彼女がサボったクリスマス
最終更新: tinpo_thread 2013年12月25日(水) 07:56:22履歴
ようやく霧が晴れたと思ったら、今度は雪がちらついてきた。
霧の湖のほとりを迂回し、雑木林を抜ける頃には、指の先がかじかんでいた。
耳も鼻もちりちりと痛み、吐く息もやたらと白くなってくる。
そんな中にあって、僕が諦めもせず歩を進めるのには、もちろん理由がある。
「――……。お待ちしておりました」
陽が落ちて、うっすらと雪が積もり始めた、赤い洋館の門前。
鉄扉の前にちらつく雪に、紅色の髪が、ふわりと踊る。
「待ち侘びましたよ、この時を」
僕もずっと待っていた。ずっと、ずっと待っていたのだ。
だからこそ、遭難しそうなこの銀世界を、ためらうことなく歩き通せた。
「会いたかったです……寂しかったです……!」
音もなく雪を蹴り、門の番人――紅美鈴が、僕の胸に飛び込んでくる。
力強く抱き返し、僕たちは雪の中、無言で再会の喜びを噛み締めていた。
霧の湖のほとりを迂回し、雑木林を抜ける頃には、指の先がかじかんでいた。
耳も鼻もちりちりと痛み、吐く息もやたらと白くなってくる。
そんな中にあって、僕が諦めもせず歩を進めるのには、もちろん理由がある。
「――……。お待ちしておりました」
陽が落ちて、うっすらと雪が積もり始めた、赤い洋館の門前。
鉄扉の前にちらつく雪に、紅色の髪が、ふわりと踊る。
「待ち侘びましたよ、この時を」
僕もずっと待っていた。ずっと、ずっと待っていたのだ。
だからこそ、遭難しそうなこの銀世界を、ためらうことなく歩き通せた。
「会いたかったです……寂しかったです……!」
音もなく雪を蹴り、門の番人――紅美鈴が、僕の胸に飛び込んでくる。
力強く抱き返し、僕たちは雪の中、無言で再会の喜びを噛み締めていた。
庭園の隅の門番詰所に僕を通すと、美鈴はさっそくお茶を淹れてくれた。
「それでは、お仕事の最中ですが。再会を祝しまして……乾杯♪」
龍の絵が入った茶器を軽く打ち合わせて、淹れたての熱いお茶を煽る。
……美味い。器は小さく量も少ないが、あまり熱くなく、一度に飲み込める。
とにかく体を温めたいこの状況下で、それは何より嬉しい気遣いだった。
「ふふ、いい飲みっぷりでしたよ。はい、もう一杯どうぞ」
今度のお茶は熱かった。わずかな澱に、何らかの香辛料の残滓が窺えた。
やがて、体が熱くなってくる。雪の降る夜なのに、僕は玉の汗をかいている。
「ちょっぴりだけ五味子を入れておきました。はい、三杯目」
ほどよく温かく、これまでになく香り高い風味が、じんわりと体に沁みる。
「とっておきのジャスミン茶です。ふふ、堪能してもらえました?」
雪の中を歩き通してきたはずの僕は、気づけば身も心も温まっていた。
それはお茶よりも暖炉よりも、彼女の心遣いのためであったに違いない。
「それでは、お仕事の最中ですが。再会を祝しまして……乾杯♪」
龍の絵が入った茶器を軽く打ち合わせて、淹れたての熱いお茶を煽る。
……美味い。器は小さく量も少ないが、あまり熱くなく、一度に飲み込める。
とにかく体を温めたいこの状況下で、それは何より嬉しい気遣いだった。
「ふふ、いい飲みっぷりでしたよ。はい、もう一杯どうぞ」
今度のお茶は熱かった。わずかな澱に、何らかの香辛料の残滓が窺えた。
やがて、体が熱くなってくる。雪の降る夜なのに、僕は玉の汗をかいている。
「ちょっぴりだけ五味子を入れておきました。はい、三杯目」
ほどよく温かく、これまでになく香り高い風味が、じんわりと体に沁みる。
「とっておきのジャスミン茶です。ふふ、堪能してもらえました?」
雪の中を歩き通してきたはずの僕は、気づけば身も心も温まっていた。
それはお茶よりも暖炉よりも、彼女の心遣いのためであったに違いない。
「すみません。仕事中なので、簡単なものしか出せないのですが……」
仕事をサボった合間に作ったにしては、ずいぶん本格的な点心が出てきた。
まあ、クリスマスのご馳走とは、若干違うかもしれないが。
それでも美鈴の手料理ならば、食べない理由など何もない。
「……ふふ。それでは、いただきましょう」
肉まん、餃子、小龍包……いずれ劣らぬ美味ばかりだ。
半刻ほどかけてゆっくりと味わい、最後に――
「あ、あの……。初めて作ったので、自信はないんですけど……」
美鈴特製の、どことなく丸太状のクリスマスケーキが登場した。
さっそく幹の部分が手際よく伐採され、作り物のモミの葉が載せられる。
「ええっと、確かクリスマスは歌を歌うそうですが……何か知ってます?」
正直に首を振る。視線を返すと、美鈴もぷるぷると首を振る。
僕たちは互いの仕草にひとしきり苦笑して、それからケーキを頂くのだった。
仕事をサボった合間に作ったにしては、ずいぶん本格的な点心が出てきた。
まあ、クリスマスのご馳走とは、若干違うかもしれないが。
それでも美鈴の手料理ならば、食べない理由など何もない。
「……ふふ。それでは、いただきましょう」
肉まん、餃子、小龍包……いずれ劣らぬ美味ばかりだ。
半刻ほどかけてゆっくりと味わい、最後に――
「あ、あの……。初めて作ったので、自信はないんですけど……」
美鈴特製の、どことなく丸太状のクリスマスケーキが登場した。
さっそく幹の部分が手際よく伐採され、作り物のモミの葉が載せられる。
「ええっと、確かクリスマスは歌を歌うそうですが……何か知ってます?」
正直に首を振る。視線を返すと、美鈴もぷるぷると首を振る。
僕たちは互いの仕草にひとしきり苦笑して、それからケーキを頂くのだった。
食後――。食器も片付けず、僕たちはもつれるように寝台へ飛び込んでいた。
半月ぶりに褥を共にするというのに、睦言ひとつ交わしもしない。
「そんなの、後でいいんです……もう、待ちきれないんですよぉ……」
たくし上げられた下衣の奥、美鈴の秘所は、すでに蕩けきっていた。
ずぶ濡れになった白い下着は、もはや下着の用をなしていない。
「ちゅーも、おっぱいも、後回しでいいんです。だから、今は……」
下から僕にしがみつくなり、長く綺麗な脚が僕の腰をがっちりと捕らえる。
「はやくっ……早く入れて……! 半月分のえっち、早くしてぇ……っ!」
ぐちゅぐちゅと音を立てる秘唇が、不意に亀頭の先端を咥え込む。
「あ……あああ……はあぁぁぁぁぁああああああああっ!」
熱くぬかるんだ媚肉の中に、根元までひと息に呑み込まれていく。
「お、おくっ! 奥に当たっ、当たって――ひああぁああああああっ!!」
その先端が幾度か奥を叩くうち、僕たちは同時に最初の絶頂を迎えていた。
半月ぶりに褥を共にするというのに、睦言ひとつ交わしもしない。
「そんなの、後でいいんです……もう、待ちきれないんですよぉ……」
たくし上げられた下衣の奥、美鈴の秘所は、すでに蕩けきっていた。
ずぶ濡れになった白い下着は、もはや下着の用をなしていない。
「ちゅーも、おっぱいも、後回しでいいんです。だから、今は……」
下から僕にしがみつくなり、長く綺麗な脚が僕の腰をがっちりと捕らえる。
「はやくっ……早く入れて……! 半月分のえっち、早くしてぇ……っ!」
ぐちゅぐちゅと音を立てる秘唇が、不意に亀頭の先端を咥え込む。
「あ……あああ……はあぁぁぁぁぁああああああああっ!」
熱くぬかるんだ媚肉の中に、根元までひと息に呑み込まれていく。
「お、おくっ! 奥に当たっ、当たって――ひああぁああああああっ!!」
その先端が幾度か奥を叩くうち、僕たちは同時に最初の絶頂を迎えていた。
「はあ、はっ……は……。ちゅ、ちゅ、むちゅ、くちゅ……」
小さくて少し厚い美鈴の唇が、僕の唇に遮二無二むしゃぶりついてくる。
僕もまた、それに同じように応える。技巧もなく、情緒もなく。
ただただ相手を求めるだけの乱暴な口づけが、今はただ、気持ちいい。
「はふぅ……。ああ、こちらにご挨拶するのを忘れていましたね」
力の抜けたペニスを軽く握ると、先ほどの唇と同じように口付け始める美鈴。
「んっ、ちゅっ、ちゅっ。ちゅるるっ、ちゅぱっ、ちゅぷっ、ちゅっ」
竿の部分を器用に扱き立てながら、小気味よく小さな口付けを繰り返す。
まとわりついていた精液と愛液を吸い取られ、剛直は不死鳥のように蘇った。
「ふふ、元気になりましたね。それじゃ、続けましょうか」
今度は僕が押し倒される。狭い寝台の上、あっさりと美鈴に組み敷かれる。
「向こう十年は忘れられないように、激しくしちゃいますからね……♪」
再び淫らなぬかるみに呑み込まれながら、僕はほぼ無意識に腰を振り始めた。
小さくて少し厚い美鈴の唇が、僕の唇に遮二無二むしゃぶりついてくる。
僕もまた、それに同じように応える。技巧もなく、情緒もなく。
ただただ相手を求めるだけの乱暴な口づけが、今はただ、気持ちいい。
「はふぅ……。ああ、こちらにご挨拶するのを忘れていましたね」
力の抜けたペニスを軽く握ると、先ほどの唇と同じように口付け始める美鈴。
「んっ、ちゅっ、ちゅっ。ちゅるるっ、ちゅぱっ、ちゅぷっ、ちゅっ」
竿の部分を器用に扱き立てながら、小気味よく小さな口付けを繰り返す。
まとわりついていた精液と愛液を吸い取られ、剛直は不死鳥のように蘇った。
「ふふ、元気になりましたね。それじゃ、続けましょうか」
今度は僕が押し倒される。狭い寝台の上、あっさりと美鈴に組み敷かれる。
「向こう十年は忘れられないように、激しくしちゃいますからね……♪」
再び淫らなぬかるみに呑み込まれながら、僕はほぼ無意識に腰を振り始めた。
「ふああ……っ。これで、何回目の射精でしたっけ……」
十回から先は数えていないが、おおよそ二十回というところだろう。
いずれも例外なく膣内射精。もはや腰が砕けすぎて液状化した気さえする。
「それじゃ、ここからはまったりいきましょうか」
胸に倒れ込んできた美鈴を、あまり力の入らない腕で抱きしめる。
腹部に当たる弾力が、何というか、とてつもない幸福感をもたらしてくれる。
「ふふふ……。愛する人にギュってされて、私もすごく幸せです」
そう言ってもらえるなら、男冥利に尽きるというものだろう。
「今夜はこのまま、朝までつながっていたいですね。……いいですか?」
いいも何も、そんなことは僕の方からお願いしたいくらいだ。
「それじゃあ、今から半年分、いっぱいお話しましょうね」
楽しかったことも、辛かったことも、僕たちはすべてさらけ出して。
気がつけば、朝が来るまで僕たちは語り明かしていた。
十回から先は数えていないが、おおよそ二十回というところだろう。
いずれも例外なく膣内射精。もはや腰が砕けすぎて液状化した気さえする。
「それじゃ、ここからはまったりいきましょうか」
胸に倒れ込んできた美鈴を、あまり力の入らない腕で抱きしめる。
腹部に当たる弾力が、何というか、とてつもない幸福感をもたらしてくれる。
「ふふふ……。愛する人にギュってされて、私もすごく幸せです」
そう言ってもらえるなら、男冥利に尽きるというものだろう。
「今夜はこのまま、朝までつながっていたいですね。……いいですか?」
いいも何も、そんなことは僕の方からお願いしたいくらいだ。
「それじゃあ、今から半年分、いっぱいお話しましょうね」
楽しかったことも、辛かったことも、僕たちはすべてさらけ出して。
気がつけば、朝が来るまで僕たちは語り明かしていた。
――翌朝。雪は止んだが、紅魔館の庭先は見事な銀世界となっていた。
「わあっ! 見て下さい! 真っ白ですよ、真っ白!」
昨夜あれだけ体を使ったのに、美鈴は実に元気にはしゃぎ回っている。
「…………。でも、もうお仕事に戻らないと、いけないんですよね」
そう。夢のような夜が明けたら、僕たちはまた現実に戻らねばならないのだ。
別れは辛いし、心苦しいが、またこうして折を見て会うことはできる。
「次はバレンタインですかね? 立派なチョコを作れるようになりますよ!」
男としては狂喜せざるを得ない宣言をしてから、美鈴は
「えいっ、スキあり!」
狂喜するのを必死でこらえる僕の頬に、小さく口付けをした。
小さく手を振る美鈴に、大きく大きく手を振って別れる。
今度はいつ会えるのだろうか。彼女は休みを取れるだろうか。
僕は久しぶりに胸を高鳴らせながら、新雪を踏みしだいて家路に就いた――。
「わあっ! 見て下さい! 真っ白ですよ、真っ白!」
昨夜あれだけ体を使ったのに、美鈴は実に元気にはしゃぎ回っている。
「…………。でも、もうお仕事に戻らないと、いけないんですよね」
そう。夢のような夜が明けたら、僕たちはまた現実に戻らねばならないのだ。
別れは辛いし、心苦しいが、またこうして折を見て会うことはできる。
「次はバレンタインですかね? 立派なチョコを作れるようになりますよ!」
男としては狂喜せざるを得ない宣言をしてから、美鈴は
「えいっ、スキあり!」
狂喜するのを必死でこらえる僕の頬に、小さく口付けをした。
小さく手を振る美鈴に、大きく大きく手を振って別れる。
今度はいつ会えるのだろうか。彼女は休みを取れるだろうか。
僕は久しぶりに胸を高鳴らせながら、新雪を踏みしだいて家路に就いた――。