サヤ

翼手の女王で、小夜とディーヴァの母親

アイスランドに伝わる奇妙なミイラ。顔は潰れていたけれど、妊娠した女性のものでサヤと呼ばれていた)
外見は人間の女性に似ているが、腕から脇の下、腹部から大腿部へと伸びた皮膜の痕跡。そして、指の間の水かきの様な皮膜など、我々と異なる点がいくつも見られ、コウモリなどの翼手目に見られる特徴に似ていた。
ジョエル(初代)が手に入れ、助手のアンシェルと共に解剖した。
彼女の妊娠した腹を裂いた時にあった2つの繭から、小夜とディーヴァは生まれた

その事は、ジョエルの日記で詳しく書かれている。

■1833年4月8日、園内にサヤを向かい入れる。私の知る限り、世界中のいかなる動物とも異なる、未知の生物のミイラである。外見は人間の女性に似ているが、腕から脇の下、腹部から大腿部へと伸びた皮膜の痕跡。そして、指の間の水かきの様な皮膜など、我々と異なる点がいくつも見られる。これは、コウモリなどの翼手目に見られる特徴に似ている。このミイラこそが、我々の進化に一つの答えを啓示するやも知れぬ、神のたわものではないのだろうか。我々はこのミイラを解剖する事にした。まるで子供が、知的好奇心の末に昆虫を解剖するように、心踊る瞬間だった。
我々は、2つある繭の内の1つを開けてみる事にした。だが、その繭は刃を通すことなく、我々の挑戦をあざ笑う。あろうことか、その刃を我々に向けたのだ。
血は、赤子が乳を求めるかのように吸収されていった。血を注げばその繭に吸い込まれて、繭はかすかな鼓動を繰り返すのだった。

■1833年8月4日
繭から2体の新生児が産声を上げる。一見した所、生後二月程度の人間の乳児となんら変わる所はなかった。2体とも女子であった。1体は、実験対象として名を与えられる事なく、もう1体には小夜という名を与えた。
2006年05月08日(月) 10:14:28 Modified by bloodpurasu




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