PHP(PHP: Hypertext Preprocesserの略)は、eコマースサイトやその他のWebアプリケーションのための動的Webページを作るための、オープンソースで提供されているサーバーサイドスクリプト言語です（php.net や zend.com からダウンロードできます）。動的Webページとは、ユーザーとインタラクトするページであり、そのことによってカスタマイズされた情報が提供できます。動的Webアプリケーションは商用サイト（eコマース）で一般的に使用されており、表示されるコンテンツはデータベースや外部のソースなどの情報から生成されます。

PHPは、動的Webページをプログラミングするためのシンプル且つ包括的なソリューションを提供します。インターフェースは直感的に理解することができ、プログラマーがHTMLにPHPのコマンドを埋め込むのも簡単です。PHPの構文はCやPerlと似ており、プログラミングの基礎ができている人なら簡単に習得できます。その優れた設計により、PHPは、その他の同様の言語に比べてメンテナンスや更新が簡単です。

PHPは、多くのユーザが所属する大規模なコミュニティが世界に存在し、サポート体制が充分に整っています。オープンソースであるため、PHPは大規模なオープンソース開発グループにサポートされており、バグは早期発見・修正されます。常に改良や言語拡張に伴うアップデートがされており、PHPの機能は拡張され続けています。日本においても2000年に日本PHPユーザー会が発足し、充実した活動を展開してます。

PHPは1994年に開発が始まり、1998年にリリースされたPHP 3は急速に普及しました。海外における一例としては、CBS, ユニリーバ, フィリップス, シスコ, エア・カナダ航空, ルフトハンザ, GE Marketplace, ライコス, Wallstreet: Online Germany; AuctionWatch, トランスメタ, ビレッジ・ボイス, BMC といった著名企業で利用されています。日本における事例は、当サイトの事例ページをご覧下さい。

Webサイト開発のためのその他のスクリプト言語と違って、PHPは、ほとんどの一般的なデータベース（オラクル、Sybase、MySQL、ODBC等々）との接続性が優れています。また、様々な外部ライブラリとのインテグレーション環境も整っており、PDFの生成からXMLの解析まで、何でも可能になります。ASPやColdFusionなどといった他のスクリプト言語に比べ、PHPの最も優れている点は、オープンソースで、クロスプラットフォームであり、今日の多様なネットワーク環境に最適であることです。

Linux上でApacheを走らせている開発者にとってPHPは自然な選択ですが、UNIXやWindowsにNetscapeやマイクロソフトのWebサーバソフトを走らせている環境においても同様に、良好に動作します。PHPはHTTPセッション、Javaとの連携、正規表現、LDAP、SNMP、IMAP、COM（Windows下）プロトコル、XMLもサポートしています。また、事実上全てのWebプログラミング言語との間で、WDDXデータ交換もサポートしています。

PHPは非常に優れたコードパフォーマンスを提供します。PHP-Apache-Linuxの組み合わせは、1秒にも満たない非常に速いアクセス時間が特徴的で、データ構造をキャッシュすることによりパフォーマンスが更に高められます。

PHPは、ダイナミックなWebサイトのための技術の中では、今日最も急成長しています。ネットクラフトの調査によれば、全世界のサイトの24％以上で利用されています。現在900万以上のドメインで利用され、過去2年間の平均伸び率は6.5％を記録しています。Web上の一般的なApache Webサーバのうち、36%以上がPHPを利用しています。最新バージョンのPHP 4は、最初の2ヶ月間で265,000回ダウンロードされました。オープンソースのトレンドにが強まるに従い、PHPはますます勢いを増すことが期待されます。

なぜPHPは動的eコマースサイトを構築するための良いソリューションなのでしょう？

短い時間で開発できる、つまり、より少人数のプログラマーで、カスタマイズや新規サービスの追加が可能。今日の市場では、プログラマースタッフを揃えるのが容易でない時にも、Webアプリケーションを速やかにアップデートすることが要求されるため、短時間で開発できることが競争力を保つための鍵となる。
扱いやすいスクリプト言語であるPHPのコードは、PerlやASPのコードに比べて格段にメンテナンスや更新がしやすい。
クロスプラットフォームで、互換性を持つPHPのスクリプトは、Apache、Microsoft、Netscapeなどを含めあらゆるインターネットサーバで動作する。
データベースをサポートしている、つまり商用・非商用データベース（Informix、Microsoft SQL Server、mSQL、MySQL、ODBC、Oracle、Sybase）へのアクセスが可能。
900万以上のドメインで利用されている（ネットクラフトによる）。
アクセスの多いサイトで人気が高い。つまりPHPがミッションクリティカルなサイト・アプリケーションで成功していることを信頼できる。
オープンソースだから、バグは修正され、市場の要求に合った新しい機能が追加される。また、隠れた費用もかからない。
オープンAPIだから、簡単にプログラミングできるモジュールを追加することができ、用途に応じて言語の拡張が可能。
■ PHP 4.0 での新機能は？


PHP バージョン4のリリースでは、PHPスクリプト技術における機能強化をはじめ、プログラムが大きく改良されました。PHP 4は単なるアップグレードではありません。Zend社の創立メンバでもあるAndi Gutmans・Zeev Suraskiを含め、PHPチームのコアメンバーによって、完全に再考・再プログラムの努力がなされています。PHP 4のコアにはZend Engine があり、そのインプリメンテーションには、スクリプト言語の一から設計のし直しが必要となりました。
PHP 4.0のリリースにより、50倍の速度向上と豊富な新機能が実現されたことで、PHPは動的Web開発のための更に強力なソリューションになることが期待されています。

PHP4が大成功したおかげで、その利用用途もより広範囲になってきた。エンタープライズ用途にPHPを利用するという話もちらほら聞くようになってきたが、そこで問題になるのは、大規模サイトを構築する際のコードの再利用性の悪さだった。具体的には、PHP4のオブジェクト指向機能が弱かったので、Javaなどに慣れた技術者からはその点の不満が多く寄せられていた。

　PHP4のオブジェクト指向機能も徐々に改善されつつはあったが、基本的な文法を大きく変更することもできず、開発者はPHPなりの記述方法を新たに開拓して目的を達成していた。

現在はオブジェクト指向重視のPHP5がリリースされている。