会社法Ⅰ　大塚先生

１．2003年度　学年末
２．会社法ⅠＡ
３．大塚英明先生

次の二問のうち、いずれか一方に解答しなさい。

一　「委員会等設置会社の制度は、監査役制度に対するアンチ・テーゼである」とい
う命題が成り立つとすれば、それはどのような意味か。わが国の商法改正史にも触
れながら論じなさい。

二　敵対的な企業買収に対してターゲット会社の取締役が講じた防衛策は、忠実義務
違反とされることもあれば、逆に善管注意義務の適切な遂行とされることもある。
それはなぜか。日米の具体例を挙げながら論じなさい。

２００１

会社法ⅠＡ（大塚英明）-

次の二問のうち、いずれかを選択して解答えなさい。

一、最高裁１２年７月７日判決は、商法２６６条１項５号の「法令」という語の解釈について次のように判示した。「取締役を名あて人とし、取締役の受任者としての義務を一般的に定める商法２５４条３項・・・、商法２５４条ノ３の規定・・・及びこれを具体化する形で取締役がその職務遂行に際して遵守すべき義務を個別的に定める規定が、本規定にいう『法令』に含まれることは明らかであるが、さらに、商法その他の法令中の、会社を名あて人とし、会社がその業務を行うに際して遵守すべきすべての規定もこれに含まれる」。この判決の解釈について論評しなさい。

二、いわゆる住友商事事件で、大阪地裁平成１０年３月１８日判決は、一般論として、「従業員株主らの協力を得て株主総会の議事を進行させる場合、一般株主の利益について配慮することが不可欠であり、右従業員株主らの協力を得て一方的に株主総会の議事を進行させ、これにより株主の質問の機会などが全く奪われてしまうような場合には、取締役ないし取締役会に認められた業務執行権の範囲を超え・・・るという場合もあり得る」と判示した。この判決のこの部分について論評しなさい。