歌刀戦記非公式Wiki

ウタヨミ育成施設クリュティエの庭、その監視役を務める元軍人の母と元ウタヨミの父から産まれた。
アルテミア同様に以前はリノンの支配下に在り、軍人としてのノウハウは全て彼に叩き込まれた。
産まれた時点で既に明らかな人外の特徴を備えるアルテミアと異なる容姿をしていた為
｢恐らく人間の可能性が高い｣と期待されずに育てられ、故に施設内では比較的自由に過ごしていた。
本人はそれを不要物の放棄と認識しており、未だに期待されない事への焦燥感は大きい。
5歳を迎えた時点で一切兆候が見られなかった為、奴隷商人への売却または殺処分も検討されていたが
アルテミアの依存が強い事と、当時管理役の権限を継いだばかりのリノンの判断で生かされた。
その後は軍人になる為の教育をリノンによって施されつつ、自由に惹かれるアルテミアの生きた枷になっていた。
施設の事や自分達ブロウセレナの血筋が曾祖父の代からカーティス家に従順に仕えている事へは唯一懐疑的で、リノンへの嫌悪感も強い。
軍学校卒業直前にリノンが妹に行った仕打ちに我慢ならず彼を殺害しようと試みたが失敗に終わり、記憶に催眠をかけられて屋敷の外へ出された。
現在は自分とアルテミアそして両親が余りよい扱いを受けていなかった事とリノンへの嫌悪感のみ残っており、それ以外は思い出せない。

カーティス家への嫌悪感と軍学校を首席で卒業したリノンによる遠回しなプレッシャーの中で育ち、勉学に対する執着はそれが由縁。
優秀な成績を残して軍人になった所でそれを期待されていない事を解りきっており、自分が無意味な存在であるという考えが強い。
実際に要らないものとして幼少期処分されかけていた所で生きる理由とされたアルテミアには感謝しており、大事にも想っている。
しかしその一方で産まれた時から期待され続け実際にそれに応えてきた妹にコンプレックスを抱えている複雑な面も持つ。
役に立つもの、という部分に執着しすぎて戦争の本質や生命のやり取りには若干関心が薄く盲目気味。
その盲目さと催眠によって記憶の殆どが封じられている所為かアルテミアに対して時折失言が目立つ等、相容れない部分がある。

初陣はアルテミアと共鳴しての経験だったが、漸く軍人としての本分を遂行出来るという感情からか、
或いはやっと価値のある生き方をしているという物事に囚われすぎた結果、箍が外れて暴走。
部隊を外れて敵陣に単騎突っ込んでいく彼に意識を逸らされたアルテミアは一旦歌うのを止めてしまい、攻撃を弾ききれず負傷。
自力で動けなくなる状態まで陥ったのち、別部隊で様子を見ていたリノンに回収された。
以上の経緯から、出来るだけ交戦や前線出撃の可能性の低い現在の護衛任務に就いている。

軍人としての実力は充分余りあるほどだが戦闘が長引くとやはり我を忘れてしまう可能性が高く、優秀なウタヨミの補助が必要。
本人も自分が歪な価値観に囚われている自覚があり、戦争を早く終わらせたい思いには
何れ自分が別人になってしまうのではないかという危惧からの焦りも含まれている。
しかし同時に、戦争が終わった後も自分に価値観を見いだせるかどうか、また現在の自分に価値があるのかと虚無感を抱いている。

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本人は覚えていないが、軍学校卒業前の彼は身内の前では活発でやや攻撃的な性格だった。
幼少期の環境等で目立つ事は無かったが本来好戦的で負けず嫌い。
リノン殺害に失敗し施設に関する記憶を催眠で封じられた時に、一緒にその攻撃性も催眠で抑えられている。
この事実を知っているのはリノンとアルテミアのみで、アルテミアがそれを本人に伝えないのは
抑えている攻撃性と共に過去の記憶の催眠が解かれた時に、兄が再び暴走しかねないことを懸念しての判断。
戦場での暴走時の言葉が届かない凶行は上記の鬱屈した感情だけでなく、実は過去の記憶が蘇っているが故の錯乱状態でもある。

西国の内外に｢施設｣の噂を流した張本人。
催眠をかけられた後に記憶を消す薬を飲まされる予定だったがアルテミアと双子の父の判断でそれを防がれた。リノンはこの事を知らない。
一頻り暴走した後は特定の条件を満たすまでの間だけ全ての記憶が戻っており、一度その間に伝えられるだけの話を流浪の者に託した事がある。
証拠と言える物が無く性急な話だったのであくまで噂程度にしかならなかったが、同じ事を主である反戦派貴族にも伝えている。
しかし一度催眠が解ける毎に次また思い出す事が困難になっており、完全に思い出せなくなる日も近い。
催眠に再びかかる特定条件は、｢赤い色｣を見る事。