物権法　大塚先生

１．2003年度　学年末
２．物権Ｂ
３．大塚直先生

　次のうちから１問を選択して答えなさい。冒頭にどちらを選択したか明記した上、解答しなさい（両方について解答した場合は零点とする。なお、就職に関する点など、解答と全く関連しない記述をした場合には、公平の観点から点を与えられなくなる可能性があるので注意されたい）。

一　Ａの土地（以下「本件土地」という）にＢが権限なくして建物（以下、「本件建物」という）を所有しその登記を有していた。ＢはＣに本件建物を売却したが、所有権の移転登記は経由していない。他方、ＤはＡに金銭を貸付け、本件土地について抵当権の設定を受けた。この場合について、以下の設問に答えよ。
（１）ＡとＢ・Ｃの関係について述べよ（配点５０点）。
（２）ＡがＤに対し債務の弁済を怠った場合におけるＤとＢ・Ｃの関係について述べよ（配点５０点）。

二　先の２つの事案について､それぞれ設問に答えよ。
（１）ＡはＢから、機械を賃借したが、営業不振に陥ったため、Ｂに無断で当該機械をＣに売却してしまった。当該機械は現在もＡが手許において利用している。この場合におけるＡとＣの法律関係について述べ（配点５０点）。
（２）ＰはＱから融資を受けると同時に、工場に備え付けてあるＰ所有の機械をＱに担保として譲渡した。その後、Ｐは第三者Ｒから融資を受ける際に同じ機械をＲに担保として譲渡してしまった。機械は現在もＰが手許において利用している。この場合について、小問（１）の事案と比較しつつ、ＱとＲの法律関係について述べよ（配点５０点）。