多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

人物

クルハギネ・ボタニという少年が居た
彼は何処にでも居る、いたって平凡な少年であったが
ある日、自らの血液を珠玉化させる術を手に入れた
その紅々と輝く珠玉は、植物淵を生み出す媒体として優れていた
クルハギネの血球と呼ばれる事となる、その珠玉の功績により
後の世に数多の造淵士が現れることとなった

そしてクルハギネは今も造淵士組合本部の地下施設に囚われ血球を産み出し続けているという

ボタニは願い、それは叶えられた

「砂塵に沈むボクの故郷を救いたいんです、先生」
「砂漠を緑に変える方法を教えてください」

砂と埃ばかりの荒野で、黒い肌の少年
クルハギネが乞い願う。

『俺を先生と呼ぶな、方法はある』
『だが採算が合わないぞ』
『時間もどれだけかかるかわからない』

時の達人、銀輪の椅子に乗った
人嫌いの隠者の男は応えた。

「どんなに辛い事でも成し遂げてみせます」
「先生にお支払できるものは……
この赤い血潮以外にありませんが
この血の紅さに賭けて……」

根負けした隠者はかぶりを振り
片手で顔を覆った。

「砂塵に沈むボクの故郷を救いたいんです、先生」
「砂漠を緑に変える方法を教えてください」

砂と埃ばかりの荒野で、黒い肌の少年
クルハギネが乞い願う。

『俺を先生と呼ぶな、方法はある』
『だが採算が合わないぞ』
『時間もどれだけかかるかわからない』

時の達人、銀輪の椅子に乗った
人嫌いの隠者の男は応えた。

「どんなに辛い事でも成し遂げてみせます」
「先生にお支払できるものは……
この赤い血潮以外にありませんが
この血の紅さに賭けて……」

根負けした隠者はかぶりを振り
片手で顔を覆った。

『まじないを弄ぶのだ、どのような結果になっても
俺は責任を取らんぞ、それでもいいな』

クルハギネは重々しく頷き
隠者は砂漠を緑に変えるまじないを教えた。

猫の国のカガクに曰く
納豆に放射線を当て、それを凍結粉砕した
高分子ポリマーは土壌改良剤になるだろう
それを血であがなうというのなら、仕方ない』

「呪文の意味は高邁過ぎて
ボクにはわかりかねますが……
ともかく、血と緑を引き換える取引は成立したんですね?」

それからというもの、如何なる言理の妖精のいたずらか
クルハギネの流した血は珠玉となり
その血の珠が落ちた砂漠は緑成すオアシスが蘇り
ピュクティェトに焼かれた土の力が蘇るようになったという。

これがもとでクルハギネは造淵士の虜囚となるのだが――
ボタニは願い、それは叶えられたのだ。

取り残された隠者に
風と砂が織りなす音が
歴史書の擦れる音のよう語り掛ける。

シシシッ――我が友よ、こうなることは
薄々わかってたんじゃないかね?
残念だが何でもハッピーエンドにはならねえさ……。

文明は代償に緑と森を消費する。
人皆がより善く豊かな明日を欲すれば
樹と緑を切り倒して松明と薪に変え
文明と競争の果てに、最期はみんーな
こんな最果ての砂漠になっちまう。
猫の国で緑の守護者フンババを殺した
ウルクが砂塵に呑まれたように。
この砂塵と荒野は文明・国家の時間の行きつく果てさ。

ボタニの苑(にわ)
ボタニックは猫の国の言葉で【植物園】さ……
かの国のエペソの書に曰く
その血によるあがない、すなわち、
罪過のゆるしを受けたのである、と書かれている。

カガクの救済はコストと時間が掛かり過ぎ
人の環境破壊という「罪」を血であがなう事になるのは
呪術の道理にかなう必然であるがね……シシシッ。

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