チューニング

チューニング


ゲームがある程度完成し、遊べるようになってから磨き上げる段階を「調整」「チューニング」という事が多い。難易度を調整する、ゲーム内の説明をわかりやすくする、絵や音などのデータをより高品質に磨き上げる事を指す。ゲーム開発ではチーム外からの客観的な意見を重視し、モニタリングを行う。

モニタリング


開発の途中や終盤に実施し、ゲームの客観的な評価をしてもらう。その結果を分析してより良いゲームに磨き上げるのである。

応募

1回のモニタリングでは数人〜数十人の人員を集める。
  1. 他のチームの開発者 …… 視点が専門家すぎるが、具体的な改善点や鋭い意見を聞ける。
  2. 事務系の社員 …… 普通の人に近い意見を聞きたいが、外部に情報が漏れるのが怖い場合に非開発系の社員にモニターを取る事がある。
  3. 社員の家族 …… 来てもらう事もあり、持って帰ってもらう事もある。若者以外の意見を聞きたい時、キッズの意見を聞きたい時に実施する。
  4. チューニング(デバッグ)専門のスタッフ …… 多くのゲームを経験していて参考になる。主に開発終盤にお世話になる。ユーザーに近い立場だが、ゲームに関わって飯を食っている人間である以上ゲーマー的な意見に偏る傾向がある。
  5. 社外からの募集 …… 子供や女性など一般人の意見を聞く時に、特別に募集をかける事がある。

実施時間

内容によるが、数十分〜数時間。
長時間だと疲れてしまい、本来のモニターの趣旨からずれる事もある。特に子供相手の場合は年齢にもよるが、長時間のモニターは集中力を欠き、記述内容に影響が出る。また記述能力が不十分なため、感想よりもプレイしている様子の観察やプレイ結果そのものを重視した方が良いかもしれない。

モニターの設問

モニタリングの用紙を作成し、感想を記述してもらう。
  1. 直感性:操作や目的が直観的でわかりやすかったか?
  2. 難易度:どこまで進めたか? スコアはいくつだったか?
  3. 難易度の印象:ゲームの難易度をどう感じたか?
  4. 面白さ:面白いか?
  5. 購買意欲:買いたいか?
  6. その他:気づいた事があれば書いてもらう。

観察

人は自分が感じた事を適切に言語化できるわけではない。モニター用紙やプレイ結果の記録以外にも、遊んでいる人の様子をこっそり観察するのが重要になる。アーケードゲーム開発ではこの傾向が強く、コンシューマーゲーム開発では意識がやや薄い傾向がある。観察の重要性は岩谷徹氏や宮本茂氏のような古参のゲームデザイナーがよく指摘している。

2000年以降、日本国内のゲーム市場の縮小によって、90年代後半のPSバブルから続いてきたゲーム開発のやり方を見直す機運が高まっていった。ゲーム制作者の独りよがりな表現を批判する論調が徐々に強まって、モニタリングや観察を重視する流れが大きくなってきた。

参考

猿楽庁「業務内容」
2007年02月08日(木) 23:14:05 Modified by ID:yhjz6HK2bg




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