132 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:15:04 ID:2xYCryF80
学生の総数が30人ほどの小さな分校。
そこの音楽部は村の芸術祭に出場する事になった。
部長の大上 律子、二年生の雨宮 歌音、一年生の冬馬巧に一つ下の小鳥遊 澪の4人で幼い頃から仲良くやってきたのだった。
ある日、律子は転校生である折原 藍を音楽部に入れるよう巧に指示を出す。
藍に音楽部の勧誘をするが断られる。しかし律子はそれでも諦めず執拗に勧誘を続ける。
結果、藍の獲得を競うソフトボール大会を、運動部と行うことになる。
巧はなぜそこまで強引に藍を勧誘するのかを律子に尋ねる。それは自分が引退した後の、三人の関係を危惧しての事だった。
巧、歌音、澪の三人は幼い頃から何も変わらず、閉じた世界を作っていた。音楽部を本格的な部活にすることで、三人に外の世界を知らせるのが目的だった。
大会の前日、遅くまで練習していた巧は、音楽室の方からヴァイオリンの音色を聞く。向かうと、そこにはヴァイオリンを弾く藍の姿が。彼女の腕前は、自分よりもはるかに上手かった。
その演奏を聴いた巧は、何としても彼女を音楽部に入れるべく、試合に臨むのだった。
試合当日、ソフトボール経験者の藍と花音の投手戦になり、9回まで0点で進む。
9回表、藍の疲れをつき、2アウト満塁の場面で監督に徹していた律子が代打として登場。藍のボールを捉え、ホームランに。
しかし9回裏であっさりと逆転負けを喫するのだった。
だが、律子に敗北した藍は、音楽部に入る事になる。
音楽部に入部したものの、彼女は「楽器に触れた事ない」と言って演奏しようとはしない。
また巧も、彼女の演奏に絶望し、ヴァイオリンを辞めてしまうのだった。
そのことを知った律子は、巧に懇願し、せめて音楽祭には出てくれと頼み、巧も了承する。
音楽祭当日、4人の演奏で審査員特別賞を受賞するのだった。
打ち上げではしゃぐ一同に、律子は自分の引退を告げ、帰ろうとする。
そこに巧はかつての過去を振り切るべく、花火を打ち上げる。
数年前の夏祭りの日、大雨の影響で澪の父と花音の母の乗る車が事故で他界。その日以来、澪は巧に依存し、花音は無表情になってしまう。
結局、メンバーで花火を見ることが出来なかったあの日の代わりに、巧は花火を打ち上げるのだった。
(学園の教師である春奈は澪の義母、宗仁は歌音の父と明かされる)

133 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:20:00 ID:2xYCryF80
ある日、引退した律子に呼び出される。彼女は卒業後、遠くへ行く、と言う。
その言葉で彼女の行き先を理解する巧は、彼女の後を継ぎ、生徒会特別顧問に就任する。
数ヵ月後。律子は卒業し、それぞれが一つ上の学園に上がる。相変わらず藍は演奏してくれない。
音楽部には友人 越野隆の妹、越野可憐も加えたものの、問題が山積していた。
後妻でありながら、夫をなくし、表面的な親子関係でしかない澪と母親である春奈先生。
妻を失った後、哀しみを暴力に変え娘を傷つけた歌音と宗仁先生。
歌音は生徒会長に就任したものの、巧にばかり頼り他の生徒会メンバーは離れていってしまう。
そんな時、留学生、リーゼロッテ・シュレーベルが転入してくる。
彼女の世話を任された巧は彼女を音楽部に案内すると、天才的なチェロの腕前を披露する。
律子が抜けて空いていたチェロの座に彼女がつく。(可憐がチェロ奏者だったが、素人だった)
その後も藍と対立したりと色々あり、藍とソフトボール対決をする事になる。今度は入部を賭けてではなく、藍が演奏するかどうかを賭けて。
だが、試合の当日、急遽全校集会が開かれる。そこで、「一ヶ月後、本校と分校は廃校する」と告げられる。
茫然自失となる生徒。そんな彼らを何とかすべく、巧はグラウンドに出て、藍を呼び勝負を挑み、藍を投げたボールは、彼女の頭上を超えていく。
藍はヴァイオリンを演奏するのを決意する。

最後に創立記念祭を開く事になるが、花音が巧ばかり重用するので、他の役員はバラバラに。
花音は巧と二人きりになるべく、彼らを解任しようとするのだった。
説得しようとする巧に、唐突にキスをする花音。そこを、花音の父でもある宗仁に目撃され、叱咤される。
このまま花音が依存し続けるのをいけないと感じた巧は、特別顧問の権限を使い、花音を解任、自らと距離を置くよう伝えるのだった。
巧と距離を取り、自身の在り方を考えた花音は、再び会長として戻ってくる。今度は巧を解任するのだった。
かつて役員に頭を下げ、創立祭に向けて動くも、中々上手ず。
紆余曲折があったものの、何とか役員達を纏めた花音は、最後に自らの想いをスピーチする。それは残りの一ヶ月、笑って過ごそう、というものだった。
成功の打ち上げで、巧達は律子と一緒に作ったオリジナル曲を、廃校の日に演奏しよう、ということになる。

135 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:28:48 ID:2xYCryF80
創立祭が終わり、音楽部の活動をするが、うまくいかず。自己主張しない澪が足を引っ張っていた。
そんな中、老人会で演奏することが決定する。
だが当日、巧の早とちりで藍が出ないと誤解し、彼女を探しに遠出する。
見つかった藍を引きつれ、澪を残して巧を迎えに行くが、帰りに車が故障。演奏に遅れる羽目に。
何とか間を繋ぐ為に巧は澪に時間を繋いでくれと頼み、澪も引き受ける。
だが澪は一人では弾けない。そこへ、義理の母、春奈がピアノ伴奏を引き受ける。
戻ってきた巧は、素晴らしい演奏を行う澪の姿を見る。普段は自分を抑えている澪が、素晴らしい奏者であったのに気付く。
澪は春奈に礼を言うべく、今まで言えなかった「お母さん」と呼ぼうとする。
そこへ一人の女性が現れる。それは数日前から巧の前に姿を見せていたプロの音楽家、弘子だった。
彼女は澪に告げる。自分が本当の母親だ、と。ヴァイオリンの講師をしており、澪を音楽スクールに入れるべく、姿を現したという。
かつて澪を捨て、今更戻ってきた身勝手な物言いに怒る巧。しかし弘子は諦めない。
春奈も交え、澪はスクールに行くと言い、巧もそれを受け入れる。
だが部活の一同は納得できず、巧や春奈に詰め寄る。
こんな時、律子ならどうするのかと思い、春奈に、本当に離れてもいいのか、と。春奈は悩んだ挙げ句、「娘と離れたくない」と答え、巧は澪と弘子の下へ。
追いつき、澪に向かって作曲中の曲を演奏する。
その曲に打たれた澪と弘子。弘子は澪を連れて行くのを諦める。
(それでもまだ諦めた訳ではなく、村に居つく)

ある日、巧はリーゼの祖父がYAMAHO音楽楽器の会長であると知る。
リーゼの母は会長の娘で、リーゼの父と駆け落ちしてしまい、両親との溝を埋めに来たのだと話す。
巧も協力し、会長のところに向かうが、リーゼは偽の孫だと言われ信用されず。
それでもめげないリーゼを励ます巧。そこを学校の生徒に見られ、二人が付き合っている、という噂が流れる。
巧の事が好きな可憐は、リーゼと巧と距離を取る。
祖父と仲直りできなかったリーゼはそのままアメリカに帰国しようとする。
そこへ、学校の音楽部の訪問で、会長がやってくる。巧は最後のチャンスでリーゼを引き止める。
彼女は母から託されたペンダントを見せ、祖父と和睦し、帰国の話も消えるのだった。

137 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:30:17 ID:2xYCryF80
祖父と和解した後、祖父から高級チェロを受け取ったリーゼ。そのお陰で部にチェロの空きが出たので可憐も合奏に加わってはどうかと話が出る。
しかし藍達は可憐の腕ではまだ人前で弾けるレベルではないと拒否。リーゼは可憐は成長したから大丈夫と主張する。
そこで、巧は可憐を弘子の下に連れて行き、彼女の特訓を頼む。弘子は彼女を特訓し、さらに巧の父から凄いチェロを受け取り、それを使って可憐は藍達に認められるのだった。

可憐も加え、五重奏になったが、ヴィオラが薄くなってしまう。
そこでずっと作曲に集中していた巧がヴィオラをやってはどうかと一堂は提案する。
しかし、巧は藍のヴァイオリンの腕を聞いて絶望し、さらに澪の事件で左肩を負傷し、満足に動かす事も出来ないのだった。
しかし心配させまいと巧は黙っており、自分は作曲に忙しいと彼女らを拒否する。
だが藍は頑なに拒絶する巧に業を煮やし、巧が弾かないなら自分も弾かないと言って飛び出す。
そんな彼女を追いかけ、再びソフトボール勝負を挑む。藍が勝てば巧が参加するというものだった。
しかし巧は一度もバットを振らず負けを認める。だが藍はそれを認めず、日が暮れるまで投げ続ける。
夜、巧は皆に腕を負傷している事を告白する。だが藍は「勝負は私が勝った」と言い、負傷してても出るべきだと主張するのだった。
皆の言葉に揺さぶられた巧は、何とか怪我を治し出る事を決意する。
そんな時、村を台風が襲う。彼らが練習に使っている部室が土砂崩れで埋もれてしまうのだった。
一同は無事だったが、楽器が全て土の中。絶望する面々。
しかしそれでも諦めず、楽器探しに奮闘。その頑張りに心打たれた村人達が、埋もれた部室から、楽器を掘り出すのだった。
奇跡的にも無事だった楽器。さらに巧は死んだ母親が使っていたヴィオラを使い、六重奏として、彼が作曲した『永久なる音律』を廃校式の日に演奏するのだった。

138 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:31:41 ID:2xYCryF80
小鳥遊 澪
廃校し、疎開先を探す日々。澪と藍から自分と一緒の疎開先に来てはどうかと誘いを受ける。
巧は悩んだ挙げ句、澪と一緒に疎開する事にする。
彼女は実母である弘子と共に東京の音楽学校に疎開する事が決まっていたのだった。
そして義母である春奈は、何と歌音の父親である宗仁と再婚し、仙台に疎開することが決まっていた。
澪は弘子の下、プロになる事を決意し、巧も彼女と共にプロになるべく付いていこうとする。
弘子は、彼女が一人前になる為に、コンクールに出場させようとするが、人と競うことが苦手な澪は、中々踏み切れない。
音楽スクールでの演奏に失敗した澪は人前で演奏することに恐怖を覚えるようになる。
澪にはまだ支えが必要と思った春奈は、教職を続ける為というのを表向きの理由に、
宗仁先生との再婚を取りやめて澪と一緒に東京へ行くと言い出す。
春奈の決意を撤回させるには澪にプロとしての目標に目覚めてもらうしかないと考えた巧は、
一般出場でコンクールに出ることを決意し、狭き門の予選のオーディションを通過する。
今までずっと側で澪を支え続けてきた巧から、ライバルとして突然冷たく突き放される状況に
澪は耐え切れなくなり、ついにはヴァイオリンを辞めるとまで言い出す。
予想した最悪の結末にショックを受けながら、巧は澪に別れを切り出し、春奈に澪の今後を託す。
巧を失うことを目の前に突きつけられた澪は、春奈の元に向かった巧を追いかける。
澪は巧に自分をまだ信じてくれるかと問うた後、春奈に対して、コンクールで演奏したくないけど
自分は強くなると決めたから、もしコンクールで入賞したら再婚すると約束してくれと頼む。
胸に飛び込んできた澪に巧は人前にもかかわらずキスし、その晩二人は結ばれる。
本番当日。大雨で車も動けない中、澪は皆の助けを借りて会場へ向かい、見事入賞するのだった。
エピローグ、プロになった澪と巧は、二人で各地を飛び回り公演を行っているのだった。

折原 藍
澪と藍から誘われ、藍を選ぶ巧。そして藍の告白も受け入れる。
イチャイチャしたり擦れ違いしながら、春奈と宗仁の結婚式の準備をする。
で、結婚式で演奏して、それぞれ自分達の疎開先に向かう。
最後まで村に残った藍と巧は、廃校のグラウンドで、最後のソフトボール勝負をするのだった。
エピローグ、音楽学校の講師になった巧と藍。


139 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:33:10 ID:2xYCryF80
雨宮 歌音
歌音の誘いを受け、彼女と共に仙台に疎開することに。で、そうこうするうちに歌音と付き合うように。
イチャイチャしてる二人。
そんなある日、歌音は巧に届いた令状を見つける。それは徴兵を告げる召集状だった。
巧は既に徴兵に出る決意をしており、歌音はそれを聞いて泣き崩れる。
何とかしようと言う歌音に、既に心に決めた巧はお国の為に戦うという。
そんな巧に彼女は、駆け落ちを提案する。さらに歌音は、巧が左腕の傷が悪化すれば、お勤めに行かなくていい、と告げると、巧がブチ切れる。
誰だって徴兵は嫌で、左腕一本で済むならそれでいいが、誰かが行かないと行けないんだ、とか何とか。
その言葉に打たれ、歌音は彼の決意を受け入れるのだった。
他のメンバーにも打ち明け、徴兵の日が迫ってくる中、巧は歌音を学校に呼び出す。
そこは、結婚式場の様相をした体育館だった。巧は歌音にプロポーズ、結婚式を挙げるのだった。
エピローグ、戦地にいる巧の元に手紙が届く。それは母となり、巧の安否を気遣う歌音の手紙だった。

リーゼ
廃校式の後、リーゼから「恋人ごっこ」の相手をしてほしいと頼まれる。
リーゼを憎からず思っている巧は付き合う事に。
その内、リーゼが祖国の重要プログラム(特殊な才能を持ち戦争の専門教育を施す)に選ばれ、いずれは国に戻る事を知る。
だからリーゼが、本当の恋人ではなく、恋人ごっこを選び、後腐れがないようにしたのだと知る。
そんな折、巧は可憐から告白されるも、リーゼと付き合っていると言って振る。
また歌音からも同様に詰められ、リーゼとの事を打ち明ける。
歌音は、リーゼが好きなら当たって砕けろと巧を後押しする。
帰国の前日、巧はリーゼに告白。本当に付き合ってほしいと言う。悩んだ末、リーゼは受け入れるのだった。
エピローグ、数年後、巧も徴兵を受け、戦地へ配属される。巡り巡って彼が配属されたのは、廃墟と化したかつての故郷だった。
一人佇むと声を掛けられる。それは日本にまで巧を探しにやってきたリーゼだった。彼女もまた、この地に赴任してきたのだった。

141 名前:終わりなき夏 永遠なる音律 ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 21:36:59 ID:2xYCryF80
越野 可憐
不器用ながらも可憐から告白を受け、付き合う事になる。
それを知った兄、隆は二人を祝福し、結婚させようとする。
そんな隆の行動を不審がり、隆の父から話を聞くと、隆はお勤めに行く、という事だった。
それを聞いた可憐は隆に問い詰めると、隆は二日後に出発すると言う。だが可憐は認めず、そんなのあたしの兄貴じゃない、と言って飛び出す。
隆と可憐は血が繋がっておらず、彼らには他に兄弟がいるが、皆戦災孤児だった。
隆の決意を知った巧は、何とか二人の仲直りの為に尽力する。
そして出発の日、可憐は隆に謝り、隆を見送るのであった。
エピローグ、京都に疎開した二人はそこで孤児院を開き、孤児たちと暮らしていた。
そこに隆から手紙が届き、二人でそれを読み上げるのだった。

大上 律子
律子からお勤めに行くから腕章を託される時、認めなければルート突入。
認めようとしない巧に、大人になれば分かると言ってエッチへ。
その後、お勤めに行った律子に近況を手紙で書き続ける巧。
やがて疎開になり、一同はバラバラになり、かつて住んでいた村も戦災によって無くなってしまう。
それでもある日、戦争が一時休止状態になる。巧は皆を集めて、再び演奏会をしようとする。
雪の降り積もる中、ぞくぞくと集まってくるかつての音楽部の面々。
そして、最後に、律子の後姿が……というところでおしまい。

※補足
本作は姉妹ブランド作の『マブラヴ オルタナティブ』の5年前、という位置づけ。
作中に出てくる『戦争』『徴兵』『疎開』等の単語は、それを踏まえると分かりやすい。
ただし作中ではマブラヴのことや、そもそも戦争の話もほとんど出ず、戦ってる相手がバケモノという話も出てこない。
唐突に、徴兵やら疎開やらが出てくるのみで、特にその言葉の説明はされない。
マブラヴ世界での日常生活を描きたかった、ということらしい。

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