一話

1

少年は肝試しなどするものではないと悟った。ゾンビ(?)がいきなり現れこちらを押し倒し身動きを封じたのだ。それどころか急に痙攣し初めたのでこちらは気が気でない。ぶっちゃけ怖い。
「うぐうぅ♡あンのクソ邪仙めぇ♡またなにか仕込んで…あ"ッ」
がりがり爪で地面を掻きむしり、怨嗟の声を漏らす。「あ"ひっ、んお"ォ、おのれぇ」先程用を足したので失禁しようが無いはずだが下の方が熱いような冷たいようなぐっしょりした感覚を感じる。まさかこちらに覆い被さったこのゾンビ(?)のものか。いや死人に排泄機能が残っているのか?何故?
がぶ「ふぐっ、ふうーっ」声を抑えたいのか、そいつが首筋に噛み付く。下腹にビクンビクンと感触が伝わるのをどこか遠く感じながら、少年は意識をゆっくり手放した。

2

「…は…めを…」少年の意識が急速に引き上げられる。上には何事かうわごとをつぶやくゾンビ(?)、自らの手には千切れた呪符らしきもの。もがいた際奴の額にあったものを咄嗟に引きちぎったようだ…助かったのか?
「君のお陰で助かった」上から降る声に思わず身を竦ませる。先程と違いゾンビ(?)の目には理性的な光が宿っている。(話は通じそうだ)
「あの、どいてくれますか」「起きれぬ、手足が曲がらない」
自分でどかそうにも彼女が重くて起き上がれない。そうこうしていると、ふと少年は気づいた。少女がぐりぐり腰を押し付けていて、自分がそれに素直に反応している。「指が届かぬのだ」「はあ」彼女の冷たさと熱でどうにかなりそうだ…「少しで良い、貸してくれぇ」 1/5

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