177 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:45:44 ID:lWPxlaa60 [1/10]
Tiny Bell from BONBON-companyより発売の『閉じたセカイのトリコロニー』のストーリーを投下します。
推敲が下手でかなり長くなってしまいましたがご了承ください。

178 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:46:58 ID:lWPxlaa60 [2/10]
chapter1
主人公、宮守 奏(みやもり みなと)は平凡な学生生活を送っていたが、ある日迷子になっていた少女、在原 和歌(ありはら のどか)を助けたことで彼の環境は劇的に変化した
翌日、転校生として現れたのどかに、クラスメイトがいる前で唐突に告白され、猛烈なアタックを受け続けることとなる
一目ぼれだとしてもあまりに突飛な言動を繰り返すのどかに戸惑っていたみなとだったが、彼女と共に過ごす学生生活は楽しいものであり、趣味が合うこともあり、みなとは次第にのどかに惹かれていく
やがて二人は恋人同士となり、9月27日、ついに二人は結ばれる
しかし、翌日目が覚めたみなとは、日付が、のどかが転校してきて告白してくる日、9月2日になっていることに気付いた

179 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:47:58 ID:lWPxlaa60 [3/10]
chapter2
混乱したまま、みなとは学校に行き、自分が寝ぼけているわけではなく、本当に9月2日になっていることを確認する
他の人間は誰しも時間が戻っていることに気付いていなかった
のどかがやってきてからの一カ月は夢であったと思おうとしたが、あまりに鮮明すぎた
自分の部屋に帰ると、全裸にマントを羽織っただけの謎の少女、ニアがいつの間にかいて、そのまま襲われてしまう
その後、ニアは、この世界がループしていること、自分が時の悪魔であり、しかしこのループを引き起こしている張本人ではないこと、みなとが偶然ループの『特異点』となる存在となり、本来ループすることで失うはずの記憶を引き継ぐようになっていることを説明し、ループの原因を探すのでそれまで適当に生活していろと言い残し去っていく

奇矯な行動を繰り返すニアに、みなとは半信半疑だったが、喚いていても始まらないので、今を楽しむことにする
『先の展開を既に経験している』という事実は、みなとに様々な可能性を齎した
答えを知っている学力テストではいい点数を取ることもできたし、宝くじの当選番号をあらかじめ記憶しておくことで大金を当てることもできた
様々な試行錯誤をし、時には熊に何度も殺されながら武道の道を極めたり、時にはグルメの旅に出たり、時には転校生と称して家にまでやってきたニアに犯されたり、時には妹の下着に手を出しているところを本人に目撃され奴隷にされるなど、様々な人生を歩み、その度にループしてきた
みなとの行動によって、展開は大きく変化したが、介入の余地がほとんどないからか初日の出来事だけはほとんど変化していなかった
しかし、最初に熱烈に告白してきたのどかは、なぜか告白してこなくなっていた
普通の転校生として周囲に溶け込むのどかだったが、みなとへの好意がなくなったわけではなく、さりげなくアプローチしてきていた
無限に繰り返されるループの中、みなとは、のどかだけではなく、他の女の子と結ばれる道も歩んでいた
幼なじみの加賀美 祈理(かがみ いのり)、実の妹である宮守 心音(みやもり ころね)、そしてころねの親友である四条 悠姫(しじょう ゆうき)
彼女たちとそれぞれ仲良くなって、みなとは、彼女たちが自分に並々ならぬ愛情を抱いていることに気付く
幼いころから自分を苛めてきたいのりも、本当の妹であるころねも、明るく元気なゆうきも、皆前々からみなとに好意を抱いていたのだ
前までは全く気付いていなかったが、ループする内に彼女たちの本心、すなわち自分への好意が透けて見えていた
みなとは、彼女たちの好意に対し、のどかとの一件について考える時もあったが、巻き戻ってしまった世界のことを言っても仕方がなく、少なくともループしているこの状況ではその想いに真摯に応えようと、彼女たちと恋人同士になっていた
最初に告白してこなくなったのどかとも、違う形で結ばれる展開になったこともあった
しかし、みなとがどのような人生を歩んできても、9月28日には必ずループが発生し、9月2日に戻ってしまっていた

180 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:48:50 ID:lWPxlaa60 [4/10]
chapter3
ループする人生を謳歌していたみなとだったが、ある日言葉では言い表せない違和感を覚え、そろそろループから脱却しようと考えるようになる
ニアは自分で原因を探ると言っていたが、いい加減な彼女に任せていてはずっとこのまま変わらない気がしたみなとは、ニアにループから抜け出す方法を聞く
すると彼女は、自分ではループする力を使っていないが、何者かが自分の力を借りてループする世界を作り出していると言う
みなとは、ループ世界を生みだしている犯人を探すことにする

街を探索していたみなとは、違和感の正体に気がつく
それまであった建物のいくつかが空き地となっていたのだ
街の人にそのことを聞いても、そこはずっと空き地であったと返ってくるだけだった
その後、みなとは別の場所で強烈な違和感に吐き気を催すが、ニアに助けられる
ニア曰く、建物であった場所はループ世界から外れてしまう『剥落』という現象が起きていて、そこには穴が出来てしまっているという
剥落してしまった物は、ループ世界に住む人からは忘れ去られ、なかったことになってしまう
ループを認識している人が近づくと、穴から落ちてしまう危険性があるので、ニアはそれらを片っ端から埋めて違和感のないように修正し、みなとを守っていた
そして、剥落が起きている理由が、ループを何度も繰り返しているせいだと説明する
ループ世界は消耗品のビデオテープの様なもので、何度も繰り返し巻き戻し再生していると、そのうちテープが伸び切って使いものにならなくなってしまう
みなとが特異点となり偶然記憶を引き継ぐようになったのもその弊害であり、このままではループ世界が崩壊し無に帰ってしまうという
それを聞いたみなとは、なんとしても犯人を見つけ出すことを決意する

みなとは、自分なりに犯人を推理していた
ニアは決して力を与えた犯人をみなとに教えることはなく、自分で探したほうがおもしろいと言う悪魔らしい理由で傍観していたが、犯人はみなとの知っている人間であるということだけは教えてくれた
そして、犯人はみなとと同じく、ループしている認識を持っていて、それをみなとに隠していると言うことも分かった
犯人は、何かに成功するためにループを引き起こしていると言うよりは、何かに失敗しそれをやり直すためにループしていると考えた
みなとの親友の基史とも話し、みなとが記憶を引き継ぐようになったのも犯人の思惑通りだったのではないかと言う結論になる
そこから、みなとは自分に好意を持っている人間、自分と結ばれた未来を持つ4人を疑い始める
4人の内の誰かが自分と結ばれるためにループを引き起こしているのではないかと思うようになる
自分がのどかと結ばれたから他の三人はそれをやり直すためにループを引き起こしているのだと
のどか自身も、最初に猛烈に告白してきたが、次以降のループではしなくなったという、記憶を引き継いでいないと出来ないことをしていて、疑わしい対象であった
しかし、犯人が自分の目的を果たした時点でループをやめればいいはずだが、どのような展開になっても必ずループが起きている点が不可解だった
その理由が分からないまま、みなとは犯人をニアの前に連れて行き、もうループをさせない約束を取りつける
(のどか、いのり、ゆうきところね、いずれかを犯人だと突き止める)

181 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:49:56 ID:lWPxlaa60 [5/10]
chapter4
次の日、ループから抜け出したと思っていたみなとが迎えた朝は、やはり9月2日だった
呆然とするみなとに、ころねは、自らもニアの力を受け継いでいることを見せ、みなとに全てを説明するべく共に他の少女達の元へ向かう
そして、ループする力は、のどか、いのり、ころね、ゆうきの四人全員が持っていたことが発覚する
どうしてこんなことをしたのか、世界に剥落が進んでいることも知っていて、しかもループしているという認識を隠したまま自分を弄んだのかと憤慨するみなとだったが、彼女たちに決してそういう意図はなかったと知る
このループの世界は、9月28日の時点でこの四人のうち誰か一人でも『やり直したい』と思ったら巻き戻しが起こってしまう
たとえみなとが誰か一人と結ばれても、他の三人はそれを認めず、再びやり直してしまうのだ
全ては、みなとが好きだから、他の誰にも渡したくないと言う純粋な愛情を持っているからであった

既に世界は崩壊しかけており、クラスメイトの一人までが剥落し、居ないことになっていた
みなとはニアに詰め寄り、犯人が複数いたことをなぜ教えなかったと問い詰めるが、ニアは、決して嘘は言っていない、みなとが勝手に勘違いしただけだと受け流す
みなとは、ニアが悪魔であり、決して善意で動いているのではなく、ただ面白がっていただけだったと言うことを改めて思い知らされる
このループの世界を止めさせようとニアを責めるが、ニアはこのループを引き起こしているのはあの四人なのだと繰り返し説明する
全ては四人がみなとに尋常ならざる執着心を抱いているせいであり、この現状を打破するには四人を納得させやり直させないようにするしかないと言う
つまり、四人のうち誰か一人を選び、他の三人の愛を捨てることしかない
しかし、みなとは繰り返す世界の中で四人と付き合い、彼女たちの愛が本物であること、絶対に譲れないくらいに深いことを知っていた
このままではこの世界が崩壊寸前、具体的にはもう次に巻き戻そうとすれば世界が崩壊することを知り、その上で四人はみなとが一人を選んでくれるならばその決定に従うと言った
そんな世界の命運がかかった選択などできないとみなとは嘆くが、絶対に諦められないからこんな歪んだ世界を生みだしてしまったあの四人に任せていては解決しない
四人は、それぞれみなとと一対一で話をし、自分がループ世界を生みだす能力を持つに至った過程と、自分の内に秘めた想いを告げる

182 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:51:06 ID:lWPxlaa60 [6/10]
最初にループの力を手に入れたのはいのりだった
いのりはみなとの幼なじみで、みなとに好意を抱いており、そしてみなとも自分と同じ気持ちであると信じて疑わなかった
お互いの家族も交友があり、周囲からは半ば公認の関係であった
しかし、いのりはみなとに過度の期待を抱いており、少しでもだらしない部分があればそれを咎めていた
それはみなとにとっては理不尽でしかなく、さらにいのりは他人の前ではそういった部分を見せることはなかったのもあり、みなとはいのりを内心で嫌っていた
結果みなとは卑屈な性格に育ち、いのりの存在もあってみなとに浮ついた話は存在しなかった
だが、のどかが現れたことで、いのりは激しく後悔することとなる
最初は、のどかがどれだけアプローチしようと、みなとは自分のことが好きなのだと信じていた
しかし、のどかがみなとと付き合うことになったことを知り、それでもいのりは自分の愚かさ、みなととの心の隔たりに気付かず、裏切られたと言う絶望があるだけだった
原因が分からないまま世界の全てが憎くなってしまった時、ニアが現れ、いのりは悪魔の声に耳を貸してしまった
時を戻す力を得たいのりだったが、戻せるのは9月2日まで、つまり、のどかとみなとの出会いを止めることはできなかった

次に力を得たのはのどかだった
転校するまでは地味で友達と呼べる存在もいなかったのどかを、親切に助けてくれたみなとに好意を持つようになり、彼に惹かれていった
当初は引っ込み思案な性格であり、転校初日に告白など出来ようもなかったが、それでも二人は恋人同士になっていた
(のどかが出会って突然告白したのはループ内で起きた出来事の一つであり、世界が繰り返し始める前の最初の出来事ではない、みなとが記憶を引き継ぐようになる特異点となった直後の事であったため、みなとはその日が最初だと思い込んでいた)
悪魔の力によって時を巻き戻しても、不器用ないのりでは、何度やり直してもみなとを振り向かせることはできなかった
いのりは、みなとに不用意に近づかないようのどかを脅したりもしたが、のどかはそれに屈せずみなとと仲良くしていた
業を煮やしたいのりは、のどかと喧嘩になり、その末のどかは事故でいのりを階段から突き落として死なせてしまう
こんな世界は認められないと、のどかも世界を巻き戻す力を得てからは、いのりと互いが互いを出し抜く水面下での戦いとなっていた
いかに相手を騙し、みなとと結ばれた上でループを解除するかの争いとなっていた
いのりと争いを続けるうちに、のどかは、みなとを渡さないためとはいえ、えげつないことも平気で行えるようになっていた

183 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:52:05 ID:lWPxlaa60 [7/10]
三番目はころねだった
昔から、ころねは兄を苛め、しかし他人の前では取り繕ういのりを嫌っていた
ころねの前でだけ泣く兄を慰めることしかできなかったが、それでも自分が兄にとって特別な存在であることが嬉しかった
ループする世界に気付かなかった彼女であったが、のどかが力を手に入れてから、のどかといのりは水面下で黒い戦いを続け、それを見ていたころねは、のどかのことも快く思わなかった
こんな二人に兄を取られたくなかったが、血の繋がった妹である自分が兄と結ばれることは許されず、親友のゆうきと結ばれたほうがいいと考えていた
みなとと仲良くなりたいと自分に相談するゆうきを、幼少のころより秘め続けていた恋心を押し殺してでも応援しようとした
ある時、ころねは血まみれになって倒れているのどかを発見する
詳しいことは分からないが、既にのどかは虫の息で、いのりの仕業であるらしかった
このまま自分が死んでしまえば誰もいのりを止められなくなってしまうことを危惧したのどかは、ころねに兄を助けるためだと言い、時を巻き戻す力の一部をころねに託す
それにより、再び世界はやり直され、力を持つ者が三人に増えていた
最初は、狂った世界を元に戻そうと、裏で激しい争いを続ける二人を止めようとするころねだったが、どんなことをしても巻き戻ると言うこの世界で、兄に対する感情が日に日に増して行く
記憶を受け継ぐせいで、兄と過ごす時間だけが増えていき、恋心は募っていくばかりだった
ころねは、やはり兄への想いを諦めきれないと、二人に対し宣戦布告するのだった
近親相姦が異常であることは分かっていても、それと同等以上に異常な愛情をもって争い続ける二人に遠慮することはなかった

最後に力を手に入れたのはゆうきだった
時を巻き戻し続ける三人のせいで、ループ世界に少しずつ綻びが生じていた
被害を受けるのは主に無機物や建物で、人間に影響するのは稀らしかったが、ある日ゆうきは自分が記憶を引き継いでいることに気付く
このことをころねに相談すると、ころねは、のどかといのりの二人と、そして自分もみなとを取り合って時を戻し続けていることを告げ、ころねはゆうきに自分の力を分け与えた
普通の感性を持つゆうきは、この状況が異常であり、元に戻さなくてはならない、たとえ諦められない恋心を持っていても、世の理を曲げてはならないと思っていた
しかし、ころねが兄に恋心を抱いていたことにも気付かず、ころねに自分の恋の相談をして苦しめてしまったことを悔やみ、ころねの提案、すなわち醜い争いを続ける二人からみなとを守ることに乗る
能力者が四人になってしまったことで、誰か一人でもループを望めば巻き戻ってしまう状況下でループを抜け出すことはもはや不可能になっていた
そのため、ニアは四人に、相手を出し抜きループから抜け出すのではなく、このループで一カ月だけでもみなとと恋人になってそれを繰り返すことを提案する
たとえみなとが誰かと恋仲になっても、巻き戻ることで再び振り出しに戻り、また別の誰かと結ばれることもある
それはころねの狙い通り休戦協定となり、四人は互いを陥れ争うよりも、たとえやり直しになってしまうとしてもみなとと結ばれることを目標とするようになる
四人は何度もやり直しながら、みなとに趣味を合わせたり、違うアプローチを仕掛けたり試行錯誤して、恋仲になってまた振り出しに戻っても再び振り向いてもらえるよう努力するという不毛な繰り返しを続けていた
そのうち、世界の綻びが広がり、ついにみなとが特異点となり記憶を引き継ぐようになった
しかし、こんな歪な世界であることを知れば、みなとはそれを止めさせようとするだろう
それに、何度も何度も繰り返すうちに、四人がみなとに向ける愛情は既に取り返しのつかないものとなり、今更退けなくなっていた
四人は、みなとの前では他の人同様、記憶を引き継いでいないふりをしていた

184 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:53:15 ID:lWPxlaa60 [8/10]
真相を知り、誰を選ぶか悩み続けるみなとに、ニアは二つの選択肢を与える
一つは、ニアの力で記憶を消して、辛い出来事も全て忘れなかったことにする選択
もう一つは、ニアと同じく悪魔となり、この世界の他の全員から忘れ去られ、いなかったものとして扱われるというものであった

いのりは、不器用すぎる愛が故、みなとに辛く当っていた自分の愚かさを認識し、自分に対し完全に自信を喪失していて、こんな状態で選ばれなければもう生きていけない、たとえ嫌われていると分かっていても、自分を捨てないでとみなとに願う
のどかは、ループを繰り返すうちに、最初にみなとと結ばれた記憶が遠くおぼろげなものになってしまい、醜い争いを続けるうちに忘れた純粋な心を取り戻すため、誰を選ぶにしても、自分の記憶を消して欲しいと願う
ころねは、どんなに愛していても、たとえ恋が実っても、実の兄と結ばれることは絶対に不可能であることを分かっていて、自らの想いが禁忌であるがため、自分を選ばずゆうきを選んでほしいと願う
ゆうきは、恐ろしいくらいの愛情を持つ他の三人に負けていると分かっていても、それでも自分なりにみなとを愛していて、この幸せな思い出があれば生きていけるとして、自分の記憶は消さないでほしいと願う

みなとたち5人は、最後に遊園地で思い出を作る
こんな歪んだ愛がなければ、もっと違う形で会えたのなら、彼女たちはいい友人になれていたのかもしれない
それでも、みなとは選ばなくてはならない
9月28日の午前2時、みなとは最後の決断を迫られる

・のどかを選んだ場合
みなとは、のどかの希望通り、のどかの記憶を消すことにした
そして、自らの記憶をも消し、自分を愛する他の三人を悪魔にしてこの世に存在しなかったことにして、三人が未練を持たないようにした
みなととのどかは、ループの記憶のないまま、再び出会いをやり直す

・いのりを選んだ場合
心の弱すぎるいのりを捨てたら、彼女はもう立ち直れないと判断したみなとは、他の三人の記憶を消し、いのりと共に生きていくことを選択した
たとえ自分がいのりに恋心を抱いていたのではないとしても、彼女の弱さを知っているみなとは、彼女を捨てることはできなかった
心の傷と悲しみを背負っても、それを無かったことには出来ないと、二人は記憶を失った他の三人と共に記念写真を撮影し、この出来事をいつまでも心に刻みつける

・ころねを選んだ場合
このまま元の世界に戻っても、決してころねと幸せをつかむことは出来ない血の因縁があるため、みなとは他の三人の記憶を消し、ころねと共に悪魔となり全てから忘れ去られることを決意する
人間の法や世間体などとは無関係な悪魔となれば、もう禁忌を咎めるものは何も存在しない
何物からも縛られなくなった二人は、あてもなくニアについていく

・ゆうきを選んだ場合
ゆうきの幸せな記憶を消さないため、そして自分では勝てないと泣くゆうきを辛いこと全てから守るため、みなとはニアに提案をする
ゆうきは、他の三人の深すぎる愛を差しおいて自分が選ばれるより、楽しかったループの世界をずっと繰り返すことを望んだ
みなととゆうきは、崩壊するループ世界から抜け出し、代わりに永遠に繰り返す世界で過ごす夢を見続け、眠りにつく

185 名前:閉じたセカイのトリコロニー ◆l1l6Ur354A[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:54:19 ID:lWPxlaa60 [9/10]
・誰も選べない場合
この期に及んでも、みなとは誰かを選び他を切り捨てると言う選択をすることが出来なかった
みなとは、最後の悪あがきとして、ニアに頼み、自分もループする力を得て、世界が崩壊すると分かってなお時を巻き戻した

白い砂だけが存在するまっさらな大地に、五人は立っていた
他の三人の代わりに世界を犠牲にした、それだけのことだった
確かに世界はなくなってしまったが、命ある限り、この何もない場所でも幸せな世界が築けると信じて、五人は生きていく
用意されたバッドエンドを拒否し、手探りでもハッピーエンドを迎えるために

ニアは、剥落によってループから外れてしまった物や人の修繕作業をしていた
ループ世界から外れても、元の世界に戻るだけで、実際は消えてなくなったりはしないことをみなと達には内緒にしていた
世界の崩壊とは、特異点となった五人以外の全てがループ世界から外れて元に戻ることであり、ループ世界そのものは消えていなかった
五人は既に世界の理から外れてしまい、元の世界の人間からは忘れ去られていた
悪魔であるニアは、悩み絶望するみなと達を見て楽しむために弄んでいた
のどか達に力を与えたのもそのためだった
ニアは、五人の様子を見にループ世界に赴く
絶望のあまり凶行に走っていることを期待していたニアだったが、そこで見たものは、白い砂を意志の力で望んだものに作り替え、理想の世界を作らんとする五人だった

186 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2013/07/31(水) 19:55:24 ID:lWPxlaa60 [10/10]
以上です。
途中からかなり面白くなってくるので興味を持ったら是非購入してプレイしてみてください。
ループ中、様々な展開が用意されており、読んでいて楽しいです。
陰湿な展開はほとんどなく読みやすいのでその手のものが苦手な人でも大丈夫です。

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