最終更新: insect2000 2009年11月10日(火) 22:44:22履歴
390 名前:彼女たちの流儀1[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 00:52:54 ID:NlzPs5ZU0
母の死を切っ掛けに父方の白銀家に戻ってきた「兎月胡太郎」。久しぶりに再会した
双子の姉達が、かつて一緒に暮らしていた頃と変わらない姿でいることに驚くも、新しい
生活を始めるが、、姉の一人である「鳥羽莉」は昔と違って弟に対して冷めた態度を
とり続けていた。
そして月日は過ぎ、胡太郎は鳥羽莉から彼女が部長を努める演劇部が文化祭で行う
演目のヒロイン役を演じてほしいとお願いされる。演劇に興味がない胡太郎だったが、
今まで眼中にないとばかりに冷めた態度をとり続けられて彼女に複雑な感情を抱いて
いた胡太郎は、姉に初めて必要とされたと感じて役を引き受けることにした。
ある夜、胡太郎は鳥羽莉がメイドの「火乃香」の血を吸っている所を目撃してしまう。
翌日、放課後の校舎で鳥羽莉に昨夜の事を追及された胡太郎はそのまま彼女に犯されて
しまった。そして胡太郎は彼女が吸血鬼だと知る。白銀家は吸血鬼の家系であり、姉達の
容姿が昔と変わっていなかったのも吸血鬼の血に目覚めて成長が止まったためだったのだ。
(男は血統こそ保持するがただの人間であり、吸血鬼の血には目覚めない)
姉達との情事、演劇の練習、合宿、鳥羽莉達の誕生日パーティーと賑やかな日々は
過ぎ、同時にヒロイン達との物語も幕を開ける。
391 名前:彼女たちの流儀2[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 00:54:05 ID:NlzPs5ZU0
[鳥羽莉ルート]
家で学校で鳥羽莉に犯されながら日々を過ごす胡太郎。演劇の練習は順調に進むが、
文化祭前日になって鳥羽莉が卒業後イギリスに留学することを知る。それは周囲にとって
は周知の事実であり、自分だけが知らされていなかったことに胡太郎はショックを受ける。
白銀家に戻り、失った家族の繋がりを取り戻したと思っていた分、姉に裏切られたという
気持ちは強く、家に帰って鳥羽莉を詰問する胡太郎。しかし、とりつくしまのない鳥羽莉の
様子に怒りは落胆へと変わっていく。結局、自分は鳥羽莉にとって血を吸うための餌程度
の存在だったのだと嘆き、更に鳥羽莉を問い詰める胡太郎だったが、突然激昂した鳥羽莉
に押し倒されて血を吸われてしまう。火乃香に命を助けられた胡太郎は、彼女の話を聞いて
改めて鳥羽莉の気持ちについて考えるのだった。
そして文化祭本番、鳥羽莉が演じる吸血鬼を前にして昨夜の事を思い出した胡太郎は
アドリブで劇の流れを変え、鳥羽莉の気持ちを引き出そうとする。驚く鳥羽莉だったが、
やはりアドリブで対応し、自分の演じる役に本心を重ねていく。吸血鬼の自分では愛する人
と永遠に居続けられないが故に、別れの時が怖くて距離を置いてきた鳥羽莉。相手を
傷つける吸血行為も嫌っていた鳥羽莉。そんな彼女に対し、たとえつかの間でも心を通じ
合わせたいと言う胡太郎。そして鳥羽莉にキスをすることで胡太郎は彼女の心を開かせる
ことが出来たのだった。
とうとう、気持ちが通じ合い素直になった二人。ベッドの中で、鳥羽莉は留学の本当の
目的は体が成長しない吸血鬼であることを隠すために外国へ行くことなのだと打ち明ける。
そして卒業後、彼女は叔母が住む英国へと旅立っていった。
393 名前:彼女たちの流儀3[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:00:25 ID:NlzPs5ZU0
その後、英国にいる吸血鬼の叔母の元で新しい生活を始める鳥羽莉。日本でまだ学生
をしている胡太郎とは連絡を取り続けていたが、自分の側に胡太郎がいない孤独から
再び彼と共に生きる自信を無くしていく。胡太郎との思い出が増える度に彼を失うことに
対する恐怖が増していくが、とうとう、夏休みになったら会いに来るという胡太郎の電話
で心が限界に達してしまう。これ以上思い出を増やさないために、胡太郎と会うことも
できなくなった彼女は生きることに絶望して自らの首をへし折ってしまった。
ところが、首が折れても吸血鬼の生命力によって鳥羽莉は蘇生してしまう。そんな我が身
を恨む彼女の前に一匹の猫が現れる。それは集合意識体となって長い時を生きてきた
鳥羽莉の同族であった。同族と融合することで「個」を失い、感情を失いながら長い時を
生きてきた「彼ら」の中にも寂しさだけは残っていたことを知る鳥羽莉。「彼ら」は同化
できる新しい同族を求めてやってきたのであったが、絶大な力を持つ「彼ら」は取引に
よって可能な限りの望みを叶えてくれることを鳥羽莉は知る。
今の自分では胡太郎と共に生きる自信が無い。しかし、「彼ら」のように「自分」が消滅する
ことはやはり怖い。若いが故に「つかの間の価値」がまだわからない自分が「過ぎる時間の
豊かさ」を理解するための時間を欲した鳥羽莉は「彼ら」に願って胡太郎達の記憶から自分
のことを忘れさせてしまった。
十五年後、舞台役者となって世界中をまわる胡太郎の前に新しい付き人が現れる。
それは長い月日をかけて心の整理をつけることができた鳥羽莉その人であった。
394 名前:彼女たちの流儀4[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:02:46 ID:NlzPs5ZU0
[朱音ルート]
吸血鬼の血が目覚める前は病弱で寝たきりだった鳥羽莉と胡太郎の姉である「朱音」。
生の喜びを誰よりも理解していた朱音は、吸血鬼になってからも日々をきままに楽しく
生きていた。
誕生パーティーの後、演劇部の脚本を書いていたのが朱音だと知り驚く胡太郎。鳥羽莉
が演劇を始めた理由が舞台女優であった母親の影響だと教えられた胡太郎は、どうして
正式に演劇部に入らないのかと彼女に問うが、脚本を書くのはあくまで鳥羽莉のためであり、
吸血鬼になった自分達を捨てた母親を思い出すからお芝居は嫌いなのだと朱音は答える
のだった。
その後、朱音にねだられるまま彼女とセックスする胡太郎だったが、それを鳥羽莉に
見られてしまう。その夜、鳥羽莉が胡太郎の部屋にやってくるが、いつもとは様子がおかしい
彼女を訝しむ胡太郎。そこに朱音もやってくるが、胡太郎と戯れる彼女の態度に苛立つ
様子を見せた鳥羽莉は朱音を怒鳴りつけ出ていってしまった。唖然とする胡太郎だったが、
ずっと一緒だったが故に鳥羽莉の気持ちがわかる朱音は胡太郎に彼女の気持ちを教える。
鳥羽莉に嫌われたらどうしようと動揺する朱音。翌朝、鳥羽莉と話す胡太郎だったが、
そこで鳥羽莉もまた朱音に負い目を背負っていたことを知る。
お互いこそが幸せであって欲しいと願う故に歯車がかみ合わなかった姉妹。ぎくしゃく
したまま、三人は文化祭当日を迎えてしまう。そして劇の本番中、胡太郎は主役を演じて
いるのが鳥羽莉ではなく朱音であることに気づく。互いの役を演じつつも密かに語り合った
二人は、自分達の想いを役に乗せて舞台を演じきり、その後、気持ちにケジメをつけた
三人は仲直りをするのであった。
395 名前:彼女たちの流儀5[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:04:17 ID:NlzPs5ZU0
[千佐都ルート]
白銀家の三人と幼なじみの「千佐都」。胡太郎のことが好きだったが、当の胡太郎は
常に鳥羽莉の方ばかり見ていた。
白銀家でパーティの後、酔っぱらった千佐都を家に送る胡太郎。そこで彼に告白する
千佐都だったが、突然のことに混乱した胡太郎は一度彼女を落ち着かせようとする。
そんな彼に対して「鳥羽莉とは寝た癖に」と詰る千佐都。事実を突かれて動揺する
胡太郎だったが、半信半疑で言ったことが本当だったと悟り、千佐都もまた動揺する。
幼い時からなんでもできた鳥羽莉に自分はまた負けるのかと叫ぶ千佐都の言葉に
流されるように二人はその場で体を重ねてしまった。
その後、千佐都は鳥羽莉を実家の道場に呼び出し、文化祭当日の胡太郎を賭けて
合気道で勝負を挑む。最初は受ける気のない様子だった鳥羽莉だが、胡太郎のことで
挑発されるや一転、戦い始める。余裕で千佐都を捌く鳥羽莉だったが、千佐都の奥の手
に体勢を崩される鳥羽莉。勝ったと思ったその瞬間、床に倒れていたのは千佐都の方
だった。
勝負に負けたと落ち込む千佐都だったが、鳥羽莉が土壇場で吸血鬼の力を使って辛う
じて勝ったことに胡太郎は気づいていた。結局、胡太郎は演劇の本番を(代役を送り込ん
で)すっぽかし、千佐都がいるクラスの喫茶店を手伝うのだった。
396 名前:彼女たちの流儀6[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:05:40 ID:NlzPs5ZU0
[せせりルート]
演劇部の裏方を担当しているいつも元気で前向きな「せせり」。序盤でいきなり胡太郎に
告白して断られるが、めげずに演劇部でも果敢に彼にアタックしていた。
合宿の夜、胡太郎は鳥羽莉の真似をして演技をするせせりを目撃するが、鳥羽莉とは
全く違った雰囲気ながら見事な演技を見せる彼女を胡太郎は賞賛する。その後、鳥羽莉
がおたふく風邪にかかって役を降板する事になるが、先日のせせりの演技を覚えていた
胡太郎は彼女を鳥羽莉の代役に推薦した。突然の指名に自信がないせせりだったが、
彼女の演技を見た鳥羽莉にも認められ、正式に代役をすることになった。
そして、新たな配役で練習する演劇部。まだ練習に慣れていないせせりは部員達から
ダメだしされるが、気にせずにあくまで前向きな姿勢で頑張っていく。だがそれが彼女が
辛さを押し殺して明るく振る舞っていることに気づいた胡太郎は放課後に彼女を励ます。
胡太郎から元気をもらったせせりは元気を取り戻した。
翌日は休日だったが、涼月のお節介でせせりと演劇の練習をすることになった胡太郎。
そこで彼女が鳥羽莉の演技を忠実に再現しようとしているために堅くなっていることに
気がついた胡太郎は、鳥羽莉の演技を真似をするのではなく、せせりが思い描く役を
演じれば良いとアドバイスをする。続く練習の中、彼女の演劇に対する真摯な姿勢を見た
胡太郎は演劇を好きでもない自分が主役をやっていることに疑問を覚えてしまう。
その心情をせせりに吐露する胡太郎だったが、これまでとは逆にせせりに励まされる。
それによって悩みを消し去ることができた胡太郎はせせりにお礼を言うのだった。
練習後、夕立から避難するためにせせりの家に行く二人だったが、そこでせせりは再び
胡太郎に告白する。以前告白された時は彼女のことをよく知らなかったために告白を
断った胡太郎だったが、今は彼女の色々なことを知っていた。まだせせりの望む「好き」
にはまだ至らないが、彼女のことをもっと知っていきたいと返事をする。
そして文化祭は成功に終わり、その翌年に演劇部部長になった胡太郎の隣には
笑顔のせせりの姿があった。
397 名前:彼女たちの流儀7[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:09:43 ID:NlzPs5ZU0
[涼月ルート]
演劇部員でせせりの親友の「涼月」。胡太郎がせせりの告白を断るのを目撃していた
彼女はなにかにつけて胡太郎を目の敵にしていた。
ある日、学校で胡太郎と鳥羽莉の情事を偶然覗いた涼月はその場でオナニーを始めて
しまうが、逆に胡太郎に見つかってしまう。翌日、胡太郎を呼び出して変態扱いする彼女。
本来、涼月とは無関係なことを追求されて苛立った胡太郎はオナニーの件を引き合いに
出して反撃する。更なる反撃がくるかと思いきや、急に勢いをなくした涼月は胡太郎の
言うとおり自分も変態だと認めてそのまま立ち去った。
休日、街を散歩していた胡太郎は涼月の姿を見かける。無数の人形をただ見続ける涼月
に、意外にかわいらしい趣味を持っていると言う胡太郎。それに対し、人形が好きなのは
彼らには「永遠があるから」だと言う涼月。先日の件のこともあり、胡太郎は彼女の心の内を
計りかねる。その後、合宿中の深夜、朱音に血を吸われるところを涼月に目撃される胡太郎。
あんたも吸血鬼なのかと問う彼女の様子に、胡太郎は単なる好奇心以上のものを感じるが
「違う」と答えた。
合宿後、学校の屋上で今にも消えて無くなりそうな彼女の雰囲気が気になる胡太郎。
その態度が涼月は気に入らず、部活でも揉める二人。紆余曲折の末、胡太郎は涼月と
女装してデートする事になってしまった。デート当日、自分の見事な女装ぶりを涼月に馬鹿
にされることを怖れる胡太郎だったが、現れた涼月は胡太郎に「ノリコ」と名付け、「男」の
時よりもずっと柔らかい態度で接してきた。デート後、男が嫌いなのかと問う胡太郎に対して
彼女は「男とか女とかどうでもいい。私が嫌いなのは人間だ。」と言うのだった。
398 名前:彼女たちの流儀8[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:12:10 ID:NlzPs5ZU0
翌日、部活に来ない涼月。学校の屋上で給水塔の上に立つ彼女を見つけた胡太郎は、
彼女が漂わせる儚さに再び心奪われる。そんな胡太郎の内心を余所に話し始める涼月。
兄に犯された日から自分の体を「穢れたもの」としか感じられなくなったこと。汚れていく
自分の体の時間を止めたくて自殺を図ったこと。せせりによって救われたこと。胡太郎と
自分は似ていること。時が止まった「永遠」を求めて吸血鬼になりたかったこと----。
話し続ける涼月だったが、突然の強風に煽られ、給水塔の上から落下してしまう。胡太郎
は間一髪で彼女を受け止めて思わず怒鳴りつけるが、涼月は「やっぱり死ぬのは怖いね」
と、悪びれた様子もない。そのまま笑い出す二人だったが、突然、「キスしてもいいよ」と
言いだす涼月。自分の心を見透かされ、彼女への好意を自覚した胡太郎はキスをする。
そして爛れたことをしようという彼女の誘いにのって二人は屋上でセックスする。
(汚れるのも悪くないって思った by 涼月)
2週間後、街でデートをする「ノリコ」と涼月。自分は涼月の事が好きだが、相変わらず
彼女の気持ちは不明なままでやきもきする胡太郎。そんな彼に涼月は自分の気持ちを
伝えるのだった。
399 名前:彼女たちの流儀9[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:13:44 ID:NlzPs5ZU0
[火乃香ルート]
白銀邸の家事を切り盛りするメイドの火乃香。誕生パーティ後、火乃香を探していた
胡太郎は朱音と火乃香の情事(吸血鬼としての食事行為)に踏み込んでしまう。朱音に
誘われた勢いで火乃香を犯す胡太郎だったが、火乃香が処女だったことを知って動揺
する。翌日、火乃香に謝罪しようとする胡太郎だが、火乃香は昨夜のことは気にして
いないという。しかし、酷い惨状を示す邸内の様子を見るにとてもそうは見えなかった。
ちゃんと話をしようとする胡太郎だったが、彼女は自室に籠もってしまった。鳥羽莉から
部屋の鍵を借りて火乃香の部屋に入る胡太郎。慌てる火乃香だが、今の自分の心境を
胡太郎に語り、彼の言葉によって自分が彼のことを好きだと気づく。そして彼女は胡太郎に
情熱的なキスをするのだった。
ところが、翌日。火乃香は「胡太郎のことを好きになってしまったからもうここには居られ
ない」といって突然屋敷を出て行ってしまう。驚く胡太郎だったが、火乃香が吸血鬼を監視
する為にに国から派遣された人間(管理官)だと鳥羽莉から知らされる。娘と同じく管理官
だった火乃香の父は吸血鬼の一族と恋に落ちて死んでおり、そのことが火乃香の心の中で
拘りとなっていたのだ。
更に翌日の文化祭当日、胡太郎が行方不明になって慌てる演劇部。彼の帰還を信じる
鳥羽莉は演劇の準備を進めさせる。その頃、胡太郎は火乃香に追いついて彼女に自分の
気持ちを伝えていた。それによって自分の気持ちに素直になれた火乃香は、演劇に
間に合うように全速力で胡太郎を学校へ送り届ける。そして、学校で二人を待っていた
朱音に諭され、火乃香はようやく白銀邸に戻る決心がつくのだった。
その後、父親の墓参りに行く火乃香と胡太郎。父親の墓前で自分も白銀の人間に
囚われたと報告し、これから共に生きていくことを二人は誓った。
402 名前:彼女たちの流儀10[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 02:02:59 ID:NlzPs5ZU0
[月の箱庭(鳥羽莉IFルート)」]
主に鳥羽莉視点からの物語。姉の冷めた態度に鬱屈していた胡太郎だったが、実は
鳥羽莉は胡太郎だけを見つめ、内心乙女心を募らせていた。
文化祭前夜、練習に身が入っていなかった胡太郎を叱責する鳥羽莉だったが、胡太郎
から何故留学のことを黙っていたのか詰問される。互いの心がすれ違う中、激昂した
鳥羽莉はその場で胡太郎を犯し、血を吸ってしまう。火乃香によって正気に戻る鳥羽莉
だったが、胡太郎に血を吸う化け物の本性を見せてしまったことに恐怖して家を飛び出して
しまった。彼女を追いかける胡太郎。庭で屋敷の猫(ナイト)に会い、こっちへ来いと招くが、
ナイトはただの猫ではなく、自分を招いた者の血を吸って、その願いを叶える吸血種だった。
招かれたことで胡太郎を取り込んだナイトはその力を振るい、演劇の内容通りの世界を
出現させてしまった。
異変に気付いた朱音達と帰ってきた鳥羽莉は、何故胡太郎がこんな世界を望んだのか
疑問に思いながら世界に突入する。そこで胡太郎を発見して連れ帰ろうとするが、胡太郎
は正気を失い、演劇で自分が演じるヒロインになりきっていた。ここで、胡太郎の鳥羽莉へ
の想いと演劇の接点に気付いた朱音は鳥羽莉に胡太郎を連れ戻させようとする。葛藤の末、
演劇の筋書きにあわせて胡太郎に自分の気持ちを告白する鳥羽莉。そして、胡太郎は正気
に戻り、世界は元の姿に還っていった。
全てが終わった後、胡太郎は吸血鬼になっていた。愛する人も同じ存在になったことで
憂いが無くなった鳥羽莉は素直に胡太郎と愛し合う。そして一年後、鳥羽莉は学校を卒業
した胡太郎や朱音達と共に英国へ向けて旅立っていった。
404 名前:彼女たちの流儀11[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 02:04:34 ID:NlzPs5ZU0
以上。支援感謝です。
吸血鬼ものですが、伝奇的要素は少年少女達(特に鳥羽莉と胡太郎)の恋物語を描く
為の小道具に徹しているため、バトル要素などはありません。
[鳥羽莉ルートまとめ、というか書き直し]
全ての原因は鳥羽莉は永遠を生きる吸血鬼であり、彼女が愛する胡太郎が有限の寿命を
持つ人間だったところにある。胡太郎がいつか鳥羽莉を残して死ぬことはわかっていた為、
鳥羽莉は「愛する人をいつか失って悲しむくらいならこれ以上繋がりを持たなければいい」を
行動原理として定めてしまう(これが本編中の冷めた態度の原因)。
自分のルートで一度は胡太郎と共に生きることを決意する鳥羽莉だったが、英国に移住後、
再び不安が首をもたげてしまう。心が追い詰められ、最早愛する人との思い出を積み重ねる
ことにも耐えられなくなった鳥羽莉は、次に胡太郎と会えば彼を殺してしまうことになると
悟る。苦しい現実から逃げるために一度は自殺する鳥羽莉だったが、強靱な吸血鬼の
生命力は彼女が死ぬことを許さなかった。
そこに現れたのが集合意識体となった同族。この時点で鳥羽莉に用意された選択肢は
以下のふたつ。
(1)現状維持。このまま胡太郎が会いに来るのを待つ。
(2)「彼ら」と同化して「個」をなくして生きる。
ここで(1)も(2)も選べなかった彼女は「第3の選択肢」として、「自分の心が成長するまで
胡太郎との再会を伸ばす」ことを選び、それが記憶を消すことに繋がる。そして十五年後、
心の整理が出来た鳥羽莉は胡太郎と再会することになる。
「月の箱庭」では、胡太郎が吸血鬼になったために彼女の悩みは解決し、二人仲良く永遠
に生きる道を歩み始める。
ちなみに双子の姉である朱音は吸血鬼に目覚める前はいつ死んでもおかしくないほど
病弱で常に死の影に怯えていたため、吸血鬼になって初めて得た生の喜びを素直に謳歌
している。そのため、鳥羽莉が抱えている諸々の悩みを既に克服したといえるような状態に
あり、二人は対照的に描かれている。
母の死を切っ掛けに父方の白銀家に戻ってきた「兎月胡太郎」。久しぶりに再会した
双子の姉達が、かつて一緒に暮らしていた頃と変わらない姿でいることに驚くも、新しい
生活を始めるが、、姉の一人である「鳥羽莉」は昔と違って弟に対して冷めた態度を
とり続けていた。
そして月日は過ぎ、胡太郎は鳥羽莉から彼女が部長を努める演劇部が文化祭で行う
演目のヒロイン役を演じてほしいとお願いされる。演劇に興味がない胡太郎だったが、
今まで眼中にないとばかりに冷めた態度をとり続けられて彼女に複雑な感情を抱いて
いた胡太郎は、姉に初めて必要とされたと感じて役を引き受けることにした。
ある夜、胡太郎は鳥羽莉がメイドの「火乃香」の血を吸っている所を目撃してしまう。
翌日、放課後の校舎で鳥羽莉に昨夜の事を追及された胡太郎はそのまま彼女に犯されて
しまった。そして胡太郎は彼女が吸血鬼だと知る。白銀家は吸血鬼の家系であり、姉達の
容姿が昔と変わっていなかったのも吸血鬼の血に目覚めて成長が止まったためだったのだ。
(男は血統こそ保持するがただの人間であり、吸血鬼の血には目覚めない)
姉達との情事、演劇の練習、合宿、鳥羽莉達の誕生日パーティーと賑やかな日々は
過ぎ、同時にヒロイン達との物語も幕を開ける。
391 名前:彼女たちの流儀2[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 00:54:05 ID:NlzPs5ZU0
[鳥羽莉ルート]
家で学校で鳥羽莉に犯されながら日々を過ごす胡太郎。演劇の練習は順調に進むが、
文化祭前日になって鳥羽莉が卒業後イギリスに留学することを知る。それは周囲にとって
は周知の事実であり、自分だけが知らされていなかったことに胡太郎はショックを受ける。
白銀家に戻り、失った家族の繋がりを取り戻したと思っていた分、姉に裏切られたという
気持ちは強く、家に帰って鳥羽莉を詰問する胡太郎。しかし、とりつくしまのない鳥羽莉の
様子に怒りは落胆へと変わっていく。結局、自分は鳥羽莉にとって血を吸うための餌程度
の存在だったのだと嘆き、更に鳥羽莉を問い詰める胡太郎だったが、突然激昂した鳥羽莉
に押し倒されて血を吸われてしまう。火乃香に命を助けられた胡太郎は、彼女の話を聞いて
改めて鳥羽莉の気持ちについて考えるのだった。
そして文化祭本番、鳥羽莉が演じる吸血鬼を前にして昨夜の事を思い出した胡太郎は
アドリブで劇の流れを変え、鳥羽莉の気持ちを引き出そうとする。驚く鳥羽莉だったが、
やはりアドリブで対応し、自分の演じる役に本心を重ねていく。吸血鬼の自分では愛する人
と永遠に居続けられないが故に、別れの時が怖くて距離を置いてきた鳥羽莉。相手を
傷つける吸血行為も嫌っていた鳥羽莉。そんな彼女に対し、たとえつかの間でも心を通じ
合わせたいと言う胡太郎。そして鳥羽莉にキスをすることで胡太郎は彼女の心を開かせる
ことが出来たのだった。
とうとう、気持ちが通じ合い素直になった二人。ベッドの中で、鳥羽莉は留学の本当の
目的は体が成長しない吸血鬼であることを隠すために外国へ行くことなのだと打ち明ける。
そして卒業後、彼女は叔母が住む英国へと旅立っていった。
393 名前:彼女たちの流儀3[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:00:25 ID:NlzPs5ZU0
その後、英国にいる吸血鬼の叔母の元で新しい生活を始める鳥羽莉。日本でまだ学生
をしている胡太郎とは連絡を取り続けていたが、自分の側に胡太郎がいない孤独から
再び彼と共に生きる自信を無くしていく。胡太郎との思い出が増える度に彼を失うことに
対する恐怖が増していくが、とうとう、夏休みになったら会いに来るという胡太郎の電話
で心が限界に達してしまう。これ以上思い出を増やさないために、胡太郎と会うことも
できなくなった彼女は生きることに絶望して自らの首をへし折ってしまった。
ところが、首が折れても吸血鬼の生命力によって鳥羽莉は蘇生してしまう。そんな我が身
を恨む彼女の前に一匹の猫が現れる。それは集合意識体となって長い時を生きてきた
鳥羽莉の同族であった。同族と融合することで「個」を失い、感情を失いながら長い時を
生きてきた「彼ら」の中にも寂しさだけは残っていたことを知る鳥羽莉。「彼ら」は同化
できる新しい同族を求めてやってきたのであったが、絶大な力を持つ「彼ら」は取引に
よって可能な限りの望みを叶えてくれることを鳥羽莉は知る。
今の自分では胡太郎と共に生きる自信が無い。しかし、「彼ら」のように「自分」が消滅する
ことはやはり怖い。若いが故に「つかの間の価値」がまだわからない自分が「過ぎる時間の
豊かさ」を理解するための時間を欲した鳥羽莉は「彼ら」に願って胡太郎達の記憶から自分
のことを忘れさせてしまった。
十五年後、舞台役者となって世界中をまわる胡太郎の前に新しい付き人が現れる。
それは長い月日をかけて心の整理をつけることができた鳥羽莉その人であった。
394 名前:彼女たちの流儀4[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:02:46 ID:NlzPs5ZU0
[朱音ルート]
吸血鬼の血が目覚める前は病弱で寝たきりだった鳥羽莉と胡太郎の姉である「朱音」。
生の喜びを誰よりも理解していた朱音は、吸血鬼になってからも日々をきままに楽しく
生きていた。
誕生パーティーの後、演劇部の脚本を書いていたのが朱音だと知り驚く胡太郎。鳥羽莉
が演劇を始めた理由が舞台女優であった母親の影響だと教えられた胡太郎は、どうして
正式に演劇部に入らないのかと彼女に問うが、脚本を書くのはあくまで鳥羽莉のためであり、
吸血鬼になった自分達を捨てた母親を思い出すからお芝居は嫌いなのだと朱音は答える
のだった。
その後、朱音にねだられるまま彼女とセックスする胡太郎だったが、それを鳥羽莉に
見られてしまう。その夜、鳥羽莉が胡太郎の部屋にやってくるが、いつもとは様子がおかしい
彼女を訝しむ胡太郎。そこに朱音もやってくるが、胡太郎と戯れる彼女の態度に苛立つ
様子を見せた鳥羽莉は朱音を怒鳴りつけ出ていってしまった。唖然とする胡太郎だったが、
ずっと一緒だったが故に鳥羽莉の気持ちがわかる朱音は胡太郎に彼女の気持ちを教える。
鳥羽莉に嫌われたらどうしようと動揺する朱音。翌朝、鳥羽莉と話す胡太郎だったが、
そこで鳥羽莉もまた朱音に負い目を背負っていたことを知る。
お互いこそが幸せであって欲しいと願う故に歯車がかみ合わなかった姉妹。ぎくしゃく
したまま、三人は文化祭当日を迎えてしまう。そして劇の本番中、胡太郎は主役を演じて
いるのが鳥羽莉ではなく朱音であることに気づく。互いの役を演じつつも密かに語り合った
二人は、自分達の想いを役に乗せて舞台を演じきり、その後、気持ちにケジメをつけた
三人は仲直りをするのであった。
395 名前:彼女たちの流儀5[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:04:17 ID:NlzPs5ZU0
[千佐都ルート]
白銀家の三人と幼なじみの「千佐都」。胡太郎のことが好きだったが、当の胡太郎は
常に鳥羽莉の方ばかり見ていた。
白銀家でパーティの後、酔っぱらった千佐都を家に送る胡太郎。そこで彼に告白する
千佐都だったが、突然のことに混乱した胡太郎は一度彼女を落ち着かせようとする。
そんな彼に対して「鳥羽莉とは寝た癖に」と詰る千佐都。事実を突かれて動揺する
胡太郎だったが、半信半疑で言ったことが本当だったと悟り、千佐都もまた動揺する。
幼い時からなんでもできた鳥羽莉に自分はまた負けるのかと叫ぶ千佐都の言葉に
流されるように二人はその場で体を重ねてしまった。
その後、千佐都は鳥羽莉を実家の道場に呼び出し、文化祭当日の胡太郎を賭けて
合気道で勝負を挑む。最初は受ける気のない様子だった鳥羽莉だが、胡太郎のことで
挑発されるや一転、戦い始める。余裕で千佐都を捌く鳥羽莉だったが、千佐都の奥の手
に体勢を崩される鳥羽莉。勝ったと思ったその瞬間、床に倒れていたのは千佐都の方
だった。
勝負に負けたと落ち込む千佐都だったが、鳥羽莉が土壇場で吸血鬼の力を使って辛う
じて勝ったことに胡太郎は気づいていた。結局、胡太郎は演劇の本番を(代役を送り込ん
で)すっぽかし、千佐都がいるクラスの喫茶店を手伝うのだった。
396 名前:彼女たちの流儀6[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:05:40 ID:NlzPs5ZU0
[せせりルート]
演劇部の裏方を担当しているいつも元気で前向きな「せせり」。序盤でいきなり胡太郎に
告白して断られるが、めげずに演劇部でも果敢に彼にアタックしていた。
合宿の夜、胡太郎は鳥羽莉の真似をして演技をするせせりを目撃するが、鳥羽莉とは
全く違った雰囲気ながら見事な演技を見せる彼女を胡太郎は賞賛する。その後、鳥羽莉
がおたふく風邪にかかって役を降板する事になるが、先日のせせりの演技を覚えていた
胡太郎は彼女を鳥羽莉の代役に推薦した。突然の指名に自信がないせせりだったが、
彼女の演技を見た鳥羽莉にも認められ、正式に代役をすることになった。
そして、新たな配役で練習する演劇部。まだ練習に慣れていないせせりは部員達から
ダメだしされるが、気にせずにあくまで前向きな姿勢で頑張っていく。だがそれが彼女が
辛さを押し殺して明るく振る舞っていることに気づいた胡太郎は放課後に彼女を励ます。
胡太郎から元気をもらったせせりは元気を取り戻した。
翌日は休日だったが、涼月のお節介でせせりと演劇の練習をすることになった胡太郎。
そこで彼女が鳥羽莉の演技を忠実に再現しようとしているために堅くなっていることに
気がついた胡太郎は、鳥羽莉の演技を真似をするのではなく、せせりが思い描く役を
演じれば良いとアドバイスをする。続く練習の中、彼女の演劇に対する真摯な姿勢を見た
胡太郎は演劇を好きでもない自分が主役をやっていることに疑問を覚えてしまう。
その心情をせせりに吐露する胡太郎だったが、これまでとは逆にせせりに励まされる。
それによって悩みを消し去ることができた胡太郎はせせりにお礼を言うのだった。
練習後、夕立から避難するためにせせりの家に行く二人だったが、そこでせせりは再び
胡太郎に告白する。以前告白された時は彼女のことをよく知らなかったために告白を
断った胡太郎だったが、今は彼女の色々なことを知っていた。まだせせりの望む「好き」
にはまだ至らないが、彼女のことをもっと知っていきたいと返事をする。
そして文化祭は成功に終わり、その翌年に演劇部部長になった胡太郎の隣には
笑顔のせせりの姿があった。
397 名前:彼女たちの流儀7[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:09:43 ID:NlzPs5ZU0
[涼月ルート]
演劇部員でせせりの親友の「涼月」。胡太郎がせせりの告白を断るのを目撃していた
彼女はなにかにつけて胡太郎を目の敵にしていた。
ある日、学校で胡太郎と鳥羽莉の情事を偶然覗いた涼月はその場でオナニーを始めて
しまうが、逆に胡太郎に見つかってしまう。翌日、胡太郎を呼び出して変態扱いする彼女。
本来、涼月とは無関係なことを追求されて苛立った胡太郎はオナニーの件を引き合いに
出して反撃する。更なる反撃がくるかと思いきや、急に勢いをなくした涼月は胡太郎の
言うとおり自分も変態だと認めてそのまま立ち去った。
休日、街を散歩していた胡太郎は涼月の姿を見かける。無数の人形をただ見続ける涼月
に、意外にかわいらしい趣味を持っていると言う胡太郎。それに対し、人形が好きなのは
彼らには「永遠があるから」だと言う涼月。先日の件のこともあり、胡太郎は彼女の心の内を
計りかねる。その後、合宿中の深夜、朱音に血を吸われるところを涼月に目撃される胡太郎。
あんたも吸血鬼なのかと問う彼女の様子に、胡太郎は単なる好奇心以上のものを感じるが
「違う」と答えた。
合宿後、学校の屋上で今にも消えて無くなりそうな彼女の雰囲気が気になる胡太郎。
その態度が涼月は気に入らず、部活でも揉める二人。紆余曲折の末、胡太郎は涼月と
女装してデートする事になってしまった。デート当日、自分の見事な女装ぶりを涼月に馬鹿
にされることを怖れる胡太郎だったが、現れた涼月は胡太郎に「ノリコ」と名付け、「男」の
時よりもずっと柔らかい態度で接してきた。デート後、男が嫌いなのかと問う胡太郎に対して
彼女は「男とか女とかどうでもいい。私が嫌いなのは人間だ。」と言うのだった。
398 名前:彼女たちの流儀8[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:12:10 ID:NlzPs5ZU0
翌日、部活に来ない涼月。学校の屋上で給水塔の上に立つ彼女を見つけた胡太郎は、
彼女が漂わせる儚さに再び心奪われる。そんな胡太郎の内心を余所に話し始める涼月。
兄に犯された日から自分の体を「穢れたもの」としか感じられなくなったこと。汚れていく
自分の体の時間を止めたくて自殺を図ったこと。せせりによって救われたこと。胡太郎と
自分は似ていること。時が止まった「永遠」を求めて吸血鬼になりたかったこと----。
話し続ける涼月だったが、突然の強風に煽られ、給水塔の上から落下してしまう。胡太郎
は間一髪で彼女を受け止めて思わず怒鳴りつけるが、涼月は「やっぱり死ぬのは怖いね」
と、悪びれた様子もない。そのまま笑い出す二人だったが、突然、「キスしてもいいよ」と
言いだす涼月。自分の心を見透かされ、彼女への好意を自覚した胡太郎はキスをする。
そして爛れたことをしようという彼女の誘いにのって二人は屋上でセックスする。
(汚れるのも悪くないって思った by 涼月)
2週間後、街でデートをする「ノリコ」と涼月。自分は涼月の事が好きだが、相変わらず
彼女の気持ちは不明なままでやきもきする胡太郎。そんな彼に涼月は自分の気持ちを
伝えるのだった。
399 名前:彼女たちの流儀9[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 01:13:44 ID:NlzPs5ZU0
[火乃香ルート]
白銀邸の家事を切り盛りするメイドの火乃香。誕生パーティ後、火乃香を探していた
胡太郎は朱音と火乃香の情事(吸血鬼としての食事行為)に踏み込んでしまう。朱音に
誘われた勢いで火乃香を犯す胡太郎だったが、火乃香が処女だったことを知って動揺
する。翌日、火乃香に謝罪しようとする胡太郎だが、火乃香は昨夜のことは気にして
いないという。しかし、酷い惨状を示す邸内の様子を見るにとてもそうは見えなかった。
ちゃんと話をしようとする胡太郎だったが、彼女は自室に籠もってしまった。鳥羽莉から
部屋の鍵を借りて火乃香の部屋に入る胡太郎。慌てる火乃香だが、今の自分の心境を
胡太郎に語り、彼の言葉によって自分が彼のことを好きだと気づく。そして彼女は胡太郎に
情熱的なキスをするのだった。
ところが、翌日。火乃香は「胡太郎のことを好きになってしまったからもうここには居られ
ない」といって突然屋敷を出て行ってしまう。驚く胡太郎だったが、火乃香が吸血鬼を監視
する為にに国から派遣された人間(管理官)だと鳥羽莉から知らされる。娘と同じく管理官
だった火乃香の父は吸血鬼の一族と恋に落ちて死んでおり、そのことが火乃香の心の中で
拘りとなっていたのだ。
更に翌日の文化祭当日、胡太郎が行方不明になって慌てる演劇部。彼の帰還を信じる
鳥羽莉は演劇の準備を進めさせる。その頃、胡太郎は火乃香に追いついて彼女に自分の
気持ちを伝えていた。それによって自分の気持ちに素直になれた火乃香は、演劇に
間に合うように全速力で胡太郎を学校へ送り届ける。そして、学校で二人を待っていた
朱音に諭され、火乃香はようやく白銀邸に戻る決心がつくのだった。
その後、父親の墓参りに行く火乃香と胡太郎。父親の墓前で自分も白銀の人間に
囚われたと報告し、これから共に生きていくことを二人は誓った。
402 名前:彼女たちの流儀10[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 02:02:59 ID:NlzPs5ZU0
[月の箱庭(鳥羽莉IFルート)」]
主に鳥羽莉視点からの物語。姉の冷めた態度に鬱屈していた胡太郎だったが、実は
鳥羽莉は胡太郎だけを見つめ、内心乙女心を募らせていた。
文化祭前夜、練習に身が入っていなかった胡太郎を叱責する鳥羽莉だったが、胡太郎
から何故留学のことを黙っていたのか詰問される。互いの心がすれ違う中、激昂した
鳥羽莉はその場で胡太郎を犯し、血を吸ってしまう。火乃香によって正気に戻る鳥羽莉
だったが、胡太郎に血を吸う化け物の本性を見せてしまったことに恐怖して家を飛び出して
しまった。彼女を追いかける胡太郎。庭で屋敷の猫(ナイト)に会い、こっちへ来いと招くが、
ナイトはただの猫ではなく、自分を招いた者の血を吸って、その願いを叶える吸血種だった。
招かれたことで胡太郎を取り込んだナイトはその力を振るい、演劇の内容通りの世界を
出現させてしまった。
異変に気付いた朱音達と帰ってきた鳥羽莉は、何故胡太郎がこんな世界を望んだのか
疑問に思いながら世界に突入する。そこで胡太郎を発見して連れ帰ろうとするが、胡太郎
は正気を失い、演劇で自分が演じるヒロインになりきっていた。ここで、胡太郎の鳥羽莉へ
の想いと演劇の接点に気付いた朱音は鳥羽莉に胡太郎を連れ戻させようとする。葛藤の末、
演劇の筋書きにあわせて胡太郎に自分の気持ちを告白する鳥羽莉。そして、胡太郎は正気
に戻り、世界は元の姿に還っていった。
全てが終わった後、胡太郎は吸血鬼になっていた。愛する人も同じ存在になったことで
憂いが無くなった鳥羽莉は素直に胡太郎と愛し合う。そして一年後、鳥羽莉は学校を卒業
した胡太郎や朱音達と共に英国へ向けて旅立っていった。
404 名前:彼女たちの流儀11[sage] 投稿日:2009/11/08(日) 02:04:34 ID:NlzPs5ZU0
以上。支援感謝です。
吸血鬼ものですが、伝奇的要素は少年少女達(特に鳥羽莉と胡太郎)の恋物語を描く
為の小道具に徹しているため、バトル要素などはありません。
[鳥羽莉ルートまとめ、というか書き直し]
全ての原因は鳥羽莉は永遠を生きる吸血鬼であり、彼女が愛する胡太郎が有限の寿命を
持つ人間だったところにある。胡太郎がいつか鳥羽莉を残して死ぬことはわかっていた為、
鳥羽莉は「愛する人をいつか失って悲しむくらいならこれ以上繋がりを持たなければいい」を
行動原理として定めてしまう(これが本編中の冷めた態度の原因)。
自分のルートで一度は胡太郎と共に生きることを決意する鳥羽莉だったが、英国に移住後、
再び不安が首をもたげてしまう。心が追い詰められ、最早愛する人との思い出を積み重ねる
ことにも耐えられなくなった鳥羽莉は、次に胡太郎と会えば彼を殺してしまうことになると
悟る。苦しい現実から逃げるために一度は自殺する鳥羽莉だったが、強靱な吸血鬼の
生命力は彼女が死ぬことを許さなかった。
そこに現れたのが集合意識体となった同族。この時点で鳥羽莉に用意された選択肢は
以下のふたつ。
(1)現状維持。このまま胡太郎が会いに来るのを待つ。
(2)「彼ら」と同化して「個」をなくして生きる。
ここで(1)も(2)も選べなかった彼女は「第3の選択肢」として、「自分の心が成長するまで
胡太郎との再会を伸ばす」ことを選び、それが記憶を消すことに繋がる。そして十五年後、
心の整理が出来た鳥羽莉は胡太郎と再会することになる。
「月の箱庭」では、胡太郎が吸血鬼になったために彼女の悩みは解決し、二人仲良く永遠
に生きる道を歩み始める。
ちなみに双子の姉である朱音は吸血鬼に目覚める前はいつ死んでもおかしくないほど
病弱で常に死の影に怯えていたため、吸血鬼になって初めて得た生の喜びを素直に謳歌
している。そのため、鳥羽莉が抱えている諸々の悩みを既に克服したといえるような状態に
あり、二人は対照的に描かれている。
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