導入教育科目　企業社会の変容と法システムの創造

１．２００４年度前期
２．導入教育科目　企業社会の変容と法システムの創造
３．上村達男先生
４．
第一問　次の各問から一問を選択し解答せよ
（１）企業法制・資本市場法制が、失業・犯罪・戦争と戦う法であり、市民社会の質に関わる法であるとはどのような意味か（上村）
（２）「共治としてのマーケット・ガバナンス構築」の観点で、諸君が早稲田の法学部で学んだことを将来、直接に間接に、どのようにして役立ててゆけるか、考えるところを簡潔に述べてください。たとえば、「ソフトインフラ」としての「包括的・横断的な資本市場法制」の必要性やその持続的構築に関して、君自身、今後具体的にどのような取り組み・関与が可能となるかについて述べていただいても結構です（犬飼）
（３）我が国の広義の金融資本市場と公開会社の現在までのガバナンス状況に照らして、君が今、改革が必要と考える項目は何か？優先順位が高いと考える順に、２、３点項目を上げて、あわせてその理由を簡潔に述べてください。たとえば、「銀行の、負債（貸付）による規律付け（メインバンク・ガバナンス）は必ずしも機能しなくなった」といわれているのはなぜなのかも同時に考えてみてください（犬飼）
（４）企業が人権の主体と理解することには、どのような意義があり、どのような問題があるか。また、企業はみずから人権の保持者・行使者となるが、人権の侵害者にもなりうる。このことを、具体的な例を挙げて説明せよ（戸波）
（５）「法人の人権」という観念の問題点と考えられることにつき、あなたの意見を述べてください（樋口）
（６）近代民法（市民法）の基本原則とその修正（鎌田）
（７）刑事法の立場から見た企業の違法行為の規制のあり方について述べよ（野村）
（８）我が国の伝統的な企業会計制度が、その立脚基盤としている「取得原価主義会計」には、企業内容の「実態開示」（ディスクロージャー）という観点からみて、どのような特徴（長所）があり、同時にどのような限界（欠陥）があるか、について論述しなさい（加古）
（９）グローバル化した現代社会において、法律家（法曹資格者）に求められる能力は何か（須網）

第二問（必答）
導入教育全１４回の講義を受講して、法律学を学ぶうえでの問題意識は受講前と較べてどのように影響を受けたか。