395 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 12:42:09.53 ID:aXdKDa+v0
初柴竜介は、ホラを吹く様な解釈・斬新な切り口でメディアに出演する知名度が高い考古学者であるが、
考古学学会理事長の日向からは批判・嫌われており、学会会館の出入りを禁止されていた

ある日竜介の研究室に、大企業の専務取締役の斉藤が
「骨董屋で不思議な杖を入手した。入手以来毎晩、若い女性が手招きする不思議な夢を見る。この杖を、尊敬する初柴博士に調べてほしい」と押しかける
竜介は、この(意味不明な文字が刻まれた回転するリングを5つ有している)不思議な杖を受け取り、
また、偶々電話がかかってきたがちゃ子(本名は本田で同じ考古学者。竜介が勝手につけたあだ名)にも「興味深い杖を調べる事になった」と伝え、杖は研究室に置いて調査を開始する

早速骨董品屋へ向かい、口喧しい店主に話を聞くと「杖は、ガラス玉と共にどこぞの無口なエキゾチックな婆が売りに来た。ガラス玉は誰かに売った」とのこと
研究室に戻り眠ると、話の通り金髪美女が手招きする夢を見る。
その後、斉藤さんに追加で話を聞こうと勤め先に向かうが、出てきたのは秘書のはるなで「専務の斉藤は帰宅途中、車に撥ねられ亡くなった」と聞かされ、
斉藤家に向かうと、斉藤の妻の亜美から「遺品となった杖は薄気味悪いから博士が貰ってほしい。主人の遺体は警察で検死中で、まだ戻ってきていない」と聞かされる

研究室に戻ると「杖は貴重なものだから、所有権を学会に渡せ」との日向からの手紙が届き、
竜介は、がちゃ子が学会に情報を漏らしたのかと立腹し、がちゃ子家に押しかけて婦女暴行寸前に及ぶも、がちゃ子は学会に漏らしていないとのことで冷静になる
その後、がちゃ子の親戚から「杖の記号が占星術の記号に似ている。占星術に長けた新宿の父なら知っているかも」とのことで新宿の父を訪れて、記号を口頭で問うと、
「それは今では失われた占星文字で、地球等の惑星を表しているが、杖の現物を見ないと詳細不明」とのことで杖を取りに研究室に戻ると、
研究室内が荒らされて杖がなくなっていた。次いでがちゃ子からも電話があり、がちゃ子家も荒らされて、杖に関するメモが無くなったとのこと

396 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 12:44:22.87 ID:aXdKDa+v0
竜介は、証拠はないが犯人は日向と確信して、警備員の隙をついて学会に侵入し、理事長室で日向を問い詰めるとボロが出て、竜介の研究室へ侵入したことが分かるが、
日向は返却に応じず「杖は貴重なもので共同で調査すべきだ」と提案、竜介はこの提案を拒否して退出し、杖を探し出そうと動き出す

骨董品屋に向かうと、店内に杖を売ったと思われるエキゾチックな婆が居たが、口喧しい店主は無言でピクリともせず、ふと、竜介も身体が動かず、
時間が止まっているかのような状態になっていて、おもわず叫び呼んだ瞬間に婆は消え、店主は婆が居たことに気が付いておらず、不思議な時間・空間を体験する

斉藤家の亜美を尋ねると、斉藤さんの遺体が返却されており、
「昼に本屋に立ち寄り、重大な情報を得たので、初柴博士に報告しなければ。東**代**館」という遺品のメモを入手する
なお、夫を失った亜美は性的欲求不満で、裸になって竜介に迫るが、竜介は「自身のためにならない」と拒絶し、今後、竜介は斉藤家に近づかないと戒めた

遺品のメモの内容が東京近代美術館であることを突き止めて美術館に向かうと、夢で出会った金髪美女の肖像画が飾られているのを発見する
作者は1790生まれで、36才で行方不明になっているジャン・フィリップ・バルデだった

竜介は杖を探しに街中を廻るが、道中、日向家や学会付近ではるなにすれ違う
再度、学会に侵入して不審に思った理事長室を念入りに調べると秘密の地下室を発見し、そこには日向が勝手に私物化していた学会所有の世界中の美術品と共に、
無造作に保管された杖と、一目見て明らかに杖と対をなす玉を発見し、これらを回収し退散する

家に戻ると、日向から電話がかかり、杖の回収と玉の拝借がバレるが、日向も美術品の私物化という後ろめたから、警察の介入は行われなかった
その後、竜介は睡眠に落ちるが、杖を回収したにも関わらず金髪美女の夢を見なくなった

397 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 12:47:50.81 ID:aXdKDa+v0
新宿の父に杖を見せ、記号と惑星の対応を知り、太陽〜地球までの5つの惑星の順にリングを合わせると杖の頭の部分が外れ、
中から古代絵(杖と玉を手にする夢で見た金髪の美女と、それを取り囲む3体の像(目を手で覆う像、口を手で覆う像、耳を手で覆う像)が描かれていた)が出てきて、
さらにこの古代絵に玉をかざすと、玉の中に地図とバツ印が映し出され、これが大西洋のポセイドニア島の部族の保護地域を示していることが分かった

がちゃ子に、共にポセイドニア島に向かおうと連絡し、空港でがちゃ子を待っていた所、黒服の男から有無を言わさずテープを渡される
テープを再生すると、拘束されたがちゃ子と、「杖と玉を返さなければ、がちゃ子も斉藤と同じ運命にあわせる」との日向の脅迫が記録されていた
テープ内の背景の工事の音から、監禁場所は大阪学会支部であることを突き止めて向かい、隠し部屋を発見して入ると、拘束されたがちゃ子と、はるなの死体を見つける
がちゃ子によると「部屋に黒服の男が訪れて襲われて気を失い、気が付くと監禁されていて、その後、はるなの死体と共に日向が現れた」とのこと
その後、竜介は、旅行準備ができておらず渋る(竜介との旅行なのに化粧の準備もできていない)がちゃ子を強引に誘い、共にポセイドニア島に向かい、島に降り立つ

部族の入り口に到着早々、好戦的な部族に囲まれるが、竜介は部族らに杖と玉と古代絵を提示、部族長老が現れ、
「我ら部族は、森の奥地に住んでいる遠い昔に降り立った女神を護り、女神を汚す者を殺してきた。
 我らでさえも奥地には近づかないが、言い伝えにより、100年に一度この地に現れる、神に選ばれた授かり物を持つ者については進路を防いではならないとされている」
として通行を許可され、2人は奥地に向かう

398 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 12:52:14.20 ID:aXdKDa+v0
奥地には女神の神殿があり、内部には閉じた扉と、4つの像(不自然な手ぶらの女神と、台座にボタンがある目を手で覆う像、口を手で覆う像、耳を手で覆う像)があり、
がちゃ子の「女神像の手に杖と玉を持たせるべき」との提案に、竜介は不審を感じつつ促されて実行した所、突然女神像の顔が般若顔になり
「他人に惑わされ失敗した愚か者め」と激怒する女の声が聞こえるが、がちゃ子には般若顔も声も聞こえていなかった
続いて「失敗に2度目はない」との警告と共に、神殿前に2人は戻されていたが、がちゃ子は不思議がる様子はなかった
(以降、竜介はこの偽女神像には近づかないようにした)

その後、3つの像のボタンの押す順番(静寂→暗闇→無口)に気が付き、この順に実行すると扉が開き、その先にある手ぶらの女神像に杖と玉を持たせると、
その台座が開き穴が現れるが、そこに、日向と銃を持つ黒服の男が背後から現れ「竜介らの後をつけてきた。謎を解いたお前たちはもう用済みだ」と迫る

日向は、冥土の土産として
「竜介が優秀なのは認めていたので、本田博士を誘拐して杖と玉を取引で取り返すのではなく、竜介に謎を解かせて後を追う事にした。
 事の始まりは、出世欲に駆られたはるなで、斉藤の杖への異常な執着を精神異常者として公表させて斉藤を失脚させ、開けたポストにはるなが収まるのが目的だった
 はるなは儂に世間へ公表するよう持ちかけたが、杖の価値を知った儂は、人生これまで得られなかった知名度を得るチャンスだとしてはるなの策に乗らず、
 玉を入手して、斉藤の帰宅を待ち伏せして杖を譲るようにと頼み脅迫したが、
 斉藤は「売名・利益目的の貴方には渡せない。既に他の尊敬する学者に依頼した。この脅迫を世間に公開する」と言って一蹴・逃亡したため、斉藤を轢き殺した。
 その後、はるかは結果的に目論見通り専務取締役になったが、斉藤殺しが儂であることに勘づき、儂を脅してきたので、はるなも連れ出して殺した
 大阪支部にてはるなの死体を竜介と対面させたので、ここで竜介を殺して、はるなの殺人犯に仕立て上げる」
と、竜介等は絶体絶命に陥るも、タイミング良く日向と銃を持った男の天井だけが崩落して2人は下敷きになり絶命し、その直後に竜介だけ穴に吸い込まれる

399 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 12:56:22.88 ID:aXdKDa+v0
次に竜介が気が付くと、あのエキゾチック婆と夢で見た美女の前にいて、美女から
「ここは地上の人間が石器を使っていた時代から栄えている地下帝国ムーで、私はムー帝国女王。
 我々は太古の昔に火星と木星の間に存在していた第5惑星の住民だが、第5惑星は、国の争いの如く男女での争いの末に惑星が破壊・消滅してアステロイド帯となった
 我々の祖先の生き残りは、地球と呼ばれる第3惑星に漂流してきたが、先住者の地上の人間は、姿かたちは似ていても、
 150万年前に石器と火を使い始めて以降、148万年経っても進化できない程知能が低く、共存ができなかった。
 
 そこで我々の水準に近づけるために遺伝子操作した結果、2万年前の人類の進化のひずみと言われる突然の進化で農耕・牧畜・芸術等を行えるようになったが、
 それでもセックス好きの地上の人間は、交配によって低知能が生まれてしまうため、
 重力操作で地球に大洪水を起こして、遺伝子操作した者だけを宇宙船に乗せて選民することもした(ノアの箱舟)

 地上の人間に遺伝子操作を行ったのは、女だけの民族で生きていくことにした地下帝国の生殖相手の為。
 故郷惑星崩壊の歴史から我々自身も遺伝子の操作を行い、女だけの民族となったが、寿命は長くとも、女だけで生命を生み出せず、相手が必要だった
 
 なお、我々は地上の人間と共存したかったが、彼らは拒否して下等武器で我々を傷つけてきた為、我々は地球内部に巨大空洞を作って暮らし始めた
 そして、遥か昔から種族繁栄の為に、100年に1度、悲しみの杖と導きの玉で優れた男選び地下に招く儀式を行ってきた
 この儀式は、杖の意味を理解すると玉と出会い、杖と玉が揃うと夢を見なくなるものである
 また、玉を持つものも杖を引き付けるため、互いに衝突しあって優れた男を選ぶ試練である

 今回は竜介と日向の争いになったが、日向は自らの力で謎を解明しようとしなかった失格。

 我々には、理力と呼ぶ超能力のようなものを扱うことができる。
 元々は地上の人間にも備わっていたが、進化の過程で消えていった能力。
 過去にはクフ王、ノストラダムス、ヒトラー等も選ばれここへ訪れており、地上に戻す際には理力を得て地上に返してきた」
と告げられる

400 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 12:59:02.56 ID:aXdKDa+v0
婆から
「今、地下の街と女たちは、この時のお前のためだけに地上の街の風景・言語・衣装・雰囲気を模して準備してある
 最後の試練として、街に出て性交しつつ、女たちが持つ、お前を地上に帰す能力を持っている時間・空間を操る3つの像を集めろ。
 ただし、街の女たちの性交は8回までで、9回目は女王と性交すること」
と言われる

だが、考古学者として解明を進めた竜介は単純に喜べず、この試練に関連した犠牲者も想定の範囲内と軽視する女王らに憤るも、
「この試練に合格しないと地上に戻さない」とのことで街に向かい、
「看護婦」「レオタード女」「保母」「茶道女」「婦警」「バーのママ」「女教師」「アイドル」の幾人かと性交し、3つの像を集める

地下の街を散策中、竜介は倉庫内で、場違いの男の白骨死体を発見する。
傍らに刻まれた文章の
「私は最後の試練で性交の回数を間違え失敗し地上に帰れなくなった。
 地上に戻る機会として次の100年に1度を窺うが、自身の万一と未来の同じ境遇者の為、最後の言葉 ラジャ・ニエ・トランテ・カラ を残す
 1827 ジャン・フィリップ・バルデ」
から、100年前の夢の中の美女を描いた画家が地下帝国にたどり着くも、ここで命尽きたものと理解した。

(なお、竜介が性交の数を間違える等試練に失敗すると、本当の女神の声が聞こえ、愛を信じるか?人間が好きか?愛で地球を救えるか?との問いかけがあり、
 愛で地球を救う!という竜介に免じ、街に繰り出す直前に記憶・時間を戻される)

401 名前:DE・JA:2020/10/02(金) 13:04:28.62 ID:aXdKDa+v0
竜介は、指定回数の性交後に女神の前に戻って女神と性交し、その後、地上に戻すことを要求するが、女王から
「今までは試練後の男に対し、ここでの記憶を消して地上に返してきた
 その際の記憶操作の副作用で男は理力を扱えるようになるが、地上に戻った男は理力によって私利私欲や生命軽視の奴隷扱い、
 戦争や禁忌の発明による自然破壊を引き起こして、今では予想より早く地球が滅ぶことが分かった
 地上の人間達の行く末に関心はないが、我々の準備が整わないまま滅んでは困るので、これ以上の地球滅亡を加速させないために、
 今回の儀式から対象の男を、地上に戻さずにここで暮らさせることにした。
 理力を悪用する地上の人間は粗野粗暴。
 男女の争いで故郷を失った経験から、感情をなくし、憎しみをなくすことが高度文明を維持する秘訣だ」
と言われ、竜介は「感情は、悲しみ辛さもあるが変化もあり、愛・やさしさも感情で必要なもの。女王の故郷は、むしろ感情がないから滅んだのでは?」と反論、
「愛で地球は救えない」「愛で地球を救える」との平行線の問答の末、竜介は街で集めた3つの像を握りしめ、ジャンが遺した最後の言葉を唱えると、一瞬の後、
地上の神殿の入り口にいて、目の前にがちゃ子がいる事に気が付く

がちゃ子によると、竜介の姿が消えたが、その5秒くらい後にもう一つの女神の像で音がしたのでそこに向かうと、竜介がいたとのこと
杖と玉は正面の像から消え去り、竜介が握りしめていた時間・空間を操る3体の手の像も砂と化して消失した

女王とのやり取りの「愛で地球は救えるのか?」の問いかけに、俺たち次第だと竜介は感じ、
また、「今まで考古学一筋で生きてきたが、がちゃ子さえいてくれれば」との想いをがちゃ子に告げ、
がちゃ子とキスしてからの流れになるが、既に9回の性交を行った竜介は勃たず、がちゃ子とはお預けとなった

その後、がちゃ子から「竜介宛の手紙が玄関に落ちてたことを思い出した」と、竜介に手紙を渡すと、
手紙の「南方で旅行時に購入したツボを入手して以来、ターバンの男が微笑みで手招きする不思議な夢を続けてるようになり、初柴博士に調べて欲しい」
との内容に、目の前のがちゃ子をよそに、再び考古学興味を心を奪われる竜介であった

おしまい

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