南京大虐殺に関する論争の解説と検証

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3.立作太郎の学説

【グース氏記述】
>『戦時国際公法』 立作太郎 P144
>中央大学発行 > ハーグの陸戦条規は現行中捕らえられたる間諜は裁判を経るにあらざれば之を処罰することを得ず。(三〇条)となす。是れ現行中の間諜なりとの嫌疑ある者を往々裁判を経ずして捕らえたる部隊において絞殺を行い、時に無辜の者を殺すのおそれあるを以ってなり。

 ハーグ条約で裁判が義務となった事が示されています。それ以前は「往々裁判を経ずして」とあります。裁判が必要不可欠であるという慣習法を条約化したものではなく、慣習法下では裁判を行わずに処罰される場合が多かったので、条約で規制したという意味になるでしょう。
グース氏は、立作太郎氏の記述が「ハーグ条約で裁判が義務となった」と説明していますが、立作太郎氏の記述には、そのようなことを示す部分はありません。
立作太郎氏の記述を検証してみましょう。

立作太郎『ハーグの陸戦条規は現行中捕らえられたる間諜は裁判を経るにあらざれば之を処罰することを得ず。(三〇条)となす。』
(口語訳)ハーグ陸戦法規では、「現行中捕らえられたる間諜は裁判を経るにあらざれば之を処罰することを得ず」(第30条)としている。

立作太郎『是れ現行中の間諜なりとの嫌疑ある者を往々裁判を経ずして捕らえたる部隊において絞殺を行い、時に無辜の者を殺すのおそれあるを以ってなり。』
(口語訳) これは、現行中の間諜であるという嫌疑者を、たびたび裁判を経ずに捕らえた部隊で絞殺し、時には無実の市民を殺してしまうおそれがあるからだ。

後段の「これは」が指しているのはハーグ陸戦法規第30条ですが、さらに具体的にいうならば、この第30条に示された裁判を義務づける考え方だと言えるでしょう。つまり、「なぜ、裁判を義務付けたかというと」という意味とになります。
 そして、「これは」以下は、「裁判を義務付けた」ことの理由となっており、それは、無裁判で殺害することは、時として無実の市民を殺してしまうおそれがあるからだということです。

このように、立作太郎氏の記述は、ハーグ陸戦規則第30条の意味を説明しているものであり、グース氏が主張するような「ハーグ条約で(初めて)裁判が義務となった」(”初めて”はK−Kが挿入)ということを示す記述はありません。

ハーグ陸戦規則は、慣習法の条約化という側面が大きいことはよく知られていることですが、1874年ブリュッセル宣言、1888年オックスフォード提要という流れから考えれば、間諜に対する裁判は、ハーグ陸戦法規以前に慣習法として成立していたと考えられます。
藤田久一『戦争犯罪とは何か』
この条約にかぎらず、当時締結された戦争法関係の条約にはこの条項が入れられるのが普通であった。しかし、ハーグ陸戦規則のこれらの諸規定は、一般にはあたらしく定められた交戦法規というよりも、従来から認められてきた慣習法則を法典化(成分化)したものとみなされたのである。その後二度の対戦において、同規則は総加入条項があるにもかかわらず、非締約国をもふくむすべての交戦国に適用さるべきものと考えられた。
間諜の裁判義務を記した条文も、「一般にはあたらしく定められた交戦法規というよりも、従来から認められてきた慣習法則を法典化(成分化)したもの」だと考えるのが妥当でしょう。


【グース氏記述】
 ここで注目する点は「捕らえたる部隊において」という点です。ある程度治安が安定した占領地や自国内においては、捕らえた部隊がその場で処罰するという事はまずありえないでしょう。というのは、通常、取り締まりを行う兵士や憲兵などに処罰の権限が与えられていないからです(相手が激しく抵抗した場合などは別ですが)。

 慣習法では常にスパイは即決処刑されていたというわけではなく自国内やある程度治安が回復した占領地では軍事裁判で処罰されていたものと思われます。しかし作戦地域においては、軍事上の必要から現地で活動している部隊が処罰を行う事が多かった。それを規制する条約もなく慣習法も存在しない為、軍事的必要から行われる即決処刑が違法であるとは考えられていなかったと言えます。

グース氏は、立作太郎氏の「捕らえたる部隊において」という記述から、嫌疑ある者を裁判を経ずに殺害した場所が「作戦地」であり、「ある程度治安が安定した占領地」や「自国内」ではないと主張します。

なぜならば、取り締まりを行う兵士や憲兵などに処罰の権限が与えられていないから、嫌疑ある者を裁判を経ずに絞殺するのは、 「治安の安定した占領地」や「自国内」ではありえず、「作戦地」であると限定できるからだと説明します。

まず、常識的なことですが、国内において、行政機能が正常に働いている場合、スパイの処罰は、警察→検察→裁判所→処罰という流れで行われます。 これは、国内法の管轄であり、戦時国際法は関わりの無い部分といえます。確かにこの意味では、兵士や憲兵に「取り締まりを行う権限」がありませんので、当然、処罰する権限もありません。

そしてこれ以外の場合(作戦地、占領地、戒厳令下の自国内など)では、軍司法権がおよぶ範囲となりますので、兵士や憲兵に取り締まる権限があることになります。

つまり、グース氏の主張するような「作戦地」「ある程度治安が安定した占領地」「自国内」という地域上の区分けに関わらず、軍司法権の機能する地域において、軍はスパイを取締ることが出来たわけです。

そして、立作太郎氏の記述からすると、スパイの裁判義務を定める国際法が定立する以前は、スパイを捕らえた軍において裁判を経ずに殺害を行っていたということになります。

もちろん、グース氏が主張するように、「作戦地」だけに「取り締まりを行う兵士や憲兵などに処罰の権限が与えられて」おり、「ある程度治安が安定した占領地」「自国内」に「取り締まりを行う兵士や憲兵などに処罰の権限が与えられて」いなかったことを示す根拠などはありません。

グース氏の主張する「作戦地」云々ということには、何の根拠もありません。
 

このページへのコメント

未だに南京大虐殺等という明らかな捏造を本気で信じているとは、お前
ら反日ブサヨク共はどれだけ頭がお花畑な輩共なんだ?
お前ら反日ブサヨク共は南京大虐殺論争について、さも反日ブサヨク側
の勝利で決着が付いたように語っているが、そのような事実は当方が知
るかぎり存在しないんだが?

まず南京大虐殺があったかどうかについてだが、当時の資料で南京攻略
戦前に南京城内の安全区を管理していた「南京安全区国際委員会」が
食料配給の試算のために行った人口調査で、南京人口は約20万人と認識
されている。
そして、南京陥落の3ヶ月後に同じく「南京安全区国際委員会」の事務局
長であったルイス・S・C・スマイスが実施した戦争被害調査(スマイス
報告)では南京の人口は25万人とされている。

つまり、中国が唱える「犠牲者30万人説」が正しいとするなら、当時の
人口を超える人間が殺害され、且つ大量虐殺が行われている現場に、三
ヶ月で虐殺前よりも多くの人口が移り住んだことになる。

また、攻略戦終了後一ヶ月と経たない1938年1月1日、南京自治委員会の
発会式が挙行されている。式場には南京難民区に避難していた3万人の
市民も詰め掛け、新政権の出現を日の丸と五色旗を振って祝い、国民政
府の悪政を非難する主意書および同政府と絶縁して目指す政治を示す
宣言が発表されている。

ソース
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E4%BA%AC%E6%94%BB%E7%95%A5%E6%88%A6

お前ら反日ブサヨク共はこういった歴史的事実を知らないのだろうか?
これらの事実からすれば、「戦闘が行われた都市だから当然死者はいた
だろうが、それが虐殺と言えるものではない」と考えるのが普通ではな
いだろうか?

更に言えば、1938年(南京陥落の翌年)には日本軍の進軍を遅らせる為、
中国軍(国民党)が黄河の堤防を決壊させ莫大な被害を出す事件があっ
たが、その際、日本軍は避難する民衆を救助し「中国軍により破壊され
た堤防の修復作業」まで行っている。
(因みに中国軍は民衆や民衆と協力して救助作業や防水作業を行う日本
軍を攻撃した)

ソース
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%84%E6%B2%B3%E6%B1%BA%E5%A3%8A%E4%BA%8B%E4%BB%B6

こんな事をする軍隊が、都市1つの住人全てを殺すようなことをするだ
ろうか?

これだけの事実が有りながら、戦後半世紀経っても未だに増加を続ける
被害者数を言い張る中国の言が正しいと言い張るのであれば、まず被害
者の遺体、遺骨、遺品など何でも良いので被害者が存在するという証拠
の提示が第一なのではないだろうか?

お前ら反日ブサヨク共は日中戦争で南京問題は散々槍玉に挙げるくせに、
その半年後に起きた国民党軍による黄河決壊事件の際、日本軍が被害者
救助や堤防修復に尽力したのに対し、本来人々を守るべき中国側が日本
軍、及びそれに協力する市民や救出された被害者に対し航空機まで用い
た攻撃を行い、更に当初「洪水は日本軍の攻撃により発生した」と虚偽
の発表を行っていたという点を同等に取り上げない時点で、お前らの主
張は片手落ちどころか両手落ちと言わざるを得ない代物でしか無いだろ
う。

以上、反論できるなら反論してみろ。但し証拠付きでな。
尚、反論は↓此処でも受け付けて居るぞ。
ttp://jipangbito.blog93.fc2.com/blog-entry-54.html

0
Posted by ロン・セガン 2023年08月27日(日) 06:28:37 返信

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