会社法Ⅰ　鳥山先生

１．出題年度　2006年度春学期
２．科目名　会社法Ⅰ
３．担当教員名　鳥山恭一先生
４．問題文
一問必答
株式会社の機関構成を説明し(公開会社とそれ以外の会社との差異に留意すること)、それぞれの機関の権限の関係、すなわち会社業務の決定・執行・監督の権限がいかなる範囲でいかなる機関に帰属するのかを説明しなさい。

２００４年

株券の占有に認められる効力、株主名簿の記載に認められる効力、さらに定款に株式譲渡制限の定めがある会社において取締役会の承認なしにされた株式譲渡の効力について説明して次の各問に答えなさい。

（１）
Ａ社は、定款に株式譲渡制限の定めがない株式会社である。Ａ社の株主名簿上の株主であるＢは数年前にその株式をＣに譲渡したのであるが、Ｃは株主名簿の名義書換を怠っていた。その場合にＡ社はＢではなくＣを株主として扱い株主総会への出席を認めさせることができるか。

（２）
Ｄ社は定款に株式譲渡制限の定めがある株式会社である。Ｄ社の株主名簿上の株主であるＥは数年前にその株式をＦに譲渡したのであるが、ＥもＦもその譲渡の承認をＤ社に請求をすることを怠っていた。
その場合にＤ社はすでにＥはその株式を譲渡しているとして株式総会へのＥの出席を拒むことはできるか。

２００２年　

（１）
甲株式会社の定款には株式譲渡制限の定めはない。
Ａは数年前に甲株式会社の株式をＢに譲渡した。しかしＢはいまだに甲株式会社に対して名義書換を請求していない。
その場合、Ａがなお株主名簿上の株主であることを理由にして、株主総会への出席と利益配当の支払について自己を株主として扱うべきことを甲会社に請求したときに、甲会社はその請求を拒み、Ｂを株主として扱うことはできるか。

（２）
乙株式会社の定款には株式譲渡制限の定めがある。
Ａは数年前に乙会社の株式を取締役会の承認なしにＢに譲渡した。しかし、Ｂはいまだに乙会社に対して譲渡承認を請求していない。
その場合、（以下甲を乙に変えて１問目と同じ）

うえの（１）（２）のそれぞれについて問題の所在とそれについての議論の状況を説明したうえで、自己の見解と理由を付して述べなさい。