民法総論　田山先生

２．民法総論
３．田山輝明
４．

２００２年度
次の問に答えなさい。
　Ａは、Ｂに自己所有の土地を売却したが、その際、この土地は今は交通に不便な原野であるけれども、近い将来に鉄道が開設されて便利になると欺罔して、時価の数倍の高値で売却した。次の問に答えなさい。
（１）買主Ｂの民法総則の範囲内での救済手段（複数）について論じなさい。
（２）Ｂは、この売買契約を、代理人Ｃによって行ったと仮定する。Ｂの救済手段の要件は誰を基準にして検討すべきか。また、救済のための具体的権利を取得するのは誰か。
（３）ＢとＣは、欺罔されたことに気がついて直ちに適切な法的救済手段を行使したが、代金の返還請求権については、１０年以上にわたって放置している。Ａ・Ｂ間の法律関係について論じなさい。

１９９８年度
ＡがＢに自己所有の土地を売却した。次の各問の全てに答えなさい。
（１）Ａが、都市計画との関係で建築できない土地を宅地として売却したとして、Ｂの法的救済手段（民法総則の範囲で）を二つあげて、それらについて論述しなさい。
（２）Ａではなく、その代理人と称するＣが、同土地をＢに売却したとして、Ｃがその代理権を証明することができない。Ｂ・Ｃ間の法律関係について論述しなさい。
（３）Ａ・Ｂ間の売買契約は有効であったとして、Ａは、その代金の半額につき、受領しないまま、１０年が経過してしまった。Ａ・Ｂ間の法律関係について論述しなさい。

１９９４年度
　Ｂは、Ａの代理人として、共通の友人Ｃから１０００万円借り入れたが、未だ返済していない。次の各問に答えなさい。
（１）Ｃからの返済請求に対して、ＡはＢにそのような代理権を授与した覚えはないと言っている。Ａ・Ｃ間の法律関係とＢ・Ｃ間の法律関係について論じなさい。
（２）Ｂが１９８５年１月２０日に、右の「代理」行為をした場合を前提として、現時点におけるＡ・Ｂ・Ｃ間の法律関係について論じなさい。

１９９１年度
次に三つの問いの全てに答えなさい。
（１）Ａは債権者からの差押を免れるために、Ｂと共謀の上所有地の登記名義をＢに移転したところ、Ｂは同土地をＣに売却してしまった。Ａ・Ｃ間の法律関係を論じなさい。
（２）甲は、自己所有の土地の売買に関する代理権を丙に与える旨の文書を乙に送付したが、実際には丙に代理権を授与しなかった。ところが、丙が甲の代理人と称して甲の右土地を乙に売却してしまった。乙は右土地の所有権を取得することができるか。
（３）ＸはＹに対し弁済期を一年後として１００万円を貸したが、九年経過後に初めて請求した。その際にＹから「返済を暫時待って戴きたい」との念書をもらった。Ｘ・Ｙ間の法律関係を論じなさい。（六法貸与）