625 名前:きっ澄み01 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:20:12 ID:1jwgTDom0
「きっと、澄みわたる朝色よりも、」行ってみます。

名前欄が長いとブラウザに怒られたのでタイトルを「きっ澄み」と略しています。
登場人物の初期設定についてはメーカーHPを参照して下さい。
http://www.propeller-game.com/product/kitto/chara/...
選択肢はあるけど何を選んでも進行に大きな影響はないので一本道です。

(ゲームスタート1周目)
芸術家の登竜門として名高い夢見鳥学園に入学した主人公。
山岳に囲まれたその学園は芸術の道を志す者にとって最高峰に位置し、
超難関な選考より選ばれた生徒達は学園生であることを誇りに思う。

家庭事情により初登校は入学式より一年後となってしまったが、
幼い頃の仲間の一人だったヒヨとは手紙のやりとりが続いていた。
近況報告では他の仲間も主人公が一日も早く学園に登校出来る日を待ちわびていると記されており、
主人公は希望を胸に学園の門をくぐる。

しかし教室で待っていたのは昔の仲間のハルツゲの厳しい言葉、
「環境も考えも変わった。仲間ごっこは卒業しよう」
もう一人の仲間のアララギも主人公に大して距離感をとる態度。
現実をつきつけられた主人公だがヒヨと再会し、唯一変わらなかった信頼関係に安堵する。
ただし手紙の内容は主人公を安心させるための嘘で、
アララギ、ハルツゲは理由は知らぬが主人公の話題を避けるようになってしまったと告げられる。

627 名前:きっ澄み02 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:21:45 ID:1jwgTDom0
どうにか皆との昔の関係を取り戻したい主人公。
昔から学園のある土地は不思議なことに秋が訪れないという事実を知り、
学園祭の話が出た際に関係を取り戻すきっかけになればと秋らしい共同作品作りの提案をする。
しかしヒヨを除く二人は乗り気ではなく、
主人公達とは別に作品を発表すると言い主人公とヒヨの二人で作品を作っていくことになる。
それでも同じ寮での共同生活を通し、
間に入っていたヒヨの思いやりの成果も大きく徐々に以前の関係を取り戻し、
最終的に四人での共同作品作りを進めるようにまでなる。

主人公の致命的なミスにより時間が足りず作品は完成しなかったが皆との絆を取り戻し、
さらに仲間内でも初恋の相手として特別な眼で見ていたアララギに対し、
ハルツゲの助言の成果もあって告白する。
アララギにとっても初恋からずっつ想い続けていた主人公の告白に対し、
ヒヨの主人公に対する気持ちを知りつつも告白に応じて恋人になる。

しかし最後の一線を越える直前にアララギは躊躇する。
影で泣くヒヨに対して自分の主人公に対する気持ちは勝るのか?と。
気持ちを整理するためにその場を離れフラリと学園をさまよう主人公の前に、
生徒会風紀委員の若が現れる。
出合った当初から主人公に対して嫌いという態度を隠さない若であったが、
「チャンスだが思わしくない結果になった。」と意味の判らない言葉を主人公に告げて
学園全体の時間を巻き戻してしまう。

628 名前:きっ澄み03 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:22:45 ID:1jwgTDom0
(ここから2周目)
主人公が気がつくと発表会前のある日の登校中。
時間を戻されたことに気付けない主人公達は登校途中に若に出会ったのが、
それが少しだけ運命の歯車を狂わせるための時間稼ぎだとは気付けない。
その日は皆より少し遅れて登校していたヒナが、
主人公達に追いついたことから1周目と異なる事態に巻き込まれていく。

若と別れて学園に着くと優勝候補の黄クラスの作品が
何者かによって破壊されているという現場に居合わせる。
その場は収まったものの、その日の夜にフラリと学園に向かった主人公とヒヨは
ふたたび黄クラスの作品を壊そうとしていた青妹の犯行現場に居合わせる。
しかし作品を元の場所に戻そうとしていたところを黄クラスの生徒に見られ、
青妹に罪を擦り付けられて犯人に仕立てられてしまい学園全体から軽蔑される。

唯一真実を知るヒヨではあるが、小さい頃に青姉妹から苛めを受けていた過去があり、
青姉妹の前にすると恐怖に震えて何も喋れなくなってしまうトラウマを抱えていた。
二周目でもつかみ掛けていたアララギ、ハルツゲの信頼も失ってしまい、
主人公はヒヨと二人で作業する日々に逆戻りしてしまう。

しかし再び青妹と対峙したヒヨは主人公の為に青妹から逃げるのをやめ、
青妹に「これ以上あの方を貶める事は私が許さない」と告げ、青妹は逃げ出す。
駆けつけた主人公は震えるヒヨを見て過去の青姉妹の正体とそのいきさつを思い出し、
ヒナを抱きしめどんなことからも自分が守ると約束する。

629 名前:きっ澄み04 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:23:32 ID:1jwgTDom0
ーーーーー過去回想1ーーーーー
主人公は小さい頃より武道家の父親から虐待を受けていた。
「お前は悪い子だから罰を受ける。これは躾だ」と言われ続け、
自分は他の子供とは違う「悪い子」で皆とは違う向こう側の人間だと信じ、
周りと壁を作り人形のように過ごしていた。

ある日主人公は学校でいじめの現場を目撃する。
そして酷い目にあうのは「悪い子」である自分の役目だと考え、
虐め側の青姉妹に対して酷い目にあわせる対象を間違えていませんか?と問いかける。
助けるつもりではなく役割に対する義務感。
結果的に苛められていたヒヨを救い、ヒヨは主人公に好意をよせ話しかけるようになる。
「悪い子」が移ってはいけないとヒヨを避ける主人公だが、
徐々に冷めきった心がヒヨによって暖められお互い初めての友達になる。
(ヒナにとっては既にこの時点で主人公は初恋の相手であり想い人)
面倒ごとだからと苛めを黙認していたアララギ、ハルツゲの二名は
主人公の行動を勇気ある行動と褒め称えて友達になりたいと寄ってきて仲間に加わる。
ガキ大将的な強者であるハルツゲの加入と、
居るだけで周囲の雰囲気を和らげてしまうアララギの影響もあって苛めは減る。
しかし最終的に虐めがなくなるのは、
友情の意味を知った主人公が明確にヒヨを助けるのが目的で青姉妹を再度説得した事による。

仲間で山にピクニックに行ったある日、道に迷った先でとても美しい秋の景色を目にする。
「いつかこの景色を絵に描いて残したい」
主人公のささやいた一言は皆が芸術家への道を目指すきっかけとなった。
ーーーーー過去回想1終了ーーーーー

ヒヨ以外の学園生からの白い目に耐えかねる日々が続く主人公。
ある日、白クラスの生徒から猥褻目的の提案をされる。
「仲間を騙して人気のない所に連れて来れば周りの口を黙らせてやる」
仲間を汚す発言に主人公は瞬時にキレて、
実力が桁違いに違うために喧嘩にさえならず一方的に白クラス生徒を壊し始める。

631 名前:きっ澄み05 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:24:35 ID:1jwgTDom0
ーーーーー過去回想2−−−−−
学校では友達との楽しい時間が過ぎるが、家での虐待は相変わらず続いていた。
虐待はいつしか修行という名目を付けられ、殴る側の罪悪感を薄れさせる。
父親は同じ学校に金持ちの子供(ヒヨ)がいる事をどこからか聞きつけ、
どうにかして家に連れて来いと命令する。
悪意を感じた主人公は初めて父に逆らい激しい折檻を受けるも、
日々の虐待の中で鍛えられ、自らの痛みをもって人体の壊し方を知り尽くしていた。
初めて本気で立ち向かう主人公に対し、
アルコールに溺れ弱くなった父親では勝てるはずもなく倒される。
同時に子供への虐待が公になり、主人公は遠縁の家に引き取られる事になる。
仲間に満足な挨拶もできぬまま皆と別れる事になり、
引き取られた先でも厄介者扱いをされ問題が絶えず(主人公の初登校が遅れた原因)、
ヒヨから届く手紙だけが主人公の心の支えとなった。
ーーーーー過去回想2終了ーーーーー

主人公は反省房に入れられるが、
アララギとハルツゲは自分達を守るための主人公の行動を理解して、
信じることが出来なかった事を詫びて共同作品を作る仲間に入れて欲しいと頼む。
前回失敗した主人公の作品に対するミスに対して、
いち早く気付いたヒヨの影の努力もあって作品は無事完成する。

秋のこない学園に秋を連れて来ることが主人公達が作り上げた作品である。
そして最優秀作品に選ばれて全校生徒の信頼も取り戻す事にも成功する。
こんなすばらしい作品を作れるヤツが犯人であるわけない的効果ではあるが、
青姉のみは妹の行動を不審に思い、妹を問い詰めて事件の真相を知り主人公に謝罪する。
(青姉は幼少時に虐めの酷さを自分に気付かせて止めた主人公に対して好意的だったが、
この事件をきっかけに想いは強まる)

634 名前:きっ澄み06 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:30:57 ID:1jwgTDom0
何もかもがうまくいき平和な日々が過ぎているかに思われたが、
発動した呪いが徐々に学園を不穏な空気に変えていく。
(呪いではなく正体不明の病原菌もしくは風土病が広まったというのが学園生たちの見解)

呪いにより教員や学園生が次々と倒れ消えてしまう中で、
自分たちへ病気の影響が遅いのは生徒会の作ったマニュアルのおかげでは?
それに気付いた主人公達はマニュアルを作成した生徒会のメンバーであり、
自分たちの知る唯一の生徒会役員である若を探すも一向に見つからない。
そもそも生徒会の全貌は教員でさえ知らず生徒会長も正体不明、
同時に学園の経営システムも謎に包まれている事に気付く。

この頃の主人公はアララギ、ハルツゲのおせっかいもあってか、
徐々にヒヨの事を考える時間が多くなっていく。
主人公のことを「だんなさま」と呼ぶ事と看護婦のような衣服をいつも身に付けていることは、
幼少時のごっこ遊びの延長であり、
ごっこ遊びの終わりの合図を聞かぬために役を演じ続けているだけではないか?
ヒヨに好きな人がいるのは本人から聞いたが、
主人公は自分の事だとは当然気付かず、自分が負担になっているのではと思い始める。

そして作品作りを進めていた頃に見る様になった白昼夢。
次第にそれが夢ではなく自分の前世の記憶だと自覚していくようになる。

635 名前:きっ澄み07 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 01:32:25 ID:1jwgTDom0
ーーーーー白昼夢1(前世の記憶)ーーーーー
鈍感な男がいた。男の家は没落した名家であり周囲は復興を願っていたが、
鈍感であるゆえに周囲の期待にも気付かず道楽である「描く」という行為に没頭した。
男には愛する妻が居た。
周囲は男の代での復興をあきらめて「次」である子に復興を託すが子に恵まれない。
妻が石女と罵倒される日々が続くも、鈍感である男は妻が迫害されていること気付けなかった。
しかし唐突に理解して周囲に働きかけるも時代は男絶対上位であり妻に対する迫害は続く。
周囲に対する怒りは自分の不能に対する嘆きとなり、不幸な妻の為に神に祈るが子は授からない。
しかし魂をくれてやると魔性に祈ると子が授かった。

不憫な妻に笑顔が戻り、男は安堵して魂を失う覚悟をするも何も起こらない。
しかし子供が人ではない事に薄々気付き、人の親としての魂を奪われた事を知る。
わが子としての愛することは出来たが魔性を愛するほどには男の頭は柔らかく考えられず、
結果として子供を恐れ、せめて人並みに育って平穏無事に過ごしてくれればと願う。

しかしこの世のものとは思えないほど美しく成長した娘は村の長者の家の息子の目にとまり、
大金を積まれて嫁に出るも人外の力を使って変わり身を立てて家に残った。
それが原因で村に居ることが出来なくなると、一家は娘の希望もあって都へ向かう。
楽ではない生活が始まるが、すぐにまた娘が求愛される。
今度は長者どころではなく「やんごとなきお方」の目にとまり、娘が再び嫁に行くと男の家は潤った。
しばらくすると「やんごとなきお方」と娘の間に子供が出来る。
自分がそうであったように娘も子供を身ごもることが困難ではないのか?と心配していた妻は安堵し、
その安堵を見た男もこのまま平穏に過ぎればと願うが・・・

しかし事件は起こる。
「やんごとなきお方」の正妻は決して悪人ではないが子供が出来ない。
娘に子供が出来た事により自分へ向けられていた愛が失われるのを恐れ、
陰謀をたくらみ娘は鬼女だとの疑いをかけられてしまう。
結果、娘の出産を待たずに一家共々流刑とされ都を追い出される。
ーーーーー白昼夢1終了ーーーーー

643 名前:きっ澄み08 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:01:46 ID:w3pRiCb10
自分の意思とは無関係に口から勝手に相手を傷つける言葉が出てくる。
耐えようとする気持ちが強ければ強いほど苦痛を招いて体調を悪化させ、
さらに他人を思いやる、他人に優しくするなどの行為も症状を悪化させる原因になる。
他人との絆を可能な限り断ち切れば侵攻速度は弱まるが治療にはいたらず、
最終的には世界から消えてしまうのが呪いの症状である。

この地に伝わる言い伝えと呪い、そして自分達が作った作品の関連性に気付いたヒヨは、
作品を企画した主人公を庇う為に自分が原因で病原菌が広がったと仲間に嘘を告げる。
仲間達は嘘を信じてヒヨを庇う為に隠そうとするが盗聴器によって青妹も知る事になる。
青妹は影ながら主人公を慕う青姉の為に主人公を脅迫、
ヒヨの嘘に気付けない主人公もヒヨを庇う為にと脅迫に屈してデートをする約束をする。
妹の脅迫を知らない青姉は素直に喜ぶも主人公の仲間、
とくにヒヨを大切にする思いには入り込めない事を知り身を引く。

一度は行方不明の若を見つけて問いただす主人公だが、
若の回答は「逃げ場はない。枯れていけ人間ども!」そういって再び姿を隠す。
そして仲間にも呪いは侵食していき、ヒヨが倒れる。
病床のヒナを前に主人公は自分の無力さを痛感して泣くが、それをヒヨは慰める。
ヒヨから想いを告白され自分も好きだと返す主人公。
「もう一度・・おっしゃっていただけませんか?」聞き返しつつ嬉しさに涙ぐむヒヨだが、
呪いの力が強まり主人公の口から次々とヒヨを罵倒する言葉が出てきてしまう。
「全部お前が悪いんだ!皆に謝れよ!原因のくせして病人面して寝てんじゃねーよ!」

蒼白になるヒヨを前に呪いのためとはいえ、
自分自身が仲間を傷つけた事実に耐えられなくなり主人公はその場を逃げ出す。

644 名前:きっ澄み09 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:03:35 ID:w3pRiCb10
ーーーーー白昼夢2−−−−−
男と妻と、そして身ごもった娘の新たな生活が始まった。
流刑地ではあったが娘を愛していた「やんごとなきお方」の計らいで穏やかな土地に流された。
しかし生活の変化に男が病に倒れ、病床から起きてみると娘は地域の人々に崇められていた。
聡明で世にも美しい娘が山奥の人々には生き神のように見えるのは仕方がないのだが、
男にはどうしても魔性のなせる技にしか思えなかった。
何も起こらないでくれと願うも、娘が夜盗になって夜な夜な付近の村を荒らしているとの噂が立つ。
村の皆は下らぬ噂と決め付けたが男は噂を否定しきる事が出来なかった。
ーーーーー白昼夢2終了ーーーーー

寮を飛び出した主人公は自分達の作り上げた作品がいつのまにか本物の葉になっている事に気付く。
この地に伝わる昔話を思い出して、呪いの原因が自分の提案した作品であった事を知る。
さらに強まったヒヨへの罪悪感に生きるのを放棄しようとするが、
青妹が現れて呪いの病床にふせる青姉の所に連れて行かれる。
幼少時に青姉妹がヒヨを苛めていた背景、
青姉妹が芸術家への道を選んだ理由に主人公が関わっていた事を知る。
本音の会話から姉妹それぞれのお互いに対する気持ちのすれ違いが正され、
止める主人公の目の前で姉妹は抱き合って絆を強化し、呪いの力で消えてしまう。

再び行き場を見失っている主人公がたどり着いた思い出の場所にはアララギが待っていた。
三角関係にある自分達の関係をどうするかハッキリ決めることが出来ずに
主人公とどう接して良いか判らなかったと詫び、あらためて主人公に告白する。
アララギは自分が振られることで主人公に対する思いに区切りを付け、
主人公とヒヨを心から祝福できる立場になれる事を願った。
答えをもらったアララギは主人公にヒヨのもとへ戻れと言い残して世界から消えてしまう。

645 名前:きっ澄み10 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:10:32 ID:w3pRiCb10
消えたアララギとの約束を守る為に、
そして消える前に再度ヒヨに思いを伝えようと一刻も早く寮へ戻ろうとする主人公。
だが呪いの為に狂った黒クラス生徒がナイフを持って現れる。
ピンチの主人公の前にこの場は任せろと今度はハルツゲが現れる。
呪いで弱っているハルツゲをこの場に残すのを躊躇する主人公に対し、
自分は主人公の実の姉であると告げる。
その事実を知ったあとは主人公とどう接して良いのか判らず、
入学当初はそっけない態度を取ったと詫びる。
姉らしいことをさせろとの説得に応じてヒヨの元に走った主人公の代わりに
ナイフ生徒の撃退には成功するがハルツゲもそこで消えてしまう。

寮にたどり着くも玄関で倒れて気を失う主人公。
気がつくと布団に寝かされヒヨが看病していた。
主人公の全てを許し普段どおりに笑いかけるヒヨ。
主人公は謝罪と感謝と自分の想いを伝え、二人は結ばれる。

ーーーーー白昼夢3−−−−−
鬼女を討伐するために都より英雄が遣わされた。

男は罪があるとすれば鬼の子を望んだ自分にあると考える。
娘は自分に望まれてただ生まれてしまっただけで、
このまま英雄に娘が討たれれば罪が娘のものになってしまう。
罪を自分のものにするため死を決意した男は最後に愛しい妻の顔を見る。
ーーーーー白昼夢3終了ーーーーー


646 名前:きっ澄み11 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:13:54 ID:1jwgTDom0
夢から覚めた主人公は夢の中に出てくる男の妻の顔がヒヨと同じであることに驚き、
ヒヨの名前の由来を聞いて前世の妻がヒヨであったことを確信する。
前世から繋がりがあった事に喜ぶ主人公だが、
同じ白昼夢を妻の視点から見続けていたヒヨは前世の繋がりに気付く前に二人が結ばれた事を喜んだ。
(前世の繋がりを理由に結ばれるのが嫌だった)
ヒヨは消えてしまう直前、
主人公の側にいるためにごっこ遊びの続きを理由にする必要がなくなり終了の合図を願う。
しかし主人公は拒み、「一生おままごとを続けよう」とプロポーズ。
驚くヒヨだが穏やかに笑いながら消滅する。

学園内で最後に残ってしまった主人公は前世の男の記憶から、
人外の不思議な力を使う前世の娘こそが若の正体ではないかと思い真相を知るために若を探す。
すでに鬼であることを隠さない若に出会った主人公だが、
「誰か一人だけ救ってやろう。」と思いがけぬ提案を持ちかけられる。
悩む主人公だが世界に一人残される孤独と悲しみを思えば誰も選ぶことは出来ず、
なぜか悲しそうにしている若を見て「若さんを救いたい」と答える。
思いがけぬ回答に動揺した若は、
すでに呪いが発動され悲願が叶ったにもかかわらず再び時間を巻き戻す。

647 名前:きっ澄み12 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:14:59 ID:1jwgTDom0
(ここから三周目)
気付けば皆と作品作りの作業をする主人公。すでに最後の仕上げの部分まで進んでいる。
既視感を多少感じつつも前回と同じ行動と経験を積む主人公だが、
頭の中に浮かぶ景色を描かねばならない思いに駆られて少しずつ進めていく。
文化祭作品発表会で主人公達の作品が最優秀賞に選ばれると、
前回まではこの場を最後に若を見かけなくなってしまう場面で理由もなく若を呼び止める。
そして強引にまた会う約束を重ね、若と毎日会うことを日課にする。
若との会話の中で「優しさとは本能か?」という疑問に二人の意見は激しく分かれる。

日に日に強くなる既視感は「自分が恋というものを経験として知っている」という事実から、
今の現実がおかしい事に気付いていく。
同じ間違えを繰り返してはならないという思いから、
先にヒヨに告白させてしまった前回の過ちをやり直すためにヒヨに告白する。
ヒヨに受け入れられた喜びと達成感から既視感は実際にあった過去だと確信し、
時間が巻き戻されている事と、若が何かしら関わっている事に気付く。
(ただし前世に関わる記憶はこの時点では思い出していない)
ヒヨとの会話の中から若との優しさ議論のヒントを得た主人公は
すぐに戻るとヒヨに言い残して若に会いに行くも、それきり戻れなくなるとは知らず・・

若に会うのは以前に案内されて知っていた「幻の生徒会室」へ向かうことですぐに叶う。
「優しさは本能に備わっている。つまり若にもやさしさがある」と説明する主人公だが、
「これを見ても同じことが言えるか?」と呪いで学園生が傷つくのを次々と見せ付ける若。
そのまま主人公を生徒会室に監禁して皆が苦しむのを見ているだけの傍観者に追いやる。
繰り返されていることは理解できても前世の記憶を思い出せていない主人公に対し、
若はある少女の話をする。

648 名前:きっ澄み13 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:15:48 ID:1jwgTDom0
ーーーーーある少女のお話1ーーーーー
産めなかった母と、その母を想うあまりに祈ってしまった父。
その間に生まれた娘は聡明過ぎ美し過ぎ、さらに言えば心清らかであった。
村で生まれつき備わっていた不思議な力を使ったのは父の事を思っての行動であったが、
結果として娘を恐れる父を精神的に追い詰め、
それを悟った娘も自分の責めて二度と力を使うまいと誓う。
都での貧しい生活がしばらく続くも「やんごとなきお方」の目に留まる娘。
「お前のすきにしたらいい」と娘の相談に答える父。
貧しい暮らしから両親を楽にさせ、父の心の奥底に潜む「家の復興」への希望に応えるため、
「私もあの方をお慕いしています」と初めて両親に嘘をつき寵愛を受ける事を覚悟する。

時はたち娘は「やんごとなきお方」との間に子が出来る。
両親は大変喜び、両親に喜んでもらえた事が娘は嬉しかった。
しかし「やんごとなきお方」の正妻、彼女は今日まで子が授からなかった。
高名な僧を買収、もともと美しすぎる故に妬みを持つ人々に後押しされて、
鬼女の烙印を押される。
「やんごとなきお方」は鬼女を庇うことは出来ないが愛していたのは事実であり、
死罪とはせず一家の追放という流刑に止まらせる。
自分の為ではなく両親を悲しませたことに対して泣いた・・・
ーーーーーある少女のお話1ここまでーーーーー

649 名前:きっ澄み14 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:19:26 ID:w3pRiCb10
ここまで話を聞いていた主人公は、
娘の父に対してたぜ娘を信じてやれなかったとかと怒りの感情を口にするが、
若の言葉から娘の父親こそ自分の前世だった事を思い出し、
さらに現在の学園に広がる呪いが主人公の提案した作品により発動したことを知る。

動揺し生徒会室を脱出した主人公は皆の下へ向かい助けを求めるが、
主人公のいなかった現実では仲間達は互いを傷つけるのを避ける為に離れる事を選んでいた。
主人公とハルツゲの再会、主人公とアララギとの再会にお互いを励まし励まされる。
主人公がヒヨの元へ向かうとアララギとハルツゲは再会、二人は絆を確かめて同時に消える。
ヒヨとの再会を果たした主人公は、
ヒヨから過去に若が自分のことを「オバーサマ」と呼んでいたことを聞き、
若の正体は前世の娘ではなく娘の産んだ前世の孫だった事を知る。
消えかけているヒヨに対して主人公が出来たことは、
矢継ぎ早に自分がどれだけヒヨを愛しているかを叫び続け、
せめて幸せのままヒヨが消えるのを見守ることだけだった。

再び若と対峙し、前世の話の続きを聞く主人公。

650 名前:きっ澄み15 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:20:22 ID:w3pRiCb10
ーーーーーある少女の話2−−−−−
父が心労から倒れ、その姿を見て母は悲しんだ。
娘はそれらが自分のせいだと自分を責め、
両親が中傷で苦しめられることがないよう懸命に流刑地の村の人々の為に尽くす。
そして懸命な行為と美貌をもって、この地の生き神とまで崇められる程になる。

死罪を免れ流刑に留まった娘の子が生まれた事を間者を通して知った正妻は、
娘の村の周辺の村のみ雇った野党に襲わせて鬼女の仕業だと思わせ朝廷を動かす。
朝廷より派遣された英雄がやってくる事を知った父は娘を産んだ罪滅ぼしに自殺してしまう。
娘と英雄は対峙し、父との約束であり自分の誓いでもある力を使わぬことを最後まで守り抜き、
抵抗せず切られてその生涯を終える。

鬼はいなかったが、いないはずの鬼を英雄が殺した事から本物の鬼が生まれる。

娘の子である若は、生まれながらに母以上の魔力を持っていた。
千里眼の力で母の死を目の前で見た若は恨みを晴らすために都に目を向けるが、
正妻が英雄を送り出した翌日に罪の意識に耐え切れず自殺していた。
この理不尽な出来事の恨みをどこに向ければ良いか考える。

男は愛する妻を想うあまりに祈っただけだった。
悪魔の子として生まれた娘は心清らかに家族を大切に思っただけだった。
正妻は夫を想うが故に心を病んだだけだった。
英雄は民の為と信じて鬼を討伐しようとしただけだった。

力を使い過去を含めて全ての事情を把握した若は、
「誰も恨む必要はない。誰も悪くなかった。誰もかれもが優しかっただけ」と判断し、
「善意でも悪意でも人が傷つく。ならば人を思いやる気持ち、心など不要」
力を使って現実と異なる世界を作り上げて呪いの舞台である学園のある世界を作り上げる。

652 名前:きっ澄み16 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 02:22:24 ID:w3pRiCb10
しかしいくら作り直しても何故か「秋」がこない不完全な世界では呪いが発動しない。
自分で世界に秋を描くことを諦めた若は、
「秋」に思い入れのある生徒を選りすぐり集めて学園を作り、
自分の世界を完成させてくれる生徒が入学するのを待った。
そして若の希望は主人公が入学し、文化祭作品を完成させた事により叶い、
人と人とのつながりを絶つ世界が完成した。
ーーーーーある少女の話2ここまでーーーーー

自分が学園に入学したのは芸術家としての才能を評価された訳ではなかった。
プライドがずたずたにされながらも「若を救う」目的を思い出した主人公は、
2周目で終わっていたのに3周目があった事にまだ皆を助ける希望があると信じ、
若を救う手がかりを求めて学園内を走る。
次々と学園内に散りばめられた若の作り上げた学園の矛盾点を見つけて再び若と対峙、
矛盾を突きつけて動揺する若は、世界が完成するのをためらっていた事を自覚する。
そして主人公は一枚の絵を若に見せる。
若の母が家族3人で生まれ故郷である始まりの村へ旅行へ行った際に見た美しい秋の光景。
(若はまだ母の胎内にいたが、母の五感を通して同じ事を見聞きすることが出来た)
主人公は前世の記憶から引き出した光景を少しずつ筆を進めて完成させたが、
前世の男の想いが描かせたがっているように思えていた。
絵を通して若は母と祖父と祖母から受けていた優しさの素晴らしさとふれあいの暖かさを思い出す。

しかし若の目の前で自ら描いた絵を燃やしてしまった主人公は、
「前世が見た景色であり俺の秋の絵ではない。キミの目が見た景色でもない」
「キミの描いた絵が見たい」と筆を渡す。
学園の支配者である若に絵を描きたいという願望がなければ、
そもそも生徒会長や風紀委員といった学生としての立場である必要はなかっただろうと言い残し、
呪いに耐える限界を超えて消えてしまう。

654 名前:きっ澄み17 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 05:46:50 ID:aHFboLMi0
呪いに飲み込まれた主人公を含む消えた学園生たちの向かった先、
そこは全ての個は小さな蝶とされ固体としての区別はつかない。
他の蝶とぶつかることも出来ず周りとの繋がりを絶たれた孤独の空間で主人公は若を信じて待つ。

若は拙い技術ながらも絵を完成させ、主人公を元の世界に戻して絵を見て欲しいと願う。
絵を見た主人公は若が救われた事を理解した。
「私はじじいが大好きだ」そう告げる若の言葉に自殺した前世の男も救われたと感じた。

しかし若の呪う思いが晴れると、今度は呪いの力の矛先が若に返る。
呪い返しに苦しむ若は主人公に自分を殺して欲しいと頼む。
若が死ねば呪いは四散して消滅し、消えた皆も戻ってくる。
しかし主人公は若の手を取り救い出そうとする。
若を救いたいという思いは消えた皆に伝わり、若の世界を崩壊させるのに力を合わせる。
「若さん、現実世界へようこそ」
そして始まりの時間へと戻っていく。

655 名前:きっ澄み18 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/11/28(土) 05:49:25 ID:aHFboLMi0
(ここから4週目というか現実世界の始まり)
主人公が学園に初登校した日にさかのぼり、皆との再会を果たす。
若の作った世界での記憶は皆がもっているが、
今回の始まりをやり直す機会だと決めた者と続きとして決めた者、
人それぞれの選択にそっての再会が続き、最後にヒヨと再会する。
お互いが相手に届かないと一歩引いていた二人はもういない。
主人公は看護服ではなく普通の学生服になったヒヨにプロポーズをやり直す。
そうして出会いと再会は終わり、日常が始まる。
主人公は学園を「秋」深いかかわりを持つ生徒が集められた偽りの目標ではなく、
「芸術家を目指す卵にとっての最高峰」という本来の目標を現実のものとする事を誓う。

月日が流れるも未だ若との再会のみ果たしていない主人公。
再会の約束をした場所に若が現れる。
「おかえり」「ただいま」
そう答えて若は再び消え、二度と出会うことはなかった。
「芸術家を目指す卵にとっての最高峰」を現実にする決意をしたのは主人公だけではない。
若は学園そのものになり皆を見守る。

ハルツゲの世代の卒業、ヒヨや主人公の世代の卒業、
学園生としての最後の世代であったアララギの世代が卒業するまで学園はあり続け、
美しい紅葉に囲まれた四人の子供達の姿を描いた絵だけが学園に抱かれるように残った。

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