2023年1月13日
プロ
ジャンル
青春 / 文芸 / ドラマ
製作国
日本
製作年
2018
公開年月日
2018/9/1
上映時間
106分
製作会社
函館シネマアイリス（制作：Pigdom）
配給
コピアポア・フィルム＝函館シネマアイリス
レイティング
一般映画
アスペクト比
シネマ・スコープ（1：2.35）
カラー/サイズ
カラー／シネスコ
メディアタイプ
音声
5.1ch
上映フォーマット
ＳＴAＦＦ
監督
三宅唱
脚本
三宅唱
原作
佐藤泰志:(『きみの鳥はうたえる』)
プロデュース
菅原和博
企画
菅原和博
製作
菅原和博
プロデューサー
松井宏
撮影
四宮秀俊
美術
井上心平
音楽
Hi'Spec
録音
川井崇満
照明
秋山恵二郎
衣裳
石原徳子
メイク
石川紗織
助監督
松尾崇
ＣＡＳＴ
柄本佑
石橋静河
染谷将太
足立智充
山本亜依
柴田貴哉
水間ロン
OMSB
Hi'Spec
渡辺真起子
萩原聖人
解 説
佐藤泰志の同名小説の舞台を現代の函館に移し、
「Playback」の三宅唱が映画化した青春ドラマ。
書店で働く“僕”は、
失業中の静雄と同居している。
ふとしたきっかけで関係を持った同僚・佐知子が毎晩のようにアパートを訪れ、
3人で過ごすようになる。
出演は、
「素敵なダイナマイトスキャンダル」の柄本佑、
「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」の染谷将太、
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石橋静河。
2018年8月25日より函館シネマアイリスにて先行公開。
あ ら す じ
“僕”（柄本佑）は函館郊外の書店で働きながら、
小さなアパートで失業中の静雄（染谷将太）と共同生活を送っている。
ある日、
ふとしたきっかけで同じ書店で働く佐知子（石橋静河）と関係を持つが、
彼女は店長の島田（萩原聖人）とも抜き差しならない関係にあるようだった。
しかし佐知子は毎晩のようにアパートを訪れ、
“僕”、佐知子、静雄の3人は夏の間、
毎晩のように酒を飲み、
クラブへ出かけ、
ビリヤードをして遊ぶようになる。
“僕”は佐知子と恋人同士のように振る舞いながら、
お互いを束縛せず、
静雄とふたりで出掛けることを勧める。
夏の終わり、
静雄はみんなでキャンプに行こうと提案するが、
“僕”はその誘いを断る。
ふたりでキャンプに行くことになった静雄と佐知子は次第に気持ちが近づいていく。
“僕”は函館でじっと暑さに耐えていた。
3人の幸福な日々も終わりの気配を見せ始める。
7．その他
2019年5月上・下旬合併号
MOVIE at HOME:●誰かに教えたくなるシネマ 「きみの鳥はうたえる」 インタビュー 三宅唱[監督]
2019年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号
2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン＆個人賞:日本映画ベスト・テン
2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン＆個人賞:読者選出日本映画ベスト・テン
2018年9月下旬号
REVIEW 日本映画＆外国映画:「きみの鳥はうたえる」
2018年9月上旬号
グラビア特集 「きみの鳥はうたえる」:映画に寄せて
グラビア特集 「きみの鳥はうたえる」:対談 柄本佑×石橋静河×染谷翔太×三宅唱[監督・脚本]
UPCOMING 新作紹介:「きみの鳥はうたえる」
2018年6月上旬特別号
試写室:「きみの鳥はうたえる」
８．
青春の苦さ、生きにくさの空気感が漂う
原作者である今は亡き佐藤泰志にとって、
ビートルズの1曲1曲が憧憬の産物と思える世代であれば、
小説のタイトルにして、何もないながら、
その時、青春を描くことは一つの目標とするところであったのだろう。
同様に村上春樹や伊坂幸太郎や川本三郎の著した作品は、
映画化され、音楽を通して時代世相を語り、
音楽から派生する新たな広がりを持ち、
次の世代へバトンを渡すように羨ましい現象となっている。
函館を舞台に、
僕と静雄と佐知子の三人が過ごした、
終わらないような気がした一瞬の夏を描いていく。
気が合うことから二人でアパートを借りている無職の静雄と書店に勤める僕だったが、
同じ書店の佐知子が遊び仲間となる。
きっかけとなるのは、
店長と付き合う佐知子が、
僕の手をつねり、
僕への思いの合図として120迄数を数えて待つ僕の気持ちが通じ、
佐和子が戻ってくれたところから始まる。
書店店長と店員の人間模様は、
仕事への向き合い方で軋轢を生むが、
僕の佐和子への思いが深くなることで、
すべてを無関心で過ごすわけにはいかなくなる。
仲間であることで、
無気力でも高望みする目的もなく、
一緒に連れて、
酒に酔い、
クラブの音楽に酔い、
ダーツに興じ、
ビリヤード、卓球を愉しむ時間の過ごし方でも何とか夜は更け朝を迎えられるものの、
こころの片隅で、
こんな生活をしていて罰が当たるのでないかとよぎるそんな日々が、
貴重な若さのなせる業と思えるのである。
そして、ラストには、
佐和子の僕への離別、静雄への思いの告白を受け止めるものの、
そこから出合った時のようにカウントダウンし、
今度は自分から猛ダッシュし追いかけての正直な吐露を佐和子にぶつける。
戸惑う佐和子の苦い表現で幕を閉じ、
静かな鳥のこえや街の喧騒が流れて終わる。
ビートルズの曲名から佐藤泰志の小説となり、
そして三宅唱の映像作品となった。
地方都市の片隅で、
慎ましやかに若さを消耗しているような生活、
きらびやかなスポットを浴びるわけでもなく、
気が合う男女3人ながら、
何かが起きそうな緊張感を持って映像が流れる。
しかし、いつかそうなるかのように終焉を迎える。
この微妙なあやふやで手探りの揺れ動くこころの襞を、
自然に演じる俳優、
誰にでも身に覚えのある青春の一断面を撮り切った監督こそ、
まさに今の青春を描いた理解者と思えた。
青春の苦さ、生きにくさ、その漂う空気感が残っている。
プロ 
ジャンル
青春 / 文芸 / ドラマ
製作国
日本
製作年
2018
公開年月日
2018/9/1
上映時間
106分
製作会社
函館シネマアイリス（制作：Pigdom）
配給
コピアポア・フィルム＝函館シネマアイリス
レイティング
一般映画
アスペクト比
シネマ・スコープ（1：2.35）
カラー/サイズ
カラー／シネスコ
メディアタイプ
音声
5.1ch
上映フォーマット
ＳＴAＦＦ
監督
三宅唱
脚本
三宅唱
原作
佐藤泰志:(『きみの鳥はうたえる』)
プロデュース
菅原和博
企画
菅原和博
製作
菅原和博
プロデューサー
松井宏
撮影
四宮秀俊
美術
井上心平
音楽
Hi'Spec
録音
川井崇満
照明
秋山恵二郎
衣裳
石原徳子
メイク
石川紗織
助監督
松尾崇
ＣＡＳＴ
柄本佑
石橋静河
染谷将太
足立智充
山本亜依
柴田貴哉
水間ロン
OMSB
Hi'Spec
渡辺真起子
萩原聖人
解 説
佐藤泰志の同名小説の舞台を現代の函館に移し、
「Playback」の三宅唱が映画化した青春ドラマ。
書店で働く“僕”は、
失業中の静雄と同居している。
ふとしたきっかけで関係を持った同僚・佐知子が毎晩のようにアパートを訪れ、
3人で過ごすようになる。
出演は、
「素敵なダイナマイトスキャンダル」の柄本佑、
「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」の染谷将太、
「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石橋静河。
2018年8月25日より函館シネマアイリスにて先行公開。
あ ら す じ
“僕”（柄本佑）は函館郊外の書店で働きながら、
小さなアパートで失業中の静雄（染谷将太）と共同生活を送っている。
ある日、
ふとしたきっかけで同じ書店で働く佐知子（石橋静河）と関係を持つが、
彼女は店長の島田（萩原聖人）とも抜き差しならない関係にあるようだった。
しかし佐知子は毎晩のようにアパートを訪れ、
“僕”、佐知子、静雄の3人は夏の間、
毎晩のように酒を飲み、
クラブへ出かけ、
ビリヤードをして遊ぶようになる。
“僕”は佐知子と恋人同士のように振る舞いながら、
お互いを束縛せず、
静雄とふたりで出掛けることを勧める。
夏の終わり、
静雄はみんなでキャンプに行こうと提案するが、
“僕”はその誘いを断る。
ふたりでキャンプに行くことになった静雄と佐知子は次第に気持ちが近づいていく。
“僕”は函館でじっと暑さに耐えていた。
3人の幸福な日々も終わりの気配を見せ始める。
7．その他
2019年5月上・下旬合併号
MOVIE at HOME:●誰かに教えたくなるシネマ 「きみの鳥はうたえる」 インタビュー 三宅唱[監督]
2019年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号
2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン＆個人賞:日本映画ベスト・テン
2018年 第92回 キネマ旬報ベスト・テン＆個人賞:読者選出日本映画ベスト・テン
2018年9月下旬号
REVIEW 日本映画＆外国映画:「きみの鳥はうたえる」
2018年9月上旬号
グラビア特集 「きみの鳥はうたえる」:映画に寄せて
グラビア特集 「きみの鳥はうたえる」:対談 柄本佑×石橋静河×染谷翔太×三宅唱[監督・脚本]
UPCOMING 新作紹介:「きみの鳥はうたえる」
2018年6月上旬特別号
試写室:「きみの鳥はうたえる」
８．
青春の苦さ、生きにくさの空気感が漂う
原作者である今は亡き佐藤泰志にとって、
ビートルズの1曲1曲が憧憬の産物と思える世代であれば、
小説のタイトルにして、何もないながら、
その時、青春を描くことは一つの目標とするところであったのだろう。
同様に村上春樹や伊坂幸太郎や川本三郎の著した作品は、
映画化され、音楽を通して時代世相を語り、
音楽から派生する新たな広がりを持ち、
次の世代へバトンを渡すように羨ましい現象となっている。
函館を舞台に、
僕と静雄と佐知子の三人が過ごした、
終わらないような気がした一瞬の夏を描いていく。
気が合うことから二人でアパートを借りている無職の静雄と書店に勤める僕だったが、
同じ書店の佐知子が遊び仲間となる。
きっかけとなるのは、
店長と付き合う佐知子が、
僕の手をつねり、
僕への思いの合図として120迄数を数えて待つ僕の気持ちが通じ、
佐和子が戻ってくれたところから始まる。
書店店長と店員の人間模様は、
仕事への向き合い方で軋轢を生むが、
僕の佐和子への思いが深くなることで、
すべてを無関心で過ごすわけにはいかなくなる。
仲間であることで、
無気力でも高望みする目的もなく、
一緒に連れて、
酒に酔い、
クラブの音楽に酔い、
ダーツに興じ、
ビリヤード、卓球を愉しむ時間の過ごし方でも何とか夜は更け朝を迎えられるものの、
こころの片隅で、
こんな生活をしていて罰が当たるのでないかとよぎるそんな日々が、
貴重な若さのなせる業と思えるのである。
そして、ラストには、
佐和子の僕への離別、静雄への思いの告白を受け止めるものの、
そこから出合った時のようにカウントダウンし、
今度は自分から猛ダッシュし追いかけての正直な吐露を佐和子にぶつける。
戸惑う佐和子の苦い表現で幕を閉じ、
静かな鳥のこえや街の喧騒が流れて終わる。
ビートルズの曲名から佐藤泰志の小説となり、
そして三宅唱の映像作品となった。
地方都市の片隅で、
慎ましやかに若さを消耗しているような生活、
きらびやかなスポットを浴びるわけでもなく、
気が合う男女3人ながら、
何かが起きそうな緊張感を持って映像が流れる。
しかし、いつかそうなるかのように終焉を迎える。
この微妙なあやふやで手探りの揺れ動くこころの襞を、
自然に演じる俳優、
誰にでも身に覚えのある青春の一断面を撮り切った監督こそ、
まさに今の青春を描いた理解者と思えた。
青春の苦さ、生きにくさ、その漂う空気感が残っている。
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