本家保管庫の更新再開までの暫定保管庫です。18歳未満立ち入り禁止。2013/2/15開設

「ベル坊の様子はどうだ?」
「うむ……」
ヒルダが体温計を凝視する。
「……やはり高いな」

今朝、ベル坊の異常に気付いたのは男鹿だった。
声を掛けても反応が鈍く、身体に触れると明らかに熱かった。
ヒルダによると、どうやら若干季節はずれではあるものの、風邪ではないかとのことだった。

「どうすんだよヒルダ。まさか前みたいなことにならねーだろうな?」
「王熱病のことか。その心配はあるまい。」
ベル坊の額のタオルを取り替えながら、ヒルダは答える。
「だがこのままでは、いたずらに坊ちゃまの体力を消耗するだけだな。ラミアに連絡して薬を出してもらうとしよう」
言って立ち上がる。
「それまで坊ちゃまは貴様に任せるぞ」
「おう、なるべく早く戻ってこいよ」
アクババに乗って窓から出て行く侍女悪魔を見送ると、男鹿は自分のベッドに向き直った。
そこには苦しそうに息をするベル坊が眠っている。
タオルを手に取ると、汗を拭き取ってやった。



どれ位時間が経ったろうか。
「っと、寝ちまってたか」
床に座ったまま、ベッドに突っ伏して眠ってしまっていたらしい。
ベル坊を見ると、顔は赤いもののすやすやと寝息を立てている。
「ヒルダのやつ、薬飲ませたのか?」
額に触ってみるが、確かに熱も下がっているように思えた。
「喉渇いたな。この様子ならベル坊も大丈夫だろ」
部屋を出ると下へ降りていく。

キッチンに入り、冷蔵庫の扉をがちゃりと開ける。
「ん?」
茶色い小瓶が目に入った。
「親父の栄養ドリンクか? これでいいか」
歩きながらキュッとキャップを回して、中身を一気に飲み干す。
「……甘ぇな、これ。こんなもんか?」
飲み終えた瓶をテーブルに置くと、ソファにごろんと横になる。

「……テレビでも観るか」
リモコンで電源を入れると、天気予報をやっていた。
最近人気のセクシーすぎるお天気おねえさんのコーナーだ。
何日か前に古市が一人盛り上がっていたのだが、勿論男鹿は聞いていなかったので覚えていない。

おねえさんが話しているのをぼうっと眺める。
「……胸でかいな……」
セクシーすぎるお天気おねえさんは、身体にぴったりした服&巨乳であることでも知られている。
谷間を見せつけんばかりのその決めポーズには、一定のファンもついているらしい。

「なんかあちぃ……」
男鹿の身体はうっすら汗ばんでいた。
季節は夏から秋に移り変わったところだ。学校ももうすぐ衣替えの時期である。
なのにこの暑さ。実際は男鹿の身体に異変が起きているのだが、自身はまだそのことに気付いていない。

天気予報が終わり、奥様向けのお料理コーナーが始まった。
初々しい女子アナが、ピンクのエプロンをつけて登場する。
「裸エプロンじゃねーのかよ……」
後ろから抱きついたらどんな反応すんのかな、などと考える。

――……オレ……さっきから何言ってんだ?
つーか裸エプロンってなんだ! 今までそんなこと考えたこともねーじゃん!!
男鹿の霞んでいた意識が少しクリアになる。

「起きていたのか」
上半身を起こして声のする方を振り返ると、ヒルダが立っていた。
「お前……薬は?」
ソファに座り直しながら問いかける。
「貴様が寝こけている間に既に飲ませた。今は熱も下がってよくお休みになっておられる」
言いながら近づいてくるが、その目がテーブルの上でとまる。

「……おい、これはなんだ?」
「あん? 親父の買い置きの栄養ドリンクだよ。さっき飲んだんだが、甘過ぎて気分悪くなっちまった」
「バカ者! これは坊ちゃま用栄養シロップだ! ラベルにちゃんと書いてあるだろう」
そう言いながら、小瓶を鼻先に突きつけられる。

「オレに魔界の字が読めるわけねーだろ」
こいつ、ほんと胸でかいな……と、ヒルダを前に思う。
揉んだら世界が変わりそうだ。
「大体見覚えのない物を確認もせず勝手に飲むなど……おい聞いているのかドブ男」
「……ああ?」
ぼうっとして反応がワンテンポ遅れる。
「聞いてるよ。てめーの胸がでけーから気になってただけだっての」

「……」
「……」
――沈黙。ほんとオレ何言ってんだ!?
殺される……! こめかみにイヤな汗が流れる。

しかし罵倒も蹴りも飛んでくることはなく、ヒルダがゆっくりと口を開く。
「……既に薬の影響が現われているようだな」
「薬の影響……? なんのことだ?」
オレが飲んだのはベル坊用の栄養シロップだと言ってたじゃねーかと男鹿は思う。
たかだか赤ん坊用シロップを飲んだくらいで、何の問題があるというのか。

ヒルダが説明する。
「これはただのシロップではない。魔力の強い赤ん坊専用の薬なのだ」
「子供用シロップなのは聞いた。魔力が強かろうがガキ用のを飲んだくらいで、それがなんだってんだよ」
身体が熱く、額に汗が浮かぶのを手でぬぐう。

「魔界の薬を甘く見るな。
大魔王様ほどのお方が飲んだのならいざ知らず普通の大人、ましてや人間が飲んだ場合、効き目が強過ぎるのだ」
「どうなるんだよ?」
「疲労回復を通り越して滋養強壮、精力増大。身体は熱を帯び、時間と共に興奮度が増して、ほぼ一日その状態が継続する。
男鹿、貴様にも自覚症状があるはずだ」
「興奮……あ!」
はたと思い当たる。この熱さと先程からの妙な妄想は、シロップのせいだったらしい。

「そういうことかよ! さっさと元に戻せ!」
「病気ではないのだ。薬の効能を治す薬などない」
「じゃあどうすんだ。明日まで効果が切れるのを待てってのか!」
冗談じゃない。熱くてふらふらするし、何よりこのままだと何かとんでもないことをやらかしそうで恐い。

ヒルダは少し考え込む仕草をすると、口を開く。
「効果が切れるまでの時間を早める方法ならある」
「本当か!? どうすんだ!」
「うむ……」
何故か彼女は言い淀む。男鹿はじれったげに催促する。
「おい! 勿体ぶらないでさっさと言えよ」
「……(ぼそ)」
急に声が小さくなる。というか、何を言っているのか全く聞こえない。
「あ? 聞こえねーよ」
ヒルダの頬がわずかに紅潮している。
「……性交すること、だ」

「……」
男鹿の頭にはてなが浮かぶ。
「……意味がわかんねーんだけど」
「つまり交尾だ」
「……」
「……」
「てめぇ、ふざけんなよ」
「ふざけてなどおらんわ!」
「マジか? マジで言ってんのか? どういう理屈だ、そりゃあ」
「精を放つことで薬効成分を体外に排出し、身体を元に戻すのだ」

男鹿は下を向いてしばし沈黙するが、ふと何かに気付いたように顔を上げる。
「……出せばいいってんなら、自分でやってもいいんじゃねぇか?」
「可能であればな」
そう言いながらヒルダは、何やら紙を引っ張り出す。
シロップの使用説明書らしい。

「成分を完全に放出するのに必要な回数の目安が書いてある。自慰の場合は……およそ三十回だな」
「さんじゅっ……!?」
「三十分に一回放てば休憩、睡眠も含めて出来ない回数ではないな」
「アホか! 無理に決まってんだろーが!!」
絶望的な回数に落ち込む男鹿。

「……ちなみにだが、通常の手段なら何回でいいんだ?」
「通常? ああ、交尾なら三回だ」
「回数が全然違うじゃねーか!」
「恐らく興奮度合いが異なるからであろうな。高いほど放出量も増えると」
説明書を読みながらヒルダが分析する。

「三回か、三回ならなんとか……って何言ってんだオレ! くっそ〜、何か、何か他の手は……あ」
いい考えを思いついたとばかりに手をポンと叩く。
「よく考えたら無理になんとかする必要ないんじゃねーか? 寝るかゲームするかして一日家に引きこもってれば……」
「……ふう」
明らかに見下した視線を送ってくるヒルダ。
「な、なんだよ……」
「貴様、人の話を聞いていなかったのか? この薬は時間と共に効果が増大していくのだ」
「聞いてたよ。だから昼寝とか……」
「恐らく、目が冴えて眠るどころではなくなるだろうな。ゲームについても同様だろう」
「そうなのか?」
「ここに詳しく書いてある」
手の中の紙をひらりと振る。

「服用直後から体温上昇、高揚感をもたらし、同時に性的興奮も高まる。この影響は時間経過により加速度的に増加する。
一時間後には身近の者を性的対象と捉えるようになるが、三時間後にはその対象は一気に拡大する」
「拡大……?」
「手当たり次第、といったところか」
「……まずいだろ、それ」
「そうだな」
「くそ! なんとしても最悪の事態だけは避けねーと!」
「待て、まだ続きがある」
「それ以上何があるんだよ!」

ヒルダは表情を変えることなく読み進める。
「そして六時間後には……性別問わずのレベルにまで達するだろう、と書いてある」
「なっ……」
男鹿は絶句する。
「それってつまり……」
「ふむ、男相手だろうが欲情するようになる、ということだろうな」
「大惨事じゃねーか!」
くしゃくしゃと頭を掻き毟る。と、ガバッと立ち上がる。

「ちょっと出かけてくる」
「その状態でどこへ行くというのだ。既に服用してから三十分以上は経過しているのだろう。
今、知り合いに会いでもしたら……」
「その知り合いのとこ行くんだよ。邦枝に事情話して相手になってもらう。こんなこと頼めんのあいつぐらいしかいねーし」
――乱れ桜の一発や二発くらうだろうけどな、と心の中で付け足す。

「そういうわけでベル坊連れて行ってくるわ」
「坊ちゃまは薬が効きつつあるとはいえ絶対安静だ! 今は動かせん」
「けど、そんなこと言ってらんねーだろ! じゃあ電話してここに来てもらうか!? いや、電話で説得する自信がねぇ……」
男鹿はぶつぶつと言いながら歩き回る。が、その内、
「あー、どうすればいいんだよっっ」
頭を抱えてしゃがみこんでしまう。

その間ヒルダはじっと見つめていたが、暫くして口を開いた。
「男鹿、そこに座れ」
「ああ? なんでだよ……『早くしろ』」
言われて渋々ソファに座る。
ヒルダはその前に立つと、男を見下ろす。

「な、なんだよ……」
男鹿にはヒルダの意図が読めない。
「非常に不本意だが……私がお前の相手をしてやる」
「お前が!?」
男鹿は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
「元はといえば、薬を冷蔵庫に放置した私にも責任があるような気もしないではないような気がするからな」
「いや、100パーお前のせいだろ」
「黙れ」


ヒルダが男鹿の頬に手を添えたと思うと、男鹿の視界は金色に染まる。
気付いた時には唇に柔らかい感触があり、そこから温かさが伝わってくる。
驚きで緩く開いた口の中には、同じく柔らかな物が侵入してきていた。
それは男鹿の舌を包み込むように、ねっとりと絡み付いてくる。
たったそれだけで、男鹿の背中にはゾクゾクと快感が走った。

やがて唇から温かみが消える。
視界が開け、ヒルダの顔が目に映ると、男鹿はようやく声を絞り出した。
「……お前、何を……」
「黙っていろ、と言うのだ」
ツ――と女の手が胸板を滑る。
ビクン、と男鹿の身体が強張る。

ヒルダは囁く。
「今から行うのは単なる毒抜きだ……それ以上でもそれ以下でもない。だから……全てが終わったら忘れろ。いいな」
シャツの裾から指が入り込み、既に硬く尖っていた乳首を優しく撫でさする。
「んぁ……」
男鹿の身体はビクビクと反応する。
ここがこんなに感じるとは男鹿自身も思っていなかった。恐らく、薬の影響なのだろう。
ヒルダは膝を折って膝立ちの体勢になると、シャツを捲り上げてその頂に口を付ける。

「あっ」
男鹿が慌てて口を押さえる。
思わず女のような声を出してしまい、羞恥心が湧き起こる。
ヒルダは構わずその芽を舌で転がしていく。
「うっ……ヒル……ダ、やめ……」
男鹿の手がもどかしげにヒルダの頭に伸びて、掻き抱く。
しっかりまとめられていた髪がはらりと解けかける。

「……何をしておるのだ、貴様は」
口を離してヒルダが軽く睨む。
「悪い……つい力入っちまって」
「ふん……」
ヒルダは手を伸ばすと、髪を留めていたピンとゴムを外す。三つ編みの跡が緩く残る金の髪がさらりと広がる。
そこから漂う良い香りが男鹿の鼻腔をくすぐる。

「続ける前に男鹿、着ている物を全て脱げ」
「えっ、ここでか?」
「早くしろ。時間が迫って来ている。万一貴様が衝動に駆られ外へ出ようとしたなら、いくら私でも抑え切れる自信がない」
「そ……か」
さすがに全裸になることには抵抗があったものの、背に腹はかえられない。
下着まで脱ぎ去ると、元通りソファに掛け直す。

「……よし、続けるぞ」
ヒルダは手袋を外すと、男の股間に手を伸ばす。
「あっ、おい!」
慌てる男鹿は無視して硬く屹立する肉棒に手を添えると、濡れた唇でそれを挟み、飲み込んでいく。
「あ……あっ……」
目を閉じた男鹿が腰をわずかに浮かせ、喘ぐ。
外からは見えないが今女の口中では、熱くぬめった舌が肉棒の周りを這い回っているのだ。
ただでさえ初めて体験する快楽に加え、薬で敏感になった男鹿にはたまらない刺激だった。
「出る……っ!」
「なっ、まだ出すな!」
ヒルダが口を離し叫ぶが、遅い。
びゅるびゅると飛び出した粘液が、彼女の黒いメイド服を汚していった。

「は――」
出し終わり、男鹿が大きく息をつく。
目を開けると、白濁液にまみれた侍女悪魔がそこにいた。
「あ……ヒルダ……」
「……だから何をしているのだ貴様は」
怒り心頭といったところだ。それはそうだろう。許可なく服を汚されて怒らない女はいないはずだ。
「気持ち良すぎて制御がきかなかったんだよ……。で、でもこれで後二回出せば終わりなんだろ?」
「馬鹿者。交尾で三回と言ったであろう。今のは一回に勘定しない。むしろ私の汚され損だ」
「そうなのか!? ……やべぇ、出しちまった。時間もねえってのに……」
ふん、とヒルダは髪をかきあげる。
「まあ、そう気落ちするな。貴様はまだまだ元気なようだからな」
視線を追って男鹿が俯くと、萎えることのない男根がそこにあった。

ヒルダは立ち上がると、するすると服を脱いでいく。
それを見て男鹿はぶはっと吹き出す。
「ななな何脱いでんだ! お前まで脱ぐ必要ねーだろ!」
「たわけ。あんなになった服をいつまでも着ていられるか」
「そ、それもそうか……」
言いながら男鹿はどぎまぎとする。
それも致し方ない話だ。午後のやわらかな日差しを受けてその白い裸体は、まばゆいほどの輝きを放っていた。
男鹿は見るまいとするが、薬のせいかはたまた思春期のせいか、目線はヒルダに釘付けになってしまっていた。

わかってはいたことだが、見事な胸のボリュームだった。
その下には引き締まったくびれがあり、薄い金色の茂みに覆われた下腹部が続く。
最後は均整のとれた脚と見事なプロポーションだった。

ヒルダは男鹿の肩に手を掛けてソファに上がると、足を跨いで膝立ちになる。
「……では、いくぞ」
「お、おい、いきなり入れてお前大丈夫なのかよ?」
何故か顔を赤らめたヒルダだったが、冷静な返答が返ってくる。
「貴様の知ったことではない」
そう言うと、ゆっくり腰を下ろしていく。
ちゅぷり……と音がして、男鹿自身が飲み込まれていく。

「う……」
男鹿が呻く。ぬるぬるとした内壁が、一斉に纏わりついてくる。
これが初めての経験である彼には知る由もないことだったが、ヒルダの内部は十分過ぎるほど潤っていた。
その為、痛い程に張り詰めた肉棒だったが、狭い蜜壷になんなく納まった。

「動くぞ」
ヒルダは腰を動かし始める。
彼女が腰を上下させる度に、ぬちっぬちっと粘り気のある音がする。
「っは……」
男鹿が息をつく。
「どうした? 今度はさっさと発射しても構わんのだぞ」
そう言いながら、ヒルダは男鹿の乳首を撫で回す。
「……バカ言ってんじゃねぇよ」
快感に蕩けそうになりながらも、精一杯の眼光で目の前の悪魔を睨み返す。
早く出してしまった方が結果的に身体は楽になるのだが、もはや本来の目的はどこかへいってしまっている。
男が二度も簡単にいかされるものかと、腹に力を入れて男鹿は堪える。
が、ヒルダの内部は彼女の余裕ある表情とは裏腹に、ぎゅうぎゅうと男鹿を締め付けてくる。
気を抜くと、あっという間に搾り取られてしまいそうだ。

(くそ……っ)
男鹿は遠慮がちにヒルダの背に添えていた手を前に回すと、目の前で揺れる豊満なバストを揉みしだく。
そうしながら、指ではぷっくりとした乳頭を優しくさする。
「ん……」
決して上手いとは言えない男鹿の愛撫だが、ヒルダの表情が少し変化する。感じているのだろうか。
再び片手を後ろに回すと、彼女の背を反らせながら桃色の乳首に口付ける。
刺激に反応してか、ヒルダの中がキュウと男鹿を締め付ける。

「ちょ、締めんな……っ」
「は……何もしておらん……わ……」
このままでは確実に自分の方が先に達してしまうだろう、と男鹿は焦りを感じた。
胸を弄んでいた手を下げてヒルダの腰を掴むと、下から強く突き上げる。
「なっ! 何をしている! やめ……っ」
今まで主導権を握っていたのが逆転し、明らかに狼狽しているのを見て、男鹿はにやりと笑う。
「一方的にイカされてたまるかよ……!」

二人の結合部からはぐちゅぐちゅと水音が聞こえ、泡立った愛液が男の腿を濡らす。
彼女の豊かな胸は動きに合わせて弾み、男鹿の目を楽しませる。
視線を上げると、女は快感に耐えるかのように目を閉じ、唇は軽く噛み締められていた。
「ヒルダ」
呼び掛けると、うっすらと目を開いて男鹿を見る。

「ん……」
今度は男鹿から唇を重ねる。
舌を割り込ませると、ヒルダの方から舌を絡めてくる。
柔らかな舌の感触を楽しみながら腰を揺すっていると、前触れもなく膣内がざわめくのと同時に強烈に締め上げられる。
不意を衝かれた男鹿は堪えることも出来ないまま、蜜壷の奥底に白い欲望を注ぎ込むこととなった。

出し終わると、唇を離して女の顔を見る。
「ヒルダ?」
「……」
彼女は首に腕を回したまま、男鹿にぐったりともたれかかってきた。
男鹿は彼女の波打つ髪に顔を埋め、優しく髪を撫ぜる。

「……おい」
少ししてヒルダが上体を起こす。
「ん? もういいのか?」
碧い瞳が男鹿を睨んでいる。
「貴様、いつまで動かしているつもりだ」
その通り、男鹿は達した後もゆるゆると腰を動かし続けていた。
「仕方ねーだろ、まだ出したりねぇんだよ」
確かに既に二度射精したというのに、彼女が胎内で感じる肉棒は硬さを失っていなかった。
これほど強力な薬だったとは……ヒルダは内心舌を巻く。

しかし……。
「少し疲れた。休憩するぞ」
そう言って降りようとするヒルダだったが、男鹿の手が腰をがっちり掴んでいて離さない。
「聞こえなかったのか? 手を離せ」
腰に添えられた手を掴んで引き離そうとする。
「いやだね」
ヒルダの視界が一変する。少し遅れて、ソファに寝かされたのだということが分かった。
「疲れたんなら休んどけ」
そう言うと彼女の膝裏を持って持ち上げ、のしかかってくる。

「待て……男鹿……っ!」
再び強く突かれることで、達したばかりで敏感になった身体には、快楽がさざ波のように押し寄せてくる。
と思うと、あっという間に大きなうねりへと変わっていく。
「あ、あ、くる……っ! やめ…………たつみ……っ!」
弓なりに身体を反らすと、ヒルダは二度目の絶頂に達した。



ソファから降りると、ヒルダは床に脱ぎ捨ててあった自分の服を取り上げる。
汚れた部分はすっかり乾いてしまっていた。
急いで洗濯しなければと思う。

結局、あれから更に三回も相手をさせられ、腰に力が入らない。
「一回多いではないか……バカ者」
ソファでぐったりと眠る男鹿を見下ろして呟く。

「こんなところで裸のまま寝るとは、母上たちが帰ってきたらどうするのだ」
深く寝入ってしまっている。しばらくは目覚めないだろう。
自分がなんとかしてやるよりない。

「この貸しは高くつくぞ。覚悟しておくのだな」
そう言うと、男鹿の額を指で弾いた。





(終)

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