

そう、妖精たちは今正に、僕の事を集団でレイプしようとしているのだ。

5

快感には程遠い、くすぐったさと不快感がない交ぜになったような刺激に僕は身をよじらせて耐える。
けれど、人間の身体というのは正直に出来ているものらしい。
刺激には耐えれても、妖精たちのかもし出す淫猥な雰囲気のおかげで下半身が勝手に反応し始めた。

「あはっ、でっぱってきた」「えーっとこれだよね?」「そうそう、そこを虐めるんだって」「やっちゃうよ?やっちゃうよ?」

熱の篭った声と裏腹な無邪気な台詞が、熱を帯びた無邪気な指先が次第に一点に集中していく。
こんな僕の身長の半分くらいしかない妖精達にいいようにされるなんて…

「脱がした方がいいのかな」「そのほうがいいんじゃないかな」「だよねこんなカッチカチなんだもん」

恥ずかしさもあって目をそらしてしまった僕のことなど意に介さず、妖精たちは行為を続けていく。

6


「えっへっへへーいちばんのりぃー」

僕の身体に馬乗りになるような形で座っていた妖精が、ついに僕の服を脱がしにかかってくる。
あっという間に下帯も外され、中から僕のちんぽがにょきりと顔を出すと、
途端に妖精たちからは黄色い声が上がった。

「まえのよりおっきいかな」「でも皮被ってるね」「思ったより綺麗な色ー」「おしべおしべー」

なんてことだ。この妖精たちは以前にもちんぽをみた事があるのか。
僕は妖精という存在に抱いていたかすかな幻想が崩れたような気分だった。
だってそうだろう、自分より明らかに年下にしか見えない女の子が自分より秘め事に慣れているだなんて。
正直、ショックだ。

7

「こうすれば、いんだよね」

妖精たちの中でもリーダーっぽい妖精がぼくのちんぽをぎゅっと掴んだ。
そしてそのままがっしがっしと上下にしごき始める…が、そんな強くやられてもただ痛いだけだ。
どうも見るのには慣れているようだが、扱い方まで慣れているわけではないらしい。
…そのほうがよっぽどタチがわるかった。

「んー口でやった方が良いんじゃないかな」「確か両方でやるんだよ」「なめればいいんだっけ?」「えー、しらないよー」

口々にみようみまね的な意見を述べ、かわるがわる僕のちんぽをさわり、しごき、もみくちゃにしてくる。
気持ちよくはないが、刺激はあるので萎えはしない、手足が縛られているので抵抗は出来ない、
もはやなぶり殺しのような状況だ。

8

「あー、先に始めてるー」

涼やかな声が響いたのは、妖精たちが僕のちんぽを刺激し始めてから間もなくの事だった。
声を発したのは、緑の髪に大きな羽、周囲の妖精たちより一回り大きな背丈、
髪を結った大きなリボンが風になびく髪に映える、清楚で可憐で可愛くて、
正に美少女といったような容貌の、青い洋服を着た妖精だった。

…僕は瞬時に理解した。
後から現れたこの妖精こそが、彼女達のリーダー的存在なのだろう、と。
おそらく、僕は最初から彼女に捧げられるために捕らえられたのだろう、と。
彼女が今見せた小さな舌なめずりは、きっとそういう意味でのものなのだろう、と。

9

「もう、みんな乱暴に扱いすぎだよ。おちんちんっていうのはね…」

ゆっくり近づいてきて、身動きの出来ない僕のそばに座るリーダーっぽい妖精は、
まるで今日の晩のおかずにキノコを採取するような手つきでそっと僕のちんぽに手を添えると、
絶妙な力加減でリズミカルにしごき始める。

「こうやって可愛がってあげないと駄目なんだよ?」

にこりと微笑む表情は少女のものなのに異様に艶かしく僕の目に映った。
さっきまであれだけ騒がしかったチビ妖精たちも一斉に動きを止め、食い入るように彼女の動作を見つめ、
僕はそんな衆人環視の羞恥と、自由のない窮屈な状況の中であっという間に限界を迎えさせられてしまった。
我慢する間もなく、どびゅ、どびゅ、と精液がちんぽの先端からぶちまけられ、綺麗な白い指先を真っ白に染めていく。

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「わぁ」「なめていい?なめていい?」「わたしもわたしも」「いっぱいだぁ」「はいはい、押さないで」

すると途端に妖精たちが僕のちんぽ…いやさ、吐き出した精液に群がり始めた。
まるで樹液の匂いにひかれてあつまる昆虫のようだ。
あるものは指ですくい、あるものは直接口をつけ、精液を舐める異様な光景に、
僕はしばらくぽかーんとするしかできなかった。

「ごめんなさい、びっくりしました?でもこれは妖精にとって重要な栄養源なんです」

彼女が言うには妖精たちは、たまにこうやって精液を摂取する事で、自分の力を強め保つ事が出来るらしい。
しかし、力の弱い妖精たちは単独で精液を確保する事が難しいので、彼女が指揮をして分け与えているのだと。

よりいっそう妖精への幻想が崩れたような、新たな見方ができるようになったような、妙な気分だ。

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小さな妖精たちがひとしきり精液を舐め終わると、大きなリーダー妖精はおもむろに服を脱ぎだした。
いくら妖精とはいえ外見は人間と同じ、女の子だ。僕のちんぽは思わぬ刺激に間髪要れず復活した。
大人の毛深い丘とは違い、無毛のつるりとした素肌が目にまぶしい。

「皆はこれで足りるんですけど、わたしはちょっと足りなくて…」

言いながら起用に指先で僕のちんぽを真っ直ぐになるよう誘導し、おもむろに腰を落してきた。
僕が事態を理解してぎょっとした瞬間と、僕のちんぽが彼女の股の付け根に触れるのは同時であり、
僕があっと声を上げる間もなく、ちんぽはずぶずぶっと彼女の中に飲み込まれていった。
ちんぽが熱くぬるぬるとした襞に、きゅうっと締め付けられるのがわかった時には、
僕のちんぽはだらしなく二回目の精液を彼女の中に吐き出していた。

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これは性交という大人同士が行うものであり、子供を作るための儀式だ、と、
頭の隅のどこか得体の知れない部分が妙に冷静な分析をはじき出し、
しかし身体と頭の大部分はそれによってもたらされる圧倒的な快楽に大惨敗を喫していた。

「あっ、あふぅっ、出てる…もっと…もっとくださいぃ」

リーダー妖精が髪を振り乱し、腰をくねらせ、今しがた精を吐き出したばかりの僕のちんぽを求め続ける。
僕はといえば、痺れるような新たな刺激と、底なしの沼に飲み込まれていくような錯覚に溺れ、
勝手に突きあがる腰をただ呆然と見守るしか出来なかった。
じゅぷんじゅぷんという精液と何か違う液体の混ざる音が周囲に響き、
小さな妖精たちまでも一様に表情をとろけさせていく。

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「はっ、あひっ!いいっ、わたしっ、いっちゃ……っ♪」

僕の上でリーダーが釣り上げられた魚のようにはね、ぶるぶるっと身体を震わせる。
同時に彼女の中がコレまでになくぎゅうっとぼくのちんぽにくらいつき、
僕は計三度目の精液を彼女の奥底に解き放った。
どぷんどぷんと音が聞こえそうなほどの量が腰の奥からちんぽを通っていく感触があり、
彼女の奥のさらに奥がちゅーっとそれを吸い取るような感触で蠢き、さらに射精を促す。
耳の中がきーんとして頭が真っ白で、もう何も考えられなかった。

「はぁ、ふぅ…ありがとうね。おかげで私も元気に…」

…残念ながら僕に聞こえたのはそこまでだった。
じゅるぽんと彼女の中からちんぽが抜ける感触と共に僕は意識を失った。

14

…目が覚めると僕は木の根元によっかかって寝ており、
手足を縛っていた植物も取り払われていた。
衣服の乱れも直っており、傍にはやけに達筆な書置きが一つ。

“迷惑をかけてごめんなさい”

謝るなら最初からやらなければ良いのに、と思いつつ腰を上げようとすると、
がくがくと膝が笑い腰が砕けて見事にスッ転んでしまった。
どうもしばらく休まないと駄目なようだ。
薪を拾いに出ただけなのに、とんだアクシデントだ。

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まぁでもたまにはこんなアクシデントも良いか、
妖精の生態に関して興味深いこともわかったし。
僕はそんなことを考えつつ、しばらく暖かな日差しと風に身を委ねて目を閉じた。

またこっちのほうに来てみようかなぁ、とちょっとでも考えてしまったのは男の性って事で許して欲しい。


ちなみにそれが自身の脱童貞だったことに改めて思い至ったのは、
自宅に戻って親にこっぴどく叱られた後のことだった。

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