143 : なでしこドリップ2016/04/02(土) 22:57:09.84 ID:rAAjSdTG0
ApRicoT Plumから発売された「なでしこドリップ」のあらすじ。


■共通パート
水城美羽(みう)は七ツ瀬という田舎に住んでいた。
さて美羽は社会勉強の一環として、祖母・すずから、喫茶店を夏休みの間だけ運営するように命じられた。
亡き祖父が経営していた喫茶店「アンティーク」の店舗が、閉鎖されたまま今も残っているので、
修繕して一夏限りの店を開こう、というのである。しかし人手が足りない。
そこで美羽は親戚の佐々原巧巳(たくみ)を呼び寄せ、共に働いてもらうことにした。

水城の家系は少々ややこしいので、簡単に説明しておく。
今から70年ほど前、アンティークは源三郎という男性が経営していた。
すずはアンティークに通っているうちに彼と親しくなり、やがて結婚した。ふたりの間に生まれた子供の孫が巧巳である。
その後源三郎は出征するも戦死した。戦後、すずは別の男性(水城氏)と再婚し、子供を設けた。その娘が美羽である。
つまり、巧巳はすずの曾孫であり、美羽はすずの孫であり、そして巧巳と美羽は5親等だけ離れている。
(なお、美羽は巧巳の傍系尊属ではあるが、彼よりも2学年下。)
アンティークは源三郎の死後、水城氏に受け継がれていたが、5年ほど前に水城氏が亡くなってからは休業していた。

物語は巧巳を主人公として進行する。
巧巳は美羽と合流し、喫茶店について説明を受け、驚き呆れながらも、
美羽の友人である小桜くるみ・ひな姉妹に手伝ってもらいながら、開店の準備を進めた。
さらに巧巳の幼馴染・高千穂柚希(ゆき)が彼を追ってアンティークに押しかけてきた。店内は一気に賑やかになった。

ある日、巧巳は店内で椿(つばき)という少女を見かけた。
椿はこの店の座敷童であり、巧巳たちのような子供にしか見えない。
かつて源三郎やすずと仲良くしていたのだが、ふたりが結婚してからは、見えなくなってしまった。
その後椿は壺に入って眠りについていた。
椿は現状を知り、一度は店を出ようとしたのだが、巧巳たちに引き留められ、アンティークに居座ることになった。

144 : なでしこドリップ2016/04/02(土) 22:58:22.31 ID:rAAjSdTG0
■美羽編
ある日、古びたミルが店内で発見された。源三郎が使っていたものらしい。
巧巳はミルを店で使おうと考えたが、椿から強硬に反対されてしまった(ミルは源三郎との思い出の品だったようだ)。
巧巳はすずにミルを見せた。
ミルを店のために使いたいと訴える巧巳に、すずは許可を出した。椿も考えを改めて、ミルを使う事を許した。

夏も終わりに近づき、さて問題は喫茶店を今後も続けるかどうかだった。
ふたりはとりあえず学生の間は夏と冬の限定営業を続け、
卒業後に結婚して本格的に開業することにした。

エピローグでは夏休みの最終日の様子が語られる。
給料を皆に手渡そうとする美羽だったが、皆から「遠距離恋愛の足代に」と突き返されてしまう。
巧巳は都会に帰る際に、美羽からミルを贈られる。


■柚希編
巧巳と柚希はアンティークで働いているうちに、いつか自分の店を経営したいと夢見るようになった。
夏休みも終わりに近づいてきたので、ふたりはお世話になったアンティークに恩返ししようと、
美羽にスイーツやコーヒーのつくり方を教えることにした。

エピローグでは夏休みの最終日の様子が描かれる。
七ツ瀬を離れる前にアンティークに立ち寄ったふたりは、そこで店員たちから見送りを受けるのだった。

145 : なでしこドリップ2016/04/02(土) 22:59:08.09 ID:rAAjSdTG0
■くるみ編
小桜家にはペアの懐中時計が代々伝えらていた。
くるみの祖父・権堂は娘(くるみの母)の結婚の際に、時計を娘と婿に贈っていた。
ところが婿が時計を放置していたので、権堂は怒ってしまい、時計を取り上げてしまった。
(婿は商社に勤めていて中々七ツ瀬には戻ろうとしないので、権堂とはあまり仲は良くないようだ。)

さて巧巳はアンティークで働きながら、同時に権堂の下で古道具屋を手伝うことになった。
権堂は懐中時計を修理するために、部品を婿に発注していた。時計をくるみ達に贈りたいと考えていたのだ。
ところが部品の納期が遅れ、しかも肝心の権堂はギックリ腰で入院してしまう。
巧巳は時計の修理を引き受けることにした。婿に電話をかけ、部品の手配を頼み込んだ。
おかげで部品を何とか入手できたので、修理を終えることができた。
時計はくるみとひなに手渡されたのだが、しかしひなは時計をくるみに手渡した。
ペアウォッチだから、くるみと巧巳が持つべきと考えたのだ。

エピローグ。月に二回会おうと約束して、巧巳は都会に帰っていった。


■ひな編
巧巳は8月の終わりには七ツ瀬を去らなければならない。ひなは巧巳と交際を始めたのだが、焦るあまり、駆け落ちしようと考えた。
ある日ひなは巧巳に、一緒に旅行に行こうと持ちかけた。
主人公は事前にくるみから駆け落ちの計画について知らされていたので、
とりあえずひなに迎合しておいて、旅先で彼女を説得する心積もりでいた。
都会に着いたふたりは、権堂が倒れたという報せを受けた。
巧巳は懐中時計(くるみ編と同様、密かに修理していた)をひなに見せて、七ツ瀬に戻ろうと諭した。
こうして駆け落ち事件は円満に決着した。夏休み最後の日、巧巳は都会に帰っていった。

エピローグによると、巧巳は週一で七ツ瀬に赴き、権堂から店の仕事を教わっているのだという。

146 : なでしこドリップ2016/04/02(土) 22:59:56.56 ID:rAAjSdTG0
■穂香編
巧巳は姫石神社の巫女・姫石穂香(ほのか)と親しくなり、やがて付き合い始めた。
穂香の母・真百合からは交際を反対されるも、粘り強く説得を続け、とりあえず黙認してもらえるようになった。
(姫石家は代々退魔師の家系であり、相応しい男性を婿に取らなければならなかった。)

真百合は巧巳が娘の結婚相手として適切かどうかを試みるために、椿から協力をとりつけた。
(椿には椿で別の思惑があった。
座敷童である彼女は、大人には通常認知されないから、いつかは巧巳たちからは見えなくなってしまう。
しかし穂香や真百合のような霊能者は座敷童の気配を感知できるらしい。
椿は一つの仮説を立てた――巧巳たちが大人になって椿を見失った後も、穂香の霊能を介して絆を維持できるかもしれない。
その可能性を探るために、椿は真百合と仲良くしていた。)
真百合と椿は結託して、巧巳の周囲で霊的現象を次々と引き起こした。
ある夜、巧巳は穂香の声に従って山奥に向かう。しかしそれは穂香ではなく妖怪の声だったから、巧巳は驚いて逃げてしまう。
その時穂香が助けに来て、妖怪を成敗した。真百合から説明と謝罪を受け、とにかく一連の悪戯騒動は解決した。

エピローグでは6年後のふたりが描かれる。巧巳は穂香と結婚し、神主となり、一児を設けていた。
すでに椿の姿を見ることはできないのだが、穂香を通して絆を辛うじて保てていた。

147 : なでしこドリップ2016/04/02(土) 23:00:58.03 ID:rAAjSdTG0
■椿編
かつて七ツ瀬には人身御供の風習があった。水神に捧げられた生贄の一人が、椿だった。
ところが水神は本当は生け贄を好んでいなかった(村人が誤解していただけ)ので、椿を助け出した。
この時椿は神から霊力を授かり、座敷童として生きることになった。
やがてアンティークに転がり込み、源三郎やすずと親しくなった。
水神は今なお椿を見守っていて、人間に戻してやろうと密かに考えていたようだ。

話を現代に戻そう。
ある日巧巳は転倒しかけた椿を支えようとして、うっかりキスしてしまう。
どうやらキスの影響(?)で、椿から座敷童としての霊力が失われてしまった。
今まで子供だけで上手く喫茶店を運営できていたのは、実は椿の霊力のお蔭だったものだから、
アンティークは危機に瀕してしまった。しかし皆の奮闘により業績は回復した。

さて巧巳は椿と交際していたのだが、やがて椿を視認できなくなった。彼は大人になってしまったのだ。
30日の夜、彼は店内で椿に呼びかけてみた。すると何もない空間からコーヒーが差し出されたではないか。
絆はまだ繋がっていると考えた彼は、婚約指輪(すずと源三郎のもの)を椿に手渡したが、応えられることはなかった。

エピローグ。巧巳は失意のうちに七ツ瀬を後にした。
帰りの列車の中で、少女と相席になった。よく見ると椿だった。彼女は水神の力で人間になれたのだ。



あらすじは以上です。

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