680 :Vermilion -Bind of Blood-:2015/12/26(土) 21:28:13.25 ID:Ngf1yGyO0
少女アンヌは友人ケイトを捜しに来た
乱交中のケイトの戯れで輪姦されそうになり
吸血鬼の男トシローが逃がすも何者かに吸血鬼化させられる
伝説の吸血鬼殺し"三本指"の模倣犯、"裁定者"と名づけられる人外、伝説の吸血鬼"伯爵"、吸血鬼狩る人間"狩人"の襲来

アンヌ√
アンヌは、自身を吸血鬼化させた親バイロンをトシローが殺して、人間に戻り、記憶を消されて帰る
52年後、死際にトシローが現れ思い出し
独身でいたことや、急に達観した昔日に納得して穏やかに息を引き取る
END

シェリル√
数十年前、シェリルは吸血鬼としての親バイロンの戯れで死にかけていた時
"三本指"たるトシローと出会う
シェリルの母を呼ぶうわ言に、吸血鬼も人間だと醒めたトシロー
バイロン殺して旅立つ二人
狩人の襲撃から逃れ血まみれのドレスで結婚式する2人
END

ニナ√
10年程前、若輩の身ながら吸血鬼社会の代表になったニナと、居場所を求めていたトシローは手を組んだ
彼から武術を学び、また弱気から彼を求めた事もあった。
トシローが"三本指"だという噂から彼を解雇する流れに
トシローはニナをさらい、彼女に仕える執事ゴドフリをも斬る、
彼の生き様に、かつて己が果たせなかった武士の忠義を見出し、継ぐと約束して。
ニナは、生みの親に捨てられた記憶、吸血鬼としての親に捨てられた事実にうちのめされる
トシローは、今のニナは自身が築いたもの、強くあろうという意思こそが大事と。
戦いの中、ニナは自身の望みが誰かの救いになりたいのだと気づく
ニナは代表として、トシローは彼女に仕え生きていく
END

681 :Vermilion -Bind of Blood-:2015/12/26(土) 21:28:55.60 ID:Ngf1yGyO0
アリア√
狩人アリアはトシローと切結ぶ内に惹かれていた
吸血鬼を殺しても、その魂の回収で伝説の吸血鬼"伯爵"が強化される様を見て、トシローと共に伯爵に挑むが倒せず
時は流れ、ある街を襲撃する裁定者を狩るトシローと成長したアリア
2人は伯爵を追い続けている
END

グランド√
伯爵は吸血鬼は始祖が有限の魂を分け与えただけの存在、と裁定者達を率い魂を回収していく

ニナにとって執事ゴドフリは正しいが厳しく、己を軽んじられてるとさえ感じていた
伯爵の襲撃から、ゴドフリは、ニナに期待していた胸の内を明かし、ニナを逃がして死ぬ
ニナは貴方に恥じぬように、と涙を拭い立ち上がる

アンヌとケイトは吸血鬼の親バイロンが死んで人間に戻る
お前たちとは違う、と吸血鬼への未練を叫ぶケイトを
アンヌは甘えるなとブン殴る
アンヌは吸血鬼にもしがらみがあることを知った
吸血鬼から人間に戻ったからこそ、食事や呼吸鼓動の素晴らしさがわかる
日常は厳しい、それでも
特別は、幸福は日常の隙間にあり、それでよい、と思えるようになっていた。

682 :Vermilion -Bind of Blood-:2015/12/26(土) 21:29:51.50 ID:Ngf1yGyO0
アリアは、アンヌの決意と力なき身で裁定者に挑む姿に人間を護るという意思を新たにするも、
アンヌとケイトの友情を見て、生き方に迷いが生じる
アンヌの師匠クラウスは、アンヌに戦いしか教えられなかった事を悔いていた
クラウスは最期にアンヌと、父娘としてわかりあう
クラウスは少女たちに
「……この世の中は、確かに凡庸だ。
特殊、特別……それらは社会構造により、
まかり通らぬようになっている
好奇心旺盛なおまえ達には、
いとつまらぬものに見えるだろう……
身を守る柵は、疎ましい甲冑にも感じるだろう
保障された安全を窮屈に思い、勝ち取ることもなく……
与えられる権利を浅薄だと吐露する
……ふふ、目に見えるようだ
夢をみたくば、貯めた小遣いを握り締めて……
遊園地(ワンダーランド)に行くしか、ない
だがな、忘れないでくれ……
この世界を"かく在る"ように、尽力している者がいることを
奪われることも、殺されることもない……
刺激のない時間を守るために、血を流している者がいることを……
俺達のような愚か者が、命をかけてこの世を"つまらないままにしておこうと"尽力していることを……!」どうか忘れないでくれと言い遺す

683 :Vermilion -Bind of Blood-:2015/12/26(土) 21:30:40.43 ID:Ngf1yGyO0
トシローの親友アイザックは
トシローが"三本指"だった頃の彼に魅せられている
最強の吸血鬼とはまさに"三本指"だと焦がれている
裁定者を殲滅し瀕死のアイザックはトシローと自身の本質が同じだと指摘する
"ただ生きている"ことに耐えられない
理想以外など生きていたくない
失敗が許せぬ潔癖症、と
トシローは自身が納得できた人生を想像する
愛する女を守り通し、同族殺し身をやつすことなく生きていれば、と
理想像を完遂しなければ己を愛せない傲慢さに気づく
アイザックは傷なき人生など夢想に過ぎないのだから、それでも頑張れ、と言うと笑い出す
「なぁんてな、
思えるわけがねえよ。
ふっざけんな……ッ!!」
「理想を目指して何が悪い!
小さな傷すら嫌がって何が悪い!
完璧!最強!無敵!絶対!
男の子なんだよォ、
ユメに焦がれてんだ
そいつを目指して何が悪い
日々小さな幸福で満たされて、人並みであることに満足して生きる?
ハ、そんなものは家畜にでもやらせておけッ、それを賢いというのなら――
俺は愚者で結構だぜ!
見くびってんじゃねえぞォ、
この俺をよォォォオオオ――――ッ!!」
その咆哮はまさしくトシロー自身の本音でもあると自覚する
アイザックは、三本指を肯定したトシローからこそその字を勝ち取りたい、と
アイザックの胸を刀で貫くトシローに、アイザックは己の血と魂を托し、生きろ、と遺す

684 :Vermilion -Bind of Blood-:2015/12/26(土) 21:32:03.92 ID:Ngf1yGyO0
伯爵は無敵で絶対の超越者、まさしくトシローの理想像を突き詰めたものに他ならない
しかし名も起源も略歴もないそれの空虚さを知る
彼のしもべ、始祖の器スカーレットが過去を伯爵に見せる
伯爵もまた、始祖の器に過ぎなかった、と
伯爵はそれを受け入れる
唯一の命を生める吸血鬼だ、と
その精神は、伯爵の恐怖に、過去を糧に立ち向かうトシローに学んだもの
追い詰められるトシローを庇うスカーレットから、彼が守り通せなかった女、美影の魂が流れ込む
自問自答するトシローにアイザックと美影が語りかける
答えは定まらない
しかし、それでも2人が己を信じてくれていることを感じ
生きたい、と願う
スカーレットが溜め込んでいた魂と共に伯爵を討ち果たす
伯爵は敗北の耐えがたさを味わいながら、これを何度も味わってたきたトシローを、怪物め、と笑い、
墓に刻む名として、お前の名を教えてくれ、と
「縛血者(にんげん)――鹿島杜志朗(かしまとしろう)」

魂だけとなったトシローは穏やかな気持ちであった
解き放たれた自由の味気なさを感じながら、
苦悩と懊悩、束縛や柵の日々こそが自身であった、と
高み、幻想に至れず、やり直したいと願う心が、人を貪る無限幻想(ヴァンパイア)なのだ、と
全てに意味があった、全てが自分だった、と思い至れて人は"終われる"のだ、と
悟れたからこそ始祖を終わらせてやれる、と始祖の元へと旅立つ
全ての吸血鬼は人に戻る

3年後
男達の墓の前に集う4人
アリア、元吸血鬼を狩る狩人を、狩る存在
ニナ、元吸血鬼達の救済組織の長
アンヌ、シェリル
4人は、それぞれの想いを心の中で述べると別々の道へ
END

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