510 :名無しさん@ビンキー:2010/05/08(土) 16:24:11 0
流れ豚切り失礼します。
K'を拾ったソルってのに思わず悶えたので書いてみた
あくまで+止まりです。そしてグダグダ・・・orz

ネスツ一家社宅設定とか結構好き勝手やってるので、そういうのが地雷の人は要注意。



書いている時思った事。
動いて・・・ねぇ、お願いだからせめて何か話してorz










###注意###

・ これは、作者の妄想成分が超多分に含まれた小説です。
・ 捏造設定大量発生。キャラ崩壊も大量発生。
・ 誤字脱字もわんさか発生。用法間違いも発生の可能性が。
・ 乱文注意、読み難かったらごめんなさい!!タダイマカキカタモサクチュウ・・・
・ グッダグダです。終わり方も微妙・・・ウゴカシニクイヨウ・・・orz
・ ソルがK'を拾いました。×では無く+(のはず)
・ 家主イグニス様、取り仕切りゼロ様による、ネスツ社宅設定。みんな仲良いです。


諸々の事に嫌悪感を感じる方はここでお引取りを。それがお互いの為ですので・・・
こんなもんでも読んでやろうという優しい方々は、そのままお進み下さい。


それではどうぞ・・・















「こんなとこなんざいつまでも居られるか!!」
バーンと凄まじい音を立てて、乱暴に扉が開かれる。
そこからづかづかとK'が出て行くと、また大きな音を立てて扉が閉められた。
そして辺りはしんと静まり返る。

その一部始終を耳を塞いで見ていたクーラやマキシマ達が追い駆け様とするが、ゼロによって制止される。
「社会の荒波に揉まれてくるといいだろう。それに、結局此処しか帰る場所は無いはず」
しばらくすれば戻ってくるだろう。お前達も探しに行かなくていいぞ。そう言ってゼロはその場を去った。
そんなゼロの背を無言で見送り、顔を見合わせるクーラとマキシマ。
結局、追い駆け様としたマキシマ達もゼロの圧力に押され、そのままK'を見送る事にした。



「大丈夫かなぁ?」
クーラが心配そうにマキシマに尋ねるのも無理は無い。
K'自身、戦闘以外の事については一人では殆ど立ち回れないからだ。
「心配・・・ではあるのだが」
腕を組み、マキシマは唸る。確かに心配ではある。だがゼロの言う事もまた最もなのだ。
「あいつの成長のためにも、少しは突き放した方がいいのかも知れんな」
自分が傍にいるとついつい手を出してしまう。それでは本人のためにならない事も多い。
「ええ〜、本当にそれでいいの?」
クーラの抗議もまた最も。
大事な仲間が、色々な意味で危険な世間に飛び出して行ったのだ。心配しない訳が無い。
(下手をすれば行き倒れか・・・?いや、それで済めばいいが・・・)
神クラスと呼ばれる、異様な実力者達が跋扈する様な世間。下手に喧嘩を売って、大怪我で済めばいいのだが。
(いやいやそれも良くないだろ・・・だがなぁ・・・)
考えれば考える程心配ではあるが、K'の社会勉強の良い機会であるのもまた事実。
(これもK'の成長のため・・・だけど・・・)
二つの考えに、マキシマは完全に板挟みになった。
それでも、K'の無事だけは何よりも思うのだった。

そんな板挟み状態にうんうんと唸るマキシマを余所に、クーラは飛び出して行ったK'に思いを馳せる。
「K'、あんな調子じゃ絶対しばらく帰って来ないし・・・無事でいるかな」
ただでさえ臍曲がりな性格のK'が意固地になると、相当の事が無い限りまず折れない。
勢いで飛び出して行ったとはいえ、果たしてK'はいつ帰ってくるのやら。
(難儀な性格だよね〜)
もっと素直になれば楽なのにと思いつつ、まあ、そこがK'らしいのだから仕方無いのだけれどとも思う。
(うわ・・・)
何となく素直なK'を想像してみて、凄まじい違和感にクーラは思わず首を振った。
あまりにありえない光景に、笑いを通り越して気持ち悪くなってくる。
「うん、やっぱりいつものK'が一番だね」
先程想像したおかしなK'を追い払いながら、改めてK'の無事をクーラは祈った。



「ふう・・・」
K'が出て行くのを見送り、マキシマ達にも釘を刺してから自室に戻ってきたゼロは、溜め息を吐いていた。
(全く、困った奴だ・・・)
放って置けとは言ったものの、内心では心配で仕方無かった。
どこか落ち着かず、再び溜め息が漏れる。

「そんなに心配なら探しに行ったらどうですか?」
「ああ、お前か・・・」
いつの間にか室内に入り、はい、お茶です、と言いながらテーブルにコップを置いたのはクリザリッドだ。
気遣いに感謝しつつ、目の前に置かれたお茶に早速手を出し、一気に飲み干す。ひんやりとしていて心地よい。
「あんな事言っておいて、本当は心配なんでしょう?K'が」
クリザリッドはそう言って苦笑を交えながら話す。
「当然だ。今となっては我々は、いや、ここに住む者皆が、私にとっては大切な“家族”だ」
「全く、ゼロ様も素直じゃありませんね。」
全くの正論に返す言葉も無い。
そんなゼロの様子に、クリザリッドは呆れ混じりの笑いを漏らす。
「だが、これはあいつの為でもある。時には、厳しく突き放す必要もあるのだよ」
甘えさせるだけが教育の全てでは無い。それは理解している。しているのだが、
「それでも心配で放って置けない。違いますか?」
心の中を見透かすようなクリザリッドの台詞に頷き返す。
「仕方ありませんね」
取り合えず、K'の居所だけは把握しておきますよ。勿論、それ以上は手を出しませんが。
クリザリッドはそんな提案を出した。部下の気遣いが身に染みる。
「ああ、そうしておいてくれ。すまんな」
素直に感謝の意を表明すると、クリザリッドは笑顔で部屋を出て行った。

「全く、こんなに皆に心配を掛けおってからに・・・」
誰も居なくなった部屋で、そう愚痴を零す。
「・・・・・・・・・早く帰って来い」
そして早くそのふてぶてしい面を見せに来いと、心の中で家出したK'に語った。










そんなネスツ家の心配を余所に、現実はクーラ達が危惧していた通りの展開になりつつあった。
あれから数日、どこにも行く宛ての無いK'は各地をふら付いていた。
ろくな食事にもありつけず、腹が減る。雨風を凌ぐ寝床も無い。
だからと言って、あれだけの啖呵を切って来た以上、そうそう簡単には戻れなかった。
一人で十分だと言いつつも、誰かの手助け無くてはろくに生活も出来ない。
思い通りにいかないそんな自分に腹が立った。

「くそ・・・・・・・・・」
悪態をつきながら、路地裏でばったりと倒れる。
虫の居所が悪かったK'は、つい自分よりも実力が上の相手に喧嘩を売ってしまった。
その結果見事に返り討ちに合い、地面に平伏す事になった。
怪我はあまり酷くないが、この所の空腹や疲れで体が全く動かない。
(くそ・・・くそ、くそ、くそ、くそぉぉ・・・!!)
何もかも思い通りに行かない現実に、ただひたすらに、心の中で悪態をつく。
そうしている内に、ぼんやりと意識が遠のいて行く。
(ちくしょう・・・)
最後まで悪態をつくのを、K'はやめなかった。

(―――?何だってんだよ・・・)
完全に意識を失う寸前、自分の近づく誰かの足音が聞こえた。
それが、K'が最後に感じたものだった。



「・・・・・・・・・」
目の前の状況に、ソルは言葉を失った。
そしてその直後に湧いてくるのは面倒くせぇの一言。

街中の雑踏を避け、近道でもある路地裏に入り込んだ。
普段だったら何事も無く通り抜けられる筈の道だったのだが、
「なんで、んなとこに倒れてんだ・・・」
目の前には傷つき倒れている青年。どう見ても厄介事そのものだった。
僅かに胸が上下しているので、生きているのは一目で分かった。
完全に気を失っているのか、自分が近づいても反応は無い。
頭を抱える。厄介事には極力関わり合いたくない。それがソルの性分だった。

見なかった事にし、通り過ぎようとする。
誰がどこで野垂れ死のうが、自分には関係無い。無いのだが、
「・・・・・・・・・」
後ろ髪を引かれる。もやもやと胸の内に苦い何かが込み上げる。
「くそっ・・・面倒くせぇ!」
踵を返し、文句を言いながら倒れている青年を担ぎ上げ、再び自宅へと足を向ける。

面倒くさいのは、倒れている青年をどうしても放って置けない自分。
関わり合いたくないと言いつつ、厄介事に首を突っ込もうとする自分。
(面倒くせぇ・・・面倒くせぇ面倒くせぇ面倒くせぇ・・・!!)
見捨てるより、拾って帰る事の方に納得している甘い自分。

心の中でしこたま文句を吐き捨て、ソルは青年を拾って帰った。
「ったく・・・やれやれだぜ・・・」
ポツリと漏らす。それは自分と青年に向けたものだった。










「うっ・・・」
ゆっくりと意識が浮上する。僅かに開けた視界は未だぼんやりとしており、はっきりはしない。
(ここは・・・?)
それでもここがどこか室内であり、自分が倒れた筈の路地裏では無い事だけは分かった。

そのまましばらくボーっと過ごす。すると、
「よお、目ぇ覚ましたみてぇだな・・・」
「!」
聞き覚えの無い男の声が聞こえてきた。
思わず身構え、電灯のついていない部屋を、聞こえてきた声の方向を頼りに向き直る。
開いた扉の向こうから煌々と光が漏れる。
その光によって、くっきりと浮かび上がって見えるシルエットは、やはりK'の見慣れぬ人影のものだった。
「ったく、そんなに警戒すんじゃねぇよ・・・」
如何にも面倒だと言わんばかりの口調で、警戒を解くように伝える。
しかし、解けと言われて簡単に解けるものでも無い。なにせ相手は知らない人物。
「おい・・・てめぇ・・・」
いい加減にしろ、という続きの言葉は呑み込んだものの、その人物は苛立ちを見せ始めていた。
このまま膠着状態を続ける訳にも行かないので、とにかく誰なのか確認だけはする事にした。
「あんた、何者だ?」
少しの間が空く。
そして手間が掛かる奴だと言わんばかりの雰囲気で、相手が名を明かした。
「・・・ソル。ソル・バッドガイだ」



取り合えず傷の手当てをし、ベッドのある部屋に連れて行って、ベッドの上に放置。
時間的に腹が空く頃だったので、適当に飯でも作るかと思い立った。
そしてそれが終わった頃、人の動く気配がしたんで、ようやくお目覚めかと思い、様子を確認するため隣の部屋の扉を開けた。
こちらの部屋の明かりは消していたので暗いが、扉から漏れる光で姿は確認出来た。
(てめぇは野良猫か何かか・・・)
それがソルの第一印象。
見知らぬ人の気配に警戒心を露にしたその雰囲気は、毛を逆立て、フーフー威嚇する野良猫に見えた。
警戒を解く様に伝えるも、効果無し。若干苛つく。
そもそも、敵意すら出して無いのに此処まで警戒される道理は無い。
そんな風に考えていると、向こうから名前を聞いてきた。
(面倒くせぇ野郎だな・・・)
こいつはまた扱いづらい奴を拾ってしまったと、内心うんざりし始めながら名前を答えた。



「こっちは名乗ったんだ、次はてめぇが名乗る番じゃねぇのか?」
「・・・K'だ」
「K'・・・ね」
お互いに名乗りあい、聞き覚えがあるか確認する。
そしてほぼ同時に思い出す。
「「そういえば、どこかの大会で見たな・・・」」
と。

「・・・」
「・・・」
奇妙なシンクロにどちらも黙る。
互いに愛想が無いせいか、会話が続かない。
そもそも何を話せばいいのかよく分からない。
ただ、お互いの雰囲気からひしひしと感じるものは、
((互いに似た者同士ってことか・・・))
という事だった。

そのまましばらく沈黙が続くかと思われたが、K'から盛大に聞こえる腹の音で、沈黙が続く事は無かった。
「腹減ってるみてぇだな」
「・・・」
取り合えずこっち来て食いやがれというソルの提案に、流石の空腹には勝てなかったK'もそれに乗った。

無言でソルの後に続き、テーブルの前に着く。
K'の目の前には数日振りのまともな食事。喉がなりそうになったが、それだけは止めた。
ただでさえ無様に道に転がっていた所を見られ、拾われまでしたというのに、これ以上恥を晒したくは無い。
「食え」
ドカッと椅子に座り、目の前の料理を指差しながら、ぶっきら棒にそう告げる。
「あんたのじゃ無いのか?」
プライドが邪魔をし、素直に頂きますとは言えないK'は、かなり遠回しな表現で食事を断った。
だがソルは、そんなK'の申し出を鼻で笑い、いいからとっとと食えと言うだけだった。
ソルに促されたK'はようやく席に着く。そして、
(うまい・・・)
目の前の食事に手を付けるのだった。



フーフー威嚇する野良猫みたいなこいつは、名前をK'といった。
どっかで聞いた覚えがあると思ったら、どうやら互いに大会で聞いたらしい。
妙な所でシンクロしたんで、つい黙っちまったが、それから会話は完全に途絶えた。
雰囲気で察してはいたが、こいつはどうやら俺と同じ様な人間らしい。
互いに話にくい空気が出来上がっていったが、盛大な腹の虫が聞こえてきた事で状況は進んだ。
取り合えず、飯を食わす事にした。
やけに渋りやがったが、どうせ下らないプライドが邪魔してんだろうと思ったら案の定だ。
有無を言わさず食えと言ったら、ようやく食べ始めた。

(なんで、こんなの拾ってきちまったんだ・・・)
どこからどう見ても面倒で扱いづらそうなガキだった。
今更ながらも、拾うという選択肢をした自分に内心で愚痴を零す。
しかし今はそんな愚痴よりも、目の前で食事を取っているK'をこれからどうするかの方に頭を痛めていた。
(絶対訳ありだな・・・)
ただの勘。しかし間違っていないだろうという、嫌な自信があった。



「取り合えずは助かった、礼を言う・・・」
黙々と食事を食べていたK'が、食べ終えてすぐにそう言った。
「んで、てめぇはこれからどうすんだ?」
帰るのか?と間髪入れずに質問する。するとK'は、ふいと視線を逸らしながら、
「あんたには関係無い」
と無愛想に答えた。
そんなK'の様子から、帰る場所が無い事を一瞬で悟ったソルは、より頭を痛めながら溜め息を吐いた。
「帰る場所・・・ねぇみてえだな」
その言葉にK'は無言で黙り込む。それはまさに肯定の証だった。

(やっぱり面倒事になりやがったか・・・)
薄々感じていたとはいえ、予想通りの厄介事に、最早呆れすら通り越し始める。
「あんたには世話になったな・・・」
しばらくの沈黙を破り、K'はそう言って出て行こうとする。
「待て」
すぐさまそれに待ったを掛ける。
K'は制止に応え立ち止まって振り向くも、もう用は済んだだろと言わんばかりの顔をこちらに向ける。
「帰る場所もねぇのに何処に行くつもりだ?」
ソルのあまりの正論に、顔を僅かに曇らせる。
「それでも、これ以上世話になる気は毛頭無い」
そう言って踵を返し、再び出て行こうとする。
予想通りの反応に肩を竦めながら、やれやれだぜと思わず零す。
ソルの事を歯牙にも掛けずにK'は出て行こうとしたが、次の言葉に、足がピタリと止まる。

「泊まっていけ」
「なんだって?」
思わず聞き返す。この男は何を言っているんだ?
「だから泊まって行けと言っている。何度も言わせんじゃねぇよ」
正直に言ってしまえばありがたい。けれど、世話になる気も無いのは確かだ。
もう一度自分の意思を告げてみる。
「・・・だから俺は「馬鹿みてぇだろうが」」
今度は、ソルが最後まで言わせなかった。
そしてそのままK'の言葉を奪い、続ける。
「お前がまたどっかで行き倒れでもしてみろ?折角てめぇを助けた俺が馬鹿みてぇだろうが・・・」
俺の行為を無駄にする気か?
そう言っていた。
(それはつまり・・・)
語気こそ荒いものの、それはK'を心配して出てくるものだった。
迷う。このままソルの誘いに応じて泊まってしまってもいいものか。
K'の心中の迷いに気付いているのか、ソルが迷うK'の後押しをした。
「泊まれ。寝床を貸してやる」
「・・・・・・分かった」
結局、その申し出を受ける事にした。

「・・・ったく面倒くせぇガキだな、最初から素直に応じとけ」
その答えにいくらかの満足がいったのか、先程よりは僅かに機嫌のいい声だった。
本来ならここで礼の一つでも言うべきなのだろうが、やはりするりと出てこず、つい悪態をついてしまう。
「悪かったな・・・それとガキって言うんじゃねぇよ」
「それじゃ“坊や”か?」
「ぶっ飛ばすぞ・・・」
皮肉たっぷりの挑発台詞に、思わず乗ってしまう。
しかし、ソルはそんなK'の反応など気にした素振りも見せない。
そんなソルの態度にK'の気勢が削がれ、喧嘩に発展するような事は無かった。
「取り合えず俺が提供するのは寝床だけだ。後は自分で何とかしやがれ」
「ああ、それで十分だ」

そうして、ソルとK'の奇妙な同居生活が始まった。



(くっそ・・・)
同居が始まりしばらく経ったが、あれからソルは宣言通り、全く手を貸す事はしなかった。
同じ家に暮らしながらも、互いに我関せずで手は出さない。
自分の領域に踏み込んで来ないという意味では、K'にとっては理想とも言えるものだったのだが、
(腹減った・・・)
家事すら一人でまともにこなせないK'は、器用にも家の中で行き倒れを起こし掛けていた。
食材は置いておく、あとは勝手に作れ。
という事なのだが、ろくに食べれる物をK'は全く作れなかった。
生の食材でも齧ればよさそうなものだが、何故かそれはしたくなかった。
そんな妙な意地を張らなければいいのは分かっていても、最後に残った一線とも言うべきプライドが邪魔して出来なかった。

今日も適当にぶらついて戻っては来たのだが、空腹に目眩を覚え始める。
(またか・・・)
倒れそうになる時には、必ずテーブルの上に料理が置いてあった。
一言“食え”と書かれた紙が張ってある。
最初はそれを無視し続けたが、結局また空腹には勝てず、ソルの厚意を受ける事にした。

口では面倒だ勝手にしろと言いつつ、ソルはK'の事をよく見ており、必ずギリギリの所で助ける。
そんな事が何度もあり、K'自身、ソルに対する心情の変化が起きているのは自覚していた。
最初は単に、世話なる奴程度にしか思わなかったのだが、徐々にソルに対して信頼を置くようになってきていた。
“何も言わなくても分かってくれる”
K'はソルのそんな所に信頼を置くようになっていた。
マキシマとタイプは全く違うが、ソルもまた面倒見が良かった。
そんな相棒に通ずる所もあって、思うよりも早く絆されていっていた。

(いい加減、言うべきなんだがな・・・)
これまで世話になり、そしてこれからもしばらく世話になるだろうソルに言わなければならない事があった。
だがやはり、面と向かっては言えない。
どうすべきか。そんな事を考えながら、黙々と食事を取っていた。
しばらくし、食事を食べ終えた所でソルが帰って来た。
丁度いいと思って席を立ち、わざとソルの横を通り過ぎる。
そして通り過ぎる瞬間に、小声で一言ソルに告げた。

「いつもすまねぇ、ありがとよ」
これまで一度も言った事の無かった謝罪とお礼だった。
恥ずかしさで居ても立っても居られなかったが、動揺は押し隠し、そしてそのまま何事も無かったかの様に離れた。


「あいつ・・・」
喉の奥で声を殺し、思わず苦笑する。
今の今まで礼なんざ一言も言わなかった奴が、初めて礼を言った。それも謝罪付きで。
随分な心境の変化である。初めとのギャップで思わず笑ってしまった。
初めは単なる厄介事だった筈なんだが、一緒に暮らしてみると、他人との生活もそれなりに悪くないと思った。
慣れというのは恐ろしいと言うべきか。
(何だかんだ言って、俺も甘いねぇ・・・)
放って置くと決めたのだが、やはり気になり、ギリギリの所で手をだす自分はとんだお人好しだ。

(さて、どうなる事やら・・・)
少しづつ変わっている。それは何もK'に限る事では無かった。
ソルも心境もまた変わっている。少しづつ。
まだまだ同居は続きそうなので、これから一体どう変わっていくのやら。

「ったく・・・やれやれだぜ」

それは、誰にも分からない。
















オマケ

K'が出奔してから数日

ゼロ「ところで、あれからK'はどうしているんだ?」
クリザ「ソルという人物の所で寝泊りしているようです」
ゼロ「同居している・・・と?」
クリザ「はい」
ゼロ「もしもの事があってはいかん。その人物をリサーチしろ」
クリザ「現在調べておりますが、何分出身世界が違うので・・・難航しております」
ゼロ「そうか・・・怪しい動向を見せたらすぐさまK'の安全確保を行え。監視を怠るな」
クリザ「了解」
ゼロ(他人と深く関われる様になったというのは喜ぶべき事か・・・いやしかし万が一が・・・)
クリザ(本当に心配性だな・・・)

ゼロ様が見ている

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