1

「ほら、起きて、目を開けて」
そんなこと言われても。せいぜい五時間くらいしか寝れない今日に言わないでほしい。
惰眠を貪れるときなら、いややっぱりそれもだめだ。
「んもー、せっかく来てあげたのに。いいもん、勝手にやっちゃうから」
勝手に? なにをするつもりだろう。
目を向けようとするけれど目蓋が重い。ついでに体も。痺れているように動かせない。
「こういうことしてほしいって言ったのはあなたでしょ? ほら、こんにちはー♪」
見えないけれどズボンごと下着を下ろされた。ずりずりと足から抜かれる。
寒い。戻して。
「んふふー、私が引っ付いてあげるから寒くないわよー♪ ……ふふっ」
その言葉通り、彼女は動かせない足を抱え込んで体の下にやった。彼女の温もりと、柔らかみとに、
縮こまっていたものがぴくりと跳ねた。
ん、この声は、これは、誰だ?
「……んー? まだなにもしてないのに反応したの? 悪い子でちゅねー♪」
くすくす笑うのが聞こえた。嘲るというよりあやす調子のその言葉に文句をつけようとした。声が出ない。

2

「なにか言いたいのかしら、言えないのかしら、ふふ、ふふっ、駄目よー、今のあなたは私のおもちゃなんだからー♪」
彼女の言葉のひとつひとつにそいつが反応する。芯を持ちつつあるそいつを、人差し指でつつかれる。
たったそれだけの刺激で、体から立ち上がった。
「あら? あらあら? ずいぶんご無沙汰だったのかしら? そんな訳ないわよねー、昨日だって、ねえ?」
「それとも、自分以外にさわられるのは、なのかしら? ふふっ♪」
何で知ってる。
七分ほどの固さになっていじくるのに丁度よくなったそいつは、二本の指で皮を剥かれて被せられて悦んでいた。
もう少し、
「もっとほしい?」
なんで。
「あなたがシてほしいことなら何でもわかっちゃうのよー♪」
「恥ずかしいのと気持ちいいのを見透かされるの、死ぬほど恥ずかしいものねー、わかるわー」
「私もそういうの好きだもの♥」

3

「おちんちんしごかれながら、お汁くちゅくちゅ鳴らされながら」
「涎垂れちゃうほど感じちゃうくらい、恥ずかしくて気持ちいいものね」
やめろ。
「ああ、その表情、その顔。いいのよー、気持ちいいのに集中して」
「私になにを言われても、それは全部気持ちいいことなんだから」
そんなことない。
「腰跳ねちゃうくらい感じちゃってるのに? シーツ必死に握りしめてるのに?」
「 恥ずかしいこと言われることが気持ちよくなってるのに?」
「意地張らなくていいのよ? ここには私とあなたしかいない」
「今は気持ちいいしかない」
「気持ちいいだけ感じたい」
そんなこと、
れるぅ。
裏筋を舐めあげられた。漏れてしごかれて泡立っていた部分が綺麗にこそげられる。
泡を押し上げて、透明な液体が溢れる。

4

「あはぁ♥ この子の方がよっぽど素直ね。それで、どーしよっか」
「もっとする?」
頷こうとして、意地とか屈辱とか、そういう名前がつく感情でなんとか踏みとどまった。
誰とも知れない相手に、そんなこと頼めるか。
「そうじゃないでしょ、あなたが私にしてくれって思ったから、私はこんな悪戯してるのよー?」
「それとも、私にこんなことされるのは、いや?」
カリ回りをこねくりながら、上目遣いにこちらを見る。首を降った。
「つづき、されるの、いや?」
首を振った。
「んふふー、まあその位でいいかしら、あーむっ♥」

5

目が覚めた。
下着を確認した。セーフ。

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