21-12-28
資本の払戻しに係るみなし配当の額の計算方法の見直し
（参考）最高裁判所令和３年３月11日判決を踏まえた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の取扱いについて
混合配当をしない。利益剰余金を原資とする配当と資本剰余金を原資とする配当の両方を行いたい場合には、一定の期間を置いた上でそれぞれの配当を実行すべきということがこの事件から得られる教訓だと思いますが、それはさておき、当該最高裁判決を受けて、令和4年度改正により資本の払戻しに係るみなし配当の額の計算方法が次のとおり見直されます。
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21-11-28
電帳法Ｑ＆Ａ お問い合わせの多いご質問
（参考）電子帳簿保存法Q&A（一問一答）〜令和４年１月１日以後に保存等を開始する方〜お問合せの多いご質問（令和３年11月）
興味のある部分を抜粋してみました。
この追加問答集は、「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】、【スキャナ保存関係】、【電子取引関係】（令和３年７月版）」の公表後、ご質問の多かった事項について追加問として整理し、集約したものです。（本内容は、次回改訂時の「電子帳簿保存法一問一答」に反映されます。）
ス追１ タイムスタンプの付与要件に代えて入力期間内に訂正削除履歴の残るシステムに格納することとする場合には、例えば他社が提供するクラウドサーバにより保存を行い、当該クラウドサーバについて客観的な時刻証明機能を備えている必要があるとのことですが、自社システムで満たすことは可能でしょうか。
電取追１ 電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。
電取追２ EDI取引を行った場合、取引データそのものを保存する必要があるでしょうか、それともEDI取引項目を他の保存システムに転送しPDFデータ等により保存することも可能でしょうか。
電取追４ 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。
電取追５ 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。
電取追７ 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。
補４ 一問一答【電子取引関係】問42
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21-11-21
個人が無利息貸付をした場合における債務者の課税関係
親族に貸し付ける場合と同族法人に貸し付ける場合を区別し、正しく理解しておく必要があります。
| 債務者（借りた者） | 課税関係 |
|---|---|
| 親族 | 夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、無利子の金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったものであるかどうかについて念査を要するのであるが、これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、法第９条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。 ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする（相基通9-10）。 |
| 同族法人 | 課税関係は生じない（支払利息／受贈益）。 |
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21-11-20
懇話会への参加費用とインボイス制度
例えば、金融機関とその融資先で懇話会を開催したりしますよね。金融機関の担当者が事務局となって、会場となるホテルを手配し、会場代や食事代を立て替えた上で、懇話会の参加者から参加費用を徴収するわけですが、従来、参加者（企業）はこの参加費用を課税仕入で処理してきたはずです。
インボイス制度施行後は、適格請求書を保存していないと課税仕入として処理できなくなりますが、この事例のように複数者分の経費を一括して立て替えた場合、立替払を行う者（事務局）はどのような対応をとれば良いのでしょうか。
インボイス制度に関するＱ＆Ａ（令和5年10月時点では、問94）にその答えがあります。
| 複数者分の経費を一括して事務局が立替払している場合、原則として、事務局はホテルから受領した適格請求書をコピーし、経費の支払先であるホテルから行った課税仕入れが参加者らのものであることを明らかにするために、事務局が作成した精算書を添える等し、参加者ら立替えを受けた者に交付する必要があります。しかしながら、立替えを受けた者に交付する適格請求書のコピーが大量となる等の事情により、立替払を行った事務局が、コピーを交付することが困難なときは、事務局がホテルから交付を受けた適格請求書を保存し、立替金精算書を交付することにより、参加者らは事務局が作成した（立替えを受けた者の負担額が記載されている）立替金精算書の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます。 |
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21-11-10
売手が負担する振込手数料とインボイス制度
売掛債権について、得意先が振込手数料を差し引いて振込んできたというケースについて、インボイス制度施行後にどう対応すべきかという話です（税務通信3678号 参照）。
＜振込手数料の税務処理＞
| 支払手数料（課税仕入）で処理 | 次の書類を得意先から交付してもらう必要がある。 �‘整媽茲�金融機関から受領した振込手数料に係る適格請求書 �⇔�替金精算書（金融機関の名称、登録番号、振込手数料の金額等が記載されたもの） ※事前の合意に基づいて、振込手数料の実際負担額が控除される場合のみ採用できる方法 |
|---|---|
| 売上値引（課税売上返還）で処理 | 得意先に対して適格返還請求書を交付する義務がある（新消法57の4��）。 |
得意先に書類の交付を求めるのは、たぶん無理ですね。売手は、振込手数料の負担について仕入税額控除を断念しなくてはいけないのでしょうか。
「売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除（新消法38）」では、交付した適格返還請求書の記載事項を基礎として計算した金額を控除するとは規定されていません。得意先が（明確な取り決めもなく、従来の慣行に基づいて）差し引いてきた手数料にまで適格返還請求書の交付を義務付けるのは納税者の事務負担が大きすぎるので、この辺りを実務の落としどころにして欲しいところです。
（追記）メールの文面を適格返還請求書とする簡素な対応が税務通信3682号に紹介されています。
| 新消法30�� 事業者（第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。） が、国内において行う課税仕入れ（特定課税仕入れに該当するものを除く。以下この条及び第三十二条から第三十六条までにおいて同じ。） 若しくは特定課税仕入れ又は保税地域から引き取る課税貨物については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日の属する課税期間の第四十五条第一項第二号に掲げる消費税額（以下この章において「課税標準額に対する消費税額」という。） から、当該課税期間中に国内において行つた課税仕入れに係る消費税額（当該課税仕入れに係る適格請求書（第五十七条の四第一項に規定する適格請求書をいう。第九項において同じ。） 又は適格簡易請求書（第五十七条の四第二項に規定する適格簡易請求書をいう。第九項において同じ。） の記載事項を基礎として計算した金額その他の政令で定めるところにより計算した金額をいう。以下この章において同じ。） 、当該課税期間中に国内において行つた特定課税仕入れに係る消費税額（当該特定課税仕入れに係る支払対価の額に百分の七・八を乗じて算出した金額をいう。以下この章において同じ。） 及び当該課税期間における保税地域からの引取りに係る課税貨物（他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この章において同じ。） につき課された又は課されるべき消費税額（附帯税の額に相当する額を除く。次項において同じ。） の合計額を控除する。 |
| 新消法38�� 事業者（第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。） が、国内において行つた課税資産の譲渡等（第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。） につき、返品を受け、又は値引き若しくは割戻しをしたことにより、当該課税資産の譲渡等の対価の額（第二十八条第一項に規定する対価の額をいう。） と当該対価の額に百分の十（当該課税資産の譲渡等が軽減対象課税資産の譲渡等である場合には、百分の八） を乗じて算出した金額との合計額（以下この項及び第三十九条において「税込価額」という。） の全部若しくは一部の返還又は当該課税資産の譲渡等の税込価額に係る売掛金その他の債権の額の全部若しくは一部の減額（以下この項から第四項までにおいて「売上げに係る対価の返還等」という。） をした場合には、当該売上げに係る対価の返還等をした日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から当該課税期間において行つた売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額（当該返還をした税込価額又は当該減額をした債権の額に百十分の七・八（当該売上げに係る対価の返還等が軽減対象課税資産の譲渡等に係るものである場合には、百八分の六・二四） を乗じて算出した金額をいう。次項において同じ。） の合計額を控除する。 |
（参考）消費税法（H28.03.31 公布 / R05.10.01 施行）
一方、以下の規定は、適格返還請求書の写しを保存しているならば、当該適格返還請求書の記載事項を基礎として「売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額」を計算することもできるとするものです（できる規定）。
| 新消令58�� 売上げに係る対価の返還等（法第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等をいう。次項及び次条第一項において同じ。）につき交付した適格返還請求書の写し又は提供した適格返還請求書に記載すべき事項に係る法第五十七条の四第五項に規定する電磁的記録を同条第六項の規定により保存している場合には、法第三十八条第一項の規定にかかわらず、当該適格返還請求書に記載し、又は当該電磁的記録に記録した法第五十七条の四第三項第五号に掲げる消費税額等に百分の七十八を乗じて算出した金額を、法第三十八条第一項に規定する売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額とすることができる。 |
（参考）消費税法施行令（H28.03.31 公布 / R05.10.01 施行）
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21-11-05
個人間で不動産を移転させた場合の課税関係
| 資産の移転事由 | 被相続人等 | 相続人等 |
|---|---|---|
| 限定承認に係る相続・包括遺贈 | 時価で不動産を譲渡したものとして譲渡所得課税 | 相続税 資産の取得価額＝時価（所法59�＾譟�60�ぁ� |
| 単純承認に係る相続 | 課税関係なし | 相続税 資産の取得価額＝被相続人の取得価額（所法60�‘鵝� |
| 単純承認に係る包括遺贈 | 課税関係なし | 相続税 資産の取得価額＝遺贈者の取得価額（所法60�‘鵝� |
| 特定遺贈 | 課税関係なし | 相続税 資産の取得価額＝遺贈者の取得価額（所法60�‘鵝� |
| 贈与 | 課税関係なし | 贈与税 資産の取得価額＝贈与者の取得価額（所法60�‘鵝� |
| 相続人への負担付特定遺贈 | 課税関係なし | 相続税（課税価格＝不動産の相続税評価額、借入金は債務控除） 資産の取得価額＝遺贈者の取得価額 |
| 相続人以外への負担付特定遺贈（※） | 受遺者が負担した借入金の額で不動産を譲渡したものとして譲渡所得課税（？）21-11-04参照 | 相続税（課税価格＝不動産の相続税評価額−借入金（相基通11の2-7）） 資産の取得価額＝負担した借入金の額（所法38� � |
| 負担付贈与 | 時価で不動産を譲渡したものとして譲渡所得課税 | 贈与税（課税価格＝時価） 資産の取得価額＝時価（負担付贈与通達） |
| 時価譲渡 | 対価額で不動産を譲渡したものとして譲渡所得課税 | 課税関係なし 資産の取得価額＝対価額（所法38� � |
| 低額譲渡（※） | 対価額で不動産を譲渡したものとして譲渡所得課税 | 贈与税（課税価格＝時価−対価額）（負担付贈与通達） 資産の取得価額＝対価額（所法38� � |
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21-11-04
負担付特定遺贈の課税関係
（参考）税務通信3073号
◆ケース１ 相続人への負担付特定遺贈
- 不動産（相続税評価額 100）を妻に遺贈する。
- 当該不動産が担保となっている借入金（80）は妻が支払うこととする。
| 被相続人 | 課税関係なし |
|---|---|
| 妻 | 不動産：相続税の課税価格 100（負担付贈与通達の適用なし） 借入金：債務控除 |
◆ケース２ 相続人以外への負担付特定遺贈
- 不動産（相続税評価額 100）を姪に遺贈する。
- 当該不動産が担保となっている借入金（80）は姪が支払うこととする。
| 被相続人 | 不動産を80（借入金の額）で譲渡したものとして譲渡所得課税される（所法36�´◆� このような課税関係が生じると認識している税理士は少ないはず。通達や質疑応答事例などで公的な見解を明らかにして欲しい。 |
|---|---|
| 姪 | 相続税の課税価格は、負担付遺贈により取得した不動産100から借入金80を控除した価額となる（相基通11の2-7） |
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21-10-29
適格請求書発行事業者の登録申請
（参考）インボイス制度に関するＱ＆Ａ 問2、問5、問7、問14
| 登録申請 | 令和3年10月1日から令和5年3月31日までに登録申請書を提出した場合 | 登録の効力は登録日である令和5年10月1日に生じる。 | 登録日が令和5年10月1日の属する課税期間中である場合、免税事業者は、課税事業者選択届出書を提出しなくても登録を受けることができる。 |
|---|---|---|---|
| 令和5年3月31日までに登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情がある場合に、令和5年9月30日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたとき | 令和5年10月1日に登録を受けたこととみなされる。なお、「困難な事情」については、その困難の度合いは問われない。 | ||
| 通常 | 登録の効力は、登録日（適格請求書発行事業者登録簿に登載された日）から生じる。（届出期限：適用を受けようとする課税期間の初日の前日から起算して1月前の日まで） | 免税事業者は、課税事業者選択届出書を提出し、課税事業者にならない限り、登録を受けることができない。（届出期限：適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで） | |
| 登録取消 | 提出日の属する課税期間の末日から起算して30日前の日から、その課税期間の末日までの間に登録取消届出書を提出した場合 | 提出日の属する課税期間の翌々課税期間の初日に登録の効力が失われる。 | |
| 提出日の属する課税期間の末日から起算して31日以上前の日に登録取消届出書を提出した場合 | 提出日の属する課税期間の翌課税期間の初日に登録の効力が失われる。 | ||
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21-10-28
適格請求書−交付義務の免除と保存義務の免除
（参考）インボイス制度に関するＱ＆Ａ 問1
適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方（課税事業者に限ります。）から適格請求書の交付を求められたときは適格請求書の交付義務が課されています（新消法57の４� 法�また、交付した適格請求書の写しを保存する義務も課されています。
| 交付義務の免除 | 3万円未満の公共交通機関（船舶、バス又は鉄道）による旅客の運送 ※航空運賃、タクシー料金は免除されていない。 ※1回の取引の税込価額で判定。1回の取引で4名分の鉄道運賃を払った場合には、その支払総額で判定する。 |
|---|---|
| 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等 ※コインロッカー、コインランドリー、ATM手数料等を含む。 ※インターネットバンキング手数料は、原則どおりインボイスの交付義務がある。 ※自動券売機、コインパーキング、スーパー・コンビニなどのセルフレジは含まれない（代金の受領と商品の譲渡等がその機械装置のみにより自動で完結するものに限られる）。 | |
| 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス（郵便ポストに差し出されたものに限ります。） ※仮に、切手を貼付けた封筒やレターパックを郵便局員に手渡ししたとしても、直接ポストに投函することでサービス提供を受けられるものに代わりないので免除対象となる。 | |
| 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売（出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。） | |
| 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売（無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。） | |
| 適格簡易請求書 | 小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業（不特定多数の者に対するものという限定なし）及び駐車場業その他これらの事業に準ずる事業で不特定多数の者に対して資産の譲渡等を行う事業（例：コインパーキング、ネット通販、ホテル（旅館業であり、旅行業ではない）、航空サービス、レンタカー事業、セミナー事業）【参考】多く寄せられるご質問 問14 |
（参考） 国税庁リーフレットより抜粋
適格請求書等保存方式の下では、一定の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります（新消法30�Л┃�）。
なお、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます（新消法30�А⊃珪知�49� ⊃珪探�15の４）。
| 保存義務の免除 | 【公共交通機関特例】適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関（船舶、バス又は鉄道）による旅客の運送 ※航空運賃、タクシー料金は免除されていない。 ※1回の取引の税込価額で判定。1回の取引で4名分の鉄道運賃を払った場合には、その支払総額で判定する。 |
|---|---|
| 【自動販売機特例】適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等 ※コインロッカー、コインランドリー、ATM手数料等を含む。 ※インターネットバンキング手数料は、原則どおりインボイスの保存義務がある。 ※自動券売機、コインパーキング、スーパー・コンビニなどのセルフレジは含まれない（代金の受領と商品の譲渡等がその機械装置のみにより自動で完結するものに限られる）。 | |
| 【郵便特例】適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス（郵便ポストに差し出されたものに限ります。） ※仮に、切手を貼付けた封筒やレターパックを郵便局員に手渡ししたとしても、直接ポストに投函することでサービス提供を受けられるものに代わりないので免除対象となる。 | |
| 【出張旅費特例】従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等（出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当） ※出張旅費、宿泊費、日当については、所得税が非課税となる範囲内で仕入税額控除が認められる。 ※通勤手当については、通常必要と認められる金額であれば、所得税法上の非課税限度額を超えているか否かに関係なく仕入税額控除が認められる。 ※法人クレジットカードの利用や会社が直接乗車券等を購入する場合には、当該特例の適用はない。 | |
| 【入場券特例】適格簡易請求書の記載事項（取引年月日を除きます。）が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引 ※例えば、3万円以上の鉄道乗車券・特急券の切符が改札時に回収されてしまうような場合など。 | |
| 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物（古物営業を営む者の棚卸資産に該当する場合に限ります。）の購入 | |
| 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物（質屋を営む者の棚卸資産に該当する場合に限ります。）の取得 | |
| 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物（宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当する場合に限ります。）の購入 | |
| 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品（購入者の棚卸資産に該当する場合に限ります。）の購入 |
＜帳簿に記載すべき一定の事項＞
| 通常必要な記載事項 | （インボイスの保存義務が免除される場合）追加記載事項 |
|---|---|
| �＿歙濃兎�れの相手方の氏名又は名称 ��課税仕入れを行った年月日 �２歙濃兎�れに係る資産又は役務の内容（軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨及び資産の内容） �げ歙濃兎�れに係る支払対価の額 | �ゥぅ鵐椒ぅ垢諒欖謬遡海�免除される事由（例 「3万円未満鉄道料金」「入場券等」「ポスト投函」「従業員に支給する出張旅費等」） �Σ歙濃兎�れの相手方の住所又は所在地（以下の者を除く） 【公共交通機関特例】その運送を行った者 【郵便特例】その郵便役務の提供を行った者 【出張旅費特例】出張旅費を受領した従業員等 【自動販売機特例・入場券特例】令和6年度改正により「�ゥぅ鵐椒ぅ垢諒欖謬遡海�免除される事由」の記載があれば�Δ竜�載は不要とされた。 |
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21-10-06
担保付収益不動産を信託する場合の税務処理
債務は信託できないものの、認知症対策等のために受託者に債務を管理してもらいたい場合に、どのような課税関係が生じるかを整理します。
【事例】
賃貸不動産（時価150、相続税評価額80、簿価120）、借入金 90
�＾兮�者の借入金について、受託者が債務引受する。
�⊃�託契約で、受託者が引き受けた債務を信託財産責任負担債務とすることを定める。
| 自益信託（委託者死亡終了型） | 相続時（信託終了時）に、帰属権利者又は残余財産受益者が、残余財産を受益者（である委託者）から遺贈により取得したものとみなされる（相法9の2�ぁ法� 残余財産の価額は、賃貸不動産 80（相続税評価額）−借入金90＝▲10 よって、ゼロ。 ▲10については他の相続財産から控除できないのではないかと言われている（相法9の2�Δ録�託終了時には適用されないため）。 → 実務では、信託財産である不動産を、これに関するすべての契約関係、債権債務とともに現状のまま帰属権利者に引き渡すと定めるのが一般的であり、現状のまま帰属権利者に引き渡したような場合には、債務控除は認められるべきである。下記、「逐条解説新しい信託法 寺本昌弘 商事法務」P.376 参照 |
|---|---|
| 自益信託（継続型） | 相続時に、第２受益者が、資産及び負債を当初受益者（である委託者）から遺贈により取得したものとみなされる（相法9の2�↓Α法� よって、借入金90について債務控除できる。 |
| 他益信託 | 信託設定時に、受益者が、資産及び負債を委託者から贈与により取得したものとみなされる（相法9の2�´Α法Ｅ�該贈与は負担付贈与となるため、次の課税関係が生じる。 委託者には、借入金額を対価とする譲渡がなされたものとして譲渡税が課される（所法33・36� 法�譲渡収入 90（借入金額）−譲渡原価 120（賃貸不動産の簿価）＝譲渡損 30 ただし、譲渡価額が時価の2分の1未満で、かつ、譲渡損が計上される場合には、その譲渡損はなかったものとみなされ、委託者の取得時期・取得価額が受益者に引き継がれる（所法60� ⊇蟯霙�60-1）。 受贈者には贈与税が課される。負担付贈与財産が不動産の場合には、その贈与財産の時価から借入金の額を控除した価額が贈与額となる（相基通21の2-4、負担付贈与通達）。受贈額は、賃貸不動産 150（時価）−借入金 90＝60 なお、賃貸不動産を贈与すると、貸主の地位が受贈者に移転し、それに伴い敷金返済債務も受贈者に移転するため、受託者が借入金の債務引受けをしなかったとしても負担付贈与になってしまう。ただし、敷金返済債務に相当する現金も併せて信託した場合には、実質的な負担はないとして負担付贈与の取扱いを回避できる（質疑応答事例：賃貸アパートの贈与に係る負担付贈与通達の適用関係）。 |
（参考）「逐条解説新しい信託法 寺本昌弘 商事法務」P.376
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21-09-02
研究開発税制の試験研究に含まれないもの
（参考）措通42の4(1)−2（試験研究に含まれないもの）の趣旨説明
会計基準や科学技術基本調査において研究開発に該当しないものとしているものについて、本通達に盛り込まれていないものがあるが、そのようなものについても試験研究の意義（措通42の４(1)−１）に照らせば研究開発税制における試験研究に該当しないことは明らかであるので、本通達において例示的に明らかにしていない。
本通達に盛り込まれていないもの
いずれにしても、本通達に例示されていないから研究開発税制における試験研究に該当するということではなく、本通達に例示されていないものであっても、その趣旨からして、会計基準や科学技術基本調査において研究開発に該当しないと判断されるものであれば、研究開発税制における試験研究には該当しないし、会計基準や科学技術基本調査において試験研究等に該当しないものとして明らかにされていないものであれば、試験研究の意義（措通42の４(1)−１）に照らして判断することになる。
試験研究に含まれないものとして、本通達で例示されているもの
(1) 人文科学及び社会科学に係る活動
解説
(2) リバースエンジニアリング（既に実用化されている製品又は技術の構造や仕組み等に係る情報を自社の製品又は技術にそのまま活用することのみを目的として、当該情報を解析することをいう。）その他の単なる模倣を目的とする活動
解説
(3) 事務員による事務処理手順の変更若しくは簡素化又は部署編成の変更
解説
(4) 既存のマーケティング手法若しくは販売手法の導入等の販売技術若しくは販売方法の改良又は販路の開拓
解説
(5) 単なる製品のデザインの考案
(6) 製品に特定の表示をするための許可申請のために行うデータ集積等の臨床実験
解説
(7) 完成品の販売のために行うマーケティング調査又は消費者アンケートの収集
解説
(8) 既存の財務分析又は在庫管理の方法の導入
解説
(9) 既存製品の品質管理、完成品の製品検査、環境管理
解説
(10) 生産調整のために行う機械設備の移転又は製造ラインの配置転換
解説
(11) 生産方法、量産方法が技術的に確立している製品を量産化するための試作
解説
(12) 特許の出願及び訴訟に関する事務手続
(13) 地質、海洋又は天体等の調査又は探査に係る一般的な情報の収集
(14) 製品マスター完成後の市場販売目的のソフトウエアに係るプログラムの機能上の障害の除去等の機能維持に係る活動
(15) ソフトウエア開発に係るシステム運用管理、ユーザードキュメントの作成、ユーザーサポート及びソフトウエアと明確に区分されるコンテンツの制作
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21-08-31
消費税 積上計算の特例
（参考）タックスアンサー No.6383（課税標準額に対する消費税額の計算の特例）
積上計算の特例というのは不思議な制度です。
平成16年3月31日で「税抜特例」は廃止されているのに（＝旧消費税施行規則22条1項の条文は削除されているのに）、平成15年改正省令附則2条2項、4項により今日まで生きながらえています。
さらには、「税込特例」という新たな積上計算の特例が、附則で創設されています（平成15年改正省令附則2条3項）。
＜仮受消費税の積上計算特例＞
| 税抜特例 | 税抜価格（本体価格）合計＋消費税で代金を計算している場合の特例 | 事業者間取引等 | 経過措置1（H15改正省令附則2�◆� | 平成16年4月1日から令和5年9月30日までの間 |
|---|---|---|---|---|
| 対消費者取引（総額表示義務対象取引） | 経過措置3（H15改正省令附則2�ぁ� | 平成26年4月1日から令和5年9月30日までの間 | ||
| 税込特例 | 税込価格合計で代金を計算している場合の特例 | 経過措置2（H15改正省令附則2��） | 平成15年10月1日から当分の間 | |
| 旧消費税施行規則22条1項（H28改正省令附則12�△砲茲詁病悒弌璽献腑鵝� 事業者（法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。）が、課税資産の譲渡等に係る決済上受領すべき金額を当該課税資産の譲渡等の対価の額（法第28条第1項に規定する対価の額（注 税抜価格のこと）をいう。）を税率の異なるごとに区分して合計した金額と当該課税資産の譲渡等につき課税されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額の合計額を税率の異なるごとに区分して合計した金額（以下この項において「消費税額等」という。）に相当する額とに区分して領収する場合において、当該消費税額等に相当する金額の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理したときは、法第43条第1項第2号又は法第45条第1項第2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算については、当該端数を処理した後の消費税額等に相当する額を基礎として行うことができる。 |
| 平成15年改正省令附則2条（H28改正省令附則12�△砲茲詁病悒弌璽献腑鵝� ２ 課税資産の譲渡等（消費税法（昭和63年法律第108号）第2条第1項第8号の2に規定する特定資産の譲渡等に該当する課税資産の譲渡等及び同法第63条の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等を除く。）に係る消費税額等については、令和5年9月30日までの間、旧規則第22条第1項の規定は、なおその効力を有する。 ３ 事業者（消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。次項及び第5項において同じ。）が、課税資産の譲渡等（同法第2条第1項第8号の2に規定する特定資産の譲渡等に該当する課税資産の譲渡等を除く。以下この条において同じ。）に係る資産又は役務の税込価格（当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格をいう。以下この項及び次項において同じ。）を基礎として税率の異なるごとに区分して合計した決済上受領すべき金額を領収する場合において、その領収に際して当該金額に含まれる消費税額等（当該課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額の合計額をいう。以下この項において同じ。）に相当する額（当該決済上受領すべき金額のうち、課税資産の譲渡等（元年軽減対象資産の譲渡等（所得税法等の一部を改正する法律（平成28年法律第15号）附則第34条第1項に規定する元年軽減対象資産の譲渡等をいう。以下この項において同じ。）に該当するものを除く。）に係る税込価格の合計額に100の10を乗じて算出した金額及び元年軽減対象資産の譲渡等に係る税込価格の合計額に108分の8を乗じて算出した金額をいう。）の1円未満の端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の金額を明示したときは、消費税法第43条第1項第2号又は同法第45条第1項第2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算については、当該端数を税率の異なるごとに区分して処理した後の消費税額等に相当する額を基礎として行うことができる。 ４ 事業者が、平成26年4月1日以後に行う課税資産の譲渡等（消費税法第63条の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等に限る。次項において同じ。）に係る資産又は役務の価格につき同条の規定による表示を行っている場合において、当該課税資産の譲渡等に係る決済上受領すべき金額を当該資産又は役務の税込価格を基礎として計算することができなかったことにつきやむを得ない事情があるときは、当該課税資産の譲渡等に係る消費税額等については、令和5年9月30日までの間、旧規則第22条第1項の規定は、なおその効力を有する。 |
＜仮払消費税の積上計算特例＞
こちらは、どういう時に利用すると納税者有利になるのかよく分かっていませんが、制度としてあるようです。
（参考）タックスアンサー No.6391（消費税額等の積上げによって仕入れに対する消費税額を計算するとき）
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21-08-15
グループ法人税制に係る質疑応答事例
今さらですが、まとめておきます。
◆資本関係がグループ内で完結している場合の完全支配関係について
◆清算結了する場合におけるグループ法人税制で繰り延べた譲渡損益の取扱いについて
◆平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例（グループ法人税制関係）（平成22年8月10日付）
| （完全支配関係） 問1 完全支配関係を有することとなった日の判定 問2 いわゆる「みなし直接完全支配関係」 問3 完全支配関係における5％ルール 問4 資本関係がグループ内で完結している場合の完全支配関係 （各制度の概要） 問5 グループ法人税制の適用対象法人等の比較 （受取配当等益金不算入） 問6 完全子法人株式等に該当するかどうかの判定 （寄附修正） 問7 寄附修正事由が生じた場合の株主の処理 （グループ法人間の資産譲渡） 問8 完全支配関係がある法人間の資産の譲渡取引における譲渡の意義 問9 非適格合併による資産の移転と譲渡損益の繰延べ 問10 譲渡損益調整資産（非減価償却資産）を簿価により譲渡した場合の課税関係 問11 譲渡損益調整資産（減価償却資産）を簿価で譲り受けた場合の譲受法人の申告調整 問12 譲渡損益調整資産が減価償却資産である場合の戻入額の計算 問13 譲渡損益調整資産に係る通知義務 （現物分配による資産の譲渡） 問14 完全支配関係が外国法人によるものである場合の現物分配 問15 親会社株式の現物分配 問16 適格現物分配制度の創設に伴う欠損金の制限措置の改正 |
◆平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例（グループ法人税制その他の資本に関係する取引等に係る税制関係）（平成22年10月6日付）
| （完全支配関係） 問1 完全支配関係を系統的に示す図 問2 出資関係図に記載するグループ内の法人 （株式の持ち合い） 問3 株式持ち合いの場合の中小特例の適用の有無 問4 株式持ち合いの場合の寄附修正 （グループ法人間の資産譲渡） 問5 譲渡損益調整資産の譲渡原価の額 （欠損金の引継ぎ） 問6 残余財産が確定した場合の青色欠損金額の引継ぎ 問7 最後に支配関係があることとなった日の判定 （期限切れ欠損金） 問8 期限切れ欠損金額の算定方法 問9 残余財産がないことの見込みが変わった場合の期限切れ欠損金額の取扱い 問10 残余財産がないと見込まれることの意義 問11 実在性のない資産の取扱い （適格現物分配） 問12 適格現物分配を行ったときのみなし配当の計算方法 問13 残余財産の分配が金銭と金銭以外の資産の両方で行われる場合のみなし配当の計算 |
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21-08-06
ジョイントテナンシーの課税関係
（参考）国際資産課税の実務 安永淳晴 税務経理協会 P.39〜
（質疑応答事例）ハワイ州に所在するコンドミニアムの合有不動産権を相続税の課税対象とすることの可否
◆ケース１（出口課税）
被相続人とその配偶者（共に日本国籍）が、海外不動産をジョイントテナンシーという形態で所有していた場合（一般的に、Deedの譲受者の表示に”（A and B,）as joint tenants”と記載される）、どのような課税関係となるのか。
ジョイントテナンシーには、�ヽ洞ζ噂衢�者が均等の持分を所有しており、��共同所有者の1人が亡くなると、その亡くなった方の持分は他の共同所有者に帰属する（これを生存者権という）という特徴があるとのこと。
被相続人は日本国籍であるため、「法の適用に関する通則法」第36条により、日本の相続法が適用されます。
| 法の適用に関する通則法 第三十六条 相続は、被相続人の本国法による。 |
そのため、相続財産の対象は日本の法律により定められることになります。ただし、物については、その所在地の法が相続を認めていないときは、相続財産の対象にはならないとのこと（「個別準拠法は、総括準拠法を破る」の原則）。
したがって、
- この海外不動産は、遺産分割協議の対象にはなりません。
- この海外不動産の被相続人の持分を長男が取得するという遺産分割協議をしてしまうと、所有権が「被相続人と配偶者の共有」→「配偶者の単独所有」→「配偶者と長男の共有」と移転したものとされるため、被相続人から配偶者への相続として相続税が課された上に、配偶者から長男への贈与として贈与税が課されてしまいます。
◆ケース２（入口課税、中途課税）
父が全額資金を負担して海外不動産を購入。現地の不動産仲介業者（リアルター）の勧めで、父と長男名義のジョイントテナンシーという形態で所有することとした。また、購入後でも共同所有者の名義を自由に変更することができるため、途中で、長男から長女に名義を変更してしまった。
Deedに”joint tenants”として表示され、それが登記されると、高度な推定力が生じ、隠れた意図や資金出所を示しても、その成立は覆すことができないとされています。そのため、国内不動産であれば名義変更通達を適用して、実質的に父が単独所有する財産として処理されるようなケースであったとしても、海外不動産（ジョイントテナンシー）の場合には、厳密に購入時（又は名義変更時）の贈与税として課税されます。
以上は概略であり、参考書籍では、深く掘り下げた解説がされています。
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21-08-05
株式交付子会社が新株予約権を発行しているとき
株式交付子会社が新株予約権を発行しているときは、株式交付親会社が、その新株予約権を譲り受けることができます（会774の3）。
子会社化するために株式交付を実行したにも係わらず、新株予約権が行使されたことにより親子関係が崩れることを防止することがその趣旨ですが、実務では、以下のような点を踏まえる必要がありそうです。
| ・・・おそらく実務では、株式交付親会社と株式交付子会社で協議し、新株予約権を行使してもらうか、放棄してもらうなどの対応をし、新株予約権が存在しないように図ると考えます。・・・そもそも、現実に発行されている新株予約権は、・・・ほとんどはストック・オプション目的で、子会社の取締役や従業員でないと行使することができない譲渡禁止特約付です。この新株予約権の内容を変更すれば、親会社も譲り受けることもできるでしょうが、そこまでするでしょうか。 |
| また、株式交付については、別途、金融商品取引法上の公開買付規制が適用され得ることを前提としており、公開買付規制上、株式のみでなく、新株予約権等も同一の公開買付けで買い付けることが義務付けられる可能性がある（注2）。 （注2）公開買付けの対象とすべき有価証券である「株券等」には、株式のみでなく、新株予約権も含まれる（金融商品取引法第27条の2第1項柱書き、金融商品取引法施行令第6条第1項第1号）。そして、公開買付け後の株券等所有割合が3分の2以上となる場合には、原則として、当該株券等の発行者が発行する全ての種類の株券等を公開買付けの対象としなければならず（いわゆる全部勧誘義務。同法第27条の2第5項、同令第8条第5項第3号）、応募された株券等の全てについて決済しなければならないこととされている（いわゆる全部買付義務。同法第27条の13第4項、同令第14条の2の2）。 |
＜株式交付の実例＞
.Eストアー
.GMOインターネット → 子会社の新株予約権を譲り受けて、親会社株式と現金を交付しています。
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21-08-03
所在不明株主の株式売却制度の特例（２）
概要はこちら
令和3年8月2日に当該特例措置が施行されました。それに伴い、申請マニュアルや申請書の様式などが公表されています。
経営承継円滑化法による支援
【認定要件】
| 対象者 | ・経営承継円滑化法に定める中小企業者 ・非上場の株式会社に限る（医療法人や社会福祉法人、外国会社などは対象にならない）。 |
|---|---|
| 経営困難要件 | 例えば、以下のような場合 □代表者が満60歳超である □代表者の健康状態が悪く、日常業務に支障が生じている □幹部社員の病気・事故・失踪により安定的経営が困難となった □外部環境の急変により突然業績が悪化し安定的経営が困難となった |
| 円滑承継困難要件 | �仝綏兌垉擇啝�業承継スキームが決まっている場合 ��-1 後継者が株式譲渡により事業承継する場合（次の全て） □所在不明株主の議決権割合が10％超であること □後継者が要求する議決権割合が50％超であること □所在不明株主の存在により、後継者が要求する議決権割合が確保できないこと □特例による所在不明株主からの株式買取りにより、後継者が要求する議決権割合が確保できること ��-2 後継者が事業譲渡等（株主総会特別決議が求められるスキーム）により事業承継する場合（次の全て） □所在不明株主の議決権割合が1/3超であること □特例による所在不明株主からの株式買取りにより、所在不明株主の議決権割合が1/3以下になること |
| ��後継者が決まっていない場合 ��-1 【原則】株主総会特別決議が求められるスキームでスクイーズアウトを行うことが困難な場合（次の全て） □所在不明株主の議決権割合が1/3超であること □特例による所在不明株主からの株式買取りにより、所在不明株主の議決権割合が1/3以下になること ��-2 【例外】特別支配株主の株式等売渡請求でスクイーズアウトを行うことが困難な場合（次の全て） □所在不明株主の議決権割合が10％超であること □オーナ一族が保有している議決権割合が50％超であること □特例による所在不明株主からの株式買取りにより、所在不明株主の議決権割合が10％以下になること □特例による所在不明株主から買取る議決権割合とオーナ一族が保有している議決権割合の合計が90％以上であること □後継者の候補先の選定に向けて支援機関への具体的な相談を複数回していること |
※所在不明株主の保有株式を誰が取得するかにより判定結果が変わらないようにするため、自己株式取得になったとしても、上記の判定上は議決権を有しているものとします。
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21-07-08
株式交付により受け入れた子会社株式も現物出資受入れ差額の調整対象に
次の改正通達は、令和3年3月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用されます。
| 財産評価基本通達１８６−２（評価差額に対する法人税額等に相当する金額） （１）省略 （２）課税時期における相続税評価額による総資産価額の計算の基とした各資産の帳簿価額の合計額（当該各資産の中に、現物出資若しくは合併により著しく低い価額で受け入れた資産又は会社法第２条第３１号の規定による株式交換（以下この項において「株式交換」という。）、会社法第２条第３２号の規定による株式移転（以下この項において「株式移転」という。）若しくは会社法第２条第３２号の２の規定による株式交付（以下この項において「株式交付」という。）により著しく低い価額で受け入れた株式（以下この項において、これらの資産又は株式を「現物出資等受入れ資産」という。）がある場合には、当該各資産の帳簿価額の合計額に、現物出資、合併、株式交換、株式移転又は株式交付の時において当該現物出資等受入れ資産をこの通達に定めるところにより評価した価額から当該現物出資等受入れ資産の帳簿価額を控除した金額（以下この項において「現物出資等受入れ差額」という。）を加算した価額）から課税時期における各負債の金額の合計額を控除した金額 （注） １ 現物出資等受入れ資産が合併により著しく低い価額で受け入れた資産（以下（注）１において「合併受入れ資産」という。）である場合において、上記（２）の「この通達に定めるところにより評価した価額」は、当該価額が合併受入れ資産に係る被合併会社の帳簿価額を超えるときには、当該帳簿価額とする。 ２ 上記（２）の「現物出資等受入れ差額」は、現物出資、合併、株式交換、株式移転又は株式交付の時において現物出資等受入れ資産をこの通達に定めるところにより評価した価額が課税時期において当該現物出資等受入れ資産をこの通達に定めるところにより評価した価額を上回る場合には、課税時期において当該現物出資等受入れ資産をこの通達に定めるところにより評価した価額から当該現物出資等受入れ資産の帳簿価額を控除した金額とする。 ３ 上記（２）のかっこ書における「現物出資等受入れ差額」の加算は、課税時期における相続税評価額による総資産価額に占める現物出資等受入れ資産の価額（課税時期においてこの通達に定めるところにより評価した価額）の合計額の割合が２０％以下である場合には、適用しない。 |
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21-07-06
消費税の申告期限を延長した法人の中間申告・納付期限
令和2年度税制改正では、働き方改革の一環で、法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受けている法人は、消費税申告書の提出期限も延長できるようになりました。
（参考）消費税申告期限延長届出手続
この改正は、令和3年3月31日以後に終了する事業年度の末日が含まれる課税期間について適用することとされています。
さて、ここからが本題で、消費税の申告期限を延長した法人で、且つ、中間納付を年11回している法人は、注意が必要です。
＜例 3月決算法人＞
| 消費税の申告期限を延長していない法人 | 4月分・5月分をまとめて、7月末に申告・納付 |
|---|---|
| 消費税の申告期限を延長した法人 | 4月分・5月分・6月分をまとめて、8月末に申告・納付 |
（財務省 令和2年度 税制改正の解説 P.745より）
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21-06-17
e-Taxによる申告の特例に係る届出書
令和2年4月1日以後開始事業年度から、法人税や消費税等の電子申告義務化が始まっており、既に電子申告をしている法人も含めて「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」の提出が必要となっています。
| 対象法人 | 対象税目 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 事業年度開始の時において資本金の額が1億円を超える法人 | 法人税、地方法人税、消費税、法人住民税、法人事業税、特別法人事業税 | 資本金の額等が１億円を超えることとなった日から1月以内 |
| 設立の時における資本金の額が1億円を超える法人 | 法人税、地方法人税、消費税、法人住民税、法人事業税、特別法人事業税 | その設立の日から2月以内 |
| 通算法人 | 法人税、地方法人税 | 通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日から1月以内（既に提出している法人は提出不要） |
（参考）法人税と消費税の電子申告義務の開始時期が一致しないケース
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21-06-11
資本の払戻しを受けた株主に対する子会社株式簿価減額特例の適用
子会社株式簿価減額特例（当初、ソフトバンク税制と呼ばれていた制度）に関する法人税基本通達の趣旨説明が公表されました。
法基通2-3-4（対象配当等の額が資本の払戻しによるものである場合の譲渡原価の計算）の解説に、設例が掲載されていましたので紹介します。※赤字は、私のコメントです。
| 【設例� 杙駛椶諒�戻しとして金銭の交付を受けた場合における株主の処理 （前提条件） ・Ａ社（株主）はＢ社（外国法人）から資本の払戻し（法24�〇諭砲箸靴�15,000万円（金銭）の交付を受けた。 ・当該資本の払戻しは基準日の定めがある。したがって、設例�，砲�ける基準時はその基準日が経過した時である（令119の3��三イ）。 ・交付を受けた15,000万円のうち6,000万円はみなし配当であり、法人税法施行令第23条第1項第4号に規定する割合は0.3である。 ・Ｂ社株式の資本の払戻しの直前の（「基準日の」が正しいかも）帳簿価額は22,000万円（100株）（移動平均法を採用）である。 ・Ｂ社は法人税法第23条の2第1項に規定する外国子会社に該当する。 ・Ｂ社から受けるみなし配当について、子会社株式簿価減額特例（令119の3�А砲療�用はあるが、株式等の帳簿価額から減算する金額に関する特例計算（令119の3�─砲療�用はない。 |
- Ａ社とＢ社との間に特定支配関係がある前提
- Ａ社がＢ社を買収してから10年を経過していない前提
- 対象配当等の額 ＝ 6,000万円 ＞ 2,000万円 ∴2,000万円基準による適用除外なし
- Ｂ社株式の簿価22,000万円 × 10％ ＜ 6,000万円 ∴10％基準による適用除外なし
（譲渡対価）
資本の払戻しにより金銭その他の資産の交付を受けた場合には、その交付を受けた金銭その他の資産の額からみなし配当の額を控除した金額が譲渡対価の額となる（法61の2� ↓押法�
設例�，砲�いては、交付を受けた15,000万円のうち6,000万円がみなし配当の額であり、残額の9,000万円が譲渡対価の額となる。
（子会社株式簿価減額特例）
基準時におけるＢ社株式の一単位当たりの帳簿価額は、基準時の直前における帳簿価額から益金不算入相当額を減算した金額を保有株式数で除して計算した金額となる（令119の3�А法�
設例�，砲�いては、次の算式で計算することとなる。
| （基準時の直前における帳簿価額22,000万円−益金不算入相当額5,700万円）÷保有株式数（100株）＝163万円 |
- 益金不算入相当額5,700万円 ＝ 6,000万円 × 95％（外国子会社配当金益金不算入制度）
また、この基準時の直前における帳簿価額から減算される金額（5,700万円）は、利益積立金額から減算することとなる（令9�＾譽錙法�
（譲渡原価）
資本の払戻しとして金銭その他の資産の交付を受けた場合における譲渡原価の額は、資本の払戻しの直前の帳簿価額に法人税法施行令第23条第1項第4号に規定する割合を乗じて計算した金額となる（令119の9� 法�
設例�，砲�いては、資本の払戻しの直前の帳簿価額（注：子会社株式簿価減額特例を適用した後の帳簿価額）16,300万円に上記の割合（0.3）を乗じて計算した4,890万円が譲渡原価の額となる。
（仕訳）単位：万円
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|
| 利益積立金額 | 5,700 | Ｂ社株式 | 5,700 |
| 現金 | 15,000 | Ｂ社株式 | 4,890 |
| みなし配当 | 6,000 | ||
| 譲渡益 | 4,110 |
- 譲渡益4,110万円 ＝ 譲渡対価9,000万円 − 譲渡原価4,890万円
- 子会社株式簿価減額特例の適用がなかったとした場合には、譲渡原価が6,600万円（＝ 22,000万円 × 0.3）、譲渡益が2,400万円となっていた。譲渡益の差額1,710万円は、みなし配当の益金不算入相当額5,700万円 × 0.3で検算できる。
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21-06-10
電子データで交付を受けたインボイスと仕入税額控除
令和4年1月1日より、電子データで交付を受けた請求書・領収書等については、電子データでの保存が必要になります。電子データを破棄し、印刷した紙のみを保存するということはできなくなります（電子帳簿保存制度のポイント参照）。
さて、電子データを破棄し、印刷した紙のみを保存していた場合、仕入税額控除ができるのでしょうか。答えは「できる」だそうです。
電子データの保存に適切に対応できていない場合、青色申告の承認が取り消されたとしても、仕入税額控除までも否定されるわけではないということのようです。
（参考）東京税理士会「情報通」2021年6月号の解説を参考に、以下にまとめます。
| �ー莪�先（仕入先）から交付を受けた「請求書（紙）」では、インボイスとしての記載事項のすべてが満たされていない。ただ、それとは別に提供を受けた「受注情報」データ（電磁的記録）も合わせれば、インボイスとしての記載事項を満たすことができる。その場合、「紙」と「データ（電磁的記録）」を合わせて保存することで、仕入税額控除の適用は可能か。 | 請求書（紙）と受注情報データを紐付け、データについては電帳法が求める要件を満たし保存していれば、仕入税額控除の適用は可能です。 |
| �⊆莪�先（仕入先）から電子インボイスの提供を受けた。しかしながら、法令が求める要件を満たし、それを保存することが困難である。そのデータ（電子インボイス）を「紙」に出力して保存していれば、仕入税額控除の適用は可能か。 | 「書面出力」した「紙」を保存しておくことで仕入税額控除の適用は可能です。ただし令和3年度税制改正における電帳法改正により、所得税・法人税の観点からは、電子取引情報の「書面出力」による保存が認められなくなりました（令和4年1月1日より適用）。 消費税の観点からは、引き続き、書面に出力されたものを保存することで仕入税額控除の適用は可能です。その際、出力された書面は整然とした形式・明瞭な状態である必要があります。 |
| �Ｋ［畩紂∋兎�税額控除の適用を受けるためには、取引先（仕入先）から「提供」されるデータ（電子インボイス）を保存しなければならないと規定されている。例えば、電子帳簿保存法に準じた方法により保存することが可能なクラウド上において、取引先との間でデータ（電子インボイス）を共有・保存するような場合には、仕入税額控除の適用は可能か。 | 「共有」であっても電子帳簿保存法上適切に保存されていれば仕入税額控除の適用に問題はありません。いずれにせよ、インボイス制度においては、インボイス（紙）、電子インボイスを問わず、交付・提供したもの・されたものを効率的に保存する方法を検討する必要があります。 |
消費税法施行規則15条の5（適格請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録の提供を受けた場合等の保存方法） ※令和5年10月1日施行
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21-06-08
不動産を信託した場合の登録免許税・不動産取得税
信託を設定することにより、登録免許税・不動産取得税が軽減されるか否かは、信託の設定（入口）から終了（出口）までを見据えて判断する必要があります。
| 登録免許税 | 不動産取得税 | ||
|---|---|---|---|
| 入口 | 信託の設定による不動産の所有権移転（委託者→受託者） | 課税なし （登法7�＾譟� | 課税なし （地法73の7三） |
| 信託の登記 | 0.4% （登法9別表第一、1十イ） | − | |
| 中途 | 受益権の売買・贈与・相続（権利の変更） | 一個につき1,000円 （登法9別表第一、1十四） | − |
| 受託者の変更 | 課税なし （登法7�〇亜� | 課税なし （地法73の7五） | |
| 出口 | [原則]信託の終了による不動産の所有権移転（受託者→受益者） | 2％ | 4％ |
| [例外��]信託の終了による不動産の所有権移転（受託者→委託者） | 課税なし （登法7�‘鵝� | 課税なし （地法73の7四イ） | |
| [例外��]信託の終了による不動産の所有権移転（受託者→委託者の相続人） | 0.4％ （登法7�◆法�3要件】 | 課税なし （地法73の7四ロ） | |
| 信託の抹消登記 | 一個につき1,000円 （登法9別表第一、1十五） | − | |
◆登録免許税法第7条第2項の3要件
| 要件1 信託の信託財産を受託者から受益者に移すこと |
| 要件2 当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者であること |
| 要件3 当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人であること |
【注1】委託者死亡により信託を終了させ、帰属権利者に残余財産を承継させる場合、要件1を満たすか？
登録免許税法には「受益者」についての定義がないため、信託法の定義にて判断する。信託法上、帰属権利者は、信託の清算中は受益者と登録免許税法の「受益者」に該当すると考えられる（信法183�Α法�
（参考）名古屋国税局 文書回答事例「信託の終了に伴い、受託者兼残余財産帰属権利者が受ける所有権の移転登記に係る登録免許税法第7条第2項の適用関係について」
【注2】委託者死亡に伴う委託者の地位の承継について
- 委託者の地位は、遺言信託を除き、原則として、相続により承継される。相続人が複数であれば相続人全員に承継される。
- 信託契約書に「委託者の地位は相続により承継せず、委託者の死亡により消滅する」と定めることができるが、要件2を満たせなくなる。
- 信託契約書に「委託者の地位は相続により承継せず、受益者の地位と共に移動（又は帰属権利者に移動）する」と定めれば、要件2を満たすことができる。
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21-06-03
教育資金の一括贈与に係る非課税措置の改正
令和3年度税制改正により、�〜蠡垣任硫歙蚤仂櫃箸覆詒楼呂�拡大したほか、�⊆�贈者が孫等である場合には2割加算されます。
| R1改正 | R3改正 | |
|---|---|---|
| 対象となる契約 | H31.4.1〜R3.3.31の新規契約及び既契約の追加設定 | R3.4.1〜R5.3.31の新規契約及び既契約の追加設定 |
| 相続税の課税対象額（※） | 教育資金の管理残額 （贈与者死亡前3年以内に拠出されたものに限る） | 教育資金の管理残額 |
| 相続税の2割加算 | 適用なし | 適用あり |
（参考）祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし（令和3年5月）
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税に関するQ＆A（令和3年4月）
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21-06-02
インボイス制度と免税事業者に対する消費税分の転嫁拒否
令和5年10月1日よりインボイス制度がスタートし、免税事業者からの仕入れについては仕入税額控除が認められなくなります（ 経過措置 があります。）。しかし、仕入税額控除できないことを理由に、免税事業者に対し消費税分の転嫁拒否を行うことは、独占禁止法と下請法に違反するおそれがあるので注意が必要です（税務通信3638号）。
（参考）
消費税転嫁対策特別措置法（令和3年3月末で失効）に基づく公正取引委員会のＱ＆Ａ「消費税の転嫁拒否等の行為に関するよくある質問」Ｑ19では、次のように説明されていました。
| Ｑ19 消費税転嫁対策特別措置法に関して，免税事業者である納入業者との取引において留意することはありますか。 Ａ 免税事業者であっても特定供給事業者に該当するため，特定事業者は免税事業者である納入業者に対しても消費税転嫁対策特別措置法で禁止する消費税の転嫁拒否等の行為を行ってはなりません。 特定事業者は，本体価格に消費税を上乗せして対価を定める必要がありますが，免税事業者であることを理由として，消費税を上乗せせず対価を定めたり，仕入れ等の諸経費に係る消費税負担分のみを上乗せして対価を定めたりすることは，合理的な理由がない限り，「買いたたき」(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号後段)に該当し，違反となります。 また，消費税を上乗せして対価を取り決めた後に，納入業者が免税事業者であることが判明し，それを理由として消費税相当分又はその一部の金額を減じて支払ったり，当該金額を徴収したりする場合，「減額」(消費税転嫁対策特別措置法第3条第1号前段)に該当し，違反となります。商品購入の要請等の他の消費税の転嫁拒否等の行為についても，同様です。 |
現在は、「消費税転嫁対策特別措置法の失効後における消費税の転嫁拒否等の行為に係る独占禁止法及び下請法の考え方に関するＱ＆Ａ」が公表されています。消費税転嫁対策特別措置法の失効後における消費税の転嫁拒否行為については独占禁止法と下請法で対応するとのことです。現Ｑ＆Ａには、旧Ｑ＆ＡのＱ19は残っていませんが、次のように説明されています。
| Ｑ5 消費税転嫁対策特別措置法で禁止されている買いたたき行為は，同法が失効した後，独占禁止法や下請法の規制対象となりますか。 Ａ 消費税転嫁対策特別措置法が失効した後に行われた行為であっても，取引上優越した地位にある事業者が，既に対価が決定済みの継続的取引などにおいて，取引の相手方に対し，消費税率引上げ分の全部又は一部を負担させるため，消費税率引上げという事情変更を認めず，引き続き消費税率引上げ前の対価での納入を強要するといった行為を行う場合は，優越的地位の濫用として独占禁止法に違反するおそれがあります（独占禁止法第２条第９項第５号ハ）。 また，下請法上の下請取引において，親事業者が下請事業者に対して，消費税率引上げ後の下請代金の額について，消費税率引上げ前の下請代金の額に消費税率の引上げ分を加えた額を下回って定める行為や，消費税率引上げ後の下請代金の額について，消費税率引上げ前のまま据え置き，消費税率の引上げ分を上乗せしないといった行為は，合理的な理由がない限り下請法で禁止されている買いたたきに当たるおそれがあります（下請法第４条第１項第５号）。 |
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21-05-03
住宅の貸付けの範囲
住宅の貸付けに係る契約において貸付けに係る用途が明らかにされていない場合であっても、その貸付けの用に供する建物の状況等から人の居住の用に供することが明らかな貸付けについては、非課税とされます。この改正は、令和2年4月1日以後に行われる貸付けについて、適用されています。
| 消費税法別表第1第13号 ◆１３ 住宅（人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいう。）の貸付け（当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合（当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合を含む。）に限るものとし、一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合を除く。） |
消費税法基本通達6-13-10（貸付けに係る用途が明らかにされていない場合の意義）
消費税法基本通達6-13-11（貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合の意義）
（参考）居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除の見直し
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21-05-02
短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法
勤続年数が５年以下である者に対する退職金については、役員のみならず従業員についても、退職所得の2分の1課税に制限が設けられます。
| 勤続年数が５年以下である者に対する退職金 | |
|---|---|
| 役員 | 特定役員退職手当等 （タックスアンサー）（Ｑ＆Ａ） ※平成25年分以後の所得税について |
| 従業員 | 短期退職手当等 （源泉所得税の改正のあらまし） ※令和4年分以後の所得税について |
【短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法】
| 収入金額 − 退職所得控除額 ≦ 300万円 | 収入金額 − 退職所得控除額 ＞ 300万円 |
|---|---|
| 退職所得の金額 ＝ （収入金額 − 退職所得控除額）×1/2 | 退職所得の金額 ＝ 150万円 ＋ （収入金額 − 退職所得控除額 − 300万円） |
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21-05-01
課税売上割合に準ずる割合の適用開始時期の見直し
令和3年4月1日以後に終了する課税期間より、取扱いが緩和されています（例外的扱いの創設）。
| 原則 | 税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から課税売上割合に準ずる割合を適用する。 |
|---|---|
| 例外 | 適用を受けようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日の翌日から同日以後１月を経過する日までの間に税務署長の承認を受けた場合、当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から適用する。 |
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21-04-28
名義変更プラン（節税スキーム）に対する規制強化
法人が、自己を契約者とし、役員又は使用人（これらの者の親族を含む。）を被保険者とする定期保険又は第三分野保険については、保険料の一部について資産計上を求めるもの（法基通9-3-5の2の適用を受ける保険）と、保険期間の経過に応じて損金計上を認めるもの（法基通9-3-5の適用を受ける保険）に区別されます。
| 法基通9-3-5 と 法基通9-3-5の2 のいずれを適用するか | |||
|---|---|---|---|
| 法人を契約者、役員・使用人等を被保険者とする定期保険又は第三分野保険 | 保険期間3年以上 ＆ 最高解約返戻率50％超 | 85％超 | 法基通9-3-5の2を適用 |
70％超85％以下 | |||
| 50％超70％以下（その他） | |||
| 50％超70％以下（年換算保険料相当額30万円以下） | 法基通9-3-5を適用 | ||
| その他 | |||
名義変更プランとは、法人が上記の保険を契約した後、資産計上額（前払保険料部分）よりも解約返戻金が低い期間において、当該保険契約の契約名義を被保険者である役員等に変更（売却）することにより、法人において譲渡損失を生じさせる節税スキームのことです。
今回、規制強化されるのは、法基通9-3-5の2の適用を受ける保険のうち、名義変更時（支給時）において、解約返戻金の額が資産計上額（前払保険料部分）の70％未満のものになります。
具体的には、所基通36-37が改正され、名義変更時の当該生命保険の時価を解約返戻金の額ではなく、資産計上額とすることにより、法人において譲渡損失を生じさせない取扱いとなります。
なお、法基通9-3-5の2は、2019年7月8日以後に締結する保険契約に適用されるものであることから、それ以前に締結された保険契約については、今回の規制強化の対象にはなりません。
（参考）改正所基通36-37 ※当該改正通達は、令和3年7月1日以後に行う保険契約等に関する権利の支給について適用する。
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21-04-13
収用等により取得した補償金の課税上の取扱い
収用等により取得した補償金の課税上の取扱いは、措置法通達33-9に示してあります。
| 補償金の種類 | 課税上の取扱い | 主な補償内容 |
|---|---|---|
| 対価補償金 | 譲渡所得の金額又は山林所得の金額の計算上、収用等の場合の課税の特例の適用がある。 | 土地買収代金 借地権消滅補償 残地・残借地補償 借家人補償 |
| 収益補償金 | 当該補償金の交付の基因となった事業の態様に応じ、不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。 ただし、33-11により収益補償金として交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。 | 営業休止・廃業補償 家賃減収補償 |
| 経費補償金 | （イ）休廃業等により生ずる事業上の費用の補填に充てるものとして交付を受ける補償金は、当該補償金の交付の基因となった事業の態様に応じ、不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。 （ロ）収用等による譲渡の目的となった資産以外の資産（棚卸資産等を除く。）について実現した損失の補填に充てるものとして交付を受ける補償金は、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。 ただし、33-13により、経費補償金として交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。 | 店舗移転補償 休業・解雇手当補償 |
| 移転補償金 | 補償金をその交付の目的に従って支出した場合には、当該支出した額については、所得税法第44条《移転等の支出に充てるための交付金の総収入金額不算入》の規定が適用される。 その交付の目的に従って支出されなかった場合又は支出後に補償金が残った場合は、一時所得の金額の計算上、総所得金額に算入される。 ただし、33-14又は33-15により、引き家補償の名義で交付を受ける補償金又は移設困難な機械装置の補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。また、33-30により、借家人補償金は、対価補償金とみなして取り扱う。 | 建物移転補償 工作物・立木等移転補償 動産移転補償 仮住居補償 移転雑費補償 |
| その他対価補償金の実質を有しない補償金 | その実態に応じ、各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。ただし、所得税法第9条第1項《非課税所得》の規定に該当するものは、非課税である。 | 精神補償 上記以外の補償 |
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21-04-01
所在不明株主の株式売却制度の特例
会社から発送される通知が株主に5年間到達せず、かつ、配当金も5年間受領がない場合、会社は一定の手続の下、その所在不明株主の株式を自己株式取得すること等により、所在不明株主の株主としての地位を喪失させることができます（会社法197、198）。
経営承継円滑化法の令和3年度改正により、この「5年」を「1年」に短縮する特例が設けられます。
| 経営承継円滑化法12条1項1号ホ（新設） 次の各号に掲げる者は、当該各号に該当することについて、経済産業大臣の認定を受けることができる。 ◆１ 会社である中小企業者（金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式又は同法第六十七条の十一第一項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されている株式を発行している株式会社を除く。以下この項において同じ。） 次のいずれかに該当すること。 ホ 当該中小企業者（株式会社に限る。）の代表者が年齢、健康状態その他の事情により、継続的かつ安定的に経営を行うことが困難であるため、当該中小企業者の事業活動の継続に支障が生じている場合であって、当該中小企業者の一部の株主の所在が不明であることにより、その経営を当該代表者以外の者（第十六条第二項において「株式会社事業後継者」という。）に円滑に承継させることが困難であると認められること。 |
| 経営承継円滑化法15条（所在不明株主の株式の競売及び売却に関する特例）（新設） 第十二条第一項第一号ホに該当する者として同項の認定を受けた者（次項及び次条第五項において「特例株式会社」という。）についての会社法（平成十七年法律第八十六号）第百九十七条の規定の適用については、同条第一項第一号中「前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しない」とあるのは「する通知又は催告が一年以上継続して到達しない」と、同項第二号中「五年間」とあるのは「一年間」と、同条第五項第一号中「前条第三項において準用する同条第一項の規定により」とあるのは「当該登録株式質権者に対してする」と、「をすることを要しない」とあるのは「が一年以上継続して到達しない」と、同項第二号中「五年間」とあるのは「一年間」とする。 ２ 前項の規定により読み替えて適用する会社法第百九十七条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、特例株式会社は、同法第百九十八条第一項に定める手続に先立ち、前項の規定により読み替えて適用する同法第百九十七条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他経済産業省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者（同法第百四十九条第一項に規定する登録株式質権者をいう。次項第三号において同じ。）には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、三月を下ることができない。 ３ 次の各号のいずれかに該当する場合には、第一項の規定は適用しない。 ◆１ 前項の期間が満了していない場合 ◆２ 前項の期間内に利害関係人が異議を述べた場合 ◆３ 前項の規定による催告が同項に規定する株式の株主又はその登録株式質権者に到達した場合 ４ 会社法第百九十八条第二項から第四項までの規定は、第二項の規定による催告について準用する。 |
| 会社法197条（株式の競売）の読替え規定 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。 ◆１ その株式の株主に対してする通知又は催告が一年以上継続して到達しないもの ◆２ その株式の株主が継続して一年間剰余金の配当を受領しなかったもの ２ 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。 ３ 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。 ◆１ 買い取る株式の数（種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数） ◆２ 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額 ４ 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。 ５ 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。 ◆１ 当該登録株式質権者に対してする通知又は催告をが一年以上継続して到達しない者 ◆２ 継続して一年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者 |
（参考）中小企業の経営資源集約化等に関する検討会（第3回）資料1
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21-03-31
中小企業経営強化税制の対象となる中小企業者等の範囲（令和3年度税制改正）
対象となる中小企業者等の範囲が、中小企業等経営強化法2条6項に規定する特定事業者等に限定されます。
| 改正前 | 措置法に規定する中小企業者等のうち、中小企業等経営強化法に規定する中小企業者等に該当するもの |
|---|---|
| 改正後 | 措置法に規定する中小企業者等のうち、中小企業等経営強化法に規定する特定事業者等に該当するもの |
| 措置法に規定する中小企業者等（措令27の4��） |
|---|
| 資本金1億円以下 ※ただし、大規模法人等に支配されている法人を除く。 |
| 中小企業等経営強化法に規定する特定事業者等（強化法2�キΑ� |
|---|
| ５ この法律において「特定事業者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。 ◆１ 常時使用する従業員の数が五百人以下の会社及び個人であって、製造業、建設業、運輸業その他の業種（次号及び第三号に掲げる業種並びに第四号の政令で定める業種を除く。）に属する事業を主たる事業として営むもの ◆２ 常時使用する従業員の数が四百人以下の会社及び個人であって、卸売業（第四号の政令で定める業種を除く。）に属する事業を主たる事業として営むもの ◆３ 常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であって、小売業又はサービス業（次号の政令で定める業種を除く。）に属する事業を主たる事業として営むもの ◆４ 常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの ◆５ 企業組合 ◆６ 協業組合 ◆７ 事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会であって、政令で定めるもの ◆８ 一般社団法人であって前各号に掲げるものを直接又は間接の構成員とするもの（政令で定める要件に該当するものに限る。） ６ この法律において「特定事業者等」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。 ◆１ 特定事業者 ◆２ 常時使用する従業員の数が政令で定める数以下の会社その他政令で定める法人及び個人（前号に掲げる者を除く。） |
（210810訂正）
特定事業者等については、中小企業等経営強化法2条6項の1号か2号のいずれかに該当すればよく、結論としては業種ごとの人数制限を気にすることなく、2,000人以下か否かで判断すれば良いようです。なお、令和5年3月31日までは経過措置がある模様。
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21-03-30
中小企業者等における所得拡大促進税制（令和3年度税制改正）
中小企業者等は、人材確保等促進税制（大企業も中小企業も使える制度）と所得拡大促進税制（中小企業のみ使える制度）のいずれかを選択できます。
どちらの制度の適用要件も満たす場合には、どちらの制度を選択したほうが有利となるか、税額控除額を計算して比較する必要があります。
| 人材確保等促進税制 FAQ | 所得拡大促進税制 FAQ | |
|---|---|---|
| 適用要件 | 新規雇用者給与等支給額（※1）が前年度比2％以上増加 | 給与等支給総額（※2）が前年度比1.5％以上増加 |
| 上乗せ要件 | 教育訓練費が前年度比20％以上増加 | 給与等支給総額（※2）が前年度比2.5％以上増加し、かつ、次のいずれかを満たすこと。 �ゞ軌薹盈�費が前年度比10％以上増加 ��経営力向上計画の認定と証明 |
| 税額控除額 | min（新規雇用者給与等支給額（※2）、雇用者給与等支給額の増加額（※2））×15％（上乗せ5％） | 給与等支給総額の増加額（※2）×15％（上乗せ10％） |
| 雇用調整助成金等 | 適用要件の判定では控除しない。税額控除額の計算では控除する。 | |
| 控除上限 | 法人税額の20％ | |
| 住民税 | 税額控除後の法人税×税率 | |
| 適用期限 | 令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度 | |
※2 アルバイト等への給与支給額を含む。
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21-03-29
電子帳簿保存制度のポイント
令和3年度税制改正により要件等の簡素化等（令和4年1月1日より施行）が行われています（税務通信3637号参照）。
電子帳簿保存制度は、【１】帳簿書類のデータ保存、【２】紙で交付を受けた請求書・領収書等のスキャナ保存、【３】電子データで交付を受けた請求書・領収書等（電子取引データ）の保存の3つに大きく分かれます。
【１】と【２】は任意に選択する制度であり、【３】は全事業者に強制的に適用される制度です。
例えば、amazonで事務用品を購入した場合、amazonは紙による請求書・領収書の交付をしていませんので、amazonのホームページからPDFで取得することになります。他の取引先でも、電子メールによる請求書の交付を原則とし、紙での請求書の交付を要望する場合には手数料を求めるという対応をとる例が出てきました。このようにPDF等で請求書の交付を受けた場合は、【３】に該当することになります。
令和3年度税制改正により、電子データで交付を受けた請求書・領収書等については、電子データでの保存が必要になります。電子データを破棄し、印刷した紙のみを保存するということはできなくなりますので、注意が必要です。
| 【１】帳簿書類のデータ保存をするための最低限の要件 |
|---|
| �．轡好謄狒犧逎泪縫絅▲訶�の備付け ��見読可能性の確保 ��税務職員の求めに応じた帳簿書類データの提供 |
| 【２】スキャナ保存のための最低限の要件 |
|---|
| �．織ぅ爛好織鵐廚良嬪拭腹�1） ��検索機能の確保（※2） |
※2 検索機能には（ア）取引年月日、取引金額、取引先の検索が可能なこと、（イ）日付と金額については範囲指定検索が可能なこと、（ウ）複数条件検索が可能なことの3つが求められていますが、税務職員の求めに応じて帳簿書類データを提供する場合には、（イ）（ウ）は不要とされています。
| 【３】電子取引データ保存のための最低限の要件 |
|---|
| �．織ぅ爛好織鵐廚良嬪拭腹�1） ��検索機能の確保（※2） |
（参考）電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問19
※2 検索機能には（ア）取引年月日、取引金額、取引先の検索が可能なこと、（イ）日付と金額については範囲指定検索が可能なこと、（ウ）複数条件検索が可能なことの3つが求められていますが、税務職員の求めに応じて帳簿書類データを提供する場合には、（イ）（ウ）は不要とされています。
【３】は、どの会社にも対応が求められることになります。令和4年1月1日以降は、PDF等で交付を受けた請求書・領収書を紙で保存していても上記の要件を満たしません。要件を満たしていない場合には、青色申告の承認取り消しの可能性があるとのこと（税務通信3645号参照）。
今回の改正で柔軟化が図られているものの、全事業者に強制適用される【３】電子取引データ保存については、経理担当者の高齢化なども踏まえた制度設計が必要なように思います。
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21-03-26
適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る経過措置と消費税経理通達の改正
実務では、適格請求書の交付を受けていない課税仕入れについて「非適格課税仕入（経過措置）」のような消費税区分を付すだけの話だと思いますが、税理士が全ての取引について適格請求書の交付を受けているのか否かを確認するのは困難です。
したがって、基本的には経理の方の判断に基づいて処理することになりますが、少なくとも資産購入取引については適格請求書の有無を確認させていただかないと、資産の取得価額の判断を誤ってしまう可能性があります。
＜経過措置の内容＞
インボイス制度導入後６年間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについても、仕入税額相当額の一定割合を課税仕入れに係る消費税額とみなす経過措置が設けられています。
※この経過措置による仕入税額控除の適用に当たっては、適格請求書発行事業者以外の者から受領する区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等及びこの経過措置の適用を受ける旨（80％控除・50％控除の特例を受ける課税仕入れである旨）を記載した帳簿の保存が必要です。
（参考）令和３年改正消費税経理通達関係Ｑ＆Ａ
| 問２ 当社（飲食業）は、インボイス制度導入後である令和１１年１０月１日に免税事業者から国内にある店舗用の建物を取得し、その対価として１,１００万円を支払いました。当社は税抜経理方式で経理していますが、この場合の課税仕入れに係る法人税の取扱いはどうなりますか。 【回答】 １,１００万円を建物の取得価額として法人税の所得金額の計算を行うことになります。 |
| 問３ 当社（飲食業）は、インボイス制度導入後である令和５年１０月１日に免税事業者から国内にある店舗用の建物を取得し、その対価として１,１００万円を支払いました。当社は税抜経理方式で経理していますが、この場合の課税仕入れに係る法人税の取扱いはどうなりますか。 【回答】 支払対価の額のうち、８０万円を仮払消費税等の額として取引の対価から区分し、１,０２０万円を建物の取得価額として法人税の所得金額の計算を行うことになります。 |
| 問４ 当社（飲食業）は、インボイス制度導入後である令和８年１０月１日に免税事業者から国内にある店舗用の建物を取得し、その対価として１,１００万円を支払いました。当社は税抜経理方式で経理していますが、この場合の課税仕入れに係る法人税の取扱いはどうなりますか。 【回答】 支払対価の額のうち、５０万円を仮払消費税等の額として取引の対価から区分し、１,０５０万円を建物の取得価額として法人税の所得金額の計算を行うことになります。 |
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21-03-25
所有者不明土地問題の解決に向けた民法・不動産登記法の見直し
相続等により取得した土地の相続登記の義務化等を盛り込んだ「民法等の一部を改正する法律案」と、土地所有権の放棄制度の創設などを盛り込んだ「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案」が国会に提出されました（追記：民法、不動産登記法などの改正案が国会で4月21日に成立、同月28日公布）。交付の日から2年ないし3年以内に施行されます（施行期日について）。
| 不動産登記法の見直し | |
|---|---|
| 相続登記の義務化 令和6年4月1日施行 | 相続の開始により不動産の所有権を取得したことを知った日（遺産分割により所有権を取得した場合は遺産分割の日）から3年以内に所有権の移転登記の申請をしなければならない。 相続人が不動産の名義人について相続が開始した旨等を申し出る制度を創設する。申し出た相続人については、相続登記義務を履行したものとみなす。ただし、その後に遺産分割が行われた場合は再度登記の義務が生じる。 登記官が相続人に対して登記の申請をするように催告しても、その催告に応じないような場合には10万円以下の過料に処せられる。 |
| 住所・氏名等の変更登記の義務化 | 所有権の登記名義人の住所・氏名、本店・商号について変更があった場合には、2年以内に変更登記の申請をしなければならない（5万円以下の過料）。 |
| 所有不動産目録証明制度の創設 | 所有権の登記名義人又はその相続人は、所有不動産目録証明書（所有不動産の名寄帳）の交付を請求できる。 |
※相続登記等の義務化に伴い登録免許税の減免等の措置が講じられる予定。
→（令和4年度税制改正）相続人申告登記等の職権登記について、登記官が職権に基づいてする登記に対する登録免許税の非課税措置を適用する。
| 民法の見直し 令和5年4月1日施行 | |
|---|---|
| 遺産分割の期間制限 | 遺産分割がされずに、相続開始から10年間が経過した場合には、法定相続分で財産が分割される（具体的相続分を主張できなくなる）。 一定期間経過後に、所在不明の相続人がいる場合には、遺産である土地等について、相当額の金銭を供託することにより、所在不明相続人の持分を取得・売却することを可能にする仕組みを創設する。 |
| 共有制度の見直し | 不明共有者等に対して公告等をした上で、残りの共有者の同意で、土地の利用を可能にする制度等を創設する。 |
| 財産管理制度の見直し | 複数の不明共有者がいる土地について、一人の財産管理人を選任すれば足りる制度を創設する（従来は、不明者ごとに財産管理人を選任する必要があり、その財産管理人は不明者の全ての財産を管理する必要があった。）。 |
| 相隣関係規定の見直し | ライフラインの導管等を設置するために他人の土地を使用することができる制度を創設する。 近傍の土地所有者等による管理不全土地所有者に対する管理措置請求制度を創設する。 |
| 土地所有権の放棄を認める制度の創設 令和5年4月27日施行 | |
|---|---|
| 要件 | 次の全てを満たす場合には、土地の所有権を放棄することができる。 �‥效呂慮⇒�の帰属に争いがなく筆界が特定されていること。 ��土地について第三者の使用収益権や担保権が設定されておらず、所有者以外に土地を占有する者がいないこと。 �８従�のままで土地を管理することが将来的にも容易な状態であること（例えば、建物が存在しないこと。崖地等でないこと。土壌汚染がないこと。）。 �づ效禄衢�者が審査手数料及び土地の管理に係る一定の費用を負担すること（10年分の管理費相当額。200�屬梁霖呂婆�80万円と試算されている。）。 �ヅ效禄衢�者が、相当な努力が払われたと認められる方法により土地の譲渡等をしようとしてもなお譲渡等をすることができないこと（例えば、不動産業者を通じて売却を試みたこと。専門機関に相談し、土地取得・利用の希望者のあっせんを受けることを試みたこと。）。 |
| 手続 | �‥效禄衢�者が公的審査機関に認可申請する。 ��公的審査機関は要件審査前に地方公共団体又は国に土地の情報提供を行い、地方公共団体等が土地の取得を希望する場合には、所有者との間で贈与契約を締結する。この場合、管理料の支払いは不要となる。 �Ｅ效呂亮萋世魎�望する地方公共団体等が現れない場合には、要件審査が行われ、認可された場合には国庫に帰属する。 |
（参照）民法・不動産登記法（所有者不明土地関係）等の改正について
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21-02-23
認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例
非中小法人（判定表）の各事業年度における繰越欠損金の控除限度額は、繰越控除前所得の50％とされていますが、令和3年度税制改正により、改正産業競争力強化法（7/1施行見込、改正法案）の認定を受けること等を条件に、コロナの影響で業績が悪化した2年間に生じた欠損金を最長5年間、最大100％控除できる特例が設けられました。
措法66の11の4（認定事業適応法人の欠損金の損金算入の特例）
| 特例の内容 | 認定事業適応法人の適用事業年度において、特例事業年度において生じた欠損金額に係る超過控除対象額がある場合には、その超過控除対象額を損金算入する。 |
|---|---|
| 認定事業適応法人 | 青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法に規定する認定事業適応事業者であるもの。改正産業競争力強化法の施行日から1年以内に認定を受ける必要がある。 |
| 特例事業年度 | コロナにより赤字となった事業年度。具体的には、令和2年度及び令和3年度（一定の場合には令和元年度及び令和2年度）を対象とする。 |
| 基準事業年度 | 特例事業年度のうち開始日が最も早い事業年度。 |
| 適用事業年度 | 認定事業適応計画に記載された実施時期内の日を含む各事業年度の内、次の全てを満たす事業年度。 �ヾ霆犹�業年度後の各事業年度で欠損控除前所得金額が生じた最初の事業年度開始の日以後5年以内に開始する事業年度 �⇔疣�8年4月1日以前に開始する事業年度 �Ｋ／誉破‖�57条第11項各号に掲げる法人の当該各号に定める事業年度でないこと |
| 特例欠損事業年度 | 特例事業年度において生じた欠損金額のうちに超過控除対象額がある場合における当該特例事業年度。 |
| 超過控除対象額 | 次に掲げる金額のうち最も少ない金額。 �‘知禹�業年度において生じた欠損金額のうち損金算入されていない額 ��認定事業適応計画により実行された投資（カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーション、事業再構築等の前向きな投資）の累計額から当該特例により既に損金算入された額を控除した額 �７�越控除前所得の50％ ※�↓�について、措法66の11の4��二ハの意味が読み取れない。 → 別表七（一）付表五で要確認 |
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21-02-21
相続税法に規定されていた当初申告要件の廃止
相続税法に規定されていた次の3つに制度に係る当初申告要件が、平成23年税制改正（平成23年12月施行分）で廃止され、更正の請求によっても適用できることとされました。
（参照）平成23年度税制改正の解説 P.200「�� 更正の請求範囲の拡大」
1.配偶者の相続税の税額軽減（相法19の2��）
| ３ 第一項の規定は、第二十七条の規定による申告書（当該申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。第五項において同じ。） 又は国税通則法第二十三条第三項（更正の請求） に規定する更正請求書に、第一項の規定の適用を受ける旨及び同項各号に掲げる金額の計算に関する明細の記載をした書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。 |
当初申告要件が廃止される前は、当初申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」の添付を忘れてしまった場合には、宥恕規定（相法19の2�ぁ砲療�用がない限り救済されませんでしたが、当初申告要件が廃止されたため、申告期限から3年以内に分割された場合には更正請求書を提出することにより、税額軽減を受けることができます。
なお、「申告期限後3年以内の分割見込書」は提出したものの、申告期限から3年以内に分割されない場合には、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出する必要があります。「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」には宥恕規定がなく、期限内に提出しなかった場合には救済されませんので注意が必要です。
2.贈与税の配偶者控除（相法21の6�◆�
| ２ 前項の規定は、第二十八条第一項に規定する申告書（当該申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。） 又は国税通則法第二十三条第三項（更正の請求） に規定する更正請求書に、前項の規定により控除を受ける金額その他その控除に関する事項及びその控除を受けようとする年の前年以前の各年分の贈与税につき同項の規定の適用を受けていない旨を記載した書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。 |
3.相続税額から控除する贈与税相当額等（相令4�◆�
| ２ 法第十九条第二項第二号に規定する政令で定める場合は、同号の被相続人の配偶者が、法第二十七条第一項の規定による申告書（当該申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。） 又は国税通則法（昭和三十七年法律第六十六号） 第二十三条第三項（更正の請求） に規定する更正請求書に、法第十九条第二項に規定する居住用不動産又は金銭につきこれらの財産の価額を贈与税の課税価格に算入する旨その他財務省令で定める事項を記載し、財務省令で定める書類を添付して、これを提出した場合とする。 |
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21-01-23
大企業における租税特別措置の適用制限
| 令和3年度税制改正の大綱 (8)大企業につき研究開発税制その他生産性の向上に関連する税額控除の規定を適用できないこととする措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を３年延長する（所得税についても同様とする。）。 � ）楞蔀屬梁仂櫃法▲�ーボンニュートラルに向けた投資促進税制の税額控除及びデジタルトランスフォーメーション投資促進税制の税額控除を加える。 �◆〃兮蓋柩兌垉詬薪�支給額が継続雇用者比較給与等支給額を超えることとの要件を判定する場合に雇用調整助成金及びこれに類するものを控除しないこととする。 |
大企業における租税特別措置の適用制限（措法42の13
| 要件 | 下記の全てに該当する場合には租税特別措置が適用されません。 |
|---|---|
| �，修了�業年度の所得金額が前事業年度の所得金額を上回ること | |
| ��継続雇用者給与等支給額が前事業年度以下であること | |
| �９馥眄瀏�投資額が当期の減価償却費の総額の30％以下であること | |
| 適用が制限される租税特別措置 | ・研究開発税制 |
| ・地域未来投資促進税制（令和4年度末まで2年間【延長】） | |
| ・5G導入促進税制 | |
| ・【追加】CN投資促進税制 | |
| ・【追加】DX投資促進税制 | |
| 大企業の範囲 | 中小企業者（適用除外事業者に該当するものを除く）又は農業協同組合等以外の法人 |
人材確保等促進税制（中堅・大企業向け賃上げ税制が衣替えした新制度）及び所得拡大促進税制（中小企業向け）では、継続雇用者給与等支給額増加要件が雇用者給与等支給額増加要件となり集計作業の簡素化が図られましたが、大企業においては当該適用制限の判定のため、従来どおり、継続雇用者給与等支給額を集計する必要があると思われます（大企業では、結果として集計作業は簡素化されない？）。
（参考）措通42の13-3〜42の13-10の趣旨説明
（参考）令和4年度改正：資本金10億円以上の会社に対する要件加重措置
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21-01-20
上場株式等の譲渡所得及び配当所得と課税方式の選択
| 平成29年度改正 所得税と住民税で異なる課税方式を選択できることが明確化されました。所得税と住民税で異なる課税方式を選択する場合には、住民税の税額決定通知書・納税通知書が送達される日までに、住民税申告書を提出する必要があります。 |
| 令和3年度改正 住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の全部について源泉分離課税（申告不要）とする場合に、原則として、確定申告書の提出のみで申告手続が完結できるよう、確定申告書における個人住民税に係る附記事項を追加します。この改正は、令和3年分以後の確定申告書を令和4年1月1日以後に提出する場合について適用します。 |
（記載要領）
令和3年中の配当所得及び株式等に係る譲渡所得等が、特別徴収された特定配当等の額及び特別徴収された特定株式等譲渡所得金額のみであり、その全てを住民税において特別徴収で済ませること（申告不要）としようとする場合（所得税においてもその全てを申告不要とする場合を除きます。）には、「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に○を記入します。この場合、原則として、お住まいの市区町村に対する住民税の申告書の提出は不要となりますが、以下の点にご留意ください。
※ 住民税において、配当所得及び株式等に係る譲渡所得等のうち一部でも申告するものがある場合には、当該欄に○を記入することはできません。
※ 上場株式等の配当等のうち大口株主等が支払を受けるもの、非上場株式の配当等（所得税において申告不要とする非上場株式の少額配当等を含みます。）、上場株式等の譲渡所得等（源泉徴収口座以外のもの）又は非上場株式の譲渡所得等を有する場合には、住民税において申告不要とすることができないため、当該欄に○を記入することはできません。
※ 住民税において、所得税と異なる控除の適用を受けようとする場合には、別途、住民税の申告書の提出が必要となることがありますので、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
※ 当該欄に○を記入し、住民税の申告書を提出しない場合には、住民税において上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用ができませんのでご注意ください。
◆選択できる課税方式
| 所得区分 | 源泉税率 | 課税方式 | 住民税の税率 | 住民税における合計所得金額への算入 | 国民健康保険等への影響 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 特定株式等※1 | 譲渡所得等 | 15.315％＋5％ | 申告不要 | 源泉徴収（5％）のみ | 含めない | なし |
| 申告分離 | 県2％＋市3％ | 含める | あり | |||
| その他株式等 | 0％ | 申告分離 | 県2％＋市3％ | 含める | あり | |
| 特定配当等※2 | 配当所得 | 15.315％＋5％ | 申告不要 | 源泉徴収（5％）のみ | 含めない | なし |
| 総合課税（配当控除あり） | 県4％＋市6％ | 含める | あり | |||
| 申告分離 | 県2％＋市3％ | 含める | あり | |||
| 上場株式配当（大口株主） | 20.42％ | 総合課税（配当控除あり）※3 | 県4％＋市6％ | 含める | あり | |
| 非上場株式配当 |
※1 特定株式等 特定口座（源泉ありタイプ）に受け入れた上場株式等
※2 特定配当等 上場株式等の配当等（大口株主が支払を受けるものを除く）
※3 年10万円以下の少額配当は、所得税については申告不要の選択が可能。所得税で申告不要とした場合でも、住民税では総合課税の対象となる。
◆配当に係る所得税
| 課税所得額（配当含む） | 税率 | 配当控除 | 差引 | 判定（差引 ＜ 15.315％なら総合課税） |
|---|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5％ | 10％ | 0 | 総合課税が有利 |
| 195万円超 330万円以下 | 10％ | 10％ | 0 | 総合課税が有利 |
| 330万円超 695万円以下 | 20％ | 10％ | 10％ | 総合課税が有利 |
| 695万円超 900万円以下 | 23％ | 10％ | 13％ | 総合課税が有利 |
| 900万円超 1,000万円以下 | 33％ | 10％ | 23％ | 申告不要が有利 |
| 1,000万円超 1,800万円以下 | 33％ | 5％ | 28％ | 申告不要が有利 |
| 1,800万円超 4,000万円以下 | 40％ | 5％ | 35％ | 申告不要が有利 |
| 4,000万円超 | 45％ | 5％ | 40％ | 申告不要が有利 |
◆配当に係る住民税
| 課税所得額（配当含む） | 税率 | 配当控除 | 差引 | 判定（差引 ＜ 5％なら総合課税） |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10％ | 2.8％ | 7.2％ | 申告不要が有利 |
| 1,000万円超 | 10％ | 1.4％ | 8.6％ | 申告不要が有利 |
※特定証券投資信託の場合、配当控除の控除割合が5％（住民税1.4％）、2.5％（同0.7％）、0％のいずれかになります。
（参考）特定証券投資信託に係る配当控除を受けられる方へ
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21-01-11
研究開発税制の対象となる試験研究費の範囲の見直し（令和3年度改正）
研究開発税制の対象となる試験研究費について、次の見直しを行います。
| �〇邯蓋Φ翦颪里Δ繊�研究開発費として損金経理をした金額で非試験研究用資産の取得価額に含まれるものを加えます。 |
| �▲螢弌璽好┘鵐献縫▲螢鵐亜粉�に実用化されている製品又は技術の構造や仕組み等に係る情報を自社の製品又は技術にそのまま活用することのみを目的として、当該情報を解析すること）を除外します。 |
| �３�発中の技術をその開発をする者において試行する場合において、その技術がその者の業務改善に資するものであっても、その技術に係る試験研究が工学又は自然科学に関する試験研究に該当するときは、その試験研究に要する費用は研究開発税制の対象とします。 |
◆研究開発費として損金経理をした金額
税務上は棚卸資産・固定資産・繰延資産に計上すべき支出だとしても、会計上は研究開発費として費用計上した場合に認められる取扱い。したがって、いわゆる税務会計を行っている場合には、当該支出は研究開発税制の対象とならない。なお、研究開発費以外の科目で費用計上していたとしても、財務諸表の注記により研究開発費の総額に含まれることが明らかにされている場合には、研究開発税制の対象になるとのこと。「研究開発費の総額に含まれることが明らかにされている」とは、具体的には、当該注記にて計上されている科目ごとに金額の内訳を示す方法や、総額のみ注記するものの社内資料として研究開発費の内訳表を作成・保存しておく方法などが考えられる（税務通信3667号）。
◆非試験研究用資産
「クラウドを通じてサービス提供するソフトウエア」などが該当します。
ソフトウエア製作に係る研究開発費について、「販売目的ソフトウェア」に該当すれば費用計上（即時損金算入）できるのに対し、「自社利用ソフトウェア」に該当すればソフトウエアの取得価額に含めなければならないという取扱いになっています（法人税基本通達7-3-15の3(2)）。
| 【改正】法基通７−３−１５の３（ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用） 次に掲げるような費用の額は、ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる。 （１） 自己の製作に係るソフトウエアの製作計画の変更等により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係る費用の額 （２） 研究開発費の額（自社利用のソフトウエアに係る研究開発費の額については、その自社利用のソフトウエアの利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかな場合における当該研究開発費の額に限る。） （３） 製作等のために要した間接費、付随費用等で、その費用の額の合計額が少額（その製作原価のおおむね３％以内の金額）であるもの |
改正通達の趣旨説明（抜粋）
そのため、販売目的ソフトウェアの製作に係る研究開発費は、支出時にその支出額の全額が「研究開発税制の対象となる試験研究費」に含まれるのに対し、自社利用ソフトウェアの製作に係る研究開発費は、減価償却費等への計上を通じて「研究開発税制の対象となる試験研究費」に含まれることになります。
「クラウドを通じてサービス提供するソフトウエア」は自社利用ソフトウェアに該当する（参考：情報サービス産業協会の報告書）ことから、パッケージソフトウエアとして販売する場合と比べて、法人税法上（即時損金算入か否か）も、研究開発税制上も不利な取扱いとなっています。
クラウドサービスへの移行を促進していく中で、このような取扱いは障害になるため、自社利用ソフトウェアであっても、当該研究開発費を即時損金算入できるよう改正要望が出ていましたが、法人税法の取扱いからひっくり返す大改正には至りませんでした。
その代わりに、研究開発税制上の不利な扱いを解消するために持ち出されたのが「非試験研究用資産」という概念です。これにより、自社利用ソフトウェアの製作に係る研究開発費は、取得時にその取得価額の全額を「研究開発税制の対象となる試験研究費」に含めることができるようになりました。この場合、取得後に計上する減価償却費等については「研究開発税制の対象となる試験研究費」に含められなくなります。
非試験研究用資産については、研究開発税制と特別償却制度との選択適用となります。
（令和3年度 経済産業関係 税制改正について 令和2年12月 経済産業省 より）
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21-01-10
研究開発税制の見直し（令和3年度改正）
| 一般型 | 中小企業技術基盤強化税制 | |
| 控除率及び控除枠の特例の見直し | ・控除率を次のとおり見直す。 �〜�減試験研究割合が9.4％（現行8％）超 控除率＝10.145％＋（増減試験研究割合−9.4％）×0.35 最大控除率を14％とする特例を2年延長 �∩�減試験研究割合が9.4％（現行8％）以下 控除率＝10.145％−（9.4％−増減試験研究割合）×0.175 最小控除率を2％とする（現行6％）。 | ・措法42の4�ァ、�2年延長（令和5年3月31日まで） ・増減試験研究割合が9.4％（現行8％）を超える場合には、控除率と控除枠を上乗せする。 �々欺�率＝12％＋（増減試験研究割合−9.4％）×0.35 最大控除率を17％とする（現行どおり）。 ��控除枠を10％上乗せ |
| 試験研究費割合が10％超の場合の控除率の特例及び控除枠の上乗せ特例の延長 | ・措法42の4�� →2年延長（令和5年3月31日まで） ・控除率の上乗せ 控除率×控除割増率を上乗せ →最大控除率14％ ※控除割増率＝（試験研究費割合−10％）×0.5 ・控除枠の上乗せ （試験研究費割合−10％）×2を上乗せ →最大10％ | ・措法42の4�Α、�2年延長（令和5年3月31日まで） ・控除率の上乗せ 控除率×控除割増率を上乗せ →最大控除率17％ ※控除割増率＝（試験研究費割合−10％）×0.5 ・控除枠の上乗せ（措法42の4�イ療�用がある場合を除く） （試験研究費割合−10％）×2を上乗せ →最大10％ |
| 売上減少に係わらず試験研究費の額を増やした場合の控除枠の上乗せ特例の創設 | ・令和3年4月1日〜令和5年3月31日に開始する事業年度 ・基準年度比売上減少割合2％以上、且つ、基準年度試験研究費の額を超える場合には控除枠を5％上乗せする。 ・基準年度＝令和2年2月1日前に終了した最後事業年度 | ・令和3年4月1日〜令和5年3月31日に開始する事業年度 ・基準年度比売上減少割合2％以上、且つ、基準年度試験研究費の額を超える場合には控除枠を5％上乗せする。 ・基準年度＝令和2年2月1日前に終了した最後事業年度 |
（令和3年度 経済産業関係 税制改正について 令和2年12月 経済産業省 より）
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21-01-02
今年もよろしくお願いします
昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。
（葛西臨海公園）
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