468 名前:黄昏のシンセミア 1/16[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 21:49:35.61 ID:rzpDUYPD0
黄昏のシンセミア公式HP http://www.applique-soft.com/sin/index.html
ネタバレの無い基本的な設定、人物紹介は公式へ
初回版逃して設定資料集持ってないので細部はご容赦を
エピソードは銀子→いろは→翔子→さくやの順、サブヒロインとバッドエンド等は省略します


むかしむかし、あるところに男が住んでいました
ある日、男が村の泉に行くと天女が水浴びをしていました
天女の美しさに心を奪われた男は、彼女の羽衣を盗んでしまいます
故郷に帰れなくなり困り果てた天女は、男の勧めに従い村で共に暮らすことになりました
――男との間に子供が生まれ、幸せな日々を過ごしていた。隠していた羽衣を、彼女が見つけてしまうまでは。
そうして天女は二人の子供を残して、天界に帰っていってしまいました

――――誰かを残していくのは、どんな気持ちなのだろう

470 名前:黄昏のシンセミア 2/16[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 21:54:13.46 ID:rzpDUYPD0
【プロローグ】
主人公である「皆神孝介」は夏期休暇を利用して故郷である「御奈神村」に帰ってきた。
そこで孝介は叔母の「岩永皐月」、従妹の「岩永翔子」、幼馴染の「春日いろは」と再会する。
また、村の中で「銀子」と名乗る女性とも出会う。
彼女のことに覚えはないが、彼女は孝介の母親、皆神さやの知り合いらしい。
村の中を案内してもらっている時にいろはが妹にメールを送りたい、と言ってくる。
携帯を貸すと、『妹に会えない禁断症状が出てきた。さくや愛している』なんてメールを送られる。
村にいる間、孝介は祭りの手伝いと家の手入れをすることになる。
蔵の掃除なども始め、自分の祖先の写真を見つける。
写っていた女の子は妹と瓜二つの要旨をしていた。
村で事件が起こる。話では境内で腐臭がしたのだという。
警官からは、山の中で「怪物」が出たのだという話を聞く。
次の日、家畜が何かに殺され、血が散乱するという事態になる。
皐月の話によると、春にも事件があったらしい。その時は熊ということで片付いたらしいが。
銀子と会話。銀子はこの事態について何か知っているらしい。銀子との会話を翔子に聞かれてしまう。
翔子は神社の境内の裏でごんた、という狐の世話をしている。
狐のことが心配になり翔子は一人家を飛び出し山へと向かう。追う孝介。
神社の裏で翔子と合流。子狐も無事。
しかしその近くには、熊のような、腐臭をまき散らす生物が居た。
妹に遺書めいたメールを送り、自分が囮となり翔子を逃がすという行動に出る。
山には熊用の虎ばさみが設置してあった。怪物を誘導し、罠にかける。
が、怪物は足を切り落とし襲いかかってくる。携帯を破壊されてしまうが体は無事。
絶体絶命―と思ったところで怪物は去っていく。進んでいったのは、翔子が逃げた方向か。追う孝介。
吊り橋には、翔子と怪物がいた。翔子に逃げるように指示し、孝介は看板を武器に怪物に向かう。
攻撃を避け看板を刺すが、体内は思いのほか柔らかく、バランスを崩し吊り橋から落下する。
落下防止のネットに引っ掛かり無事。
怪物の体内に突っ込んだ手の中には、夢の中で母が持っていたものに似た、青い石があった。
2日入院するも無事退院でき、翔子とも仲良くなった様子。
同時刻、御奈神の駅は一人の少女―「皆神さくや」の姿があった。

471 名前:黄昏のシンセミア 3/16[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 21:55:03.63 ID:rzpDUYPD0
【エピソード―共通】
家にてさくやと再会。遺書めいたメールを最後に音信不通になったので、心配して早く来たらしい。
墓参りの後さくやに状況を説明する。完全には信じては無い様子だが、理解はしてくれた模様。
しばらくの間さくやはここから夏期講習に向かうことになる。
翌日は事件の日以来姿を見てない銀子を探すも見つからない。あくまで銀子を探すか、自分で何とかしてみようか考える。

【エピソード―銀子・いろは共通】
孝介は銀子を探す事にするがやはり見つからない。また明日探すことにする。
銀子と会い、事件の事について聞こうとする。銀子に自分の話を信じてくれるのかと問われる。信じる、と孝介。
どうやらあの怪物は「山童(やまわろ)」と言うらしく、この辺りでは時々出るらしいがそれ以上のことは教えてもらえなかった。
自分で調べろ、ということか。
山童について村の人に話を聞いて見るが、有用な情報はない。公民館に行き郷土史なども借りて読むが、有力な手掛かりはなし。
行き詰まったので皆で気分転換に遊んだり。
さくやは事件のことはもう忘れたほうがいいのでは、と。

【エピソード―銀子】
手がかりも無いので、山童についての調べるのはいったん終了。かわりに村の歴史と天女の伝承について調べることに。
天女の伝承の原典ともいえるものを読む。そこに書かれた内容は、
村の人の貧困を見かねた天女が力を貸し、開拓の手伝いをする。その後天女は一人の男と結ばれ子供を作る。
そこに帰ってこない姉を心配し、天女の妹がやってくる。
妹は姉を連れ帰ろうとするが、天と地上では時間の流れが違うため、一度戻ったらもう夫には会えなくなってしまう。
そこで姉は夫に不老不死の薬を残して自分の帰りを待ってくれないかといい、天界に帰っていく。
しかしその薬を飲むということは自分の子と同じ時間を歩めなくなるということ。迷った末、男は湖に薬を撒き、人として妻の帰りを待つのだった。
―というものであった。
後日、銀子と共に山の中を歩くと、事件について語ってくれた。
曰く、春に出た熊と孝介が襲われた山童は同じもの。春に射殺された熊のなれの果てだという。
昔話の不老不死の薬は事実で、山童はその効力で生命力が高まり死ねなくなった生物らしい。
しかし、なぜ急に話してくれる気になったのだろうか。

472 名前:黄昏のシンセミア 4/16[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 21:55:25.22 ID:rzpDUYPD0
深夜、家を出ていこうとする銀子。長く世話になると別れた時が辛い、という理由らしい。
銀子に会いに行く。本人も出て行きたくはないが、出ていかなければならないと思い込んでいる感じ。
今日は帰るがまた会いに行くことにする。銀子への好意を自覚する。
銀子が天女の話を語ってくれる。
天女の伝承で姉を迎えに来た妹は、姉がまだ帰れない、と言うので少しの間共に住むことに。
その中で妹も姉の夫に心惹かれてしまう。
また、天界に帰ってから200年程たった後、妹は地上に降りてきたそうだ。
村の様子も、人の心も大きく変わっていたが。
その時に一緒についてきた末の妹が自分で、それ以来、姉が残した問題の対処をし続けているらしい。
大昔の山童の被害は酷いものだった―創作だけどね、と。
ある日、銀子とさくやが買い物に行き、家で待っていると、さくやが銀子に襲いかかっている狐を見た、という。
山童だろうか、銀子を探す孝介。
山の奥に目視出来ない空間がある。その奥には羽衣を纏った銀子の姿があった。
山童は翔子が世話をしていた狐のなれの果て。銀子が体内から青い結晶を取り出し、埋葬する。
銀子に告白する孝介。
4、50年すれば自分だけが老いて逝くだろうが、何百年もたった後でも、きっとそれは輝いて見えるほどに楽しいものだろう、と。
その約束をずっと守ってよね、と銀子。結ばれる二人。
銀子の過去と山童の話。山童には3体強力なのが居るらしい。
ヌエとサンシとミズチ。このサンシには一度殺されかかっており、助けてくれたのが孝介の母だという。
まだミズチが残っていて、それを処理出来たらこの村を離れるつもりだ、と銀子。
孝介の母が死んだのは、鉄砲水が原因だがそれを起こしたのがミズチらしい。
後日、翔子が世話をしていた狐を見かけた、という。あり得ないことなのに。
祭りの日の夜、また狐が現れる。それは狐の姿に化けたミズチであった。
銀子とミズチが戦う。銀子は孝介に、後から行くから待っていてくれ、と。それがその日、銀子を見た最後になった。
心配する皆だったが、無事2日後には再会できる。
―――季節は流れ十数年後、孝介と銀子は子供もでき幸せに暮らしていた。
自分と共にいられるのは後たった数十年だが、彼女の笑顔がずっと続きますように。
願わくば、自分がいなくなった後までも。

474 名前:黄昏のシンセミア 5/16[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:00:45.06 ID:rFTcHvqh0
【エピソード―いろは】
山童を祀っていた祠が神社の湖にあるという話を聞く。神社の手伝いでもしながら調べることにする。
祠も調べてみる。変わった2重構造になっているようだ。
何故、隠すように作ってあるのだろうか。
祖母が家を離れているので、いろはは今一人暮らし。寂しかったら泊りにいってやる―なんて言うと本気にされる。
祭りの日までいろはの家に泊まることに。そういえば、いろはの両親はどうしているのだろうか。
朝、掃除をしているところにさくやが来る。壊れた携帯の話になるが、いろはは携帯自体に興味がある様子。
いろはがさくやから携帯を借りるが、メールを見ようとしたところで奪われる。
銀子と会話。天女の伝承や不老不死の薬は本当にあった物だ、と。
突然泣き出した銀子に孝介は胸を貸すが、どうしてかいろはの姿がちらつく。
いろはから、昔、孝介と同じように不老不死の薬や伝承について本気で調べた人がいた事を聞く。そしてそれがいろはの両親ということも。
いろはの両親は自分の家の由来などについて調べていたらしい。そしてある日行方が分からなくなった、と。
そこまで話していろはが思い出す。昔から銀子の事を知っていたと。彼女なら両親の事も知っているのでは、と。
銀子曰く、かつていろはの両親が孝介と同じように不老不死の薬と伝承について聞きに来たらしい。
話を聞いた後、二人は山童が存在するのかを探しに行ったという。このあたりでいろはへの好意を自覚する。
翌日、隣の集落で「怪物」が再び出たのだという。
落ちかけた吊り橋を見にいろはと二人で山に入ってみるが、何も変ったことはなし。
夜、いろはに告白。私の返事は昔から決まっているよ、といろは。
食事を終え、神社に着くと異臭がする。山童に襲われるも無事。ただ、孝介の荷物が荒らされていた。
寝床が使えなくなったのでいろはの部屋で寝る。結ばれる二人。
朝になり警察から話を聞く。やはり青い石は無くなっていた。銀子を探し状況を説明する。怪物の話もするが、それは分からない様子。
いろはの祖母と会話。このままでは祭り自体が中止にするしかないと。祭りをしたければ明日の夕方までに解決して来い、と。
銀子と共に山童捜索開始。銀子に羽衣の余剰部分で作ったという刃物を渡される。
絶対に壊れないものらしいが、孝介が念じるとあっさりと粉に。

475 名前:黄昏のシンセミア 6/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:03:56.72 ID:rzpDUYPD0
銀子から青い石、羽衣について説明。
孝介は、限定的だが羽衣に対して中止命令が出せるらしい。
山童の体内にあるのは天女が残したものなので、孝介の力が使えそう。
日中は見つからず、夜に出なおすことにする。
銀子の羽衣を餌に罠を張る。1体は仕留めるも、山童はもう1体。回収した石も奪われ、状況は解決せず。
翌朝、いろはとさくやも連れて探しに。皆と別れた矢先、孝介は人型の「怪物」を見る。
逃がした山童にも遭遇。突進を避けられない―と思うが無事。理由は不明だが怪物が助けてくれたらしい。
そこに皆が来る。銀子が羽衣を振り下ろす直前、怪物は「いろは」と呟いた。
山童を退治し祭りも行えることになる。怪物には逃げられたが。
銀子曰く、人間も山童になるという。
そしてあれは、やはりいろはの両親だと。捜索は銀子に任せることに。
翌日になり銀子と会う。怪物は見つかったらしい。そしてその怪物―いろはの父親は孝介と会いたがっている、と。
いろはの父親と話す。すでに言葉は話せないが、銀子が通訳をしてくれる。
いろはの現状と自分がいろはと付き合っている事を告げる。そしてそれを認めて欲しいと。
条件があると言われる。自分たちの命を消して欲しい、と。中止命令を出す孝介。消えた後には手帳が残っていた。
内容は、伝承の調査をするために銀子と会い、山童の存在を確かめるために捜索する、というもの。
しかし彼らは山童に襲われ、崖から落ち、自らも山童になってしまった。
山童になっていく自分と妻の様子が記されていたが、最後にはいろはへ愛しているという言葉と、生まれてきてくれたことへの感謝の言葉が。
いろはに手帳は見せないことにしたが、いつか全てを話せる日が来る時まで、
その時が来るまで二人で共に歩いていこうと、御奈神の空に。天女が舞い降りたという空に誓った。
―――時は流れ何度目かの夏、御奈神に帰ってきた孝介はいろはと考える。
誰かを残していくのは、どんな気持ちなのだろう――孝介の答えは「必ず帰る」。いろはの答えは「花は散っても蕾は残る」というもの。
次の世代に蕾を残すのなら自分たちはどんな未来を作っていくのだろう。
そして孝介は手帳の言葉を伝えることにする。彼らが残した愛は、伝えなければいけない。
いろはを大切にするという誓い、その想いと共に。俺は彼女と生きていく――。

476 名前:黄昏のシンセミア 7/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:05:15.01 ID:rzpDUYPD0
【エピソード―翔子・さくや共通】
銀子を探していてもいつ見つかるか分からない。自分で何とかしようとする。
何をするにも携帯が無くなったので不便。壊れた携帯とカードを探しに行くことに。
山で半日くらい捜索するとカードが見つかる。あの日撮った写真を見ても、暗くて分からない。
さくやに、山童に遭遇するまで探す、なんてことは絶対にするなと言われる。とすると手掛かりはあの石だけか。
どうやらあの石は水に溶けるらしい。それを翔子が少しなめてしまう。
自分も似たような石を持っていると、翔子が赤い石を見せてくれる。
石は自分のものだと言うので銀子に渡す。青い石の事は知っていても、孝介の母親が持っていたものがどこにあるかは分からないらしい。
家の中で母の遺品を探すことになる。そこで以前見つけた、さくやに瓜二つの子が移っていた写真を思い出す。
この子の名はなんていうのだろう―さくやがそんなことを言う。
皐月曰く、その子の名前も「さくや」だと。皆神の家では長女に対し代々「さくや」の名を譲っているらしい。
容姿も同じ。名前も同じ。少し皆神の家について考える。どんな意味があるのだろうか。
夜、翔子がうなされている。山悪夢を見ているらしい。
後日、皆と川で遊ぶ。

【エピソード―翔子】
川で翔子の同級生、沙智子と遊んでいると、川の底に引っ張られる様な感触。溺れかけるが何とか無事。何かに掴まれたような気がする。
川を調べたい、と沙智子。危険だからやめろと止めるが聞く耳持たず。とりあえず孝介が調べることに。
その代り、翔子と一緒に母の遺品、青い石探しを手伝ってくれることになる。
銀子に川のことを話す。何か知ってはいそうな様子だが、答えはなし。
2日ほど探しても目ぼしいものは出てこない。銀子がごんたを連れてきてくれる。喜ぶ翔子。皆で肝試し。
湖と川で赤い石を翔子が見つける。自分には全く分からなかったのに。
翔子から夢の話を聞く。その夢は大量の山童に喰われ、最後には自分がいなくなってしまう、というものらしい。
遺品探しで皆神の由来について書いてある本が見つかる。が、内容は天女の伝承と同じものだった。
翔子と結婚の約束をする。
夜、寝ていた翔子の様子がおかしい。孝介のことを「ぬしさま」と呼び、「みんな死んでしまえばいいのに」と、確かに呟いた。

477 名前:黄昏のシンセミア 8/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:06:28.67 ID:rzpDUYPD0
後日、湖の近くで翔子の同級生の男の子と口論になる。石が孝介に当たり出血。
翔子の様子がおかしくなる。憎悪のこもった声で「あんなやつら、死んでしまえばいいのに」と。
巨大な水の蛇―ミズチが現れる。翔子の意識が戻るとミズチは霧散。一体どういうことなのか。
夜、結ばれる二人。
沙智子にもミズチの事を話すが信じてもらえない。前の川の件もミズチかもしれないのに、と翔子。
ミズチだったらもっと被害が出たのでは、と孝介。
あの時のミズチはきっと驚かせたかっただけだと。あの時自分はくっ付いていた孝介と沙智子を離したかっただけだから、と。
――まるで、ミズチを操れるようじゃあないか。
夕暮れ時に翔子は人格が変わっているように思える。その理由は何なのだろうか。
あの時の男の子二人がミズチを探しているらしい。会いに行って、危ないことはするなと注意。
赤い石を見せてくれ、と翔子に言う。隠している場所まで連れて行ってくれる事に。
が、それはどこにもなく、ごまかされてしまうような形に。嘘は行っていないとは思うのだが。
一つだけ赤い石を回収する。過去にこの石を見たことがある事を思い出す。あの石を持っていたのは――誰だ。
大量の山童に囲まれる。何とか逃げるが、途中で翔子に赤い石を奪われる。飲み込もうとするが、阻止。
銀子に赤い石を渡し調べてもらう。曰く、赤い石は青い石に命令を出す呪いの塊。それに込められた命令は「未来永劫の苦しみを」だと。
青い石は影響を受けた対象を殺せば取り除ける。では、赤い石は。赤い石を消さない限り呪いは消えない。翔子を殺すということか。
赤い石を持つ翔子は、想いによって山童を無意識に操る事が出来る。その力を使わない保証は、無い。
銀子は翔子を殺そうとする。孝介は村に戻り、翔子がその力を使わないように一生支えていく、と言う。銀子から攻撃を受ける。
結局、翔子はミズチに祈ってしまった。孝介はわざとミズチの攻撃を受け、翔子に力の危険性を自覚させる。
死に瀕するが、山童を生む青い石を飲み延命。孝介は文字通り翔子と離れられなくなる。その日を最後に二人はいなくなる。
――1ヶ月後、さくやの下に、元気にやっている、という内容のメールが入る。
人とは同じ道を歩けなくなってしまったが、いつかこの道が交差すると信じて。その日を待ち望み、俺たちは歩いていく――。

478 名前:黄昏のシンセミア 9/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:12:36.88 ID:rFTcHvqh0
【エピソード―さくや】
いろはに頼まれ、さくやが祭り当日の売り子を手伝うことになる。
何故かはわからないが、翔子はさくやを苦手にしている様子。打ち解けるべく、さくやと翔子が二人きりで会話。
翔子は自分の居場所を取られるのではないかと思い、さくやに反発していたらしい。それもさくやの人間性を知ってなくなる。
そしてこの人は、兄のことが大好きなんだ――と。
押し入れの中から小学生時代の孝介の連絡帳が出てくる。そこに書かれていたのは、妹を気遣っている言葉ばかりだった。
深夜、隣で寝ることになったさくやが、家を出て全寮制の学園行った理由を話す。
家族がいない場所で平気なのかを知りたかったのだと。
だが結局、メールで繋がっていれば安心してしまったのから駄目だった、と。
どんな距離でも、どんな関係でも、私は兄さんがいてくれれば、と。
皆で宴会をした夜、川に酔い覚ましに行き母のことを考える。
自分たちが巻き込まれた水難事故なのに、どうして覚えていないのだろう。
寝ぼけてさくやと同じベッドで寝る。育ったなぁと実感。
翌日、湖で翔子が赤い石を見つける。さくやがそれを持つと石は割れ、孝介がそれに触れると粉になってしまった。
その日の午後、水難事故について当時の記事を見る。ついでに携帯を買いなおす。翔子も買ってもらえた様子。
遺品探しの中で、孝介の母親が着ていた衣服が出てくる。私にも似合うだろうか、とさくや。着てみることに。
母の服を着るさくや。孝介が褒めると恥ずかしがって俯いてしまう。そんなさくやを―抱きしめてしまう。
その日の夜、親元に帰した狐の写真を撮ろうとさくやと山へ行く。さくやちゃんは良いな、と翔子。
川で狐のようなものを見かけるが山童だった。襲われ、山の奥に逃げる二人。
逃げている中、前回の事件の時のメールの話。
さくやは、あのメールが兄の一生の弱みになるのでは、と保護をかけている様子。
弱みを何か握り返さないと今後頭が上がらなくなるな、と言うと、兄さん自身が私の弱みですから、と。
山童に襲われたさくやを庇い、腕を負傷するが1体仕留める。流石にこれ以上はヤバイ、と思ったところで銀子が来る。
遭難終了。

480 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:13:31.01 ID:rzpDUYPD0
翌朝、いろはから祭りが中止になったという話を聞く。山で事件が多い年は中止にする決まりになっているらしい。
では何年前に中止になったのかということと、前回とは違うように思えた山童の行動を不審に思う孝介。
祭りについて話を聞くと、前回中止になったのは5、6年前で神隠しがあったらしい。その前は孝介の母が亡くなった年だとか。
いろはにさくやとの関係について釘を刺される。どうしたらいいのだろう―と考えていると、さくやから恋人を作る気はないか、と。
微妙な雰囲気の中考える、自分はさくやをどう思っているのかを。さくやが自分のことをどう思っているかを。
軽くキスをする二人。兄妹でなかったら、お互いを好きになる事は無かった。この想いの終着点はどこにあるのだろう――。
2日後、さくやと結ばれる。ずっと、この時を待っていました、とさくや。
過去の事故と自分たちの記憶について考える。
川でさくやと遊んでいたのは覚えている。その時さくやが何かを持っていたような気がする。
憶えているのはそこまでで、自分たちが葬式の後に行方不明になったという話も記憶から抜けている。
さくやとの関係を皐月に疑われる。正直に話すか、嘘をつくか。道は2つ。
皐月に正直に話す。皐月は、二人がお互いのことを愛し合っているのはよく分かる。けれど祝福することは出来ない、と。
二人が今の関係に酔っていないならば、と条件を出される。まだ学生なのだから、二人とも交渉を断って学業に専念して、と。
翌朝、皆に別れを言い村を出る。バス停の前に銀子に会い、赤い石を渡す。また来年、必ず来てね、と言われる。
誰か置いて去る気持ちというのは、絶対にここに戻ってこようという気持ちなのか。丁度、今の自分たちのように。
1年後、駅に降り立つと、翔子がいる。「お帰りなさい」と笑顔で言われる。
――夏は続いていく。
今まで、俺とさくやに訪れた話も。
これから先に起こる物語の予感も。
全てを包みこんで、再びこの地を訪れた――。

481 名前:黄昏のシンセミア 11/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:14:02.70 ID:rzpDUYPD0
【フラグメント―降臨〜であい〜】
のちに御奈神村と呼ばれる場所を二人の天女が上空から見下ろしている。
その場所は彼女たちのお気に入りの場所であったが、いつの間にか人が住み、開拓を始めている。
貧困にあえぎ、生活に疲れている様子の住人の中に、一人だけ精力的に活動している男の姿が見える。
天女は村の人の前に姿を現し、知識を与えることで手伝いをしようとする。生活に窮した村人はそれを望まず、もっと直接的な奇跡を望んだ。
それは自分にはできない―というと村人は離れていってしまった。
それ以降も天女は村人を助けようとするが、口べたも災いしうまくいかない。
ある日、一人の青年が天女の下にやってくる。畑の作り方も、水の引き方も知らないから教えてくれ、と。
男との出会いであった。

【フラグメント―帰郷〜わかれ〜】
言葉が足りないところは男が補い、二人で村人の説得を始める。
自分たちだけでなく、これから生まれる子ども達の為に、と。
季節はめぐり、一つの変化が訪れる。里の家から赤子の泣き声が響く。
村に住む神様の子だといわれ、その子は人々の希望の灯になった。
村人が抱く希望を。明日への灯を分かち合う場所。その場所は春日神社と名付けられた。
ある日、もう一人の天女が舞い降りる。戻らない姉を心配した、天女の妹だった。
姉を連れ戻そうとするが、子供が心配で戻れないという。少しの間、妹も共に暮らすことになった。
地上の人間は技術も文化も未熟で、対等ではないと妹は思っていたが、何時しか考えを改めていた。
貧しくもこの地の人間は生きている、生き抜こうとしている。そんな姿がまぶしく思えたころ、彼女も男に特別な感情を抱いていた。
子供が一人で這えるようになった頃、姉が天界に戻るという。一度戻ったら拘束され、恐らく戻ってくるのは無理だろう。
男に自分の帰りを待っていて欲しいと、羽衣の核と一人分の不老不死の薬を渡す。
そうして天女は帰っていく。必ず帰る、という決意を胸にして。
天女の妹も戻っていく。帰り際、男に自分の羽衣を少し分け与えて。こ娘に引き継がせたら自分に似た子が生まれるかも、と。
天界で待っていたのは長期間の拘束だった。地上では数百年たっただろうか。
隙を見て天女が地上に舞い戻る。歓迎され、酒をふるまわれる。
彼女の意識は、そこで暗転した。

482 名前:黄昏のシンセミア 12/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:14:26.62 ID:rzpDUYPD0
【フラグメント―呪言〜ことほぎ〜】
意識が戻ると、天女は鎖でつながれ牢に入れられていた。羽衣の力を使い牢を脱出しようとする。
外に出た瞬間、腕を切り落とされる。羽衣の生体保護機能で腕をつけようとするが、その直前に腕を拾われ、自分の腕を、喰われる。
代用品の羽衣といえど全てを攻撃に回せば回りにいる兵士を殺すことは出来る。しかし、彼女にそれは出来なかった
今の痛みを耐え未来の命の為を訴えた自分が、その先にいる子供達を殺すというのか。
足を切断され、動けなくなった天女は湖のほとりの牢に繋がれていく。

無限の苦しみの中、天女は呪詛を繰り返し紡ぐ。

牢の中には女がいるという。牢の見張り番をしている彼が子供のころには天女をとらえている、という話があった。
しかし今、そこにいるモノは人の形をなしていなかった。
暗闇の中で女がことほぐ。あの時自分は殺せなかった。だから次の機会には、躊躇なく殺せるように、と。

いつからか、一人の女が天女の下を訪れ食事を与えるようになる。
ある日、女が天女を外へと連れ出す。自分の先祖は天女の同胞に恩を受けたと言い、だから自分は天女を助けたいのだ、と。
手押し車に乗せられ、外へ出る。そこには一面の星空があった。

483 名前:黄昏のシンセミア 13/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:15:45.41 ID:rFTcHvqh0
【フラグメント―胎動〜はじまり〜】
流した涙を女に拭かれる。この地に戻り、初めて人に触れた気がした。
唐突に、帰りたい、と強く思う。今まで自分を支えていた復讐心すら消え、あの人の下に、妹の下に、娘の下に帰りたい、と。
女が天女の伝承について語る。しかしその最後に、初代は死んでしまったのだから不老不死の薬など無かったのですね、と言う。
初代、と。あの人の血縁だと女は言った。羽衣の作用を考えると女の外見は自分に限りなく近いものであるはずだ。
女の顔を見る。それは良く見知った顔。同じ人を愛した女の顔。妹の、顔だった。
女から知る限りの話を聞く。男は薬を使うか迷ったらしい。ある日、天女の話を聞いた権力者に狙われた。
湖に追い詰められた男は奪われるくらいなら、と薬を湖に撒き、殺されたらしい。
湖は青く変色し、人々が群がる。皆を不老不死に、神にする救世の泉だと持て囃された。
――皆神村と、誰かが呼んだ。
愛した男がすでに居ないこと、産んだ子供もいないこと、羽衣の核も眠らせたままであることを理解する。
焼き尽くされ、灰になった心で、全て殺してしまおうと彼女は思った。
湖に羽衣を撒きその水を使っているなら、傷の治りが早くなる程度の作用は出ているが、リミットがかかっている。
ならば、それを狂わそう。
女に自分の体内の中から羽衣を取り出させ、飲み下させる。青い結晶であったそれは、いつしか真紅へと変わっていた。
湖に残っている羽衣の力で右腕を再生させる。女に刀を取ってきてもらう。
逆手に持ち、胸へと差しこんだ。自身を修復しようとする羽衣に命じる。人に、この地の全てに災いを、と。
湖に落ちた体を女が抱きかかえると、「姉様?」と女は言った。
もしも自分の子の血が、羽衣を継承した血が残っているなら、その核には愛した男の情報もある。
いつの日か、羽衣のシステムに打ち勝ちあの人の情報が発現するなら、そこに自分の写し身もあって欲しいと願う。
彼女の子孫には獣の王となり、この地を地獄にするという呪いを与えた、矛盾する思考で祈った。
女が名前を聞いてくる。天女の名は―――といった。女はこの名をどうするのだろう。
死の間際、薄れゆく意識の中、あの人に会いたいと、天女は願った。

485 名前:黄昏のシンセミア 14/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:18:29.29 ID:rFTcHvqh0
【シンセミア】
1年ぶりの帰郷。皆のところを回るが――おかしい。翔子以外、銀子の事を覚えていない。
帰郷の目的には、村で起こった現象を突き止めることもある。事件に最も近い銀子を探すことにする。
吊り橋の奥まで見るが銀子はいない。どこに行っているのか。
家に帰ると皐月から謝られる。自分はさくやを見ていなかったと。さくやに姉を重ねていてしまった、と。
テレビで野生動物が異常な行動を起こしている、というのを耳にする。
翌日、またテレビで動物の異常行動について放送している。どうやら複数の地域で起こっているようだ。
孝介は東京に戻っても天女の伝承等について調べていた。その中で「山童」と「シロガネ様」という言葉を知る。
山で暴れる獣が山童、それを退治してくれるのがシロガネ様だという。
翔子から以前見ていた悪夢の話。どうやら今はもう見ていないらしい。代わりに夢の中で、もうすぐ会えるよ、と言われたらしい。
以前にも見た赤い石の話。その時、翔子の笑顔が何かに重なる。石を持った暗い目をした少女がいる。あれは――さくやか。
翌日、翔子と赤い石を探しに行くことに。1つ回収できる。
夜、夢を見る。夢の中で孝介は、もうすぐ会える、あの日以来だね、と誰かに言われる。浮かんできたのは、また――。
目が覚めると銀子から電話がかかってくる。銀子曰く、異常行動を起こしている動物は全て山童。
御奈神村から拡散していた山童が急に集まりだしているらしい。目的地は当然、全ての始まりである御奈神村。
銀子が戻り説明を始める。
まずは石について。赤い石は呪いのを放つもの。青い石はその呪いを受け取り実行に移すもので、天女の羽衣だと。
天女の羽衣の機能の説明。護身用の装備に肉体保護、それから認識阻害と言ったものが出来るらしい。
機能の機動、安定、終了といった管理する部分もあるとのこと。
赤い石も湖に撒かれた不老不死の薬であり、これに対しての命令は元を同じくする核からではないと出来ないと。
そしてその核は、孝介に終了、さくやに起動と安定という形で二人が分けて持っている、と。
また、呪いを出している赤い石をなんとかできれば事態は収拾するはずだと。
銀子が数百年かかっても赤い石を発見できなかったのは、主以外に対し、ステルスがかかっているかららしい。
今の主は―翔子か。

486 名前:黄昏のシンセミア 15/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:18:56.26 ID:rzpDUYPD0
翔子の体内にあるだろう赤い石を銀子が探すがどこにもなし。そんなことをしているうちに、状況は進む。
外につながっている電車が山童によって脱線、外に出る手段が無くなる。そして、山童自体も迫っていた。
銀子に考えがあるらしく、村に住むみんなを神社まで避難させる。いつの間にか、翔子が姿を消していた。
翔子を探すと、彼女は湖にいた。だが様子がおかしい。彼女が赤い石に呪われているならば、と翔子に近づく。大量の山童が現れる。
さくやが翔子の前に立つ。赤い石を割った時のようにさくやが集中する。
――孝介のことが好きだったが、相手が貴女で良かった、さくやならば応援できると、彼女は言った。
翔子は恐怖すら感じるほどの笑みを浮かべた後、
「だから貴女で本当によかった。だって貴女は――――――私だもの」。そう言った。
翔子とさくやが崩れ落ちる。先にさくやが起き上がるが、彼女はいつか見たあの目で、―――やっと会えた、と言った。
大量の山童をかき分けてさくやが孝介の前に来る。口移しで何かを胃の中に落とされる。
さくやが薄く微笑み、涙を流しながら言う。兄さんへの想いが借り物だったなんて知りたくもなかった、と。
森から出てきた山童がさくやの姿を隠す。山童にはじかれ、意識を失う孝介。
幼い時の記憶の中で、さくやが赤い石を見せてくる。その中でさくやは、やっと会えたんだ、と言った。
そして、人が増えているのがおかしいと。暗い目をして「人はもっと間引かないと」、そう言っていた。水の壁が、迫ってくる。
意識が戻ると銀子がいるので過去について聞く。やはり自分の記憶を消していたのは銀子だった。
失った記憶の繋がりを銀子に見せてもらう。
巨大な水の塊が二人に迫ってくるが、何故か二人の周囲だけを避けていく。
さくやに意識が戻ると、自分は誰なのかを聞いてくる。私はさくやだが、大勢の中の一体どれなのか、と。
妹のさくやだろ―と孝介が言う。「ごめんなさい」、さくやはそう言って水の壁にその身を投げ出した。それを追い、孝介も水の中に。
次に記憶があるのは、水の中で自分とさくやを抱きしめる母の姿だった。

487 名前:黄昏のシンセミア 16/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:19:17.27 ID:rzpDUYPD0
記憶の中でさくやは全身に怪我をしていたが、銀子が助けた時には無傷だったという。
さくやは安定という羽衣の機能を持っている。その効力で肉体を修復と考えられる。
孝介の持つ終了もハードの正常化、という意味で肉体の修復が可能だと。――あの後の記憶が無いのは、死んでいたからか。
次の記憶は、葬式の後姿を消したさくやを探した時のものだった。吊り橋の前で俯いているさくや。その前には赤い石が散らばっている。
赤い石を投げ捨てる孝介。
母さんが死んだのも私のせいなら、私はこれからどうしていけばいいのか、とさくや。
二人で吊り橋から落ちてしまおうか、と思ったところで後ろから銀子に抱きとめられる。
ここで記憶は終わりのはずだが、その先を幻視する。それはきっと、さくやから飲まされた赤い石の記憶だろう。
その石を、栗色の髪をした少女が拾う。それから、その石は彼女の宝物になった――。

さくやに会いに行かねばならない。銀子に聞くとさくやは山頂にいる、と。
境内でいろはに会い、さくやの携帯を渡される。聞かせる言葉のヒントは無いかと、中を見る。
メールの中に1件だけ、保護のかけられているものがあった。それは、
『妹に会えない禁断症状が出てきた。さくや愛している』
いろはが送った、あのいたずらメールだった。
今の関係ならこんなこと幾らでも言えるのに、全く手のかかる妹だ――と。

銀子と二人で山の頂上を目指して走る。飲んだ石の影響か、さくやの想いが伝わってくる。――泣いているのか。
途中でさくやの声に、別の誰かの声が混ざる。彼女も「さくや」と名乗った。
彼女、「さくや」からは人への憎悪の想いと、恋人に抱いていた純な思いが伝わってくる。
「さくや」の声から、伝承の全てを孝介は知る。
山を進む途中、ミズチが現れる。母親の仇だが、銀子にとっても恩人の仇。銀子に任せ先へと進む。

490 名前:黄昏のシンセミア 17/17[sage] 投稿日:2011/04/10(日) 22:20:45.27 ID:rFTcHvqh0
山頂、吊り橋の前に、さくやだったものはいた。
大量の山童と融合し、かつて銀子が会ったというヌエ、それよりも巨大なソレから山童が打ち出される。
さくやの想いと「さくや」の想いが伝わってくる。兄さんに抱いた想いは――私のものだ、と言うが、それは違う、と孝介。
打ち出される山童の相手をしながら孝介は続ける。
子供のころのお前は手間のかかる妹でしかなかった、と。でも関係は変わっていき、頼れる奴になったと。
そして相棒のような身内から、誰よりも愛する人になった、と。
石を拾う前から俺たちはお互いが好きだった。想いの全てが借り物なんかじゃない、二人で培ったものだと。
大量の山童と「さくや」の想いを撥ね退け、さくやに触れる。――帰って来い、と。
傷ついた孝介を抱きながら、さくやが泣き叫ぶ。内臓も喰われ重傷だが、羽衣によってどんどん修復されていく。
羽衣に命令を出し、自身から分離させ、かつて母が持っていた青い石となって羽衣が現れる。これを使えば助かるのでは――とさくやが言う。
それは駄目だ、共に歩みたい人がいる、と。
お前は人の世界に会ってはならないものだと、羽衣に命令を出し天へ返す。
以前、誰かを残していく気持ちはどんなものだろうか考えた。さくやは「絶対にここに戻ってくるという気持ち」だと言った。
俺が帰る場所、それはもう決まっていた。
兄が死に瀕していくが、羽衣にすがりたい気持ちを抑え、さくやは人間として、愛する人の為に出来ることをする。
事件は終わったが、けが人や交通が断ってしまうところが多発した。人を苦しめるという呪いは今の世の中にも果たされたのか。
10日後、祭りの日。まだ重症だがさくやの肩を借り祭りを見に行く。
天女を降ろす為の神楽を見ながら、ずっと一緒にいよう。いつまでも、ずっと、とさくやに言う。
彼女「さくや」が最後に抱えていた想いを俺たちは知っている。その想いも抱えて、これから二人で生きていく―――。

523 名前:黄昏のシンセミア 補足[sage] 投稿日:2011/04/17(日) 18:14:57.03 ID:w0IPQupP0
羽衣の設定について
様々な能力を持ち、一定量を体に溶かせば不老不死になる事が出来る羽衣だが、誰でも使える訳ではなく利用者の登録を行う必要がある
複雑な手順を行えば他者にも譲り渡すことが出来るとさるが、普通は自分の子孫に引き継がれていく様子
羽衣の基本的な能力として所有者の体の正常化、というものがある
その力が正常に働くと、所有者の女性が子を身ごもった段階でその子供を「異物」と判断して排除してしまうので、
自動的にその子を所有者にするようにプログラムが組まれているらしい
また、引き継いでいく羽衣には所有者の遺伝子データも入っており
所有者登録を行う段階で遺伝子の転写が行われ、元の所有者に限りなく近い容姿で生まれるようになっている
この機能によって代々の「さくや」は同じ容姿をしていたことになる
「さくや」の名を代々継いでいけた理由として、皆神の家には女性しか生まれない、というものがある
これもまた羽衣の機能で、遺伝子データの転写の段階で母体に近いもの、つまり女性が生まれてくるということらしい
OHPに何度か男の子が生まれそうになったことがあるが、それらは全て羽衣によって上書きされ、消えていった、とある
孝介が生まれてきたこと自体が、500年という長い時と天女の想いの奇跡という解釈だと綺麗かな

次にさくやの想いが借り物だった云々について
さくやが手にしてしまった赤い石、天女が戻ってきた時に持っていた羽衣には呪いだけでなく、想いも籠っている
それは男を愛し、もう一度会いたいという天女の願いでもあり、シンセミア終盤でさくやが体を乗っ取られた際
さくやは自分が石に呪われ、かつての男の写し身を愛するよう刷り込まれたことを知って絶望するという訳

最後にタイトルについて
タイトルにある「シンセミア」はsinsemillaと書き、大麻という意味
またHPでは「禁断のシンセミア」のルビに「人の触れてはいけない物」と書いていて、
多くの人の心を狂わせてきた麻薬、天女の羽衣がまさに「シンセミア」だった訳ですな
また孝介がさくやと結ばれた後に、その時の感触を思い出し、「あれは麻薬だ」的な事を言っていることから、
孝介とさくやの関係自体も「シンセミア」と言える物、兄妹間の関係を禁断の〜なんて言われるしね


補足が要りそうなのは以上かな

524 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/04/17(日) 18:31:53.32 ID:184rQGIe0
シンセミア=大麻って公式にそういう設定になってんの?
シンセミアってのはカナビスに限ったことじゃなく
スイカだろうがブドウだろうが種無しならシンセミアだぞ

525 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/04/17(日) 18:46:21.27 ID:w0IPQupP0
大麻ってか麻薬だな
麻薬=人の心を狂わす禁断の薬=不老不死の薬ってところからタイトルにつけてるってのは公式だったはず

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