2023年2月2日
プロ
ジャンル ドキュメンタリー
製作国 日本
製作年 2019
公開年月日 2020/2/1
上映時間 64分
製作会社 シマフィルム
配給 シマフィルム
レイティング
アスペクト比
カラー/サイズ
メディアタイプ
音声 5.1ch
上映フォーマット
ＳＴAＦＦ
監督 佐々木育野
製作 志摩敏樹
プロデューサー 酒井力
田中誠一
撮影 高木風太
録音 松野泉
編集 宮本杜朗
松野泉
佐々木育野
車輌 西村立志
宣伝美術 境隆太
ＣＡＳＴ
友川カズキ
石塚俊明
永畑雅人
及位鋭門
及位然斗
及位玲何
大関直樹
安部俊彦
林秀宣
六兵衛鮨
菊池豊
解 説
『生きてるって言ってみろ』など数々の曲を発表、
歌手だけでなく画家や詩人としても活動する友川カズキの2010年夏の日々を捉えたドキュメンタリー。
20年来のめり込んでいる競輪に一日の大半を費やし、
その合い間に絵を描きライブで歌う、
彼の生活を記録する。
本作のために、
ドラムス・パーカッション奏者の石塚俊明やピアニストの永畑雅人らと車中で演奏を行った姿も収録。
監督は、
御嶽山に立つ山小屋の生活風景をまとめた
「或る山」（第2回恵比寿映像祭にて上映）を手がけた佐々木育野。
あ ら す じ
1974年にレコードデビュー、
『生きてるって言ってみろ』や、
ちあきなおみに楽曲提供（作詞作曲）した『夜へ急ぐ人』などを世に送り出す一方、
画家としても活動し1985年には初の個展を開催、
歌手・画家・詩人としてカルト的人気を誇る友川カズキ。
そんな異形のアーティストの2010年夏をカメラは追う。
川崎の小さなアパートで今も粛々と暮らす友川は、
20年来競輪にどっぷりのめり込んでおり、
3年ぶりに会う大学生の四男までも競輪場に連れ出して指南。
競輪が病気なら生涯治らないでほしいと豪語する。
基本的に大穴狙いで、
競輪仲間には滅多に当たらないとも言われているが、
今日もまた一日の大半を競輪場に出向くか、
あるいは家でのレース予想に割いている。
部屋のTVの前や競輪場で車券を握りしめて叫ぶ姿、
近所の公園の噴水で水浴びをする姿、
そして絵を描き、
ライブで歌う姿……友川カズキの生活の一部始終を記録していく。
7．その他
2020年2月上旬号
UPCOMING 新作紹介:「どこへ出しても恥かしい人」
８．
映画 【 どこへ出しても恥かしい人 】
それは上昇志向を信じ、溺れないようにあたふたしている私達かもしれない。
映画を観ながら、タイトルの意味するところは何なのだろうと考えていた。
喋らなければまるで俳優のような面構えと所作には、迷いがなく潔い。小さな
アパートで子供達とも離れ一人、競輪に熱中している。そうでないときには、
画筆を握り、ギターを弾き歌い、夕刊フジの競輪評論を執筆し、そして、残り
は酒に酔っている。
職業はと問われれば何と答えるのだろうか。多分、投資、消費している金額
からすれば、当然競輪愛好ギャンブラーが一番近い生業となるのだろう。しか
し、稼ぐために歌をつくり演奏し、絵を描き、絵本を作り、個展を開くその姿
には、一般的な職業としての姿は見えてこない。
競輪生活を続けることで、他の人との連絡はほとんどなく、パーテイに出れ
ば必ず喧嘩となるという自分を評価しながらも、これまで付き合いの深かった
たこ八郎、中上健次、大島渚、西村賢太、宇崎竜童、羽仁五郎、ヨシダヨシエ
、遠藤ミチロウと存在を讃え認めてくれる人との出会いが支えているのだろう。
そして、ステージ舞台で披露する姿、形となって出来上がる詩集や絵本、新聞
評論に、他の人には表現できないものが確かにあるという事だろう。
ひとりの人間がもって生まれた才能をどのように生かすかという時に、一つ
のものを得るために一つのものを捨てるという生き方は、かってバスケットボ
ールの指導者という道を切り捨てて、中原中也の詩に始まり、時代のフォーク
ソング、絵画、そして競輪と余りに濃密な時間を要するものへ魂を奪われてし
まった人間になってしまっているのだ。生活の上昇志向を否定し、下をもなけ
ればならないという言葉には、既成のものを認めるのではなく、新たなものを
創り出さなければ駄目だヨと、現実の生活に流される私たちを問うているよう
に思う。
名曲「生きているって言ってみろ」がそうだったように、一つの命を授かった
もののであれば、その才能を全部出してみろ、熱中してみろと訴えてくる。ど
こへ出しても恥ずかしい人は、友川カズキではなく、時代に溺れないようにあ
たふたしている私たちかもしれず、日々、自分の人生に競輪場での賭けに似た
一発勝負の選択をしないものを指しているのだろう。
プロ 
ジャンル ドキュメンタリー
製作国 日本
製作年 2019
公開年月日 2020/2/1
上映時間 64分
製作会社 シマフィルム
配給 シマフィルム
レイティング
アスペクト比
カラー/サイズ
メディアタイプ
音声 5.1ch
上映フォーマット
ＳＴAＦＦ
監督 佐々木育野
製作 志摩敏樹
プロデューサー 酒井力
田中誠一
撮影 高木風太
録音 松野泉
編集 宮本杜朗
松野泉
佐々木育野
車輌 西村立志
宣伝美術 境隆太
ＣＡＳＴ
友川カズキ
石塚俊明
永畑雅人
及位鋭門
及位然斗
及位玲何
大関直樹
安部俊彦
林秀宣
六兵衛鮨
菊池豊
解 説
『生きてるって言ってみろ』など数々の曲を発表、
歌手だけでなく画家や詩人としても活動する友川カズキの2010年夏の日々を捉えたドキュメンタリー。
20年来のめり込んでいる競輪に一日の大半を費やし、
その合い間に絵を描きライブで歌う、
彼の生活を記録する。
本作のために、
ドラムス・パーカッション奏者の石塚俊明やピアニストの永畑雅人らと車中で演奏を行った姿も収録。
監督は、
御嶽山に立つ山小屋の生活風景をまとめた
「或る山」（第2回恵比寿映像祭にて上映）を手がけた佐々木育野。
あ ら す じ
1974年にレコードデビュー、
『生きてるって言ってみろ』や、
ちあきなおみに楽曲提供（作詞作曲）した『夜へ急ぐ人』などを世に送り出す一方、
画家としても活動し1985年には初の個展を開催、
歌手・画家・詩人としてカルト的人気を誇る友川カズキ。
そんな異形のアーティストの2010年夏をカメラは追う。
川崎の小さなアパートで今も粛々と暮らす友川は、
20年来競輪にどっぷりのめり込んでおり、
3年ぶりに会う大学生の四男までも競輪場に連れ出して指南。
競輪が病気なら生涯治らないでほしいと豪語する。
基本的に大穴狙いで、
競輪仲間には滅多に当たらないとも言われているが、
今日もまた一日の大半を競輪場に出向くか、
あるいは家でのレース予想に割いている。
部屋のTVの前や競輪場で車券を握りしめて叫ぶ姿、
近所の公園の噴水で水浴びをする姿、
そして絵を描き、
ライブで歌う姿……友川カズキの生活の一部始終を記録していく。
7．その他
2020年2月上旬号
UPCOMING 新作紹介:「どこへ出しても恥かしい人」
８．
映画 【 どこへ出しても恥かしい人 】
それは上昇志向を信じ、溺れないようにあたふたしている私達かもしれない。
映画を観ながら、タイトルの意味するところは何なのだろうと考えていた。
喋らなければまるで俳優のような面構えと所作には、迷いがなく潔い。小さな
アパートで子供達とも離れ一人、競輪に熱中している。そうでないときには、
画筆を握り、ギターを弾き歌い、夕刊フジの競輪評論を執筆し、そして、残り
は酒に酔っている。
職業はと問われれば何と答えるのだろうか。多分、投資、消費している金額
からすれば、当然競輪愛好ギャンブラーが一番近い生業となるのだろう。しか
し、稼ぐために歌をつくり演奏し、絵を描き、絵本を作り、個展を開くその姿
には、一般的な職業としての姿は見えてこない。
競輪生活を続けることで、他の人との連絡はほとんどなく、パーテイに出れ
ば必ず喧嘩となるという自分を評価しながらも、これまで付き合いの深かった
たこ八郎、中上健次、大島渚、西村賢太、宇崎竜童、羽仁五郎、ヨシダヨシエ
、遠藤ミチロウと存在を讃え認めてくれる人との出会いが支えているのだろう。
そして、ステージ舞台で披露する姿、形となって出来上がる詩集や絵本、新聞
評論に、他の人には表現できないものが確かにあるという事だろう。
ひとりの人間がもって生まれた才能をどのように生かすかという時に、一つ
のものを得るために一つのものを捨てるという生き方は、かってバスケットボ
ールの指導者という道を切り捨てて、中原中也の詩に始まり、時代のフォーク
ソング、絵画、そして競輪と余りに濃密な時間を要するものへ魂を奪われてし
まった人間になってしまっているのだ。生活の上昇志向を否定し、下をもなけ
ればならないという言葉には、既成のものを認めるのではなく、新たなものを
創り出さなければ駄目だヨと、現実の生活に流される私たちを問うているよう
に思う。
名曲「生きているって言ってみろ」がそうだったように、一つの命を授かった
もののであれば、その才能を全部出してみろ、熱中してみろと訴えてくる。ど
こへ出しても恥ずかしい人は、友川カズキではなく、時代に溺れないようにあ
たふたしている私たちかもしれず、日々、自分の人生に競輪場での賭けに似た
一発勝負の選択をしないものを指しているのだろう。
コメントをかく