一話

1

霍青娥は邪仙と呼ばれ恐れられている…とまではいかないが
少なくとも自分を好意的に見ているものは少ないだろう…と青娥は自分自身のことを評価している
まあそんな他者からの評価なんてものに青娥は価値を見出していないので
邪仙とも言われるでしょうねと自らの行動を自覚はしても改める気は一切無い
あくまで自分自身の興味や欲望が一番大事だと思っているのが霍青娥だ
好き勝手に振る舞い好奇心旺盛で気に入ったモノは欲しくなる
ある意味で裏表があまり無いが他者から見ればおどろおどろしい…そんな少女だ

2

そんな青娥は今日も今日とて自分の好きに過していた
最近できた茶屋で美味しい甘味を頂くのが彼女のお気に入りだ
芳香ちゃんの分も後で包んでもらいましょともぐもぐしている青娥だが、実は甘味以外に茶屋へと足を運ぶ理由がある
それがこの店の店員(店主の倅らしい:青娥調べ)だ
初めて会ったときから何故か妙に気になる存在で、彼が視界に入ると自然と目で追ってしまう
何故かは分からないが身体も緊張をするようで、何か怪しげな術でもかけられたのかしら?と青娥は興味が沸いた
それから毎日茶屋へと足を運び、店員に甘味を注文しおいしいわねえと舌鼓を打っている
その最中彼について思案を重ねれば、観察をすればするほど、裏を確認すればするほど、謎は深まるばかりだった
結論を言ってしまえば術をかけられた様子は無かったし、彼もごくごく普通の人間である
自分では仙人としてはそれなりの力量は持っているという自負はあるが、その自分に全く気取らせない実力ともなればもうお手上げである
その場合はどうせどうしようもないので諦めるとして、では術ではないとするならばこの現象はなんだろう?
不思議に思った青娥はこうして調査を続けている

3

店員さんお団子包んでいただける?
いっぱいお願いね、と青娥は笑顔で接客をする男店員をそれとなく観察していた
やはり不審な動きはどこにも見当たらないし、異教の凄腕の術士という線はゼロでは無いが限りなく薄い
以前、知り合いのピンク色の仙人もここの甘味を両手いっぱいに抱えて暢気に頬張っていたし
彼女と自分が二人揃って騙されているという状況は少し考え辛い
…辛いだろうか?幸せそうにお団子やモナカを頬張っている姿は青娥の愛する芳香ちゃんと少し様子が似ていてあまり頼りになら無さそうではあったが…と青娥は内心思った
それはともかく、その食欲仙人にそれとなく彼について聞いてみた青娥は今度は何をする気なのと胡散臭げに睨まれながらも話を聞き出せば
自分には至って普通の人間に見えるとの評価が返って来たため、自分の見立てと同じ結果に終わる
考えすぎなのかしら?と顎に手を添えた青娥であるがやはり彼が気になって仕方が無い
とりあえず今のは忘れてとあんみつを渡せば仕方ないですねと笑顔満天で誤魔化されてくれる知人を微笑ましく見守り
そして何度も何度も、この茶屋へと足を運んでいるのである

4

ありがとうございましたっ
男店員の通りの良い声を背に青娥は自分の拠点へと足を向けた
やはり今日も何の変哲も無い男性を観察しただけに終わってしまった
だがしかし青娥の中に徒労感の類はなかった
寧ろ気力が満ちまた彼を観察しに来ようと自然に考えてしまう程である
手元にあるお団子を見て、この中のどれかは彼が作っているのかしらと考えながら芳香の喜ぶ笑顔を思い浮かべ帰路を歩むのであった帰宅した青娥はふーんふーんと、串ごと団子を貪り食らい喜ぶ芳香を眺めている
「うーまーいーぞー」
芳香ちゃんが嬉しそうで私も嬉しいわ、また明日お土産を買ってくるから楽しみにしていてね
青娥が芳香へと語りかけると芳香は青娥へ首だけ向きなおして尋ねる
「またか?ここの所毎日だなー」
そうねぇ…気になる事が分かるまでは、通うかしらね
「なんでだっけ?男?青娥は男好きなんだなー」
たしかにそうだけど、言い方は変えてね芳香ちゃん
「じゃあ青娥はその男が好き!」
違うわよ、もう…そんな恋する乙女じゃあるまいし、気になってるだけよ?

5

「…気がついてないの?」
ええと、何についてかしら?
「うーん…、うん、なんの話だっけ?」
あら…うふふ、思い出せないのなら芳香ちゃんは気にしないでいいのよ
芳香は青娥の発言について突っ込みたい気持ちでいっぱいだったが、速攻で忘れることにした
それでね?今日のあの人は…
そしてそこから始まる世間話
その内容は青娥からしてみれば単なる世間話だが毎日聞かされている芳香からすれば惚気話に近いと感じていた
芳香は、青娥という良い歳こいた女の、胸が高鳴る瞬間の話など話を毎日聞かされているのだ
流石に毎日聞かされれば覚えても来るし、飽きても来る
だから、芳香はこういう事も平気で言うのだ
「やっぱり青娥、その男のこと好きだろ」

6

芳香ちゃん?突然どうしたの
「私はー青娥がその男に恋してるようにしか、みえないぞー」
芳香ちゃんって意外と恋話が好きだったかしら?
今更私が、恋がどうのとか、しないわよ?
「じゃあ、そいつが自分以外の女と恋人になった姿を想像してみてよ」
あの人に、恋人…ねぇ…?調べた限りでは居なかったけれど
「腐ってる私でも、青娥のそれは、恋心の類だと、思うけどなー」
……、……
「まあ、私も、恋とかしたことないから、分からないけどなー」
ええ、そうでしょうね…
その言葉を最後に会話は途切れ、青娥は少し考えるように神妙に首を傾けた
自分は傍から見れば恋をしているように見られるのだろうか?
自分では単純な知的好奇心であると認識しているため、あまりピンと来ていないが…
最近の観察に進展は無いため、別の観点を参考にするのも良いだろう
青娥はそう思い、『自分が彼に恋をしていたら』と仮定し思考を重ねて行った

7

そしてその結果
『彼と会うのは?』…楽しみである、『彼について知りたい?』…もっと知りたい、『もし彼が自分以外の女と仲良く話し、尚且つ恋人のように手を繋いでいたら?』…青娥は胸が痛くなった
『彼と恋人になったら?』…青娥は気恥ずかしくなった
…あら?あらあら?
嘘…えっ…ほんとに…?
霍青娥は、かつての夫にすら向けた事の無い感情を、今だ知り合い程度の、友人ですらない男に向けていることを悟った
なんてことは無い、自分の恋にすら自覚がなかった少女が、今更になって気がついただけのことなのだ
えっと、じゃあなに?私は、片思いの男の元へ毎日足を運ぶ純情乙女か何か?
……っ
…………!?
ごめんなさいね芳香ちゃん、ちょっと、先に休ませてもらうから、部屋には入らないでね?
「……あー……おー……いいぞー」
青娥はいそいそと自室へと駆け込み、産まれて初めて、羞恥心に悶えお布団の上で意味もなくごろごろと転がりバタバタと四肢を振るった
それからと言う物、青娥は毎日件の茶屋へと足を運ぶ事を止めた
精々が週に1度か2度である

8

青娥は恋を自覚してからは彼のことをもっと深く知りたいと思った
そのため、茶屋へと足を運ぶ時間を削り、男の私生活を隅々まで監視することに回したのだ
青娥は男の友人関係から恋人の有無、料理の味の好みから好きな女性のタイプまで
なんでも調べられる事は調べていたし、男の私生活を覗き見て「はぁ…○○さん…今日も素敵ですわぁ…♥」と恍惚の表情で見つめている
青娥の自室の壁にはびっしりと男の映った写真が貼られていた
何故直接会わないのか?と言えば、恋を自覚した青娥はより一層その男を意識するようになってしまい
気がつけば下着が濡れてしまうほどに、その男を求めていた
たった数日間の間に何度も彼に抱かれる妄想で自分を慰め、悦に浸っているほどだ
そんな女が、毎日会いに行って正常にいられるだろうか?青娥は自制のためあえて距離を置いたのである
もし変な事をして、彼に嫌われでもしたら…それがとても恐ろしかった
だからこそ
彼に近づく邪魔者になりそうな輩は適度に排除しているし、準備も着々と進めている
これからも、青娥の『観察』は続いていくだろう
絶対に嫌われなくなるという自信がつくまで

二話 妄想編

1

霍青娥は邪仙と呼ばれ恐れられている…とまではいかないが
少なくとも自分を好意的に見ているものは少ないだろう…と青娥は自分自身のことを評価している
そんな青娥がある日一人の男に恋をした
不相応だということは十分に承知だった
邪仙が誰かに恋をするなど、身の程知らずである事も判っている
かつて夫もいたことのある青娥だが、恋をしたのは恐らく生まれて始めての経験だろう
力の強い存在に心を惹かれることはあっても、それは男も女も関係がなかったし、力そのものに魅せられていたと言って良い
ただの男、何の力も無い、普通の人間に、権力すら無いどこにでも居そうな男に、心を惹かれ夢中になるなどと考えた事も無い
良くも悪くも私利私欲で物事を考える青娥である
恋を自覚したその日から、身を引くという考えは一切なかったのだ
邪仙だからなんだというのだ?
だって、恋愛はお互いがどう思うかでしょう?
だったら彼に私を好きになってもらえばいいじゃない
青娥の考えている事は割と単純だ

2

さしあたっては、彼に気に入られる事が第一歩!
そう考えた青娥は殿方からの好感度を上げるにはどうすれば良いだろうか?と悩む
誰かに相談?誰に?
青娥は自慢ではないが、恋愛相談ができるような友好関係を築いて居ないし、知り合いだってごめんだろう
そのため援軍には期待できない
また、青娥には恋愛経験はなくとも、殿方を悦ばせる方法くらいはいくらでも知っている
なんなら体だけの関係、という経験もあるのだ…それがこの度の恋愛において役に立つかは別として
青娥お手製の非公式○○さんガイドブックによれば、男にも恋愛願望がある事は確認が取れている
特定の仲の良い女性が居ないことも分かっているし、肉体関係も未経験だという事も裏が取れている
ここまでくれば、持ち前の美貌でちょいと誘惑をしてやれば簡単に釣れるだろう…という事は処女でも分かることだ
だがしかし、青娥はそうはしない
なぜなら今、青娥は彼に恋をしているからだ
青娥の完全新品未成熟乙女回路ではそういった肉体関係からズブズブ行く関係を拒絶していた
思い描くゴールは完全無欠の幸せカップルである
似合わないかも知れないが、外面上くらいロマンチックが良かった

3

とは言え『そういった』パターンも想定する必要はあるだろう…
自分に言い聞かせるように、青娥は彼を誘惑するシーンを思い描いた
部屋中に張り巡らされた、彼の写真に囲まれて、青娥は四六時中見つめている彼の姿を鮮明に思い浮かべる
……
…………
あら○○さん、ごきげんよう♥
いつもの茶屋へと向かい、店先に居る彼へ甘ったるい声で話しかける私、そして笑顔で迎えてくれる彼
今の自分は茶屋の常連、彼に名前まで覚えられており、尚且つ親しく会話するほどの仲
いつもの、お願いするわね
常連の私はいつも同じ注文をする
もちろん彼だって覚えてくれているから、いつものですね、なんて言いながらすぐに用意してくれるのだ
中身は彼の手作りの甘味
私のためだけに用意してくれた、特別な物だ
ふふっ♥○○さんが作るお菓子はどれも美味しいから楽しみだわ♥

4

菓子とお茶を一緒に持ってきてくれた彼に、ちょっとした悪戯を仕掛けると…
きゃっ!あら、やだ、お茶がぁ…♥
バランスを崩した、否、崩させた彼が湯呑みをひっくり返す
湯呑みは私の太ももへ、倒れ服を濡らした
その様子を見た彼は、顔を青くしながら申し訳ありません!と慌てて手ぬぐいを取り出しすぐさま拭き取ろうとして…
手ぬぐいを私の太ももに当てて、硬直するのだ
私の太ももに、彼の手が触れる
たったそれだけで、体に電流が奔るような感覚に襲われてしまう
ああんっ♥○○さんったら…大胆…♥
自分が、今何処を触れているか理解した彼は慌てて手を引くが、私はその手を押さえて囁くのだ
あら、拭いてくださらないの?…あなたが、濡らしたのよ…?♥
そうして彼の手を引き、添えるように私の太ももへと触れさせる
お茶はきっと、まだ温かさを残しているだろうか
女性になれていないかれは、私の体温かお茶か、どちらかも分からぬまま緊張に手を震わせ私の太ももに触れるのだ
顔を青くし、赤くし、忙しくあたふたさせながら手ぬぐいで水分を拭き取る彼

5

そして私は身を寄せて緊張している彼に抱き付きながら、彼の手を取り女の秘所まで誘うのだ
同じところばかり拭かないで…?♥こちらはもっと濡れておりますの…♥
服越しに秘所を触れられる私は、お茶以外で衣服を…下着を濡らしてしまう
あんっ♥ふぅ…ん♥
思わずいやらしい声をあげ、彼に自分が今何処を触っているのか、をより強く意識させる
私の声に驚いたのか、ビクリを肩を震わせて動きが止まってしまう彼…
そう…彼は女性経験の無い、所謂童貞というものだ…女性の四肢に触れて何も思わないことはないのだ…
…♥どうしたのですか?♥ほら、ここ…♥ここが特に…♥『濡れて』しまいましたの…♥拭ってくださる…?♥
下着は見えないようにそっとたくし上げると…彼の私を見る目がみるみる変わっていく
ああ…♥あなた様は今私に興奮しているのですね…♥と、そう強く実感が出来る
○○さんの手で…捲ってくださりませんこと…♥あつぅいお茶でしたから…やけど、してしまったかも…♥
確認なさって…?♥
そう、微笑みながら語りかける

6

よろよろと遅くあるものの、しっかりと手を近づけてくる彼
ふふっ♥そう…♥めくってもいいの…♥触っていいのよ…♥
下着が露になった
彼の目には私の下着が映っている…お茶とは別の要因で、濡れてしまった下着が…♥
ああっ…彼が夢中になっている…この、私に…♥それがたまらなく愛おしい
んっ…そう、しっかりと、確認して…?♥
恐る恐る、といった様子の彼は手ぬぐい越しに私の秘所に触れる
優しく拭って、湿り気を取ろうとしてくれる
それに思わず身体が反応してしまうが、まだ我慢だ…
っ…♥あっ…♥ん、ふふっ♥そんな、おっかなびっくりしなくても良いのよ…?♥
女が、自分の大事な所を晒す意味…分からないわけでも無いでしょう…?♥
さあ…下着の下の素肌も…♥どうか確認なさって…♥
はしたなく足を広げ、彼を誘惑する一人の女となった私は
いやらしく股を濡らし、彼が下着を脱がしやすいように姿勢を整えた

7

ふふっ♥女のココを見たのは初めて…?♥そう♥嬉しいわ♥○○さんの初めてになれて…♥
どうかしら…♥私の、ココは…♥
そう問いかけると彼は顔を真っ赤にしながらも綺麗ですと返事をしてくれた
ああ、嬉しい…♥なんて幸せなのだろう…♥もっともっとからかって、彼の恥ずかしがる表情を見たい
あら♥綺麗だなんて、嬉しいわ…♥でぇも…♥私、やけどの確認をお願いしたつもりだったのですが…♥ふふっ♥
ハッとした表情になった彼は耳まで真っ赤になってうつむいてしまった
釣られるように視線を下に向ければズボンも彼の分身がぱつぱつに張り詰めているのが目に入る
そろそろ頃合だろうか…
ねえ○○さん…♥奥で…○○さんのお部屋で…お話をしませんか…?♥そして、続きを…♥
たくし上げていたスカートを戻し、彼にしなだれかかるように提案する
胸を彼の二の腕を挟むように押し当てるのも忘れない
今日はたまたま○○さんのご両親がいらっしゃらない日なのだ
現在の店員は彼一人…一時的にも店を閉じれば…二人きりの時間が訪れる

8

ね…?♥○○さん…♥あなたの青娥は『♥休憩♥』を所望しますわ…♥
彼の胸板に手を這わせ、期待で膨らんでいる蕾の先を撫でるように刺激する
○○さんもお疲れのご様子…♥少しだけ、お店を閉じても良いではありませんか…♥
私、これでも人体には少しばかり詳しく…○○さんのお疲れの素…♥すっきり♥解消させる事ができるかも…♥
少しだけで良いのです…♥私に委ねて…休まれては如何でしょうか…♥
言葉がでないのか、パクパクと口を開け閉めしてる様子の彼だが、その首は縦に振られている
初めての経験で緊張しているのね…♥大丈夫よ…♥私に任せてくれれば、天国を見せてあげられますから…♥
さぁ…♥○○さんのお部屋まで案内してくださりませんか…♥
そう言って、彼の背を優しく押すと促されるままに彼は私を連れたって自室へと案内てくれた
私も彼も大して運動はしていないというのに汗ばんでいる
自分の女としての匂いが強くなり、それがより彼を興奮させていた

9

彼の部屋に着くと私は上着を脱ぎ彼の衣服も脱がしていく
彼も私の下着姿に更に興奮したようで…パンツに恥ずかしい一点の染みが出来てしまうほどに夢中になって見ているようだ
あらっ♥○○さんのソコにもお茶がかかってしまったのかしら…♥私が拭いて差し上げますわ…♥
彼の大事な部分に私は手を添え、優しく撫で上げる
ギン、ギンと脈打つ彼の分身は、下着に染みを広げてしまった
ごめんなさい○○さん…♥シミが広がってしまいました…♥脱がしても構わないかしら…?♥
返事も待たずに下着を下ろすと、ぼろんっ!と下着に引っ掛かった男根が激しく上下に振れた
なんて逞しいのでしょう
思わず見惚れてしまった私の眼前に、男の象徴が突きつけられている
よく見ると先から男性の雫が漏れており、それがまた興奮を煽った
…♥…すんすん♥すごい匂い…♥皮が剥けきっていないのね…?♥
大丈夫ですわ♥私に任せていただければ…♥もっと立派にすることも…♥ふふっ♥
緊張で体が強張っている彼を優しく抱きながら、濡れそぼった乙女の花園に彼の分身を導く

10

私に任せて…♥リラックスしていてくださいませ…♥
そう…♥腰を引かずに…♥胸を張って…♥私を抱きしめて…♥ぎゅって…腰に手を回して、突き入れてくださいませ…♥
…んっ♥あっ♥
私と彼は、恋人同士が深く愛し合うように繋がり…
……
…………
まずい、イきそうだ
青娥は妄想の最中昂ぶりすぎた精神が肉体に影響を与えた事を悟った
激しく女陰かき回していた指を止めることなく妄想の中の彼と繋がる自分を、現実の自分と重ね合わせ
そして
ひぐぅっ♥んぁっ♥イ、…くっ♥ふっ♥ふっ♥んんんんんっ!♥
激しく脈打つ鼓動と共に、透明な液体が青娥の女陰から噴出し、布団を濡らす
あっ♥ああっ♥そんなっ♥まだ挿入しかしてないのにっ♥
青娥は妄想が中半場までの部分で絶頂してしまった事を悔やみながら、快感を受け入れていた

11

はぁ…はぁ…と息を整えながら、青娥は絶頂の余韻を感じながら天井をしばらく眺めていた
一度冷静になってくると今は全然ロマンチックではなかったな…と思いつつも
彼の初めての女となって篭絡する分にはいいかも…と青娥は考えた
しかしどうせなら彼から告白してもらいたいし、若い欲望が溢れてしまい押し倒してくれる展開も捨てがたかった
なんにせよ、出来れば他の女が手を出す前に、何かしらの行動はした方が良いだろう
とりあえず常連になってもっと仲良くなることが先決か
青娥はそう結論を出した
股を曝け出しながら思考を巡らす彼女の姿はいささか滑稽ではあったが、誰が見ているわけでもなかった
邪仙と恐れられる青娥だって、意中の相手と結ばれる事を夢見ながら自慰にふけることもある
言うならば、彼女はいささか自分の欲望に率直すぎるだけの仙人である
ならば初恋を実らせたいという欲望に強く惹かれる事も致し方なかった
はぁ…○○さん…♥
男店員の映る写真に呟きかけるその表情は、ただの恋する乙女だった
この日から3日後、『愛しの彼と結ばれる計画』が人知れず始動した

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