98 :名無しさん@ビンキー:2010/06/16(水) 21:50:24 0
>90
統l劇はエキシビジョンがひどすぎるw 録画ミスは惜しい、超惜しかった…
あと「半分FFでやれ」戦は嘉村さん倒れてもニーサンが攻撃止めなかったのが
出来の悪い弟フォローしてるみたいでちょっと笑ったw

せっかく投下テンプレが決まったので自分も使わせていただきます
URL: ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/45636
タイトル:キスは血の味  PASS: mugen
ネタ元&設定等: 統l劇 / MUGENのキャラには搭載されていない原作の技やステータス異状あり
カップリング(登場キャラ): ブロントさん&汚い忍者メイン + パワプロ君(パワプロ君&ヴァニラ要素あり)
性描写の有無: 全年齢 / キスまで
内容注意: 受け攻め非確定のリバ気味 / メインの2人が殴り愛一直線





■注意
仲が悪いけどお互いが気になるブロントさんと汚い忍者。亜空間プロ野球要素あり。
統l劇(Part.24)直後を想定。パワプロ君は一級アドバイザー



「流石の汚い脳みそでも分かっているだろうなとは思う心太だがツラを貸せ」
「ああ?また試合で活躍できなかった腹いせでリアルバリスタですか肉盾役に立ちませんねナイト様w」
「どこに目をつけているナイトの斬新な活躍が見えなかったのかよその無味な目玉破壊して代わりにヘクトアイズぶっこむぞ!」
「るせぇなお前はぶっぱベヒーモスで切り返すだけで固められると大したことできねぇのに俺の立ち回りで勝てたんだろうが!」
「ハイスラァアアアア!!!」
「迅!!」
もはやBGMかと思うほどの安定の流れで仲間割れ――もとい野試合が始まった某大会の会場ロビー。
他の参加者もまたあのタッグか、と呆れ顔で一瞥をくれるだけで特に問題視もせず去っていく。
たまにベヒーモスやボムなど面倒な流れ弾が飛んでくるが流石に巻き込まれるような選手もおらず、
なかには足を止めてもっとやれとでもいうように好奇の目線で野試合する2人を見物する者も出始めた。
渦中の2人はともにヴァナ・ディール出身の白銀の騎士と黒装束の忍者。
誰だよこの2人を組ました奴 と聞きたくなるほど試合中ですら連携という物をブン投げているタッグだ。
「『ダークパワー』!!」
黒い爆発と共に忍者が吹っ飛ぶのと同時にロビーの天井スレスレにK.O.の文字が躍った。
見物人が何人か拍手を送るが、白い騎士は外野には目もくれずにつかつかと忍者に歩み寄った。
地面に這い蹲る忍者がかすかに動く。
「か、かったと・・・思うな、よ」
半眼で騎士を睨みつけてなんとか定番のセリフを言い切ったものの、
流石にライフ0で暴れる気力は残っていないらしく言うだけ言うとがっくりと力尽きた。
「ほう、負けセリフを律儀に言い切ってkら倒れるとは見事な悪役根性と感心が鬼なるがもう勝負ついてるから」
倒れ伏す忍者を見下ろして、騎士もまた定番のセリフを返す。
もはや聞こえていないのか忍者から反論は無い。
ようやく一段落ついたと見た騎士は黒い長剣をしまった。

「君達もよくやるねー」
笑いを含んだ声が背後から聞こえた。
一緒にとてとてと軽い足音が近づいてくる。
ブロントは後方を振り向き――いない
足元に目をやるとようやく声の主が視界に入った。
SD体型の野球選手、先ほど拍手をした見物人の1人だ。
「パプワ君か俺は別に忍者は眼中に入ってないんだが性根が汚い忍者は一方的に粘着してくるだけの話」
「その誤字やめて別の作品の主人公になってる!」
「おっとと穴グラムしてしまった感」
「いや、入れ替えれてないよ”ロ”が行方不明だよ!?」
「細けぇことはいいんだべ」
いつもどおり人の話を半分も聞いているか怪しい態度のブロントにパワプロ君は苦笑を浮かべる。
当の騎士は全く気にすることなく回復魔法の詠唱を始めた。
パワプロ君の体がふわりと光に包まれる。
「え、俺に?自分を回復しなよ」
「おつかれさまだべ、二回戦は惜しかったなだが良い試合だったぞ」
「ありがとう。ブロントさん達は二回戦突破おめでとう!」
自身の長身からはるか下に見える笑顔に、ブロントもまた笑い返した。
敗戦後で気分が荒れていてもおかしくない時にもこうやって爽やかに他者を称える、パワプロ君のスポーツマンシップが眩しい。
「黄金の鉄の塊でできたナイトが二回戦ごときで手間を取られるはずがない
 ぬんじゃの妨害もものの数に入らないやはりナイトが至高のジョブであることが照明されたな」
「一回戦よりはマシだったけど、確かに忍者君はあいかわらず味方殺しだったねー
 皆もうボーナスゲームはハンデなんじゃないかなって笑ってたよ」
こう言われてはブロントも苦笑いするしかない。
一回戦でブロントが相方の忍者の鉄アレイだけでダウンさせられたのはあちこちで語り草になっているのだ。
(もちろん試合の後に野試合と称した制裁で忍者をバラバラに引き裂いたのは言うまでもないが)
二回戦でも対戦相手の西行寺幽々子ごとブロントをボムでふっとばして「ざまぁ(笑)」と言ったりまた鉄アレイだったり
とにかく問題行動の枚挙に暇がない。
試合中にも「お前らタッグしろよ!」などの弾幕が飛んでいるのは分かっていたが、
タッグ戦ではなく1対1対2になってしまうのは主に忍者が原因なのでブロントとしては甚だ不本意なところである。
ブロントの無言を不機嫌ととったのか、パワプロ君があわててごめんね、と頭を下げた。
「気にするな、ちょっと僅かに忍者のタッグスキルの低さに平行していただけパープロ君のせいではにぃ」
「ブロントさんも大変だな」
「その天お前達は良いタッグなだルールを確定的に理解している
 至高のジョブであるナイトが他ジョブを裏やむことはあるえないがまともなタッグは正直素直に羨ましい」
苦りきった顔のブロントを尻目に、パワプロ君がくすくすと笑っている。
試合中ひたすら味方に振り回されている自分がそんなにおかしいか
「そんな事言ってもブロントさん、絶対忍者君を見捨てないよね
 何だかんだ言っても空蝉の術を唱えてる間守ってあげたりしてるでしょう」
「おいィ!?いやそれは忍者は紙だから蝉張り替えないと使えにぃからナイトが前に出るハメなぬるのであって当然…」
「照れない照れない。相方が毎回好き放題してても愛想つかさずに盾やってあげてるんだ、えらいじゃん。
 仲悪いって言われてるけど本気で嫌いじゃないんでしょ」
「【むむむ。】…」
そこら辺を突っ込まれるとブロントは毎度ながら説明に困る。
忍者とタッグで出場、と言われると即「大会主催者バカだろ」と思うし、いざ試合となれば
敵味方問わず鉄アレイor爆破の餌食にする忍者をいっそ先に殺そうかと毎回思う程度には腹に据えかねているのだが、
ついつい毎回引き受けてしまうのが自分でも不思議だった。
それだけではない、タッグでなくとも新たに大会にエントリーして参加者名簿を貰ったら
無意識の内に忍者がいるかどうか確認してしまうクセまでついているのだ。
そしていざ同じ大会に出ていても予選ブロックが違ったら密かにがっかりしている始末。
ブロント自身も流石に忍者を気にしすぎだとは思うのだがどうしようもない。
(掃除機に言うとタッグを組むよりはむしろ対戦してブチのめす方が楽しいnだが・・・)
タッグを組めば(試合中のウザさはともかく)勝ち進む限り同じ試合に出ることができるのだ、頑張らないわけにはいかない。
忍者と一緒の大会に出られる事を実は喜んでいるなどと、自分達を犬猿の仲と思っている周囲にはまず言えない。
もちろん忍者自身にも
と言うか当の忍者に知られるのは一番避けたい事態だ。
バレたらそれこそウザいとかやっぱ忍盾必要なんですね^^;とか散々に言われるのは確定的に明らかなのだ。
「な、ナイトは相方を選ばないからな。早く来てー早く来てーと言われれば大会も出るし相棒が忍者でも文句いわぬぇ」
「でもって試合終わった後は毎回ケンカなんだよね」
「あたりまえだ、俺は不良だからよどちが↑かキッパリさせておかねぇと舐められるのは画面できない」
ブロント自身の手でK.O.して放置しっぱなしの忍者に目をやる。
そろそろレイズをかけてやりたいのだが忍者をけなしている最中に回復を掛けるのはやはり変だろうか
いつまで雑談を続けるのかとそわそわしながらパワプロ君の様子を伺う。
幸いなことに、いつもなら負け惜しみでログがいっぱいになる裏Tellが今は静かだ。まだ忍者は気絶しているのだろう。
ブロントの態度に気がついたのか、パワプロ君が目を細めた。
「ごめん、邪魔しちゃったかな」
「なんのことかな?パープr君はどちかと言うと大歓迎だが」
「そっか、君たちはタイマンにしても素直になるわけないからどの道俺がいてもいなくても同じか」
「…前歯に奥歯が挟まった口の利き方もいい加減にしろよ結局何が言いたい?」
パワプロ君をジト目で睨む。
何となく言わんとしている事は分かる気がするがやはりバレているのだろうか
ブロントが身長と目つきで威嚇するのをものともせず、パワプロ君はにっこりと微笑む。
「好きな子がムキになって反応してくれるのが嬉しいのは分かるけど、
 あまりやりすぎると本当のケンカになっちゃうから気をつけようねって事」
「おいィィイイイイイイイ!!!!???
 ど、どうやって俺がわざわざ忍者とバリスタしたくてタッグ引き受けてるって証拠だよ!
 忍者が気になってそうがないとかログ捏造もいい加減にしろよサル!!」
「素直になるのが難しいのは分かるけど、たまには思ってるこ
「おいやめろ馬鹿!この話題は早くも終了ですねと言うか終了してくだしぁ!!
 どちかと言うと忍者と一緒の大会出たいとかバレると俺のMUGENライフがむしろマッハになって終了すると言っている!!」
思わず小さな体を片手で掴みあげてゆさぶる。
さらにダークパワーで吹っ飛ばすそぶりをみせるとパワプロ君も多少は慌てたようだ。
「ちょ、ちょっと何でブロントさんが取り乱すんだよ!
 俺は忍者君に言ってるつもりだったのに」
「・・・・・・・・・・・・・・hai?」
何言ってる不明
固まるブロントの足元で淡い光が瞬いた。
意識が無いとばかり思っていた忍者が立ち上がる。
そう言えば今日は汚い一撃必殺を撃たなかったからリレイズ効果が残っていたんだなと頭の隅で理解した。
と言う事は
「か、掛けてて良かっ…良かった?リレイズ…」
立ち上がった忍者が実に歯切れ悪くいつものセリフを吐く。
つまり今までの会話は聞こえていたということで
忍者の方が背が低いので、うつむかれるとブロントには表情が全く見えない。
「………」
「…こ、こるは、そのアレだnつまり、…何d」
キッと忍者が上を向いた。
ブロントに…ではなくブロントが掴み上げたパワプロ君に鋭い目を向ける。
気のせいだろうか、心なしか顔が青ざめつつも頬が赤い。器用だな
「てめぇ面白ぇこと言うじゃねぇか誰が誰を好きだって?ああ!?」
「だから忍者君がブロ
「待て待て待て待て待てやっぱり言うな!!言い直すな言わなくていい!!」
忍者が手を伸ばしてパワプロ君の口を塞ぐ。
何だこの取り乱しようは
「おいィ、自分で聞いておいて黙らすとかそれ直接的にハメだろそれで良いのかお前…」
「ブロント…っ、お前、今の…」
ブロントも半ば思考停止のまま当たり障りの無いつっこみをする。
忍者は一瞬固まり、今度はブロントに非常に戸惑った表情で向き直った。
何だこれは、見たこと無い反応だぞ本当に何だこれは
どうも忍者は相当動揺している様子だがそれはブロントも同じだ。
互いに言うべき言葉を捜すようにしばし押し黙る。
先に耐えられなくなったのは忍者だった。
おもむろに踵を返して走り去る。
「逃げた!汚いなさすが忍者きたない」
「そうじゃないでしょブロントさん、追いかけなくちゃ」
「【えっ!?】」
ブロントに片手でぶら下げられたパワプロ君がジタバタと暴れて主張する。
重いし吊るし上げてる意味ももう無いので一旦地面に下ろす。
パワプロ君は今度は自分の足でしっかりと立ってブロントを見上げてきた。
「ほら早く!忍者君は足が速いから追いつけなくなるよ?」
「いや…しかし追いついて何をするかサッパりと分からない不具合が…」
「思った事を素直に言えば良いんだよ。
 大丈夫、忍者君もブロントさんと同じ気持ちだから」
「おいィ、何でそんなことがp−ぷろ君に分かるんディスかねぇ…」
「見てれば分かるよ。大丈夫、僕が保障する」
「…」
なんだか非常に納得がいかないが、とりあえずパワプロ君に促されるままブロントも忍者の後を追った。
パワプロ君の好き云々といった発言の意味は分からないものの、あれほど同様した忍者を放ってはおけない気がする。
とんずらで速度を増し、忍者が逃げていった方向へと走った。


「やれやれ、MUGENは不器用な人が多いねぇ」
ブロントから開放されたパワプロ君は、皺のよったユニフォームをピンと伸ばした。
「ブロントさんも忍者君も、隠す気あるのかってくらいお互いの試合ばっか見てるのに
 はたから見てるとバレバレすぎて微笑ましいよ」
統l劇一回戦の最後の方などあからさまにもほどがあった。
汚すぎる忍者タッグ(飛竜&飛影)と当たったブロントは忍者違いだのなんだの不平を言い、
次の試合に選出された汚い忍者はこれまた一戦早く出てぶちのめしたかったとのたまい、
周囲からお前らそんなに殴りあいがしたいのかとつっこまれていたものだ。
(気がついてない人も多いみたいだけどね?
 単に殴り合いがしたいだけじゃなくて、相手の感心を自分に引きつけたくてしょうがないみたいに見えるよ?)
それでいて本人達は相手にどう攻撃を入れるかで頭がいっぱいで相手の本心に気づいていないのだ。
ちょうど今日はいいタイミングで野試合に行き当たったので少し口をはさんでみたが、
果たしてこの程度であの2人のミスコミュニケーションが解消されるのか。
半ば心配、半ば楽しみな気分でパワプロ君は1人微笑んだ。
「よーし、俺も帰るか!
 ヴァニラ君誘ってアイスクリーム食べに行こう!」





忍者は無駄に足が早いのでそうそう追いつけるとは思っていなかったが、思いのほかあっさりと見つかった。
どうやらレイズ後の衰弱状態がまだ抜けていなかったらしい。
人の少ない非常口の手前で座り込んでヒーリングしている。
「忍者!」
走りよりがてら声を掛ける。
途端にはじかれたように立ち上がり、ブロントと逆方向へ走り出そうとした。
その体がぐらりと傾ぐ。
ギリギリで追いついて腕をひっつかみ、倒れかけた体をひっぱり上げた。
「おいコラ衰弱抜けてない貧弱忍者は大人しくしょがんでろバカ!」
「うおっ!?離せこの脳筋馬鹿力!微・塵・…」
「『シールドバッシュ』」
「いてぇ!」
忍者が自爆をする前に盾でぶん殴る。
「おっと。すまにぃつい無条件反射で」
「殺す気かバカヤロウ!」
「だが忍者もそのヒットしすぎた頭を冷やすべきリレイズ切れたのに微塵する馬鹿はやmえろ」
「うるせぇまだ戦るってんなら来いよ!いくらでも相手してやっから!」
「もう勝負ついてるから。とりあえずおもえは先に回復すべき」
スタン効果で目が回ってるはずなのだが、忍者は思い切り暴れてブロントの腕から逃れようとする。
単に拳を振り回しているなら痛くないのだが、捕まえていない方の手は片手刀を持ったままブン回しているから危なくてしょうがない。
明らかに喉を狙って突き出された青い刃をギリギリで避け、刀を握る手も捕まえる。
両腕を捕まれて大人しくなるかと思いきや、間髪入れずに膝に衝撃が走った。
忍者が多少無理な体勢から蹴りを繰り出し、ご丁寧にも鎧の薄い所を狙ったらしい。
装甲越しとは言え右膝の外側に痺れるような鈍い痛みが走る。
面倒臭い、一旦殺るか
「クソナイト!戦るんじゃねぇならなんで追いかけて来んだよさっさとどっか行け!」
俺に聞くな
なぜわざわざ追いかけて来たのにいつも通りの掴み合いになっているのか、
ブロント自身にもいまいちわけがわからなくなっている。
とりあえず忍者を壁に押付けて動きを封じ、どうしてこうなったのかと思案する。
(「そうじゃないだろブロントさん、追いかけなくちゃ」)
思い出した、パワプロ君に言われたのだ。
追いかけてどうするという意図もなかったが、何となく忍者の様子が気になって追いかけなくてはと思ったのだ。
ともあれいざ追いついて捕まえた忍者はさっきの動揺っぷりはどこへやら、普段と変らず元気にガンを飛ばして来ているのだが。
さらに脛にガスガスと蹴りを入れられている。装甲越しでも衝撃は伝わるのだ。ウザい、殴りたい、前歯ロストしろ
(「思った事を素直に言えば良いんだよ。」)
パワプロ君の言葉がまた思い浮かぶ。
この場合は素直に殴れという事だなよし来たGOサイン来たこれで勝つる
腹を決めてさてどっちの手を放して殴るかと正面に目をやると、ちょうど壁に押さえつけた忍者と真っ向から対面する形になった。
ロビーの野試合の跡だろうか、射竦めるような視線を投げつける顔は口の端が切れてまだ血が滲んだままだ。
手を放すとしたら刀を握っていない方だな 離す → 双方腕フリー → どっちの拳が先に吼えるかのスピード勝負
などと勝手にタイミングを計っていると、忍者がなぜか顔を背けた。
よし絶好のチャンス、殴――
「お前まさかあの野球小僧が言ったこと真に受けてんじゃねぇだろうな」
「?」
拳を固めるため離そうとした腕が思わず止まる。
確かにブロントは今パワプロ君の言葉に従って素直に忍者をボコろうとしているわけだがそれの何が悪い。
全くいつもどおり、むしろパワプロ君の口出しなど関係無いではないかといぶかしむ。
「意味が分からにぃパプロ君は全く正論だがなお前今更ごまかすなよ」
「はぁあああああ!?てっ、てめぇ調子こいてんじゃねぇぞなに分かったふりして…って
 おいまさかマジで分かってたとかふざけんなよ好きとかありえねぇからむしろ逆と言うか殺してぇとりあえず手ぇ離せーー!!」
何の話だ何をテンパっているのか意味不明…
…いや待てよ?

(「好きな子がムキになって反応してくれるのが嬉しいのは分かるけど―」)

……… orz
思い出さなければ良かった
ブロントは心の底から思った。
忍者が必死で否定しているのはおそらくこっちの言葉だ。
パワプロ君が忍者に対して放ったこのセリフが事実であっても恐ろしいが
何より衝撃的なのはブロントがとっさに自分に言われたと勘違いして盛大に焦ってしまったこと。
(つまり、あれか…俺は俺を自分でそうだと思っちぇいるということなのかそーなのかー……)
・・・・・・・初志貫徹ここは忍者を殴るしかないそうに違いない
とりあえずK.O.してこの場を乗り切ろう
ブロントは今度こそ覚悟を決めてずっと掴んでいた忍者の腕を離した。
自由になった手で拳を固める。
思った事を素直に、パワプロ君もそう言っていた。
とにかく忍者を今まさに殴りたい、この行動は間違ってない。多分。
腕を開放された忍者が即座に腰の刀を抜こうとする。
そうは行くか、素手のこちらの方が有利なのだ
刀が鞘から走り出るよりも先に開いた手で忍者の胸倉を引っ掴んで引き寄せる。
素直に、そう素直に思った事を

その瞬間相手がどんな顔をしていたのか、
ブロントは目を瞑っていたので分からない
ただ数秒間だけ触れた感触と微かな血の味が強烈に意識に焼きついた

忍者は抜きかけの刀も忘れて呆然としている。
完全に意表をつかれた様子でぽかんと見上げて来る力の抜けた表情は、
普段の何か企んでいるような汚さも常に張り巡らされている警戒心も影を潜めて別人のようだ。
とは言っても当のブロントも頭真っ白で似たような状態なのだが。
自分が忍者に対して殴る代わりに何をしたのか、信じられない気持ちだった。
確かに心構え的には右ストレートでぶっとばすはずだったのだがどうしてこうなった、どうし(ry
未だに左手で忍者の右腕を壁に押付けたまま硬直して頭をフル稼働させる。
忍者は忍者で呆気にとられている様子だったが、何かの拍子に我に返ったように刀を抜き払った。
まだ固まっているブロントに逆手持ちの秋水の刃が無遠慮に振り上げられる。
「て…『天元突破』ーーーっ!!!」
対空超必がブロントの長身にフルヒットした。
拘束から抜け出すことに成功した忍者が、大ダメージを貰ってよろめくブロントの背後に着地した。
振り向いたその肩が大きく震えている。
怒りかそれとも他の感情か、わずかに頬が赤いのをごまかすように手の甲で乱暴に自らの口を拭った。
「無い!無い無い無いそれは無いわーお前何考えてるんだ一旦死ぬかオイ!
 まじで頭オカシイんじゃねーのかもう一回医務室たたき込むぞ!」
「オウフ…対空ぶっぱ3割とかおもえ絶対忍者だろ…!」
「忍者だよバカヤロウそれ以外の何だと思ってんだ殺すぞむしろ死ね!レベルダウンしろ!
 てゆーか今の何なんだよいきなり何考えてあんな、キ、キ・・・・・うぉおおおおお微・塵
「『シールドバッシュ』」
完全に頭に血が上っている状態の忍者を再度盾で思い切りブン殴る。
発動前に自爆技を潰された忍者が後方へよろめいた。
「まぁ待て今のはおれが前面的に割るかったはずだがともあえず落ち着くべ」
「落ち着けとか言いながらスタンきめてくるヒキョウなナイトがいた!マジありえねぇ!!
 ってか落ち着いてられるか何考えてんだただでさえ低いINTが裏返ってマイナスになったか!?」
スタンで目が回って立てないのか、忍者はしゃがみ込んだまま頭を抱えている。
先ほどのあれを忘れたいのだろう。
ブロントも全く同じ気持ちだ。
「何を考えているかと岩れると何も考えてなかった系としか…
 パプロー君に素直に物を言えと助言英語で言うとアドバイスを貰って従ったらこの結果どうしてこうなった」
「俺が聞きてーよマジでどうしてこうなった!?」
「口で説明するくらいなら手を出すべきだなと理解してメガトンパンチで忍者を骨にしようと思った(リアル話)」
「素直に殴っといてくれた方が100倍マシだった!手の出し方が明らかに違ぇ!!」
「激しく同意」
「同意すな!やったのお前だろ!!」
「【むむむ。】…」
「なにが【むむむ。】だふざくんな!!!」
忍者はまたしても記憶を拭い去るようにぐいぐいと口元を拭っている。
その必死な様子を目にして、なぜだかふいに申し訳ないという気持ちが湧いてきた。
先ほどの接吻はお互い不本意だったわけだが、ブロントは少なくとも嫌だったとは感じていない。
だが忍者は違うのだ。
「すまにぃ」
自然と謝罪の言葉が漏れた。
「俺はよ、思ったことそのままやろうやろうっちぇ考えてたらああなったワケだから
 心のどこかで本当はああしたいとか思う願望があったかも知らん。
 フイダマまがいの舐めたマネして悪かった」
地面にしゃがみこんだまま、忍者がのろのろと顔を上げる。
真顔で謝るブロントに探るような視線が向けられた。
「つまりお前は内心俺とキスしたかったってのか?」
「かもしれん」
「・・・・・・馬鹿じゃねぇの?」
忍者が音も無く立ち上がった。スタンが切れたらしい。
エルヴァーンとヒュームの種族差から来る体格の違いから、互いに立つと忍者の背丈はブロントの肩あたりまでしか無い。
それでもしゃがんでいるときよりはぐっと近くなった顔が眼光鋭く睨んで来る。
「殴るつもりだったっつったな、んじゃそっちはウソか?」
「いんや、少なくとも本気と書いてマジと読む程度には殴る気プンプンだったな」
「じゃあついでにこれ↓、マジか?捏造か?
 『>忍者が気になってそうがないとかログ捏造もいい加減にしろよサル!!』」
「おいィイイイ!!?気絶ふりして保存してた会話ログ貼るとか直接的にサギだろおもえふざくんな!!!」
「いいから答えろ」
忍者の目が細められる。右手にはちゃっかり刀を持って準備万端の構えだ。
ブロントは観念して目を閉じた。
「…マジだろうな、おもえと野試合するのは趣味の域だが他の時でも…むしろほぼ常にみょんに気なるのは否定しにくい」
「なるほどね、つまり」
ぐいとサーコートの襟を掴まれて引かれる気配がする。
前のめりになる感覚に思わず目を開けると、至近距離にくすんだ青い色の瞳が見えた。
先ほどより濃い血の味がするが今度は天元突破を喰らったブロント自身の血だろう。
互いの唇が離れた後、さらに感触を確かめるように上唇を一舐めして顔が離された。
相変わらず忍者の左手は襟首を掴んでいる。
「・・・俺もお前も両方馬鹿だったわけだ」
口の端をわざと吊り上げる皮肉っぽい笑顔を浮かべ、囁くような声で忍者が言う。
ブロントもやっとこの茶番の意味を理解した。
そう言うことか
パワプロ君の観察眼は確かだったというわけだ。
この感情を何と言うのか分からない。
ただブロントの内に存在する、あらゆる手段で相手と繋がりを持ちたい気持ちを忍者も同様に持っていたのだ。
刃を交え拳を叩き込み、あるいはこんな風に直接体を触れ合わせ。
どの手段も同列でも良い、ただただ相手の視線が自分を焼くたび、相手に触れるたびに高揚してやまない。
忍者に触れられた唇から熱が伝わって顔が熱くなるような感覚に襲われた。
「…おもえ味方攻撃で気を引いてるつもりだったとかちょっとそれsYレにならんでしょ」
「うっせーな無差別判定は仕様なんだよ!
 つっても鉄アレイぶつけりゃ後でお前が確実に絡んで来やがるって分かってるからな、自粛する気はねぇぜ?」
「素直に誘いかけて来ればいつでも相手してやるのに試合中に肉体言語で宣戦布告するとは
 汚いなさすが忍者きたない」
「汚いは褒め言葉だ。
 それに口で説明するくらいなら牙をむくのがお前の信条だろ?」
忍者が目を細めて笑う。
ああ、こういうのを扇情的と言うのだろうか
一瞬でも油断すれば喉を切り裂かれそうな刃物の印象の笑み。
反射的に全身の筋肉が緊張して戦闘態勢を取る。
その気配を感じ取ったのか、忍者もまた軽い足取りで距離を取って刀を構えた。
「衰弱は?」
「とっくに抜けた」
「じゃあ遠慮はいらにぃなさっき殴りそこねたから全力でいくぞ」
「けっ、殴るかわりに似たような事したくせによく言うぜ。覚悟しろよブロントぉ?」
互いに得物を抜き払ってラウンドコールを待つ。
ブロントも忍者も、わき目もふらずに相手に夢中で他は目に入らない、そして相手の目を同じように自分に釘付けにしたい。
こうして見詰め合うこの瞬間は筆舌に尽くしがたいほどの快感を生む。
幼稚すぎる独占欲に身を任せる、この何と楽しい事か
大人しく対戦機会を待つ必要もケンカを売って来るようにわざわざ仕向ける必要も無かった、
ただストレートに捕まえて口づけて 来い と囁くだけで良かったのだ。あまりに簡単すぎて笑えて来る。
自分から言い出すのは癪だが相手も同様に求めているならもう見栄を張る必要すら無い。
パワプロ君の助言に感謝しながらも、舌なめずりをしたくなる様な昂ぶりがすぐに思考を目の前の対戦相手へと引き戻す。
黒い長剣を振り下ろしながらブロントは壮絶な笑みを浮かべていた。







「ヴァニラ君、知ってる?キスって相手が自分の好みかどうか味見する手段らしいよ」
「初耳だが…なんだ唐突に」
「なんとなくね。
 ついさっき本当に相手の血の味確かめに行きそうな2人組を見ちゃったもんだから」
「好みって、性格や体の相性の問題ではなくて物理的に食べる意味での好みなのか!?」
「元々はそういう意味だけど、もちろん相性の味見でもあるよ。
 君はどんな味かな」
「!」
「うん、俺の大好きなバニラ味だ」
「!!」

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JeT5IH I truly appreciate this article post.Really looking forward to read more. Really Cool.

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Posted by check it out 2014年02月06日(木) 03:44:54 返信

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